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レッツ大脱走
25話 Fry away & Thanks
しおりを挟む夕食を食べ終わり、3人でお風呂に入って髪を乾かしあい「おやすみなさい」と言いあってキスをする。
いつものように少し名残惜しそうにすり寄ってくれる2人に少し後ろめたさを感じながらもいつもと同じように「また明日」と告げる。
ぱたり、と扉が閉じた。
僕はそっとベッドに潜る。
本当はすみっこがいいんだけれど、メイドさんは寝ている僕を抱えてベッドに運んでくれるから、今日は僕に近寄って欲しくなくて素直にベッドに潜る。
見回りのメイドさんがいるからじっと時が過ぎ去るのを待つ。
やっぱり、ベッドは慣れない。。。
カチコチ、カチコチ、
時計の音だけが聞こえてくる。
いつもはそれだけなのに、
ドクッ、ドクッ、
僕の心臓が胸から飛び出てくるんじゃないかと思うくらいに波打っている。
かちゃッ
、、、、ぱたり。
見回りが過ぎていったようだ。
僕は静かにベッドから抜け出していつの日かに届いた手紙を引き出しから取り出す。
これから出ていくのに、出ていった後にも余計な心配はかけたくない。
ギュッと手紙を握りしめて僕は部屋の窓を開けた。
この部屋の窓は広い。
僕がペーパーナイフで手首を傷つけそうになった後からは窓のカギが頑丈になって高いところになってしまったから椅子を引っ張ってきてその上に登ってあける。
普段ルイズさんやセネスさんがやっているみたいに見様見真似でやってみると、、、開いた。
僕は部屋の中を振り返る。
隅から隅まで見渡して、、
「ありがとう、ございました。。。」
そう言ってそこそこの高さのある窓から飛び降りる。
ペーパーナイフの件から下が植え込みになったことはしてっていたから躊躇なく飛んだ。
少し怪我をするからもしないが僕に怪我は慣れっこだから。
ザッ
植え込みに飛び込んだ音で誰かが来ないように。
落ちてから身を潜めて様子を伺う。
動いた瞬間ズキリと左足が痛んだがかまっていられないし、もともとそのつもりだ。
前の世界ではこういう技だけが身につき、いらないと思っていたけどまさかこんなところで役に立つとは。。。
しばらくして誰も来ないことを確認すると僕は塀に手をそわせて広い城の庭を歩いた。
明日の早朝。
お城を訪ねてくる人のために門が開けられる。
その時に出よう。
門には通過する人に通行するための手形や名前を名乗らせると言った仕事をする人がいることをレイは知らなかったーー。
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