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第61話

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「何を考えている?」


 土方の声によって、どこか遠くにやっていた意識が呼び戻される。

 見上げれば鬼の形相の土方が慧を見下ろしていた。

「い、いえ……、なにもっ……ふぅんっ」


 離されていた沖田の手が再び慧の欲望を包んだ。せっかく、下がった熱がまた上がり始める。

 沖田の愛撫によって泣かされている慧を見て、土方はため息をついた。

 慧は、さっきからどこか上の空だ。屯所を抜け出した理由を聞き出そうとしても、一向に吐かない。


 一体、何があったのだろうか……。



 慧の姿が見えなくなって、町中に捜索をかけた。そして、その時丁度遠方から返ってきた沖田に事情を問い詰められた。


 素直に事情を話すと、沖田は憤っていた。


「だから、首の縄を外すなと言ったのに」


 そう言葉を吐き捨てて、去っていった沖田が数時間後、慧を引きずって戻ってきた。

 数日一緒に過ごし、心が通じ合ったと思っていた。しかし、慧が近藤に好意を寄せていることに気づき、土方は距離を置いた。


 隣で、近藤と話す慧の表情を見ると、どうすればいいのか分からなくなった。


 照れくさそうに微笑むその顔を、自分以外には向けてほしくない。

 近藤に、「逢引きの最中」だなんて虚勢を張った時、土方はようやく、自分が慧に対して持っている感情を理解した。

 自分は慧という、一人の男を好いているのだと。

 しかし、そうなると厄介だった。

 結局、自分が好意を寄せている相手は、自分を見ていない。


 そう思うと、なんだかもどかしく、同時に腹立たしくもあった。


 今までの様に普通に接すればいいのに、気づけば素っ気ない態度ばかり取ってしまう。


 そして、慧は屯所から姿を消した。

 今までの慧に対する行動を踏みにじられた気分だった。飯を持って行ってあげたのも、風呂に一緒に入ったのも、すべて。

 そして今、慧は沖田によって捕えられ、ひどい仕打ちを受けている。

 目元は涙で濡れ、それが余計に沖田を煽り、先ほどから慧は責められっぱなしだ。

 土方は黙ってその様子を眺めていた。





 



                                ◇◇◇◇◇



    結局、射精は許されず、沖田の指は慧の秘穴へと移動していく。


「相変わらずですね、あなたのココ」

 ぐちゅぐちゅという水音をわざとらしく立てながら、沖田は中を犯していく。

 慧を煽るように、沖田は微笑んだ。


 恥ずかしくなった慧は沖田から視線をずらす。


 自分だって、好きでこんな体質になっているわけじゃない。他人にからかわれるのはすごく嫌だった。



「ああっ!」


 慧の中にあるしこりを、沖田の長い指がもみほぐす。

「まるで女の様にいやらしく濡れている」

 いじらしく慧の中をかき回し、鼻で笑う沖田に慧が噛みついた。
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