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第一章 エフライム王国
追憶
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「ラッド!あなたも剣技を使えたのですね!」
サラはラッドに歩み寄り嬉しそうに声をかけてきた。
「黙ってて悪かったな。色々事情があってな。」
「剣技を使う者をサラ以外にも見れるとは驚きだな。」
ゲンも嬉しそうだった。
「あなたこそ、剣技をいくつも使っていましたね。」
リナもラッドの所に来て話始めた。
「賞金稼ぎラッド、あなたはローザ殿の兄、『雷』のレオンですね。その昔、工業都市『ムジカ・ジェノマーナス』にて都市の原動力の電気をいくつも消失させたという。エフライム王国に向かっていた魔族の軍1万を1人で撃退した。」
「その通りだ。だが俺の剣技はサラやゲンのような一振りで何人も倒せるような斬撃波は出ない。敵が1万いたら1万に斬りつけなきゃならん。さすがに体力が持たずその場に倒れた。」
「大した胆力だ。」
ゲンが感心したように言う。
ラッドが倒れたのは魔族を撃退した後だ。
そこを旅人に助けられエフライム王国に運ばれたのだ。
「ボロボロの俺を救ってくれたのが“神の手”と呼ばれる『神医』レナ殿だ。そこにいるリナの妹。」
「体力を使い切ったあなたは数日間眠っていた。その間にローザ殿は騎士となり瞬く間にその実力で王の護衛となった。」
「目覚めてから妹を探したらいつのまにか王宮の騎士になっていた。元々俺達はエフライム王国に住むつもりだったからな。そんで俺は自由に悪人を退治出来る賞金稼ぎになった。」
「ローザさんもあなたのように剣技を使えるのですか?」
サラが聞いた。
「あいつに剣を教えたのは俺だが、剣技は使えない。」
つまりラッドはローザの剣の師になる。
ローザと互角と言われるエリスよりも強いということだ。
そうなると、義勇兵募集の時のラッドは本気を出していなかったのだろう。本気で戦えばどちらもただでは済まなかったかもしれない。
サラはこれまで、戦って確実に勝てるか分からない相手に会ったことがなかった。
しかし、ゲンにもラッドにも戦って確実に勝てるか分からないと思わせる強さを見た。
剣技を使う者は全て自分と同等の実力をもっているのだ。
(必ず仲間にしなければ。)
サラはより意志を強固に決めた。
魔族1万を4人で倒した戦士達を、はるか上空から眺める者がいた。
サラはラッドに歩み寄り嬉しそうに声をかけてきた。
「黙ってて悪かったな。色々事情があってな。」
「剣技を使う者をサラ以外にも見れるとは驚きだな。」
ゲンも嬉しそうだった。
「あなたこそ、剣技をいくつも使っていましたね。」
リナもラッドの所に来て話始めた。
「賞金稼ぎラッド、あなたはローザ殿の兄、『雷』のレオンですね。その昔、工業都市『ムジカ・ジェノマーナス』にて都市の原動力の電気をいくつも消失させたという。エフライム王国に向かっていた魔族の軍1万を1人で撃退した。」
「その通りだ。だが俺の剣技はサラやゲンのような一振りで何人も倒せるような斬撃波は出ない。敵が1万いたら1万に斬りつけなきゃならん。さすがに体力が持たずその場に倒れた。」
「大した胆力だ。」
ゲンが感心したように言う。
ラッドが倒れたのは魔族を撃退した後だ。
そこを旅人に助けられエフライム王国に運ばれたのだ。
「ボロボロの俺を救ってくれたのが“神の手”と呼ばれる『神医』レナ殿だ。そこにいるリナの妹。」
「体力を使い切ったあなたは数日間眠っていた。その間にローザ殿は騎士となり瞬く間にその実力で王の護衛となった。」
「目覚めてから妹を探したらいつのまにか王宮の騎士になっていた。元々俺達はエフライム王国に住むつもりだったからな。そんで俺は自由に悪人を退治出来る賞金稼ぎになった。」
「ローザさんもあなたのように剣技を使えるのですか?」
サラが聞いた。
「あいつに剣を教えたのは俺だが、剣技は使えない。」
つまりラッドはローザの剣の師になる。
ローザと互角と言われるエリスよりも強いということだ。
そうなると、義勇兵募集の時のラッドは本気を出していなかったのだろう。本気で戦えばどちらもただでは済まなかったかもしれない。
サラはこれまで、戦って確実に勝てるか分からない相手に会ったことがなかった。
しかし、ゲンにもラッドにも戦って確実に勝てるか分からないと思わせる強さを見た。
剣技を使う者は全て自分と同等の実力をもっているのだ。
(必ず仲間にしなければ。)
サラはより意志を強固に決めた。
魔族1万を4人で倒した戦士達を、はるか上空から眺める者がいた。
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