えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜

楠ノ木雫

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◇39 END 幸せっていいもんだな

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 俺の向かう先は、ここだ。


「よぉ、久しぶりじゃん。――皇帝」


「っ……」


 そう、俺の実の父親、この戦争を引き起こそうとしている皇帝だ。

 俺がアグスティンに乗って皇帝の前に現れたことで腰を抜かす者、皇帝の前に出て剣や杖を俺に向けてくる者、そそくさと逃げる者が見える。まぁ、こんなもんだろ、普通。

 待ってろ、と肩に乗ってたトロワとバリスをアグスティンの背に残し俺はアグスティンから飛び降りた。


「ルイ……どうしてこんな所に」

「あんたが馬鹿なことをしてるからだよ」

「馬鹿な事、だと? 私は皇帝、国を治める地位にいる者だ。国民が脅かされていれば動くことは当たり前の事だろう」

「いや、脅かされてるのは逆だろ。それは悪魔族の奴らの話だ」

「奴らは以前の大戦争で敗北したことによる報復でこちらを襲う目的があった。それを防がんとしてどうするのだ」

「口では何とでも言えるな」

「話があるのならまずはその龍を召喚解除しなさい。そこからだ」


 さて、どうしたものか。まぁこうなる事は分かってはいた。


「お前にはまだ国を支える皇族としての責任が理解出来ていない。なら、それは父親である私の責任だ」

「は?」

「仕方なかったとはいえ、教育を怠ってしまった私の責任だ」


 そして、懐から何かを取り出した皇帝。それは何か小さい筒状のもので、一部分を押すとそれは分厚い本に変わった。え、魔法か何かか。


「【古代魔法の書】」

「え?」

「〝ドルチェ・ア・ロスト〟」


 皇帝と俺の間に入っていた兵士? が下がり、そしてあろうことか俺の立つ地面に光が浮かんできた。え、なにこれ。


「陛下ッッッ!!」


 そんな声が天井からしたと思ったら、もう遅かったらしい。何か鳥かごのような形をした鉄格子みたいなのが出てきた。あ、これ捕まった?


「なんてものをお使いになられているのですかッ!!」


 あ、さっきのおじいちゃんだ。でもなんでこんなに焦ってるんだ?

 けど、


 ______________

 【魔法無効化】自動発動中

 ______________



 そんな表示が現れて、光っていた光と鉄格子が一瞬にして消え去った。あんれま、なくなっちったぞ。

 今の何だったんだ?


「なッ……!! 初代大賢者が作り上げた最上級第10サークルの史上最高の封印術だぞッ!! これはッ!!」


 え、何それ何それ。やばいやつじゃん。てか魔法無効化最高すぎでしょ。

 てか封印術なんて恐ろしいもん俺に使おうとしてたって事だろ? やば、俺封印されてたらどうなっちゃうわけ?

 長い年月ずっと眠らされちゃう感じ? それとも何かの監獄に一人孤独に長い年月過ごさなきゃいけなくなっちゃう? いや、それ酷すぎでしょ。死んだほうがましだって。死にたくないけど。

 あーほんと助かったよじいちゃんありがとう。


「一応血はつながってる俺にここまでするなんてさ、お前マジでドクズだな。人間失格ってお前の事言うんだな」

「クッ……」


 大目に見てやろうとも思っていたけど、ちょっとカチンときた。だから、こうすることにした。


「【無限倉庫】――No.10 拾いもん」


 
 ______________
 【無限倉庫】
 【No.10 拾いもん】
 ・魔剣
 ・魔族の宝玉
 ・魔王の心臓
 ・魔王の生き血
 ・マーメイドクイーンのティアラ
 ・深海の宝石箱
  etc.
 ______________



 そして、その中から出したもの。それは……


 ______________

 名前:深海の宝石箱
 種類:アイテム
 ランク:SSS
 人魚族の王族全員の鱗が収納されている宝石箱。
 鱗を水に浮かべる事によって呼び出す事が出来る。
 ______________



