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第二章 なんてものを釣り上げてしまったんだ
◇5 色々と危険!
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晴れて新しくこの船のクルーが増えた。だからすぐに船の案内をしようと思ったんだけど……いや、服ボロボロだし海水まみれでわかめとかくっついてたし。だからまずはお風呂よね。
「ここがお風呂ね。と言っても大浴場みたいなもんなんですけど」
「広いな」
「のんびり出来るでしょ? こっちは男風呂、私が入る女風呂は隣にあるので、こっちは自由に使ってください」
「いいのか、そんなに」
「燃料とか、水とかは魔法道具で無限だから問題ありません! だからどーぞ!」
そう、船橋で色々調べたらこの船動かしてるエンジンみたいなものは魔法道具らしくて。しかも無限大。どこからエネルギーを蓄えてるのかは分からないけれど、それは後でゆっくり調べてみよう。
これがシャワー、これがシャンプーで……と説明していくけれど、どれもこれも知らないものらしくて、ずっとびっくりしている様子だった。それで……と次を説明しようとしていた次の瞬間。
「うわっ!?」
「おいっ!!」
つるん、と足元が滑って。あ、やばい転ぶ。……って思ってたのに、あれ、痛くない。
「あ、ありがと、ございます……」
ヴィンスに支えてもらってしまった。腹に、ヴィンスの手が回ってる……
「怪我はないか」
「いえ」
ならいい、と離してくれた。まじでビビった。
「それと、敬語はいらない。君は船長で、俺はクルーだろ」
「あ、うん……」
イケメンにため口とか、いいのか?
……いや、ちょっと待て。
この船、私とヴィンスだけだよね。これは、あれか。男女二人同じ屋根(?)の下ってやつ。いやいや、でもそれに入るのか? 確かにヴィンスの顔好みだけどさ。
「どうした」
「え、あ、いえ、じゃあどうぞごゆっくり!!」
そう一言言い残しその場を後にした。いや、逃げた。……私、何でバカなこと考えてるんだろ。それより向こう側の私の部屋に行かなきゃ。ヴィンスの服とバスタオル取ってこなきゃ。
男物は一応ある。亡くなったお父さんの服がそのままあるんだよね。お母さんのも残ってる。手が付けられずそのままになってるって感じ。
部屋から持ってきて、滅茶苦茶大きな声で脱衣所に入ってこないで!! って言ってからタオルと服を置いて離脱した。いや、そりゃダメだって。無理無理無理無理。事故っちゃダメでしょ、ここ。
とりあえず、危険行為はしないよう気を付けよう。細心の注意を払って生活しよう。
「さて、お昼ご飯か」
部屋とか用意しなきゃいけないけれど、私ご飯食べてないし。てか、お昼ご飯の為にお魚獲ろうとしたら人引き上げちゃったわけだし。さ、そうと決まれば魚だ魚!
……また人引き上げたくはないな。また命の危険に晒されたくはない。
「それは?」
……後ろから声をかけないでほしいんですけど。イケメンさんよ。あぁ、ヴィンスか。
「温まった?」
「あぁ、いい湯だった」
それはようござんした。
「今日のお昼ご飯です」
「何か出来る事は」
うん、イケメンさんはやる事もイケメンね。眩しいわ。
「今日は魚の塩焼きにしようと思うんだけど、大丈夫?」
「えっ」
……あれ、魚食べられなかった? といっても肉とかないんだけど。野菜しかないんだけど。あ、冷凍庫にあったか。お肉。加工食品だけど。ロースとんかつ。
「……塩が、あるのか……?」
「え? うん、手作り」
「てづっ……!?」
もしかして、塩ってあまり食べてない?
「一緒に作ってみる? あとで」
「あ、いや、大事な技術を教えてもらうのは……どうかと、思うのだが……」
「もしかして、塩って貴重な調味料だったりする?」
「当たり前だろ、他の調味料の比じゃない」
へぇ、そんな簡単に作れちゃうのに、貴重だなんて。なんかもったいない気もするんだけど。だって材料は周りにこんなに沢山あるのに。海水をただぐるぐる回して煮詰めるだけなのに。
「じゃあ、いっぱい食べよっか!」
「え、あ、いや、俺は、置いてもらってる身なんだし……」
「そんな遠慮しないで、いっぱいあるから大丈夫! あ、食べすぎ注意だけど」
「え”っ!?」
地球だとスーパーで簡単に買えちゃうから、こっちの人達と感覚が違うってことか。だから何というか、不思議な感じがするな。
ヴィンスがお風呂に入っていた時に獲った魚の下処理も完了。そして塩が登場! ヴィンスは目をキラキラさせていたけれど……
「これが、塩……?」
あれ、ちょっと違った? 異世界とこちらの食べ物って、ちょっと違う感じ?
でも、味見させたら味は大体一緒だという。見た目の違い? と思い聞いてみると、こちらでは塩は白ではなくピンク色をしてるらしい。
「もしかして、岩から取ってる?」
「え? 塩ってそうじゃないのか?」
当たり前だろ? そんな顔をされてしまった。あーなるほど、そっちは〝岩塩〟なのね。となると、この普通の塩は食べられてないって事?
