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最終章 故郷
◇24 一体ここはどこだ
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熱い。
だけど、寒い。
体が重くて、だるい。
やばいな、ベッドから起き上がれない。
これはもしかしなくても……
「……」
風邪、ひいた?
あー、頭ガンガンする。結構痛い。
カーテンのすきまから陽が差してるから、きっと朝。起きなきゃいけないんだけど、こりゃ無理だな。
いつもは、そんなに朝早くは起きないんだけど……でも、ちょっとこれ無理。
そんな所で、力尽きた。
あー気持ち悪い、しかも頭が回ってよく分からない。
けど、この音だけは聞こえた。
コンコンッ。
この部屋ドアをノックする音だ。
え、誰が? えぇと、誰だっけ、えぇと、あ、そうだ、ヴィンス、だ。
声が、聞こえる、でも待って、この部屋にはあの扉が……
開けない方が、返事しない方が、いや、でも、ど、したら……
「ヴィ……ン……ス……」
ふかふかで暖かく私を包んでくれる……布団? とっても気持ちがいい。
枕も、いつもと高さが違って、ふわふわ。
磯の香りは、しない。何とも嗅いだことのない香りがする。
すごく体が熱いんだけど、でもおでこはひんやり。
「……ここ、どこ」
「ナオ!」
「おぉ、よかった!!」
「誰かっ、お水を持ってきて!」
聞き覚えのある声の他に、聞いたことのない声がいくつか。
……いや、本当にここどこよ、あんたら誰だよ。
なされるがままに、診察されお水を飲まされ服を着替えさせられた。よく分からないこの状況、だけど私の頭がいつも以上にお仕事をしていないので全く理解が出来ない。
「ナオ、覚えてるか」
「……へ?」
あ、ヴィンスがいた。聞き覚えのある声はヴィンスだったのか。てか、ヴィンス以外誰がいるんだよ。
「びっくりしたか、こんなところにいて」
「あ、うん」
ヴィンスの話では、私は船で高熱を出して船長が一番近いこの国に入国してくれたらしい。入国してすぐ副船長のヴィンスがこの国の人に声をかけてお医者さんを呼んでもらったのだとか。
ここは港を管理している貴族様の屋敷らしい。
じゃあ、またあの設定ってことね。でも私これじゃあ女の子だよね。あ、生存者設定? まぁいいや。
ヴィンスの声が聞こえて、ノックのする音が聞こえて、どうしたらいいか分からなくてそのまま力尽きたんだっけ。
じゃあ、ヴィンスが私を見つけてくれてこの国に寄ってくれたって事?
「熱が高すぎるのは心配ですが、まずは水と薬を飲んで睡眠を十分に取りましょう。それからです」
「ありがとうございます、先生」
「いえいえ、患者を診るのが私の仕事ですから」
薬を出されたけど、うわぁこれ液体じゃん。しかも緑。家にある風邪薬飲んだ方がいいのでは……? でも、私今取りに行けないし、ヴィンスにも頼めないし。
これは、覚悟を決めないといけないな。よし、いけ。
と、一気に喉に流し込んだ。
……とりあえず、良薬口に苦しとはこの事を言うらしい。
すぐさまお水をもらって、ベッドの中に入った。
「大丈夫か、苦しくないか」
「あ、うん、大丈夫」
「そっか」
すごく心配そうな顔、してる。ヴィンス。なんか、ごめんなさい。
「ほら、さっさと寝な。みんな待ってるから、早く元気な顔見せてやれ」
とは言っても、みんなとはシャロンの事だろう。シャロン君は船でお留守番かな。ごめんね、シャロン君。
まだ頭痛いな、熱いな、けど、瞼も重たい。薬の効果なのだろうか、すごいな異世界の薬って。特効薬的な?
とりあえず、眠いので目を閉じた。
おやすみ、って誰かさんが頭を撫でてくれたような、なかったような。
このお屋敷に住む男爵家の方々は本当によくしてくださった。
「ナオさん、お加減いかがですか」
「あ、はい、大丈夫です」
「それはよかった、ですがまだお熱が下がらないみたいですし、安静にしていましょう」
奥様らしい方が全然熱が下がらない私を看病してくれて、迷惑だなんて思わないでって微笑んでくれた。
この屋敷のメイドさん達もニコニコしてて。歓迎されてるらしい。
でも不思議。前に寄った国でもそうだったけど、私のような黒髪に黒い瞳の人が一人もいない。ヴィンスは青髪に金色っぽい瞳だし、周りの人達もカラフルな容姿だ。
まぁ、外国に来たんだからこんなもんだろ。
「ヴィ……ふ、副船長は、どちらに?」
「副船長殿は、今旦那様とお話をされていると思います」
「そ、ですか」
一体どんな話をしているのだろう。気になる。
けど、まずは風邪を治さないと。そこからじゃないと始まらない。
け、ど……なぁんか、おかしいんだよなぁ。
いや、疑ってるわけじゃないし、私はお医者さんなわけでもない。
でも、なんか自分の体がおかしいような、そんな気がする。
んー、どうなんだろう。
とりあえず、眠たいから寝よ。
だけど、寒い。
体が重くて、だるい。
やばいな、ベッドから起き上がれない。
これはもしかしなくても……
「……」
風邪、ひいた?
あー、頭ガンガンする。結構痛い。
カーテンのすきまから陽が差してるから、きっと朝。起きなきゃいけないんだけど、こりゃ無理だな。
いつもは、そんなに朝早くは起きないんだけど……でも、ちょっとこれ無理。
そんな所で、力尽きた。
あー気持ち悪い、しかも頭が回ってよく分からない。
けど、この音だけは聞こえた。
コンコンッ。
この部屋ドアをノックする音だ。
え、誰が? えぇと、誰だっけ、えぇと、あ、そうだ、ヴィンス、だ。
声が、聞こえる、でも待って、この部屋にはあの扉が……
開けない方が、返事しない方が、いや、でも、ど、したら……
「ヴィ……ン……ス……」
ふかふかで暖かく私を包んでくれる……布団? とっても気持ちがいい。
枕も、いつもと高さが違って、ふわふわ。
磯の香りは、しない。何とも嗅いだことのない香りがする。
すごく体が熱いんだけど、でもおでこはひんやり。
「……ここ、どこ」
「ナオ!」
「おぉ、よかった!!」
「誰かっ、お水を持ってきて!」
聞き覚えのある声の他に、聞いたことのない声がいくつか。
……いや、本当にここどこよ、あんたら誰だよ。
なされるがままに、診察されお水を飲まされ服を着替えさせられた。よく分からないこの状況、だけど私の頭がいつも以上にお仕事をしていないので全く理解が出来ない。
「ナオ、覚えてるか」
「……へ?」
あ、ヴィンスがいた。聞き覚えのある声はヴィンスだったのか。てか、ヴィンス以外誰がいるんだよ。
「びっくりしたか、こんなところにいて」
「あ、うん」
ヴィンスの話では、私は船で高熱を出して船長が一番近いこの国に入国してくれたらしい。入国してすぐ副船長のヴィンスがこの国の人に声をかけてお医者さんを呼んでもらったのだとか。
ここは港を管理している貴族様の屋敷らしい。
じゃあ、またあの設定ってことね。でも私これじゃあ女の子だよね。あ、生存者設定? まぁいいや。
ヴィンスの声が聞こえて、ノックのする音が聞こえて、どうしたらいいか分からなくてそのまま力尽きたんだっけ。
じゃあ、ヴィンスが私を見つけてくれてこの国に寄ってくれたって事?
「熱が高すぎるのは心配ですが、まずは水と薬を飲んで睡眠を十分に取りましょう。それからです」
「ありがとうございます、先生」
「いえいえ、患者を診るのが私の仕事ですから」
薬を出されたけど、うわぁこれ液体じゃん。しかも緑。家にある風邪薬飲んだ方がいいのでは……? でも、私今取りに行けないし、ヴィンスにも頼めないし。
これは、覚悟を決めないといけないな。よし、いけ。
と、一気に喉に流し込んだ。
……とりあえず、良薬口に苦しとはこの事を言うらしい。
すぐさまお水をもらって、ベッドの中に入った。
「大丈夫か、苦しくないか」
「あ、うん、大丈夫」
「そっか」
すごく心配そうな顔、してる。ヴィンス。なんか、ごめんなさい。
「ほら、さっさと寝な。みんな待ってるから、早く元気な顔見せてやれ」
とは言っても、みんなとはシャロンの事だろう。シャロン君は船でお留守番かな。ごめんね、シャロン君。
まだ頭痛いな、熱いな、けど、瞼も重たい。薬の効果なのだろうか、すごいな異世界の薬って。特効薬的な?
とりあえず、眠いので目を閉じた。
おやすみ、って誰かさんが頭を撫でてくれたような、なかったような。
このお屋敷に住む男爵家の方々は本当によくしてくださった。
「ナオさん、お加減いかがですか」
「あ、はい、大丈夫です」
「それはよかった、ですがまだお熱が下がらないみたいですし、安静にしていましょう」
奥様らしい方が全然熱が下がらない私を看病してくれて、迷惑だなんて思わないでって微笑んでくれた。
この屋敷のメイドさん達もニコニコしてて。歓迎されてるらしい。
でも不思議。前に寄った国でもそうだったけど、私のような黒髪に黒い瞳の人が一人もいない。ヴィンスは青髪に金色っぽい瞳だし、周りの人達もカラフルな容姿だ。
まぁ、外国に来たんだからこんなもんだろ。
「ヴィ……ふ、副船長は、どちらに?」
「副船長殿は、今旦那様とお話をされていると思います」
「そ、ですか」
一体どんな話をしているのだろう。気になる。
けど、まずは風邪を治さないと。そこからじゃないと始まらない。
け、ど……なぁんか、おかしいんだよなぁ。
いや、疑ってるわけじゃないし、私はお医者さんなわけでもない。
でも、なんか自分の体がおかしいような、そんな気がする。
んー、どうなんだろう。
とりあえず、眠たいから寝よ。
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