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◇18 殺人鬼呼ばわりされてんぞ
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どこからともなく現れた……え、変人?
なんか、ちゃんと服着てなくない? ズボンは履いてるけど、ほぼ半裸だよな、こいつ。
「あら貴方イケメンじゃな~い♡」
しかも、こいつおかまか。そういうやつか。
けど、目が真っ黒だな。白い所が真っ黒で、黒目が赤くなってるな。
「けど、ここでよく立ってられるわね~。イイ男見つけちゃった♡」
いや、こっちはいい迷惑なんだけど。見た目がイケメンなのは認めるけど。だってイケメン俳優に似せたんだぜ? そりゃそうなるわな。
『ルアン~! 持ってきたぞ~!』
あ、そうだよな、お前はそういうやつだよな、バリス。
なんか嬉しそうにシシスゴマンダー咥えて帰って来たし。可愛い子って言ってたけど、もしかしてこいつか?
「ちょっとちょっと~何てことしてくれちゃってるのよ~♡」
あ、やっぱりこいつか。
じゃあ、こいつが興奮状態だったのはこいつのせいか? あり得るな。
けど一番気になるのは……そこで倒れてるエルフお姉さんだ。きっとこの充満してるこの空気? が原因なんだろうけど……大丈夫か?
「んも~♡ ウチの可愛い子倒しちゃったの? めっ♡」
うげぇ、なんだこいつ。背筋凍ったんだけど。
でも、なぁんか変な感じするんだよね。耳とか生えてないから獣人じゃないし、耳も普通だからエルフでもない。かと言って人間じゃなさそうだし。他の種族は見た事ないけど、どうなんだろう。
「あらぁ♡ 近くで見たらとっても男前じゃない♡」
「えっ」
気付かなかった。てか、こいつ速いな。いきなり近づかれってたけど……油断してたわ。だから慌てて離れたけど……また近づかれたらどうしよう。
「あら、こんな所にメスがいるじゃない。でも、美味しくなさそうね」
待て待て待て、今こいつ、何て言った……?
美味しくなさそうだって?
エルフお姉さんが?
どういう事だよ。
『うげぇ、何でこんな所に悪魔がいるんだよ』
『キモっ!!』
え、バリス、今悪魔っつったか?
アイツが、悪魔?
「何~? このメス、貴方の? 貴方趣味悪いわね~♡ ねぇ、私にしない?」
「え、そっちの方が気色悪いんだけど」
あ、やばい、本音出ちった。
「……やだぁ~、もしかしてこのメスに洗脳でもされたの? じゃあ私が目を覚まさせてあ・げ・る♡」
う、げぇ……
「おにーさん、美味しそうだし♡ だから捕まえてじっくりゆっくり味わってあげるわ♡」
え、やっぱり俺ら食おうとしてる……?
あ、また近づかれた。全域バリアかけたけど……あれ?
「……」
「??」
ぴたり、と停止したおかま。それから恐怖を感じた様な顔をし始めたおかま。え、何々何があったんだよ。
「待ってよ、何で……何で……」
え?
「アンタから……あの忌々しい殺人鬼の匂いがするのよ……!!」
と、自ら後退していった。
忌々しい、殺人鬼? 俺からそんな匂いがするのか?
くんくんしてみたけど……まぁしないか。自分の匂いってよく分からないしな。
「アンタ、獣人のはずよね……でもどうして……もしかして変身魔法? でもあの男から感じた忌々しいオーラは感じられない……」
変身魔法、見破られてるんだけど。マジか。匂いで見破られたって事だよな。じゃあ何か考えないといけない訳だけど……どうしたものか。
でも、忌々しい殺人鬼か……
「あの……我らが君主、魔王様を殺したあの殺人鬼!!」
あ……はい、なるほどなるほど。それだけでその相手分かっちゃうっていうね。
じいちゃん、殺人鬼って言われてるぞ。いいのか、これ?
でも、我らが君主って事は……こいつ悪魔か何かか?
