1 / 1
1章
見知らぬ男
しおりを挟む
(オイオイ、ウソだろ!?)
ノア•ラーションは、今までで一番後悔していた。
(ホテルの一室…… 隣で寝る男…… 俺、なにした)
これまでに、幾度となく知らない男と一晩過ごしてきた。
しかしながら、これほどまでに見知らぬ男と寝るに至った記憶がないことはあっただろうか。
そんな動揺とは裏腹に、隣で眠る男はやたら綺麗な寝顔で、すうすう夢の中のようだ。
反射的に、その男と距離を置きたくて飛び起きようとしたが、そいつを起こしてしまうことの方が危険と感じ、しばし隣で相手の顔をボーっと眺める。
年は20歳後半だろうか、30歳くらいだろうか……
(つやつやとした黒髪に、長いまつげ。鼻筋は通っていて、薄い唇で。 経験上、こんな男はウマいんだよな)
数多の女性たちにとって、お持ち帰りされてラッキー! と思うような、男なのは間違いない。
幾度となく、素性もしれない男と、その場の勢いで寝てきたのにも関わらず、今回ばかりは動悸が収まらない。
(そして、今は何時だ……?)
よく見ると、カーテンの隙間から柔らかい日差しが漏れて きている。
そんなこと思いながら、目を凝らして時計を眺めると、すでにお昼時である11時を回っていた。
(やっべ。デザイン事務所に行かなきゃ。こんなことしてる場合じゃねー!)
ノアは、ゆっくりと上体を起こし、ベッドから這い出る。
できるだけ音を出さないように、ゆっくりとした動作で、昨夜脱ぎ散らかした服に着替え始める。
めったに着ない紺のジャケットに袖を通しながら、ベッドで眠るその男を、振り返って眺める。
(一夜の過ちってやつに慣れっこだと思ってたのに、ひっさしぶりだな、こんな感情…… )
こんなことになったのは、昨夜のレセプションパーティーに遡る。
ノア•ラーションは、今までで一番後悔していた。
(ホテルの一室…… 隣で寝る男…… 俺、なにした)
これまでに、幾度となく知らない男と一晩過ごしてきた。
しかしながら、これほどまでに見知らぬ男と寝るに至った記憶がないことはあっただろうか。
そんな動揺とは裏腹に、隣で眠る男はやたら綺麗な寝顔で、すうすう夢の中のようだ。
反射的に、その男と距離を置きたくて飛び起きようとしたが、そいつを起こしてしまうことの方が危険と感じ、しばし隣で相手の顔をボーっと眺める。
年は20歳後半だろうか、30歳くらいだろうか……
(つやつやとした黒髪に、長いまつげ。鼻筋は通っていて、薄い唇で。 経験上、こんな男はウマいんだよな)
数多の女性たちにとって、お持ち帰りされてラッキー! と思うような、男なのは間違いない。
幾度となく、素性もしれない男と、その場の勢いで寝てきたのにも関わらず、今回ばかりは動悸が収まらない。
(そして、今は何時だ……?)
よく見ると、カーテンの隙間から柔らかい日差しが漏れて きている。
そんなこと思いながら、目を凝らして時計を眺めると、すでにお昼時である11時を回っていた。
(やっべ。デザイン事務所に行かなきゃ。こんなことしてる場合じゃねー!)
ノアは、ゆっくりと上体を起こし、ベッドから這い出る。
できるだけ音を出さないように、ゆっくりとした動作で、昨夜脱ぎ散らかした服に着替え始める。
めったに着ない紺のジャケットに袖を通しながら、ベッドで眠るその男を、振り返って眺める。
(一夜の過ちってやつに慣れっこだと思ってたのに、ひっさしぶりだな、こんな感情…… )
こんなことになったのは、昨夜のレセプションパーティーに遡る。
0
お気に入りに追加
6
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?
雪 いつき
BL
仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。
「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」
通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。
異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。
どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?
更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!
異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる―――
※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる