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第一章

第30話

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体の力が抜けきり、なすすべもなくぼんやりと見える天井を眺めていると、ベルトを外す音や衣擦れの音が聞こえてくる。


ほどなくして、玲子の秘所に熱くて硬いものがあてがわれる。

覚えのある感覚に体が強張り、あの時の記憶が、玲子の恐怖を呼び覚ました。


「もう……いや……」

力の入らない手のひらで、辰美の下腹部を押し返すが無駄な抵抗だ。

辰美は容赦なく玲子の中へとソレを押し入れる。

「あぅっ……」

圧迫感に耐えようと必死で息継ぎをしながら辰美を見上げると噛みつくようなキスをされる。

閉じた唇をこじ開けられ、口の中を蹂躙される。

「んっ、んんっ……」

混じり合った唾液が卑猥な音を立て、搦めとられた舌をさんざんきつく吸い上げられた後、やっと唇が解放された。

「心底イラつくよ」

辰美は冷めた目で玲子を見下ろしながら呟いた。

腰をぐっと奥に進め、玲子の両手を絡めとる。

「何で俺の言う事が聞けないかな」

「……っは?」

この期に及んで、まだそんな疑問を投げつけてくるのかと玲子は思った。

恋人から引き離され、強引に抱かれ、玲子からすれば辰美は悪魔のような存在だ。

そんな奴の言うことに誰が素直に従おうと思うのか。

辰美への怒りはとっくのとうに頂点に達していた。

玲子はキッと辰美を睨み上げる。

「この、サイコ野郎……」

悪態をついた瞬間、辰美が奥を強く突いた。

「こら」

律動が始まり、ベットが音を立てて軋む。

辰美は深くつながった場所をかき回し、内壁を抉るように突き上げた。


「その口の悪さも直していかなきゃね」

辰美は繋がりあっている部分に手を伸ばし、玲子の蕾を指で擦った。

途端に、玲子の口から甘い声が漏れ腰が揺れ動く。


「今日はとことん反省してもらうよ」


「さい……てい、あっっ……、じご、くに……おちろっ」


玲子の罵倒もまるで聞こえないかのように辰美は口角を上げる。


一体、この苦行はあと何時間続くのだろうか。

絶望的な状況に玲子は逃れることもできず、黙って耐えるしかないのだった。
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