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第四章 幻想的で怖すぎる深海
◇20 なんかすごいものを見つけてしまった。
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私は、見つけてしまった。
「なに、これ」
______________
アイテム:魔法の樽
液体を入れるための樽。
少量の液体を入れ3日間冷蔵保存すると、液体が増えます。
量は無限大、賞味期限なし。
雑菌などの心配なし。
ただし、要冷蔵。
______________
小さな樽が、あった。冷暗所に行ったら、両手くらいの、冷蔵庫に入るサイズの樽が。樽を横にして支える足がついてて、蛇口が付いてる。え、なにこれ。こんなの見た事ないんだけど。
とりあえず、ヴィンスを呼んだ。
「なんだよこれ、まさかの無限シリーズか」
「醤油! 醤油入れたい!」
「はいはい。それで? それが3つか」
「うん」
「とりあえず、賞味期限が短いものを入れるか」
「はいっ! はいっ! ビール! ビールも入れたいですっ!」
「アホか。じゃあ牛乳と生クリームはどうすんだよ。これから夏が来るんだぞ。アイス、作りたくないのか」
「う”っ……」
「で、よく使う醤油で3つ。丁度いいだろ。後でもう一つ見つかったらビールって事にすれば」
「……」
「コーヒーで我慢しろ」
「はぁい……」
という事で、ヴィンスに言われた通り、醤油、牛乳、生クリームという事になりました。
「これ、上にある蓋から注ぐ感じ?」
「あ、取れた」
冷蔵庫にあった醤油、今回買ってきた牛乳と生クリームをそれぞれ入れて冷蔵庫に大人しく入ってもらいました。
たったこれだけで本当に無限に醤油とかが手に入るのかは全く分からないけど、まぁ3日後まで待つことにしよう。
まぁ今までもこの船の魔法道具達は奇跡(?)を起こしてきたのだから上手くいくとは思うけれど。
「じゃあ、残ったのでアイス作る?」
「今から?」
「だって賞味期限ってものがあるし。口開けちゃったら早く食べなきゃでしょ」
「じゃあ手伝う」
「味見を?」
「そっちも」
あはは、味見もちゃんとやるんだ。まぁでも味見も大切だよね。
じゃあ作りますよ~!
「卵黄だけなのか」
「うん、卵白は使わないよ」
卵の殻で、卵黄を右に左にと行ったり来たりして卵白を下にあるボウルに落とし、隣に準備していたボウルに卵黄を。いっぱい作るから結構卵を割る事になるんだけど、これがもう緊張するのよね。卵黄われちゃったらどうしようってドキドキ。
「すごいな」
「話しかけないで、今めっちゃ集中してるから」
「あはは、じゃあ俺もやる」
「割っちゃったらこの後のごはん卵かけご飯ね」
「やってやろうじゃん」
はい、結果。お昼ご飯はTKGではなくパスタになりました~、トマトのね。
手先が器用すぎてこっちはびっくりだよ。羨ましい。あ、因みに私も割らなかったけどね。
「でも、そろそろパスタもなくなっちゃうんだよね」
「作れないのか」
「作れるっちゃ作れるけど、麺じゃないやつになっちゃう」
「麺じゃないやつ?」
「ちょうちょの形とか、これくらいの筒状のやつとか、あとらせん状になってるやつとか」
「へぇ、面白いな。今度やってみよ」
「うん」
実は、もう米が底をつきそうになっている。一応お米は育ててるんだけどさすがにちょっとずつしか出来ないし。だから主食がパンのみになってしまう。
だから、パスタもいっぱい作れるようにしなきゃ。冷凍って出来るのかな? 後で調べてみよう。
バニラアイスも完成したし、ヴィンスも絶賛してくれたしでもう真夏はいつ来てもいいぞって時。
「お」
「わぁ」
ぐるぐる回り出した自動防衛システムのバリア外の景色。というか、私達が回ってるんだけどさ。
さては、魔獣さんが海の中をかき混ぜているのかな。
周りに魚みたいなのとか、泡みたいなものがぐるぐるしていて。
「おぉ……!」
「出たな」
一気に、海上に上がれたのだ。おぉ、ずっと海底だったから太陽がまぶしいな。
でも、久しぶりの日差しが結構気持ちいい。海の匂いも、海上の風も。まぁずっと海底でバリアの中にいたからな。
けど……
「……クソあちぃな」
「アイス、食べます? ごはん中だけど」
「食後のデザートだな」
もうちょっと海底にいたかった気もしなくもない。凄く涼しかったし。けど、海上に上がれるかどうか分からなかったから、安心ではある。
まぁでも、せっかく沢山作ったアイスを美味しく食べられるから、いっか。
「で、これは何かなナオちゃん」
「あっ……」
思いっきり、隣のヴィンスの腕にしがみついていました。いや、だってグルグル回るから。
「いや、あれだけグルグル回ってたら揺れるだろうなって思うじゃん」
