新撰組の想い人 ~幕末にタイムスリップしたオメガの行方~

萩の椿

文字の大きさ
上 下
22 / 69

第21話

しおりを挟む
「ほら、言いなさい」

 沖田が指を激しく動かす。

「やだぁ、あっっ」

今度は痛みなど全くない。ただ、溺れそうな快楽が慧を責め立てる。

体を抑え込まれている為、快感を外へ流すことができない。下腹部から上がってくる熱を慧はどうすることもできず、ただ喘ぐだけだ。

「やめてくださいっ」

 懇願するように沖田を見上げていると、今度は胸に痺れるような快感が走る。慧の胸の蕾には土方の手が伸びていた。こすり、つまみ上げるような土方の手はもどかしい快感を生み出す。

「早く吐いちまえば楽になる」

 逃げ出すこともできず、ただ無慈悲に快感を送られる。慧はそんな状況に次第に追い詰められていった。











「ここまでやって吐かないのなら仕方ないですね」


胸を上下している慧を見ながら沖田がため息をつく。

 畳には慧が吐き出した白濁が、いくつも飛び散っていた。

 シュルシュルと布擦れの音が耳に響き、重い瞼を開けると同時に、秘所に熱く硬いものがあてがわれた。

「ひっ……、やめてください! それだけはっ」

 

沖田の腕を掴むが止める気配はない。


慧は今までそこに他人を受け入れたことがなかった。

男の恋人もいたことがないし、オメガという事を十分に自覚し、常に抑制剤を持ち歩いて生活していたので、アルファやベータに襲われることもなかったのだ。

 

先端が慧の中に入り込む。

その感覚に混乱した慧が必死に抵抗していたその時、足が沖田の肩に強く当たった。


「あ……」

沈黙が流れる。


どう考えても悪い事をしているのは沖田の方なのに、何だか悪い事をしてしまったのは自分の様な気がしてしまう。



何も言葉を発さず、俯いている沖田が恐ろしくなり、腰を引いた瞬間、乱暴に掴まれ引き戻された。

「まったく、あなたはとんだじゃじゃ馬だ」

 いうなり、慧の足をぐっと押さえつけ器用に媚薬の小瓶を片手で開ける。

 片手で口を塞がれ鼻に近づけられたので、慧は必死になって息を止めた。


(吸ったらだめだ、あの薬は一瞬でダメになる)





 そう気持ちを強く持ったものの、息が永遠に続くわけでもない。限界を迎えた慧は鼻から息をしてしまい、強く媚薬の香りを吸い込んでしまった。

「んんっ、ふっぅん」

 一瞬で体がしびれ、抵抗していた腕も、足もだらりと垂れる。


しかし、沖田はそれでも媚薬を吸わせることをやめない。

 苦し気な顔をする慧を眺め、なおも小瓶を慧に押し付ける。

 強力な香りは、慧の意識を錯乱状態に陥れつつあった。

 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

諦めようとした話。

みつば
BL
もう限界だった。僕がどうしても君に与えられない幸せに目を背けているのは。 どうか幸せになって 溺愛攻め(微執着)×ネガティブ受け(めんどくさい)

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

年下セレブのわがまま事情

ブリリアント・ちむすぶ
BL
年下セレブ×カフェ店員お兄さん カフェを経営しているレンにはガランという恋人がいる ガランは高級ホテルを家替わりにするほどのセレブだが、なぜか平凡なレンと恋人になっている しかし、一向に年齢すら明かさないガランに業を煮やしたレンはガランとガランの祖父らしき人物が書いた本を発見する そこに書かれていたガランの年齢が15歳であることが判明する。 咄嗟に逃げたレン。そのレンの元にガランを狙うケビンという人物がレンに接触してくる――。 年下セレブ×カフェ店員お兄さん 年下×年上 登場人物 レン 22歳  金髪隻眼  父親から譲り受けたカフェを経営している  穏やかな性格だが、ガランに対してはほんの少し感情的 ガラン 15歳  黒髪黒目のアジア系の見た目  高級車を乗り回し、高級スーツを着こなすセレブ  住まいは高級ホテルのスイートルームという金持ちさだが、  その素性は謎で疑問に思ったレンが部屋内を物色したところ、15歳の未成年であることが分かる。  なぜレンと付き合っているのかすら謎 ケビン  ガランを目的にレンと接触した謎の人物  そのわりには人懐こく、レンは絆され気味  裁縫が得意で甘いものが好き マーク  レンの父  児童保護施設を妻のハンナと共に運営している  レンの尊敬する人物  穏やかで思慮深い ハンナ  レンの母児童保護施設を夫のマークと共に運営している  家族と仕事も平等に愛する非常にパワフルな人物   エイダ&カーラ  レンの店の常連客  開店から閉店までいるため、レンとガランの関係を見守っている。  エイダ 夫と二人暮らし。裁縫が得意  カーラ 夫に先立たれ一人暮らし。娘がいる。読書が趣味 ーーーーーーーーーーーー 感想よければ… https://odaibako.net/u/chimusubu_tmy ※表紙にAIイラストを使用しております

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

処理中です...