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第2章 死域への転移
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残念なことにリリムは自分の恋心を自覚していた。
マギ王国において成人は十五歳とされており、十六歳であるリリムはれっきとした成人女性である。
対してフラムは十一歳であり、親の庇護下に居るべきお子様である。
未成年者略取、などという罪状は幸いなことにマギ王国の法律にはないため安心である――という訳ではない。
親しい友人でも過度な年下趣味であれば少し距離を置く程度に忌避されるべき性癖であった。
リリムは悩む。
自分は何て単純な女なのだ。
極限の状況で弱ったところを少し優しくされただけでコロッと篭絡されるかだろうか、と。
急に大人しくなったリリムを不審に思いながらも、フラムは建物を降りた。
彼に追従するように動いてはいるので、さっきのやりとりで気落ちしたのだろう、程度に考えていたフラムは特に話しかけることなく黙々と手足を動かす。
確かに彼女は気落ちしていたが、原因と方向性は彼の予想と異なるものであった。
彼女はさらに悩む。
大体にして自分の趣味は優れた魔術師であり包容力のある年上のイケメンと決めていたはずだ。
それが、五歳下の男児にときめくのはおかしい。やはりこれは非常事態における心の迷いさ。
確かにフラム君は魔術に関して熱心であるし、フィアンマ殿を見るに将来はイケメンになるだろうし、年下とは思えない落ち着きと強い心を持っているが、それとこれは別だ。
一度否定してみせてから無意識にフォローする当たり重傷であるが、確かに非常事態でなければこのような心の変化はなかっただろう。
彼女の考えは正しい。
「あ」
「おっと」
考え事をしていたせいでバランスを崩したリリムは、フラムに抱き留められた。
彼が支えなければ地上に真っ逆さまであったため、彼の行動は正しい。
しかし、リリムにとっては致命的だった。
胸の中に納まった途端に跳ねた心臓は、落下への恐怖が原因でないことを彼女は自覚している。
それが何かと言えば、ときめきだった。
確かに彼女の考えは正しい。
非常事態の気の迷い、確かにそうだ。
しかし問題は、自覚してしまった今となっては、恋心は本物であるということである。
「す、すまない」
「いえ。それより、一度建物の中に戻りませんか。地図を記録したいですし、移動に関して話し合いも必要です」
「ああ」
彼女の恋心はあくまで彼女だけの問題であり、差し迫った状況である今、それをどうこうしようとはリリムも考えていない。
気持ちを切り替え、リリムは遺跡内部へと向かうのだった。
再び地図の前に戻ったフラムは地図とそこに刻まれていた古代文字を紙に書き写した。
紙はリリムが実験時に持っていた記録用紙であり、一緒に転移していたのである。
古代文字は読めないが、念のためだ。
「この地図を見るに、ウェストピア大陸はイストリア大陸と同程度の大きさだな」
「はい。イストリア大陸は横に約四千㎞だそうです」
「であれば、現在地から目的地までは目測で二千㎞程と思われる。ワタシ達の移動速度がどの程度かな」
「これも本から得た知識ですが、旅人が一日に移動できる距離は三十㎞だとか」
「女子供であり未開の地を行く我々は、良くてその半分だろう」
「単純計算で……百三十三日掛かりますね」
途方もない数字である。
彼らには装備がない。
食料がない。
知識も不十分で経験不足。
唯一保証されているのはリリムの魔術による飲み水だが、これも彼女が力尽きればその限りではない。
そんな状況で、魔獣が跳梁跋扈する死域を横断しようというのだ。
普通に考えて自殺行為だが、動かなければ正真正銘の自殺だ。
「フラム。分かっていると思うが、ワタシ達は高確率で生き残れないと思う」
「……はい」
「未成年である君にこんなことを言うのは心苦しい。だが、ワタシは君を信頼しているし、尊敬している」
「僕も、リリムさんのことは尊敬しています」
「それはワタシが優れた魔術師だからだ。それ以外はただの小娘に過ぎない」
「そんなことは」
「いや、いいんだ。ワタシが言いたいのは、君とは対等なパートナーでありたいということだ。お互いを助け合い、支え合い、少しでも生存確率を上げたい。さっき無様に取り乱したワタシが言うのもなんだがね」
大袈裟に肩を竦めてみせれば、フラムも僅かに笑顔を見せた。
そんな笑顔も素敵だなと、急に沸いた邪念を振り払ってフラムは言葉を続ける。
「とりあえず、フラムは敬語をやめてくれ。ワタシは見栄を張らず、困ったら相談するし、君も遠慮しないでほしい」