「いつでも大歓迎だけどな」
「いや知らんし」
なんて言いつつ、ぎゅ~っと抱きしめてきたヴィンス。だから暑いんだって。
「なに、これ」
______________
アイテム:魔法の樽
液体を入れるための樽。
少量の液体を入れ3日間冷蔵保存すると、液体が増えます。
量は無限大、賞味期限なし。
雑菌などの心配なし。
ただし、要冷蔵。
______________
小さな樽が、あった。冷暗所に行ったら、両手くらいの、冷蔵庫に入るサイズの樽が。樽を横にして支える足がついてて、蛇口が付いてる。え、なにこれ。こんなの見た事ないんだけど。
とりあえず、ヴィンスを呼んだ。
「なんだよこれ、まさかの無限シリーズか」
「醤油! 醤油入れたい!」
「はいはい。それで? それが3つか」
「うん」
「とりあえず、賞味期限が短いものを入れるか」
「はいっ! はいっ! ビール! ビールも入れたいですっ!」
「アホか。じゃあ牛乳と生クリームはどうすんだよ。これから夏が来るんだぞ。アイス、作りたくないのか」
「う”っ……」
「で、よく使う醤油で3つ。丁度いいだろ。後でもう一つ見つかったらビールって事にすれば」
「……」
「コーヒーで我慢しろ」
「はぁい……」
という事で、ヴィンスに言われた通り、醤油、牛乳、生クリームという事になりました。
「これ、上にある蓋から注ぐ感じ?」
「あ、取れた」
冷蔵庫にあった醤油、今回買ってきた牛乳と生クリームをそれぞれ入れて冷蔵庫に大人しく入ってもらいました。
たったこれだけで本当に無限に醤油とかが手に入るのかは全く分からないけど、まぁ3日後まで待つことにしよう。
まぁ今までもこの船の魔法道具達は奇跡(?)を起こしてきたのだから上手くいくとは思うけれど。
「じゃあ、残ったのでアイス作る?」
「今から?」
「だって賞味期限ってものがあるし。口開けちゃったら早く食べなきゃでしょ」
「じゃあ手伝う」
「味見を?」
「そっちも」
あはは、味見もちゃんとやるんだ。まぁでも味見も大切だよね。
じゃあ作りますよ~!
「卵黄だけなのか」
「うん、卵白は使わないよ」
卵の殻で、卵黄を右に左にと行ったり来たりして卵白を下にあるボウルに落とし、隣に準備していたボウルに卵黄を。いっぱい作るから結構卵を割る事になるんだけど、これがもう緊張するのよね。卵黄われちゃったらどうしようってドキドキ。
「すごいな」
「話しかけないで、今めっちゃ集中してるから」
「あはは、じゃあ俺もやる」
「割っちゃったらこの後のごはん卵かけご飯ね」
「やってやろうじゃん」
はい、結果。お昼ご飯はTKGではなくパスタになりました~、トマトのね。
手先が器用すぎてこっちはびっくりだよ。羨ましい。あ、因みに私も割らなかったけどね。
「でも、そろそろパスタもなくなっちゃうんだよね」
「作れないのか」
「作れるっちゃ作れるけど、麺じゃないやつになっちゃう」
「麺じゃないやつ?」
「ちょうちょの形とか、これくらいの筒状のやつとか、あとらせん状になってるやつとか」
「へぇ、面白いな。今度やってみよ」
「うん」
実は、もう米が底をつきそうになっている。一応お米は育ててるんだけどさすがにちょっとずつしか出来ないし。だから主食がパンのみになってしまう。
だから、パスタもいっぱい作れるようにしなきゃ。冷凍って出来るのかな? 後で調べてみよう。
バニラアイスも完成したし、ヴィンスも絶賛してくれたしでもう真夏はいつ来てもいいぞって時。
「お」
「わぁ」
ぐるぐる回り出した自動防衛システムのバリア外の景色。というか、私達が回ってるんだけどさ。
さては、魔獣さんが海の中をかき混ぜているのかな。
周りに魚みたいなのとか、泡みたいなものがぐるぐるしていて。
「おぉ……!」
「出たな」
一気に、海上に上がれたのだ。おぉ、ずっと海底だったから太陽がまぶしいな。
でも、久しぶりの日差しが結構気持ちいい。海の匂いも、海上の風も。まぁずっと海底でバリアの中にいたからな。
けど……
「……クソあちぃな」
「アイス、食べます? ごはん中だけど」
「食後のデザートだな」
もうちょっと海底にいたかった気もしなくもない。凄く涼しかったし。けど、海上に上がれるかどうか分からなかったから、安心ではある。
まぁでも、せっかく沢山作ったアイスを美味しく食べられるから、いっか。
「で、これは何かなナオちゃん」
「あっ……」
思いっきり、隣のヴィンスの腕にしがみついていました。いや、だってグルグル回るから。
「いや、あれだけグルグル回ってたら揺れるだろうなって思うじゃん」
「いつでも大歓迎だけどな」
「いや知らんし」
なんて言いつつ、ぎゅ~っと抱きしめてきたヴィンス。だから暑いんだって。
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