おかあさんのにおい

可憐

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1話

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 今日も、お母さんがお仕事から帰ってきました。
 私は、おかえりなさいと言いながら抱きつきました。
 
 そしたら、いつものように、お母さんから病院のにおいがしました。
 
 ずっと気にはしてました。
 なんでいつもいつもお母さんから病院のにおいがするのかと。
 気にになって仕方なかった私は、お母さんに聞きました。
 
「お母さん、なんでいつも病院のにおいがするの? どこか悪いの?」
 
「どこも悪くないよ……ごめんね、臭くて」
 
 そう言ってお母さん、お風呂へと行ってしまいました。
 
 お風呂から出てきたお母さんのにおいは、石鹸のいいにおいがしました。
 
 私は、また、抱きつきました。
 
 もう病院のにおいはしなくて石鹸のいいにおいでした。
 
「臭いのとれた?」
 
 お母さんが私にそういいました。
 
「うん、でもね……病院は嫌いだけど……お母さんなら平気」
 
「ありがとう」
 
 とお母さんが言って微笑みながら私の頭を撫でました。
 
 私、病院は嫌い……だから病院のにおいも嫌い……けどお母さんからする病院のにおいは平気。
 でもなんでお母さんから病院のにおいがするのか気になってお父さんに聞いてみた。
 
「お母さんは、病院に入院している患者さんをケアしたりお医者さんの手伝いをしたりしているんだよ、そうゆう仕事をしてる人のことは看護師って言うんだ」
「そうなんだ! お母さんって凄いね!」
 
 皆のお母さんのにおいは、どんなにおい?
 
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