「……分かった、リリム」
「はう」
「ど、どうしたの?」
「いや、何でもない。何でもないんだ」
その後、リリムの魔術で水分補給をしつつ話し合いを始めた。
二人が取り決めたのは以下の三つ。
食料確保を優先。
戦闘は回避し、基本的に逃走。
出発は明朝。
他にも戦闘時の連携や歩く際の注意点、移動時間の取極めなど微細に話し合ってはいるが、とにもかくにも優先すべきは食料と安全である、という結論に至ったのである。
方向確認については、例の剣山が役に立った。
何処にいても見えるほどに高く特徴的な形の山であるため、現在位置をある程度把握できた。
太陽の位置から判断するに現在は昼前であると思われるが、彼らがマギ王国から転移したのは夕方である。
体力的に移動は厳しいと判断し、今日は周囲の探索の後に休むことに決めたのだった。
「道具があれば三角測量でもするのだが」
「難しいですね。あの地図にはある程度の地形も描かれていましたから、地道にマッピングするしかないかと」
「敬語」
「あ、ごめん」
遺跡が見える範囲で二人は周囲を散策する。
ウェストピア大陸の草木は背が低く、草をかき分けて進む必要がないのは幸いだった。
2~3m程度の木々が大量に生えてはいるが、それ以外の草は精々が膝までの高さしかない。
木は葉の大きな南国風で、自重があるせいか手を伸ばせば届く距離にまで垂れ下がっている。
横に広がらないために常に空は見えており、遠くには例の剣山が常に見えていた。
「この葉は固そうだな」
「『死域への漂流』には煮ても焼いても食べられないと書いてあったよ」
「そうか。しかし、木はこの種類ばかりで果実のなるような種類は見当たらないな」
「もっと移動して他の種類を探してみよう」
遺跡周辺の散策を始めてから小一時間。
最初こそ魔獣への恐怖を抱いていたものの、意外なことに何もなかった。
遠くから地鳴りのような唸り声や遠吠えらしき獣声が届くこともあるが、かなりの距離があると思われる。
どうも例の剣山の方に魔獣は集中しているようだった。
そこに何かがあるのかもしれないとフラムは考えたが、近付けない以上は意味がないと頭から消し去る。
「フラム、伏せろ」
手を引かれるままに木の根元にしゃがみ込んだフラム。
リリムが指さす先に視線を飛ばせば、そこには赤い果実が大量になった木と、それを食す猿のような獣がいるのだった、
その数は二頭で、大きさは五歳児程度。
拳大の果実を一心不乱に齧りつき、芯は残して投げ捨てていた。
全身が薄い体毛に覆われており、その胸には魔核がある。
魔核を持つ獣――魔獣だ。
「魔獣ですね」
「フラム、ワタシは奴らを倒すべきだと思うのだが」
小声で提案された意見にはフラムも同感だった。
彼らは既に絶体絶命であると言って良い。
なにせ食料がないのだ。
今はまだ動けるが、明日になったら怪しいだろう。
そんな状況で見つけた食料なのだから、多少のリスクを負ってでも手に入れるべきである。
フラムは周囲を見回したが他に果実のなっている木はなく、しかし他の魔獣も見当たらなかった。
「分かった。仲間を呼ばれる可能性があるし、二人で一頭ずつ確実に仕留めよう」
「しくじるなよ」
「僕はファイアボールだけは得意なんだ」
フラムは杖がないため掌を、リリムは指揮棒のような杖をそれぞれの獲物に向ける。
フラムは魔戦士を目指す学科で低級魔獣との実戦は経験済みだし、リリムも魔術師として同じく経験している。
マギ王国は徴兵制度こそないが教育課程に戦闘が必ず組み込まれているので、魔獣を殺すことに忌避感がある者は稀だ。
一切の迷いなく魔核に魔力を込め、二人は魔術を発動させた。
「ファイアボール」
「サンダーボルト」
火球と紫電が宙を走り、魔獣へ命中する。
猿の魔獣は直前になって気付いたようだが、あまりにも遅い反応だった。
「ぎっ!!」
短い悲鳴を上げて仲良く黒焦げになった二頭は少しだけジタバタともがいたが、やがて身動きを止めた。
フラムは掌を向けたまま魔獣に近づき、逆の手に持っていた木の枝で二頭の魔獣を突つく。
間違いなく死んでいるようだった。
「小型ならこんなものか」
「リリム、この魔獣を食べる気はある?」
「…………非常に気は進まないが、いつか絶対に食べなければならないよな」
「うん。僕は魔戦士の野営訓練時に犬型の魔獣は食べたことあるけど」
「猿はちょっとなあ。それに解体するにも刃物がないだろう」
「確かに。岩場か海岸で適当な石包丁くらいは作りたいな」
丸焦げの猿を解体する気力はなく、とりあえず見送ることに。
これが飢餓の極限であれば話は別だっただろうが、そこまでの覚悟はまだできていなかった。