「……まぁでも、持ち帰ればいいだけよ。見たところ、あの虫と害獣を連れてるみたいじゃない。それだけの魔力を持ち合わせてるんですもの、思い違いだったとしても美味しくいただけるわ」
と、とんでもない事を言いつつ……背中から羽根を生やしていた。あと、頭に角か。ぐるっと捻られていかにも悪魔ですよって言ってるようなもんだ。
うげぇ、何か俺の子と食事にしか考えてないぞこいつ。
『ねーねールアン~、こいつ食っていい?』
「腹壊すからやめとけ」
『ね~あのクズ目障り~! ねぇルアン~私やってもいい?』
「いんや、俺やる」
『え?』
「……俺の家族も虫だの害獣だのって言われて黙ってられないし」
なんかカチンときた。こいつ、頭おかしいんじゃないか? まぁ他の種族の奴ら食っちまうんだからそりゃそうか。
しかも、じいちゃんが討伐した魔王の手下みたいだったし、こいつは倒しておいた方がいいって事か。まぁ出来るかどうかは分からないけど、倒さないと俺食べられちゃうみたいだしな。
と、考えていたらいきなりこっちは突っ込んできた。さっきみたいなものより速い。羽根が生えたからか。
けど、とりあえず……
「……一発っ!!」
「グッッ!?」
踏み込んで、そしてこっちに来た奴の頬を一発殴りこんだ。
滅茶苦茶力を入れて。ハンマーでも良かったんだけど、でもそれだと気が済まないから最初に一発自分で殴った。
これでどこまでいけるかなって思ったけど、ふっ飛ばしてたみたいでこの洞窟の壁にめり込んでいだ。
「ウ”っグゥ……」
「マジかよ、お前弱いな」
「……ア、ハハァ……第三種族の……この私を、地面に……」
「いや、お前が弱いだけだろ」
「け、ど……」
奴は、口を大きく開けた。そこから、何かが溢れ出てきた。何かのガスか何かか? 俺の方に吹きかけてきて、これやばいやつ? と思い口と鼻を塞いだけど……
「喰種の毒ガス、どう? くらくらしてきたんじゃない? 獣人は鼻がいいから、普通の人間よりも吸い込む量が多い分早く回るでしょ」
と、立ち上がりこっちに余裕そうに歩いてきた。だが……
「いやお前何言ってんの?」
「え?」
今度は、腹を力強く蹴り飛ばした。何かムカついたから思いっきり。また壁にめり込んだけど。
『やっちゃえ~ルアン~!』
『いいぞいいぞ~!』
なんか歓声いただいちゃったんだけど。けどさっきの毒ガス、食らっても何もない。俺のステータスのどれが発動したんだ? 自分でももう何が何だかよく分かってないんだけど。この毒ガス、魔法なのか? そしたら魔法無効化?
「まぁでもそれはあとで考えるとして……お前気色悪いからもう終わりな」
______________
アイテム:大工用ハンマー
ランク:C
大工が使用する木製のハンマーです。
木製品の組み立てや、のみなどの打ち込みの際に使用されます。
______________
無限倉庫【No.5 ガラクタ】に入ってたハンマーだ。スコップもここに入ってた。
何でこんなものが入っていたのか謎だけど、俺のあのチート過ぎるステータスならこれでも大丈夫だろ。あの聖神ハンマーだとどこまで吹っ飛ぶか分からないしな。
「せぇ……のっ!!」
そんな掛け声で、壁にめり込んでいた奴目がけてハンマーを打ち込んだ。
「グゥゥッッ」
頭が壁にめり込んだ。まぁこれで再起不能にはなったろ。
『ルアンダメよ~、これだけじゃ』
『回復しちまうぞ~?』
「え、マジ?」
『マジマジ、アンリークの無限倉庫から神器見つけて刺しちゃえ!』
え、そんなのあったか? 武器って事は【ゴミ】の中って事か?
「あ、あった」
出してみたら、小剣? みたいなのが出てきた。へぇ、これか。なんか金色に光ってる。デザイン的に俺好みじゃないな。
これ、刺せばいいのか。さっきの毒ガスがあったから倒れてるお姉さんが心配だし、早く終わらせよう。そう思い、思いっきり刺した。
「ア”……ア”ァァ”ァァ”ァア”ァァァ”ア”ァァ”ァァア”ァッァァ!!」
刺さった辺りからどんどん黒に変色して……塵になって消えていった。
「マ……オウ、サマ、ノォ……フッカツ、ヲ……」
そんな不気味な一言を残して。
……え、これでいいの?
こんなんでよかったの?
なんかここの部屋の空気軽くなったし。
「俺、アイツ殺しちゃってよかったんだよな?」
『え、いいに決まってんじゃん。あんな気色悪いやつ野放しにしてたら他の奴ら食べられちゃうわよ?』
「あ、うん、ならいいけど」
あっそうだお姉さん!!
