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式典
13話 冤罪?それがどうした。
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「では、皆さんの幸福とこの国の安定を願って、、、乾杯。」
レイがそう言うと次第にあちらこちらから談笑の声が聞こえてくる。
レイも流れで一口だけ飲んだらしい。
あの一口だけで酔ってしまったのか、レイの顔はほんのり紅い。
レイの仕事はここまでなのでレイに話しかける。
「レイ、そろそろ。。。」
そう言ってレイを促して退室しようとすると後ろから声をかけられた。
「おやおや、神子様。もうご満足なされたのですか?この国の宴の楽しいところはこれからです。もう少し、、、」
バガン殿だった。
いや、もうこの際脳内で狸で良いか。
狸はレイにしつこく話しかけようとする。
が、そんなの、俺が許すと思うか?
やっとすべてが一段落してレイとゆっくりできるんだ。
「たぬっバガン様。神子様はお疲れです。あまりしつこい様ですと、、、」
言葉をさえぎって睨み付ける。
俺は不機嫌マックスだ。
「私は神子様に申しているのです。」
なのに、なぜ引き下がらない。
イライラがたまってく。
そんな中、後ろで控えていたはずのレイからの言葉が発される。
「いいですよぉ~少しだけにゃらぁ~////」
、、、にゃら?
見るとレイの顔は耳まで真っ赤だ。
まさか、あの量の酒で酔ったのか?
「れっ神子様、、、?!」
様子を見ていた大臣たちからもどよめきが走り、俺も少し動揺してしまった。
「ありがとうございます!ではこちらに。」
待ってました、とでも言うように狸はレイを連れていこうとする。
「んん~~~///」
ふらふら~とついていこうとするレイ。
俺は慌ててレイの身体を止める。
「んむぅ?進まにゃい?にゃにゃ?」
俺の腕のなかで精一杯の抵抗をしようとするレイ。
酔っているからなのか、それともこれがレイの力一杯なのか。
こんなに弱い力、そこら辺の子供にもがかれる方が強い気がする。
「おや?セネス副団長様でもあられる貴方が神子様の御行動に抑止をかけられるとでも?」
狸は少し不機嫌そうだ。
だが、生憎俺の方が機嫌が悪い。
仕事としてこの場にいなければ今すぐにでも斬っていたと思う。
必死に荒ぶる気持ちを押さえて狸に言う。
「、、、バガン様。お聞きください。この際ですから皆様も!神子様こと、レイ・カイリ様は私セネスティ・ローゼルと騎士団長、ルイズ・カーネル・ウェイナードの伴侶です!」
シーンと静まり返り、ドッと辺りがざわめく。
まあ仕方がないだろう。
レイが降臨してからまだ数日しかたっていないのだから。
「この事については後日発表いたしますので。、、、バガン様。私の伴侶に手は出さないでいただきたい。」
きっぱりと言い切ると、目の前の狸は顔を真っ赤にした。
「本当に下心があったとも解らぬのに冤罪で私めを罪人にしたてあげる気ですか?!」
「いい加減にしてください。」
そんな哀れな狸に俺は言う。
そんな俺たちを取り囲んでいるのはこの国でも一等の騎士団。
俺とルイズが束ねる騎士団だ。
案の定ルイズがスタンバっていたらしい。
あいつの顔も相当怒り狂っている。
そう、俺たちにとって、いや、この場にいる全員にとって俺たちが冤罪かもしれぬのに王族と親しいやつを牢にぶちこんでしまうという事などどうでもいいのだ。
欲しいのは、騎士団の団長と副団長の伴侶であり、神子であるレイの前で失態をおかしたこと。
レイの前で大声で荒れ狂ったこと。
その見苦しい姿がこの男の価値を決めた。
「ヘルダ・バガン。貴様を神子様への不敬罪で投獄する。捕らえろ。」
ルイズに一切の慈悲はない。
相当怒こっているのだ。