フラムが木に登り、もいだ果実を下にいるリリムが広げたローブで受け取るという作業を経て、かなりの量を確保した二人は意気揚々と遺跡に戻るのだった。
マギ王国において成人は十五歳とされており、十六歳であるリリムはれっきとした成人女性である。
対してフラムは十一歳であり、親の庇護下に居るべきお子様である。
未成年者略取、などという罪状は幸いなことにマギ王国の法律にはないため安心である――という訳ではない。
親しい友人でも過度な年下趣味であれば少し距離を置く程度に忌避されるべき性癖であった。
リリムは悩む。
自分は何て単純な女なのだ。
極限の状況で弱ったところを少し優しくされただけでコロッと篭絡されるかだろうか、と。
急に大人しくなったリリムを不審に思いながらも、フラムは建物を降りた。
彼に追従するように動いてはいるので、さっきのやりとりで気落ちしたのだろう、程度に考えていたフラムは特に話しかけることなく黙々と手足を動かす。
確かに彼女は気落ちしていたが、原因と方向性は彼の予想と異なるものであった。
彼女はさらに悩む。
大体にして自分の趣味は優れた魔術師であり包容力のある年上のイケメンと決めていたはずだ。
それが、五歳下の男児にときめくのはおかしい。やはりこれは非常事態における心の迷いさ。
確かにフラム君は魔術に関して熱心であるし、フィアンマ殿を見るに将来はイケメンになるだろうし、年下とは思えない落ち着きと強い心を持っているが、それとこれは別だ。
一度否定してみせてから無意識にフォローする当たり重傷であるが、確かに非常事態でなければこのような心の変化はなかっただろう。
彼女の考えは正しい。
「あ」
「おっと」
考え事をしていたせいでバランスを崩したリリムは、フラムに抱き留められた。
彼が支えなければ地上に真っ逆さまであったため、彼の行動は正しい。
しかし、リリムにとっては致命的だった。
胸の中に納まった途端に跳ねた心臓は、落下への恐怖が原因でないことを彼女は自覚している。
それが何かと言えば、ときめきだった。
確かに彼女の考えは正しい。
非常事態の気の迷い、確かにそうだ。
しかし問題は、自覚してしまった今となっては、恋心は本物であるということである。
「す、すまない」
「いえ。それより、一度建物の中に戻りませんか。地図を記録したいですし、移動に関して話し合いも必要です」
「ああ」
彼女の恋心はあくまで彼女だけの問題であり、差し迫った状況である今、それをどうこうしようとはリリムも考えていない。
気持ちを切り替え、リリムは遺跡内部へと向かうのだった。
再び地図の前に戻ったフラムは地図とそこに刻まれていた古代文字を紙に書き写した。
紙はリリムが実験時に持っていた記録用紙であり、一緒に転移していたのである。
古代文字は読めないが、念のためだ。
「この地図を見るに、ウェストピア大陸はイストリア大陸と同程度の大きさだな」
「はい。イストリア大陸は横に約四千㎞だそうです」
「であれば、現在地から目的地までは目測で二千㎞程と思われる。ワタシ達の移動速度がどの程度かな」
「これも本から得た知識ですが、旅人が一日に移動できる距離は三十㎞だとか」
「女子供であり未開の地を行く我々は、良くてその半分だろう」
「単純計算で……百三十三日掛かりますね」
途方もない数字である。
彼らには装備がない。
食料がない。
知識も不十分で経験不足。
唯一保証されているのはリリムの魔術による飲み水だが、これも彼女が力尽きればその限りではない。
そんな状況で、魔獣が跳梁跋扈する死域を横断しようというのだ。
普通に考えて自殺行為だが、動かなければ正真正銘の自殺だ。
「フラム。分かっていると思うが、ワタシ達は高確率で生き残れないと思う」
「……はい」
「未成年である君にこんなことを言うのは心苦しい。だが、ワタシは君を信頼しているし、尊敬している」
「僕も、リリムさんのことは尊敬しています」
「それはワタシが優れた魔術師だからだ。それ以外はただの小娘に過ぎない」
「そんなことは」
「いや、いいんだ。ワタシが言いたいのは、君とは対等なパートナーでありたいということだ。お互いを助け合い、支え合い、少しでも生存確率を上げたい。さっき無様に取り乱したワタシが言うのもなんだがね」
大袈裟に肩を竦めてみせれば、フラムも僅かに笑顔を見せた。
そんな笑顔も素敵だなと、急に沸いた邪念を振り払ってフラムは言葉を続ける。
「とりあえず、フラムは敬語をやめてくれ。ワタシは見栄を張らず、困ったら相談するし、君も遠慮しないでほしい」
「……分かった、リリム」
「はう」
「ど、どうしたの?」
「いや、何でもない。何でもないんだ」
その後、リリムの魔術で水分補給をしつつ話し合いを始めた。
二人が取り決めたのは以下の三つ。
