新撰組の想い人 ~幕末にタイムスリップしたオメガの行方~

萩の椿

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第21話

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「ほら、言いなさい」

 沖田が指を激しく動かす。

「やだぁ、あっっ」

今度は痛みなど全くない。ただ、溺れそうな快楽が慧を責め立てる。

体を抑え込まれている為、快感を外へ流すことができない。下腹部から上がってくる熱を慧はどうすることもできず、ただ喘ぐだけだ。

「やめてくださいっ」

 懇願するように沖田を見上げていると、今度は胸に痺れるような快感が走る。慧の胸の蕾には土方の手が伸びていた。こすり、つまみ上げるような土方の手はもどかしい快感を生み出す。

「早く吐いちまえば楽になる」

 逃げ出すこともできず、ただ無慈悲に快感を送られる。慧はそんな状況に次第に追い詰められていった。











「ここまでやって吐かないのなら仕方ないですね」


胸を上下している慧を見ながら沖田がため息をつく。

 畳には慧が吐き出した白濁が、いくつも飛び散っていた。

 シュルシュルと布擦れの音が耳に響き、重い瞼を開けると同時に、秘所に熱く硬いものがあてがわれた。

「ひっ……、やめてください! それだけはっ」

 

沖田の腕を掴むが止める気配はない。


慧は今までそこに他人を受け入れたことがなかった。

男の恋人もいたことがないし、オメガという事を十分に自覚し、常に抑制剤を持ち歩いて生活していたので、アルファやベータに襲われることもなかったのだ。

 

先端が慧の中に入り込む。

その感覚に混乱した慧が必死に抵抗していたその時、足が沖田の肩に強く当たった。


「あ……」

沈黙が流れる。


どう考えても悪い事をしているのは沖田の方なのに、何だか悪い事をしてしまったのは自分の様な気がしてしまう。



何も言葉を発さず、俯いている沖田が恐ろしくなり、腰を引いた瞬間、乱暴に掴まれ引き戻された。

「まったく、あなたはとんだじゃじゃ馬だ」

 いうなり、慧の足をぐっと押さえつけ器用に媚薬の小瓶を片手で開ける。

 片手で口を塞がれ鼻に近づけられたので、慧は必死になって息を止めた。


(吸ったらだめだ、あの薬は一瞬でダメになる)





 そう気持ちを強く持ったものの、息が永遠に続くわけでもない。限界を迎えた慧は鼻から息をしてしまい、強く媚薬の香りを吸い込んでしまった。

「んんっ、ふっぅん」

 一瞬で体がしびれ、抵抗していた腕も、足もだらりと垂れる。


しかし、沖田はそれでも媚薬を吸わせることをやめない。

 苦し気な顔をする慧を眺め、なおも小瓶を慧に押し付ける。

 強力な香りは、慧の意識を錯乱状態に陥れつつあった。

 
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