「これ、海から作った塩なの」
「……は?」
確かに海水はしょっぱいけど、理解出来てないようで。もう一度塩を舐めてうんうん考え込んでる。見てて面白い。
作り方を教えてあげたいけど、またさっきみたいに断られちゃうかも。
私が作ったお昼ご飯、魚の塩焼きは、とっても美味しそうに食べてくれた。というか、目を輝かせていた。私、料理人でも何でもないただの社会人なんだけどなぁ。ま、でも美味しく食べてくれるならそれでいっか。
「ここがお風呂ね。と言っても大浴場みたいなもんなんですけど」
「広いな」
「のんびり出来るでしょ? こっちは男風呂、私が入る女風呂は隣にあるので、こっちは自由に使ってください」
「いいのか、そんなに」
「燃料とか、水とかは魔法道具で無限だから問題ありません! だからどーぞ!」
そう、船橋で色々調べたらこの船動かしてるエンジンみたいなものは魔法道具らしくて。しかも無限大。どこからエネルギーを蓄えてるのかは分からないけれど、それは後でゆっくり調べてみよう。
これがシャワー、これがシャンプーで……と説明していくけれど、どれもこれも知らないものらしくて、ずっとびっくりしている様子だった。それで……と次を説明しようとしていた次の瞬間。
「うわっ!?」
「おいっ!!」
つるん、と足元が滑って。あ、やばい転ぶ。……って思ってたのに、あれ、痛くない。
「あ、ありがと、ございます……」
ヴィンスに支えてもらってしまった。腹に、ヴィンスの手が回ってる……
「怪我はないか」
「いえ」
ならいい、と離してくれた。まじでビビった。
「それと、敬語はいらない。君は船長で、俺はクルーだろ」
「あ、うん……」
イケメンにため口とか、いいのか?
……いや、ちょっと待て。
この船、私とヴィンスだけだよね。これは、あれか。男女二人同じ屋根(?)の下ってやつ。いやいや、でもそれに入るのか? 確かにヴィンスの顔好みだけどさ。
「どうした」
「え、あ、いえ、じゃあどうぞごゆっくり!!」
そう一言言い残しその場を後にした。いや、逃げた。……私、何でバカなこと考えてるんだろ。それより向こう側の私の部屋に行かなきゃ。ヴィンスの服とバスタオル取ってこなきゃ。
男物は一応ある。亡くなったお父さんの服がそのままあるんだよね。お母さんのも残ってる。手が付けられずそのままになってるって感じ。
部屋から持ってきて、滅茶苦茶大きな声で脱衣所に入ってこないで!! って言ってからタオルと服を置いて離脱した。いや、そりゃダメだって。無理無理無理無理。事故っちゃダメでしょ、ここ。
とりあえず、危険行為はしないよう気を付けよう。細心の注意を払って生活しよう。
「さて、お昼ご飯か」
部屋とか用意しなきゃいけないけれど、私ご飯食べてないし。てか、お昼ご飯の為にお魚獲ろうとしたら人引き上げちゃったわけだし。さ、そうと決まれば魚だ魚!
……また人引き上げたくはないな。また命の危険に晒されたくはない。
「それは?」
……後ろから声をかけないでほしいんですけど。イケメンさんよ。あぁ、ヴィンスか。
「温まった?」
「あぁ、いい湯だった」
それはようござんした。
「今日のお昼ご飯です」
「何か出来る事は」
うん、イケメンさんはやる事もイケメンね。眩しいわ。
「今日は魚の塩焼きにしようと思うんだけど、大丈夫?」
「えっ」
……あれ、魚食べられなかった? といっても肉とかないんだけど。野菜しかないんだけど。あ、冷凍庫にあったか。お肉。加工食品だけど。ロースとんかつ。
「……塩が、あるのか……?」
「え? うん、手作り」
「てづっ……!?」
もしかして、塩ってあまり食べてない?
「一緒に作ってみる? あとで」
「あ、いや、大事な技術を教えてもらうのは……どうかと、思うのだが……」
「もしかして、塩って貴重な調味料だったりする?」
「当たり前だろ、他の調味料の比じゃない」
へぇ、そんな簡単に作れちゃうのに、貴重だなんて。なんかもったいない気もするんだけど。だって材料は周りにこんなに沢山あるのに。海水をただぐるぐる回して煮詰めるだけなのに。
「じゃあ、いっぱい食べよっか!」
「え、あ、いや、俺は、置いてもらってる身なんだし……」
「そんな遠慮しないで、いっぱいあるから大丈夫! あ、食べすぎ注意だけど」
「え”っ!?」
地球だとスーパーで簡単に買えちゃうから、こっちの人達と感覚が違うってことか。だから何というか、不思議な感じがするな。
ヴィンスがお風呂に入っていた時に獲った魚の下処理も完了。そして塩が登場! ヴィンスは目をキラキラさせていたけれど……
「これが、塩……?」
あれ、ちょっと違った? 異世界とこちらの食べ物って、ちょっと違う感じ?
でも、味見させたら味は大体一緒だという。見た目の違い? と思い聞いてみると、こちらでは塩は白ではなくピンク色をしてるらしい。
「もしかして、岩から取ってる?」
「え? 塩ってそうじゃないのか?」
当たり前だろ? そんな顔をされてしまった。あーなるほど、そっちは〝岩塩〟なのね。となると、この普通の塩は食べられてないって事?
「これ、海から作った塩なの」
「……は?」
確かに海水はしょっぱいけど、理解出来てないようで。もう一度塩を舐めてうんうん考え込んでる。見てて面白い。
作り方を教えてあげたいけど、またさっきみたいに断られちゃうかも。
私が作ったお昼ご飯、魚の塩焼きは、とっても美味しそうに食べてくれた。というか、目を輝かせていた。私、料理人でも何でもないただの社会人なんだけどなぁ。ま、でも美味しく食べてくれるならそれでいっか。
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