お姉さんの所に慌てて近寄り、そして仰向けに。あ、顔が青白い。
「えぇと……【治癒魔法】?」
あ、出来た。お姉さんの身体青白く光った。
さっきの戦闘でかすり傷とか出来てたけど、治ってるから成功だよな、これ。
「ンっ……」
「あ、気が付きました?」
お姉さんの綺麗な緑色の瞳が見えた。よかった、生きてた。
「えぇと……私……」
あ、そういえば俺ハンマーでシシスゴマンダーふっ飛ばしちゃったんだった。これ、どうやって説明したらいいんだろ。
でも、トロワ達がやりましたって言っても……いける? いけるか?
じゃあ、あのおかまはどうする? 倒れてたからアイツの存在知らないよな? なら話さなくていい感じ?
「シシスゴマンダー、俺の精霊が倒したんですよ」
「……」
「貴方がシシスゴマンダーの体力を削ってくださったので、俺の精霊が留めさせたんです」
「……」
……これ、もしかして気付かれてる?
俺がやったって、ハンマーでふっ飛ばしたって。
マジでやばい感じ?
けどエルフお姉さんは、疑いの目を向けてはいたけれど、諦めたかのような顔で笑いながら溜息をついていて。
「君、スコップよりハンマーの方が似合うよ」
「あ、はは……」
こりゃ完全にバレてるな。
どうしよう。でもだからと言って俺がユウ・オクムラだという事はバレないはずだ。アグスティンが見つからなければな。
「君がギルドに入らない理由、何となく分かった気がするよ」
「え?」
「面倒な事苦手そうだもん、君」
あははー、そうっすね。そういうのは勘弁してほしいわ。まぁもう既に面倒ごとに巻き込まれ中なんだけどさ。
とりあえず、ここに来た目的である薬草を採取し、洞窟を後にしたのだ。
「魔王様の、復活ねぇ……」
「ん? 何か言った?」
「あ、何でもないですよ。早く行きましょ」
「うん」
______________
名前:魔王の心臓
種類:悪魔族
ランク:SSS
悪魔族の王【魔王】の心臓。
飲み込む事で魔王の取得していた能力全てを手に入れる事が出来る。
【霊薬】をかける事によって肉体再生を起こし魔王を復活させることが出来る。
______________
これ、探してたとか、ないよな……
まぁ、無限倉庫を開けるのは俺だけだ。たぶん。だから、この不気味なもんと霊薬を取り出すことができるのは俺だけ。俺がその気にならない限り復活とかなんだとかってことはないはず。まぁ他の方法とかあるかもしれないけどさ。
あーこわっ。今更だけど寒気がしてきたわ。
なんか、ちゃんと服着てなくない? ズボンは履いてるけど、ほぼ半裸だよな、こいつ。
「あら貴方イケメンじゃな~い♡」
しかも、こいつおかまか。そういうやつか。
けど、目が真っ黒だな。白い所が真っ黒で、黒目が赤くなってるな。
「けど、ここでよく立ってられるわね~。イイ男見つけちゃった♡」
いや、こっちはいい迷惑なんだけど。見た目がイケメンなのは認めるけど。だってイケメン俳優に似せたんだぜ? そりゃそうなるわな。
『ルアン~! 持ってきたぞ~!』
あ、そうだよな、お前はそういうやつだよな、バリス。
なんか嬉しそうにシシスゴマンダー咥えて帰って来たし。可愛い子って言ってたけど、もしかしてこいつか?
「ちょっとちょっと~何てことしてくれちゃってるのよ~♡」
あ、やっぱりこいつか。
じゃあ、こいつが興奮状態だったのはこいつのせいか? あり得るな。
けど一番気になるのは……そこで倒れてるエルフお姉さんだ。きっとこの充満してるこの空気? が原因なんだろうけど……大丈夫か?
「んも~♡ ウチの可愛い子倒しちゃったの? めっ♡」
うげぇ、なんだこいつ。背筋凍ったんだけど。
でも、なぁんか変な感じするんだよね。耳とか生えてないから獣人じゃないし、耳も普通だからエルフでもない。かと言って人間じゃなさそうだし。他の種族は見た事ないけど、どうなんだろう。
「あらぁ♡ 近くで見たらとっても男前じゃない♡」
「えっ」
気付かなかった。てか、こいつ速いな。いきなり近づかれってたけど……油断してたわ。だから慌てて離れたけど……また近づかれたらどうしよう。
「あら、こんな所にメスがいるじゃない。でも、美味しくなさそうね」
待て待て待て、今こいつ、何て言った……?