「……やはりお前が持っていたか」

「どうしてこれが欲しかったか大体分かる。けど、そんな悪用なんてさせない。トロワ」

「あれを奪い返せッ!!」


 そんな皇帝の掛け声で周りの兵士たちが俺にかかってきたけど、俺の家族たちは優秀らしい。全部吹っ飛ばしてしまった。全域バリア使おうと思ってたけどその必要なかったな。


『ねぇルアン、それマジでやるの?』

「いいから。後で飴やる」

『は~い♡』


 単純なやつだな。まぁいいけど。

 箱の中を開くと、確かに鱗みたいなのが入っていた。でも魚のうろこよりも大きいものばかり。そしてその中でもひときわ白く輝く一枚。

 それを取り出し、トロワに水を出現させてもらい飲み込ませた。

 一瞬にして、光りだした。その場が白い光で包まれ、そして引いたころには、何か大きな影が出来ていた。


『童を呼び出したのはどなただ』


 まるでハープのような声。

 トロワの出現させた水の上に、大きな何かが浮かんでいた。足はなく、魚のしっぽのようなものが生えている。そう、人魚だ。

 白く美しい髪をなびかせ、あれは……王笏おうしゃくって言うんだっけ。ちゃんとは知らないけど。白いダイヤモンドみたいな大きな石をはめ込まれたものを握っている。


『童はマーメイドクイーン・メサイア。呼び出したのはお主か』

「あ、どうも」

『……ん? はて、お主、どこかで会った事はなかったか?』


 ん? いや、絶対会ったことないな。じゃあ、もしかして……


「アンリークですか」

『あぁ、いたなそんな奴も』

「その人俺のじいちゃんっす」

『ほぉ、祖父か。だがあの者より少し可愛げがあるな』


 あ、なるほど。理解。


『……それで、童は何故呼ばれたのか。その理由は十分に理解した』


 え、理解した?

 俺何も喋ってないんだけど、と思ったんだけど、さっきまで白かったマーメイドクイーンの目が黒く光っていて、そして彼女を見て尻餅をついていた皇帝を睨みつけていた。


『真実の目よ』

「え?」

『悪人を見分ける目を持っているの、マーメイドクイーンは。これは代々受け継がれるものなのよ』

「へぇ、よく知ってるなトロワ」

『ふふん、これくらいね』


 あ、調子乗ったなこいつ。


『童は今、悲しく思っておる。童の家族がさらわれてしまったからだ。まだ若い女子を3人も。いったい、どこへ行ってしまったのやら……非常に悲しい』

「……」

『ほぉ、童に剣を向けるのか』


 あ、今ひやっときた。これは、もう終わったなあいつ。マーメイドクイーンのあの人が一体どんだけ怖いのか分からないけれど、でも海をあんなに荒らすだけの魔力もあって、しかも人魚族の国を治める女王なんだろ? うわぁ、敵に回しちゃいけない人だ。


『そこの男二人、そしてお主から海の匂いがするのぉ。人魚ならまだしも、何故人間からその匂いがするのか、説明してほしいものだ』


 人間から海の匂い。もしかして、人魚の涙と生き血を飲んだから、なのか?

 そして、勢いよく手を伸ばして……


「グッッ!?」


 皇帝の首を、掴んでいた。地に足はついていない。

 さっきまで皇帝の前に立って剣を向けていた者達は何かの力で薙ぎ払われていて。てか、全然見えなかった。圧倒的だな。


『おい、どこにやった。童の家族を……ッ!!』

「ッヴ……」

『早く言え。言わぬのなら、お主の国を津波で飲み込むぞ。あの子達はまだ海の水がなければ動けぬ。なら、母である童が家族に海の水を与えるのは当然の事であろう。さぁ、どうする』

「グゥ……」

『さぁッ!! 早く選ばぬかッ!!』


 力の入ったその声は、子供を連れてかれた母親の悲しみと怒りが混ざったような感じに聞こえた。そりゃそうだよな、自分の子供を連れてかれて、しかも生き血と涙も取られたんだから。


「帝ッ……こくッ……地下、のッ……牢屋、にッ……」

『その耳は飾り物ではなかったようじゃな。我が子達よ、聞いておったな』


 そう言うと、マーメイドクイーンの両隣に水が地面から湧くように出てきて、その上に人魚が二人現れた。女の子だ。


『直ちに向かいますわ』

『そこの者を借りるぞ。拒めばこの皇帝の首はさらし首にする。よいな』


 命じられた女の子二人は、人魚の生き血を飲んだであろう男をいとも簡単に拘束、腕をがっちり押さえつけて、出現した水たまりに一緒に入っていった。

 え、もしかしてこれってワープとかそういうやつ? あ、水のあるところならどこでも行けるとか? すげぇな、そんな能力あればめちゃくちゃ便利じゃん!


『これで童の家族も戻ってこよう。礼を言うぞ、アンリークの孫よ』

「あ、いえいえ、助けてもらおうと思って呼んだようなもんですし。家族が戻ってくるようでこっちも安心です」

『そうかそうか。そなたはアンリークと似てないのぉ』

「あ、はは……」


 なんか、世間話してないか俺ら。


『……それで、その者はどうする。見たところお主と似ているようだが』

「あ、一応父です」

『そうか、だがお主は童を呼び出したという事は、この者を処罰しようとしていたのではないのか?』

「そっすね、とりあえず一発殴っとこうかと。まぁ馬鹿は殴っても治らないですけど」

『はっはっはっはっ! お主、意外とアンリークに似ておるな!』


 え、そうなの? どこら辺じいちゃんに似てた?

 ほれ、殴るなら今だぞ? と首を持って俺のほうに皇帝を持ってきた。こいつ大丈夫か? 生きてるか? あ、今はそんなに締め付けてないのね。じゃあ、遠慮なくっ!!

