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第2章

第49話

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「ほう、やっと白状する気になったか。それで?」

「セ、セルはかつてのノアと恋人だったんだ……。俺の精神がノアの体に宿ってるなんて知らないから、俺を連れ去ろうとしたみたい……」


「俺が聞いているのは、この二日間、あの小屋で男と何をしていたのかということだ」


 ルーシュの目は、初めて結婚式場で会った時の様に冷たかった。ぞっと背筋に寒気が走り、ノアはごくりとつばを飲み込む。



「話すつもりがないなら、続けるが」



 言えばルーシュを傷つけてしまうと分かっているから、ノアはぎりぎりまで躊躇した。しかし、もう体力も気力も限界を超えていたノアはゆっくりと口を開く。


「セルにキスされた……」
「……他には」

 
 恐ろしく低い声で問われ、ノアの体が震えだす。


「他にもまだあるんだろう?」


 鷹の様に鋭い目で睨まれ、心臓が縮み上がる。



「その……、セルに後ろから俺のを扱かれて……、でも、中には入れられてない! 本当だ!」


「……そうか」


 ルーシュは静かに呟き、手元の動きを再開した。
 
(なんで……、言ったらやめてくれるって言ったのにっ)


「おいっ、ルーシュっ」



「今までそれを黙っていた罰だ。今日はお前を甘やかすつもりはない」



 ルーシュの目はまるで感情のない人形の様に据わっていた。ルーシュは怒ると、感情を荒げるタイプではなく、静かに怒りを露わにするタイプなのだ。



 しかし、今までこんなに怒っているルーシュをノアは見たことがなかった。



「ごめん、なさいっ! ルーシュ!」


 ノアの謝罪も、今のルーシュには全く届いていない。


「本当に……、ダメだ、ルーシュ! もう、俺‥‥‥、本当に限界‥‥‥ああ゛!」


 その瞬間、ノアの頭にひと際強い電流が走った。ノアの腰が大きくそり返り、鈴口から透明な液が勢いよく放たれる。



「……潮を吹いたのか」


 ノアの意識は朦朧として、目の焦点も定まっていない。体が許容できる以上の快楽を送り込まれて、体がピクピクと麻痺している。



「できることが新しく増えたじゃないか」


 そんなノアの頭をルーシュは愛おしそうに撫で、頬にキスを落とした。


「さて、中には入れられていないと言っていたが……」


 ルーシュはノアの中に手を入れ、中を確認するようにかき回した。


「どうやら嘘はついてないようだな」


 いつもなら、ゆっくりと指で慣らされるのだが、今日はいきなりノアの中に、ルーシュの欲望が入り込んで来る。


「ノア、私をみろ」


 律動を始めたルーシュは、ノアの顔を見下ろした。ノアの目は赤く腫れ、涙の痕が頬に残っている。ルーシュは吐息を漏らすノアの口を塞いだ。


「ふっ……くっ」


 舌で口腔を犯されている間にも、ルーシュの欲望がノアの中に深く入り込む。前立腺を押しつぶされれば、耐えがたい刺激がノアを襲った。ルーシュに突かれる卑猥な音が、ノアの脳内を犯していく。



「……出すぞ」


 ノアの耳元で、ルーシュが囁いた。


「んっあっ」


 律動が激しさを増し、ルーシュはノアの中で果てた。
 暫く、息を整えていたルーシュが、ふとノアの首元に顔を埋めた。じわっと首元に鈍い痛みが走り、ノアは顔を歪める。



「お前は私のものだ」


 ノアの首元についた赤い印を、ルーシュは満足そうに眺め、再びノアの中を強く突いた。


「んんっ!」


 もう、ノアは意識を手放す寸前だった。それでも、ルーシュはお構いなしにノアの中に腰を進め、思う存分その中を突きあげた。


 そう行為が何時間続いたのか、ノアは憶えていない。なにせ、途中意識を手放して、ようやく目覚めた頃には、外はもう真っ暗になっていたのだから。
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