彼と過ごした 一年間

文化祭(２)

もうすぐ文化祭

クラスの出し物は

劇に決まった

劇は

演劇部に所属している何人かの生徒が中心になり

進めることになった

そして

僕は

陽向ひなたと

カップルコンテストなるものに

出場することになってしまった

今年から

カップルコンテストが開催されることになり

自薦他薦問わず

男女のカップルはもちろんのこと

女子同士男子同士のカップルも

大歓迎と言うことで

何故か

クラス全員が

『伊集院いじゅういん君と天野あまの君のカップルが良い』

と言う意見だった

「ムリだよ」

陽向ひなたが言う

カップルとして陽向ひなたと

一緒に参加するのは

正直嬉しい

が

その反面

困った気持ちもある

何故なら

こんなかわいい陽向ひなたは

僕だけの陽向ひなたで

他の

誰にも見せたくないと言う気持ちもあるし

何より

陽向ひなたが

嫌がっている

「伊集院いじゅういんも嫌なの？伊集院いじゅういんが嫌なら俺が天野あまのと出るよ」

笹本ささもとが言うと

クラスの皆が

『えっ～？』『何で～？』

と

ザワザワし始めた

何で

笹本ささもとは

いつも

僕と陽向ひなたの間に

入ろうとするんだ？

陽向ひなたが好きなのか？

僕は

少し

ムッとしたが

なるだけ

平静に

「僕が陽向ひなたと出るよ、いいよな陽向ひなた」

と

言った

「うん」

陽向ひなたは

返事はしてくれたものの

少し

不安気な表情かおをしていた

やはり

迷惑だったろうか