美味しくなさそうだって?
エルフお姉さんが?
どういう事だよ。
『うげぇ、何でこんな所に悪魔がいるんだよ』
『キモっ!!』
え、バリス、今悪魔っつったか?
アイツが、悪魔?
「何~? このメス、貴方の? 貴方趣味悪いわね~♡ ねぇ、私にしない?」
「え、そっちの方が気色悪いんだけど」
あ、やばい、本音出ちった。
「……やだぁ~、もしかしてこのメスに洗脳でもされたの? じゃあ私が目を覚まさせてあ・げ・る♡」
う、げぇ……
「おにーさん、美味しそうだし♡ だから捕まえてじっくりゆっくり味わってあげるわ♡」
え、やっぱり俺ら食おうとしてる……?
あ、また近づかれた。全域バリアかけたけど……あれ?
「……」
「??」
ぴたり、と停止したおかま。それから恐怖を感じた様な顔をし始めたおかま。え、何々何があったんだよ。
「待ってよ、何で……何で……」
え?
「アンタから……あの忌々しい殺人鬼の匂いがするのよ……!!」
と、自ら後退していった。
忌々しい、殺人鬼? 俺からそんな匂いがするのか?
くんくんしてみたけど……まぁしないか。自分の匂いってよく分からないしな。
「アンタ、獣人のはずよね……でもどうして……もしかして変身魔法? でもあの男から感じた忌々しいオーラは感じられない……」
変身魔法、見破られてるんだけど。マジか。匂いで見破られたって事だよな。じゃあ何か考えないといけない訳だけど……どうしたものか。
でも、忌々しい殺人鬼か……
「あの……我らが君主、魔王様を殺したあの殺人鬼!!」
あ……はい、なるほどなるほど。それだけでその相手分かっちゃうっていうね。
じいちゃん、殺人鬼って言われてるぞ。いいのか、これ?
でも、我らが君主って事は……こいつ悪魔か何かか?
「……まぁでも、持ち帰ればいいだけよ。見たところ、あの虫と害獣を連れてるみたいじゃない。それだけの魔力を持ち合わせてるんですもの、思い違いだったとしても美味しくいただけるわ」
と、とんでもない事を言いつつ……背中から羽根を生やしていた。あと、頭に角か。ぐるっと捻られていかにも悪魔ですよって言ってるようなもんだ。
うげぇ、何か俺の子と食事にしか考えてないぞこいつ。
『ねーねールアン~、こいつ食っていい?』
「腹壊すからやめとけ」
『ね~あのクズ目障り~! ねぇルアン~私やってもいい?』
「いんや、俺やる」
『え?』
「……俺の家族も虫だの害獣だのって言われて黙ってられないし」
なんかカチンときた。こいつ、頭おかしいんじゃないか? まぁ他の種族の奴ら食っちまうんだからそりゃそうか。
しかも、じいちゃんが討伐した魔王の手下みたいだったし、こいつは倒しておいた方がいいって事か。まぁ出来るかどうかは分からないけど、倒さないと俺食べられちゃうみたいだしな。
と、考えていたらいきなりこっちは突っ込んできた。さっきみたいなものより速い。羽根が生えたからか。
けど、とりあえず……
「……一発っ!!」
「グッッ!?」
踏み込んで、そしてこっちに来た奴の頬を一発殴りこんだ。
滅茶苦茶力を入れて。ハンマーでも良かったんだけど、でもそれだと気が済まないから最初に一発自分で殴った。
これでどこまでいけるかなって思ったけど、ふっ飛ばしてたみたいでこの洞窟の壁にめり込んでいだ。
「ウ”っグゥ……」
「マジかよ、お前弱いな」
「……ア、ハハァ……第三種族の……この私を、地面に……」
「いや、お前が弱いだけだろ」
「け、ど……」
奴は、口を大きく開けた。そこから、何かが溢れ出てきた。何かのガスか何かか? 俺の方に吹きかけてきて、これやばいやつ? と思い口と鼻を塞いだけど……
「喰種の毒ガス、どう? くらくらしてきたんじゃない? 獣人は鼻がいいから、普通の人間よりも吸い込む量が多い分早く回るでしょ」
と、立ち上がりこっちに余裕そうに歩いてきた。だが……
「いやお前何言ってんの?」
「え?」
今度は、腹を力強く蹴り飛ばした。何かムカついたから思いっきり。また壁にめり込んだけど。
『やっちゃえ~ルアン~!』
『いいぞいいぞ~!』
なんか歓声いただいちゃったんだけど。けどさっきの毒ガス、食らっても何もない。俺のステータスのどれが発動したんだ? 自分でももう何が何だかよく分かってないんだけど。この毒ガス、魔法なのか? そしたら魔法無効化?
