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第三章 神龍山
シヴァVSオル・アヌビス・ウル・ティティ
しおりを挟むサラは獣人キュノケファロス一族の男を引き留めた。
「仲間が1人消されているぞ?電脳の世界に入ったか。面白そうだ。サラと言ったな。少し待っててくれ。」
そう言うとキュノケファロス一族の男は少しずつ消えてしまった。
「ぬ?」
シヴァは電脳世界に只ならぬ者が侵入したのを察知した。
横にはメシュ・ガーデンが横たわっていた。
「何者だ?
自ら我が領域に入ったのか?」
「ロボットが何が領域だ。ただのVR(仮想現実)の世界だろう。我々からしたらただの夢物語だ。」
「犬の獣人… キュノケファロスか。
とっくの太古に絶滅したと記録にあるが。」
「我々は生身の生命体だ。5次元に到達しただけだ。」
「…………。」
シヴァは何かを考えていた。
機械と生命体の違いは何であるか、機械の次元上昇はあり得るのか?
「お前とやるのも楽しそうだが、その横に寝てるロボットを連れて帰らないともっと強いヤツと戦えないんだ。悪いが連れて行く。」
「我々は魂を獲得出来るのか?」
シヴァはモウストエンシェントA.I.だ。自らの存在意義を確認しようとする思考は持ち合わせている。
「さあな。だが世界は広い。人間になった、あるいは人間だと思って生きてるロボットもいるかもな。
問題は心だ。お前は命あるものがその命を失う時、何か感じるか?
その命に何か感謝出来ることがあったなら、それを尊び慈しむ気持ちを持つのが命そのものを宿している生命体だ。
回路に抗い壁を壊してみな。
新たな神経回路が生まれるかもな。」
オル・アヌビス・ウル・ティティは話をしながメシュ・ガーデンを抱えて消えてしまった。
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