 とりあえず吹っ飛ば差ない程度に殴っておいた。優しいやつだ、と笑ってたけどこれ以上本気出すと頭もげるって。


『それで、この者の処罰はどうするつもりだ?』

「え? 俺が決めるんですか?」

『そうに決まっておろう。そもそもお主はこやつの息子ぞ? ならお主が片を付けるのが筋であろう』


 俺が決めていいんだ。でも、俺一応息子だけど皇太子ではない。俺のこの決定が国を傾けちゃう可能性だってある。

 まぁでも、俺が知ったこっちゃないってのもあるけど。


「……まぁ、殺すのは勘弁してもらっていいっすか」

『ほぉ、甘い奴だな。血の繋がった父親、という事か』

「その代わり、こいつ連れてってやってくださいよ。こき使っていいですから」

『なるほど、では童の子供達にしてきた仕打ちをそのまま返してやろう』

「はい、お願いします」


 まぁ、奴隷ってやつだな。どんな扱いをされるのか分からないけど、まぁそれくらいがちょうどいいかもしれないな。


『聞いておらんかったな、お主の名を』

「俺? あぁ、ルアンです」

『そうか、ルアンよ。世話になった、この恩は一生忘れぬ。改めて礼を言いに行こう』


 ではな、と皇帝を連れて水の中に帰って行ってしまった。え、また来るの? まじ?

 じゃあまたあの怖い人に会っちゃうってことだよな。大丈夫かな、俺。

 なんて思っていたその時。


「お待ちしておりましたっっ!! 皇太子殿下っっ!!」

「皇太子殿下っっ!!」


 ……わぁお、マジかよ。

 俺の周りに、さっきまで剣とか向けてきてた奴らが跪いて頭下げてんだけど。

 いや、皇帝がいなくなった途端これかよ。頭おかしいって。


「皇帝陛下がいなくなった今、代理として皇太子殿下が指揮を取るのが打倒と存じます。さぁ、我らにご命令をっっ!!」

「殿下っ!!」

「殿下っ!!」

「……」


 ……いや、俺知らねぇんだけど。何だよそれ、理不尽にも程があるって。勝手すぎだろ。


『どうする、ルアン?』

「……さぁ?」

『いっその事なっちゃえば?』

「いや絶対嫌だって」


 さて、どうしたものか。あ、そうだ。


「……全軍、自国に戻れ。絶対に悪魔族に手を出さない事、立ち向かって来た際には正当防衛とみなし国を守れ」

「はっ!」

「あとは……あんた」

「はっ」

「とりあえずお前が指揮を取れ。そのあと内閣総理大臣を選出し国を治めろ。いいな」

「えっ」

「それは……」

「それ命令だからちゃんと守れよ」

「何故、私なのかお聞きしてもよろしいでしょうか」


 俺が選んだのは、さっきの貫禄おじいちゃん。何で、と言われてもな……


「さぁ、なんとなく」

「……そう、ですか、なんとなくですか。はい、畏まりました。貴方様に忠誠を誓うとともに、その大役、精一杯務めさせていただきます」

「いや、忠誠とかいらないし。あぁあと、俺のことは探さないように。じゃあ俺はこれで!」


 と、アグスティンの背に乗り飛び立った。

 どうしてあのおじいちゃんを選んだのかは、分からないけど……さっき言ったけど、本当に何となく。まぁすぐそこにいたっていうのもあるかもしれないけどね。けど、笑ってたなあのおじいちゃん。何を思ったんだか。まぁ俺には関係ないけどさ。

 なんかアグスティンが言いたそうにしてたけど、それは逃げてからにしようか。


「逃げるが勝ち、ってね」

『こういう時だけ頭が回る所もアンリークに似たな』

「褒め言葉?」

『褒め言葉にしていいのか疑問だな。それで、どこに向かう気だ?』

「エルフお姉さん達にこのこと話さなきゃな」

『え~、またあの女のところに行くの~?』

「飴やるから機嫌直せって」

『むぅ』


 俺に皇太子とか何だとかってのは無理無理。それにそんな柄じゃないし常識すら知らないし。そんなやつがおっかなびっくりやったところで国民が困るだけ。

 なら、よく知ってる奴らでやってもらったほうが断然いい。

 だから、俺は呑気にこのまま異世界ライフを満喫しよう。まぁ結構楽しいしな、この生活。


「なぁ、トロワ、アグスティン、バリス」

『ん?』

『どうした、兄弟よ』

『ルアン?』

「俺、ここに来れて良かったよ。まぁ自分のことも少しだけだけど知れたし、じいちゃんのことも。それに、新しい家族も出来た。俺、幸せだ」

『なぁにしんみりしてるのよ。これからよ、これから』

『そうだよ! まだまだ人生長いんだぞ?』

「あは、お前らに比べたら俺なんて短すぎだけどな」

『寂しいことを言うな』

「ごめんごめん。けど、これからもよろしくな。みんな」

『家族なんだからそんなのいらないわよ~』


 あはは、お前らはブレないな。そんな所も好きだけど。

 さぁ、改めて。俺の新しい異世界ライフ、楽しんでいこう!!


 END.

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