「まぁでもそれはあとで考えるとして……お前気色悪いからもう終わりな」
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アイテム:大工用ハンマー
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大工が使用する木製のハンマーです。
木製品の組み立てや、のみなどの打ち込みの際に使用されます。
______________
無限倉庫【No.5 ガラクタ】に入ってたハンマーだ。スコップもここに入ってた。
何でこんなものが入っていたのか謎だけど、俺のあのチート過ぎるステータスならこれでも大丈夫だろ。あの聖神ハンマーだとどこまで吹っ飛ぶか分からないしな。
「せぇ……のっ!!」
そんな掛け声で、壁にめり込んでいた奴目がけてハンマーを打ち込んだ。
「グゥゥッッ」
頭が壁にめり込んだ。まぁこれで再起不能にはなったろ。
『ルアンダメよ~、これだけじゃ』
『回復しちまうぞ~?』
「え、マジ?」
『マジマジ、アンリークの無限倉庫から神器見つけて刺しちゃえ!』
え、そんなのあったか? 武器って事は【ゴミ】の中って事か?
「あ、あった」
出してみたら、小剣? みたいなのが出てきた。へぇ、これか。なんか金色に光ってる。デザイン的に俺好みじゃないな。
これ、刺せばいいのか。さっきの毒ガスがあったから倒れてるお姉さんが心配だし、早く終わらせよう。そう思い、思いっきり刺した。
「ア”……ア”ァァ”ァァ”ァア”ァァァ”ア”ァァ”ァァア”ァッァァ!!」
刺さった辺りからどんどん黒に変色して……塵になって消えていった。
「マ……オウ、サマ、ノォ……フッカツ、ヲ……」
そんな不気味な一言を残して。
……え、これでいいの?
こんなんでよかったの?
なんかここの部屋の空気軽くなったし。
「俺、アイツ殺しちゃってよかったんだよな?」
『え、いいに決まってんじゃん。あんな気色悪いやつ野放しにしてたら他の奴ら食べられちゃうわよ?』
「あ、うん、ならいいけど」
あっそうだお姉さん!!
お姉さんの所に慌てて近寄り、そして仰向けに。あ、顔が青白い。
「えぇと……【治癒魔法】?」
あ、出来た。お姉さんの身体青白く光った。
さっきの戦闘でかすり傷とか出来てたけど、治ってるから成功だよな、これ。
「ンっ……」
「あ、気が付きました?」
お姉さんの綺麗な緑色の瞳が見えた。よかった、生きてた。
「えぇと……私……」
あ、そういえば俺ハンマーでシシスゴマンダーふっ飛ばしちゃったんだった。これ、どうやって説明したらいいんだろ。
でも、トロワ達がやりましたって言っても……いける? いけるか?
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「……」
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「……」
……これ、もしかして気付かれてる?
俺がやったって、ハンマーでふっ飛ばしたって。
マジでやばい感じ?
けどエルフお姉さんは、疑いの目を向けてはいたけれど、諦めたかのような顔で笑いながら溜息をついていて。
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「あ、はは……」
こりゃ完全にバレてるな。
どうしよう。でもだからと言って俺がユウ・オクムラだという事はバレないはずだ。アグスティンが見つからなければな。
「君がギルドに入らない理由、何となく分かった気がするよ」
「え?」
「面倒な事苦手そうだもん、君」
あははー、そうっすね。そういうのは勘弁してほしいわ。まぁもう既に面倒ごとに巻き込まれ中なんだけどさ。
とりあえず、ここに来た目的である薬草を採取し、洞窟を後にしたのだ。
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「ん? 何か言った?」
「あ、何でもないですよ。早く行きましょ」
「うん」
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名前:魔王の心臓
種類:悪魔族
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飲み込む事で魔王の取得していた能力全てを手に入れる事が出来る。
【霊薬】をかける事によって肉体再生を起こし魔王を復活させることが出来る。
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これ、探してたとか、ないよな……
まぁ、無限倉庫を開けるのは俺だけだ。たぶん。だから、この不気味なもんと霊薬を取り出すことができるのは俺だけ。俺がその気にならない限り復活とかなんだとかってことはないはず。まぁ他の方法とかあるかもしれないけどさ。
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暇野無学
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死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
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