食料確保を優先。
戦闘は回避し、基本的に逃走。
出発は明朝。
他にも戦闘時の連携や歩く際の注意点、移動時間の取極めなど微細に話し合ってはいるが、とにもかくにも優先すべきは食料と安全である、という結論に至ったのである。
方向確認については、例の剣山が役に立った。
何処にいても見えるほどに高く特徴的な形の山であるため、現在位置をある程度把握できた。
太陽の位置から判断するに現在は昼前であると思われるが、彼らがマギ王国から転移したのは夕方である。
体力的に移動は厳しいと判断し、今日は周囲の探索の後に休むことに決めたのだった。
「道具があれば三角測量でもするのだが」
「難しいですね。あの地図にはある程度の地形も描かれていましたから、地道にマッピングするしかないかと」
「敬語」
「あ、ごめん」
遺跡が見える範囲で二人は周囲を散策する。
ウェストピア大陸の草木は背が低く、草をかき分けて進む必要がないのは幸いだった。
2~3m程度の木々が大量に生えてはいるが、それ以外の草は精々が膝までの高さしかない。
木は葉の大きな南国風で、自重があるせいか手を伸ばせば届く距離にまで垂れ下がっている。
横に広がらないために常に空は見えており、遠くには例の剣山が常に見えていた。
「この葉は固そうだな」
「『死域への漂流』には煮ても焼いても食べられないと書いてあったよ」
「そうか。しかし、木はこの種類ばかりで果実のなるような種類は見当たらないな」
「もっと移動して他の種類を探してみよう」
遺跡周辺の散策を始めてから小一時間。
最初こそ魔獣への恐怖を抱いていたものの、意外なことに何もなかった。
遠くから地鳴りのような唸り声や遠吠えらしき獣声が届くこともあるが、かなりの距離があると思われる。
どうも例の剣山の方に魔獣は集中しているようだった。
そこに何かがあるのかもしれないとフラムは考えたが、近付けない以上は意味がないと頭から消し去る。
「フラム、伏せろ」
手を引かれるままに木の根元にしゃがみ込んだフラム。
リリムが指さす先に視線を飛ばせば、そこには赤い果実が大量になった木と、それを食す猿のような獣がいるのだった、
その数は二頭で、大きさは五歳児程度。
拳大の果実を一心不乱に齧りつき、芯は残して投げ捨てていた。
全身が薄い体毛に覆われており、その胸には魔核がある。
魔核を持つ獣――魔獣だ。
「魔獣ですね」
「フラム、ワタシは奴らを倒すべきだと思うのだが」
小声で提案された意見にはフラムも同感だった。
彼らは既に絶体絶命であると言って良い。
なにせ食料がないのだ。
今はまだ動けるが、明日になったら怪しいだろう。
そんな状況で見つけた食料なのだから、多少のリスクを負ってでも手に入れるべきである。
フラムは周囲を見回したが他に果実のなっている木はなく、しかし他の魔獣も見当たらなかった。
「分かった。仲間を呼ばれる可能性があるし、二人で一頭ずつ確実に仕留めよう」
「しくじるなよ」
「僕はファイアボールだけは得意なんだ」
フラムは杖がないため掌を、リリムは指揮棒のような杖をそれぞれの獲物に向ける。
フラムは魔戦士を目指す学科で低級魔獣との実戦は経験済みだし、リリムも魔術師として同じく経験している。
マギ王国は徴兵制度こそないが教育課程に戦闘が必ず組み込まれているので、魔獣を殺すことに忌避感がある者は稀だ。
一切の迷いなく魔核に魔力を込め、二人は魔術を発動させた。
「ファイアボール」
「サンダーボルト」
火球と紫電が宙を走り、魔獣へ命中する。
猿の魔獣は直前になって気付いたようだが、あまりにも遅い反応だった。
「ぎっ!!」
短い悲鳴を上げて仲良く黒焦げになった二頭は少しだけジタバタともがいたが、やがて身動きを止めた。
フラムは掌を向けたまま魔獣に近づき、逆の手に持っていた木の枝で二頭の魔獣を突つく。
間違いなく死んでいるようだった。
「小型ならこんなものか」
「リリム、この魔獣を食べる気はある?」
「…………非常に気は進まないが、いつか絶対に食べなければならないよな」
「うん。僕は魔戦士の野営訓練時に犬型の魔獣は食べたことあるけど」
「猿はちょっとなあ。それに解体するにも刃物がないだろう」
「確かに。岩場か海岸で適当な石包丁くらいは作りたいな」
丸焦げの猿を解体する気力はなく、とりあえず見送ることに。
これが飢餓の極限であれば話は別だっただろうが、そこまでの覚悟はまだできていなかった。
フラムが木に登り、もいだ果実を下にいるリリムが広げたローブで受け取るという作業を経て、かなりの量を確保した二人は意気揚々と遺跡に戻るのだった。
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