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第41話
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沖田の指が、慧のひと際盛り上がっている場所を擦る。
その刺激は慧を狂わせていく。何も考えられなくなって、ただ内側から上がってくる快感に喘ぐだけ。沖田もそれを知っているから、そこをわざと擦り上げてくる。
「いやだっ、いやだっ」
逃げ出そうとする慧の腰を押さえつけ、沖田は追い打ちをかける。腰をぐっと引き寄せられ沖田の指で暫く翻弄されたのち、慧は本日二度目の絶頂を味わった。
こうなると、流れはもう決まっている。沖田は自らの欲望を慧の前にさらした。その、自分よりも倍太いものを目にしてしまうと、もう、抵抗する気力もなくなってくる。
「入れますね」
沖田の声が聞こえた後、ゆっくりと中が圧迫されていく。それでも、良いところを擦られれば、声は上がるわけで。
自分がとてつもなく情けない。こんな場所で醜態をさらしている自分が。
沖田の顔を見れば、まるで獣の様な顔で見降ろしてくる。
これが、近藤さんなら……。
近藤に裸を見られるのは、少し恥ずかしいけれど、自分を犯すこの体が近藤のものだと思えば、刺激も素直に受け止められた。
自分を押さえつけるこの腕も、逃がさないと言ったように視線を逸らしてくれないこの瞳も、すべて近藤のものならば……。
そう思うと、何だかもう楽になれた。
(この汚い妄想に、貴方を使う事をどうか許してください……)
自然と、沖田の首に手が回る。
「……あっ、きもちいいです」
その反応に、沖田は目を丸くした。
慧にはいままで、拒絶しかされてこなかった。
快楽に染まっているけれど、慧が自分から何か特別な反応を示してくれたことは無い。
きもちいい、確かにそう言った。
「そうですか……、じゃあ、ここは?」
腰の角度を変えて、奥をついてみれば慧の腰がしなった。
「はいっ、いいです……」
熱のこもったその声に、沖田の欲望は刺激される。慧の中でムクムクと大きさを増した。
慧が下から見つめてくる。その視線に射抜けれた沖田は、慧の体を包んだ。つながった部分が、体を密着させたことにより、より深く中に入り込む。
「あうっ」
その刺激に、慧は吐息を漏らした。
愛おしい、沖田は瞬時にそう思った。
今まで、慧を抱いてきたのは誰を抱いても得られない快感があるからだと、そう思っていた。けれど、体を重ねるにつれて自分でも気づかぬうちに情が移ってしまったのかもしれない。
抱き返してくれる、その手が温かい。
耳元にかかる息が少しくすぐったい。
初めて慧と心が通じ合った気がして、沖田は嬉しかった。
「私も気持ちいいですよ、お菊さん」
沖田は慧の耳元で囁く。
すると、少し恥ずかしいのか、慧は身をよじって微笑んだ。
「……僕もです、近藤さん」
「は……?」
慧からの返事に、沖田の胸がざわついた。
その刺激は慧を狂わせていく。何も考えられなくなって、ただ内側から上がってくる快感に喘ぐだけ。沖田もそれを知っているから、そこをわざと擦り上げてくる。
「いやだっ、いやだっ」
逃げ出そうとする慧の腰を押さえつけ、沖田は追い打ちをかける。腰をぐっと引き寄せられ沖田の指で暫く翻弄されたのち、慧は本日二度目の絶頂を味わった。
こうなると、流れはもう決まっている。沖田は自らの欲望を慧の前にさらした。その、自分よりも倍太いものを目にしてしまうと、もう、抵抗する気力もなくなってくる。
「入れますね」
沖田の声が聞こえた後、ゆっくりと中が圧迫されていく。それでも、良いところを擦られれば、声は上がるわけで。
自分がとてつもなく情けない。こんな場所で醜態をさらしている自分が。
沖田の顔を見れば、まるで獣の様な顔で見降ろしてくる。
これが、近藤さんなら……。
近藤に裸を見られるのは、少し恥ずかしいけれど、自分を犯すこの体が近藤のものだと思えば、刺激も素直に受け止められた。
自分を押さえつけるこの腕も、逃がさないと言ったように視線を逸らしてくれないこの瞳も、すべて近藤のものならば……。
そう思うと、何だかもう楽になれた。
(この汚い妄想に、貴方を使う事をどうか許してください……)
自然と、沖田の首に手が回る。
「……あっ、きもちいいです」
その反応に、沖田は目を丸くした。
慧にはいままで、拒絶しかされてこなかった。
快楽に染まっているけれど、慧が自分から何か特別な反応を示してくれたことは無い。
きもちいい、確かにそう言った。
「そうですか……、じゃあ、ここは?」
腰の角度を変えて、奥をついてみれば慧の腰がしなった。
「はいっ、いいです……」
熱のこもったその声に、沖田の欲望は刺激される。慧の中でムクムクと大きさを増した。
慧が下から見つめてくる。その視線に射抜けれた沖田は、慧の体を包んだ。つながった部分が、体を密着させたことにより、より深く中に入り込む。
「あうっ」
その刺激に、慧は吐息を漏らした。
愛おしい、沖田は瞬時にそう思った。
今まで、慧を抱いてきたのは誰を抱いても得られない快感があるからだと、そう思っていた。けれど、体を重ねるにつれて自分でも気づかぬうちに情が移ってしまったのかもしれない。
抱き返してくれる、その手が温かい。
耳元にかかる息が少しくすぐったい。
初めて慧と心が通じ合った気がして、沖田は嬉しかった。
「私も気持ちいいですよ、お菊さん」
沖田は慧の耳元で囁く。
すると、少し恥ずかしいのか、慧は身をよじって微笑んだ。
「……僕もです、近藤さん」
「は……?」
慧からの返事に、沖田の胸がざわついた。
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