推し様は二十二年前に捨てた継子(わがこ)

十二月③

十二月三十日


『今年は、俺が、お節とお雑煮を作るから、一緒に買い物に行こう』

そう言われて、私は、今、継子わがこと一緒に買スーパーで買い物をしている。ここ数年は、お節を作るのも、お雑煮を作るのも億劫になっていて、お節や、お雑煮は、ここ数年、食べていない。

買い物をしていたら、スマホの通知音がした。スマホの画面を見ると、推し様の配信のお知らせだった。


【12/31   年越配信をします】

の文字が目に入る

推し様は、継子わがこだと、思っていたが、今、は買い物中だ。ましてや、スマホを今、手に持っている様子は無い。

では、あれは、私の勘違い？
継子わがこだと思っていた、推し様は、別人なのだろうか？

そんな事を考えながら、ボーッとしていたら、継子わがこが、私のスマホの画面を覗き込む

「ん？なんでもない」

そういいながら、私は、スマホの画面を見られないように、スマホをしまった