レイはというと、まだほわほわして俺の腕の中だ。
「ん~////セネスしゃん~///ッ」
そう言って微笑むレイ。
普段、余り表情を動かさないレイがこんなにも可愛らしく笑うだなんて。
ギャップ萌えにもほどがある。
「レイ、もう出るぞ。」
「ん。」
今のレイはされるがまま。
全てを俺に預けているという事実に俺のヤツが熱を帯びる。
レイを姫だきにして会場から出るときにルイズに目配せをしておく。
アイツは仲間外れにすると怒るからな。
「レイ、失礼する。」
そう言ってレイを横抱きにしてルイズが待っているだろう部屋に向かう。
ガチャッ
、、、相当怒っているな。
レイが悪いのではないということは重々承知している。
だが、歯止めが効きそうにない。
レイは許してくれるだろうか。
レイがそう言うと次第にあちらこちらから談笑の声が聞こえてくる。
レイも流れで一口だけ飲んだらしい。
あの一口だけで酔ってしまったのか、レイの顔はほんのり紅い。
レイの仕事はここまでなのでレイに話しかける。
「レイ、そろそろ。。。」
そう言ってレイを促して退室しようとすると後ろから声をかけられた。
「おやおや、神子様。もうご満足なされたのですか?この国の宴の楽しいところはこれからです。もう少し、、、」
バガン殿だった。
いや、もうこの際脳内で狸で良いか。
狸はレイにしつこく話しかけようとする。
が、そんなの、俺が許すと思うか?
やっとすべてが一段落してレイとゆっくりできるんだ。
「たぬっバガン様。神子様はお疲れです。あまりしつこい様ですと、、、」
言葉をさえぎって睨み付ける。
俺は不機嫌マックスだ。
「私は神子様に申しているのです。」
なのに、なぜ引き下がらない。
イライラがたまってく。
そんな中、後ろで控えていたはずのレイからの言葉が発される。
「いいですよぉ~少しだけにゃらぁ~////」
、、、にゃら?
見るとレイの顔は耳まで真っ赤だ。
まさか、あの量の酒で酔ったのか?
「れっ神子様、、、?!」
様子を見ていた大臣たちからもどよめきが走り、俺も少し動揺してしまった。
「ありがとうございます!ではこちらに。」
待ってました、とでも言うように狸はレイを連れていこうとする。
「んん~~~///」
ふらふら~とついていこうとするレイ。
俺は慌ててレイの身体を止める。
「んむぅ?進まにゃい?にゃにゃ?」
俺の腕のなかで精一杯の抵抗をしようとするレイ。
酔っているからなのか、それともこれがレイの力一杯なのか。
こんなに弱い力、そこら辺の子供にもがかれる方が強い気がする。
「おや?セネス副団長様でもあられる貴方が神子様の御行動に抑止をかけられるとでも?」
狸は少し不機嫌そうだ。
だが、生憎俺の方が機嫌が悪い。
仕事としてこの場にいなければ今すぐにでも斬っていたと思う。
必死に荒ぶる気持ちを押さえて狸に言う。
「、、、バガン様。お聞きください。この際ですから皆様も!神子様こと、レイ・カイリ様は私セネスティ・ローゼルと騎士団長、ルイズ・カーネル・ウェイナードの伴侶です!」
シーンと静まり返り、ドッと辺りがざわめく。
まあ仕方がないだろう。
レイが降臨してからまだ数日しかたっていないのだから。
「この事については後日発表いたしますので。、、、バガン様。私の伴侶に手は出さないでいただきたい。」
きっぱりと言い切ると、目の前の狸は顔を真っ赤にした。
「本当に下心があったとも解らぬのに冤罪で私めを罪人にしたてあげる気ですか?!」
「いい加減にしてください。」
そんな哀れな狸に俺は言う。
そんな俺たちを取り囲んでいるのはこの国でも一等の騎士団。
俺とルイズが束ねる騎士団だ。
案の定ルイズがスタンバっていたらしい。
あいつの顔も相当怒り狂っている。
そう、俺たちにとって、いや、この場にいる全員にとって俺たちが冤罪かもしれぬのに王族と親しいやつを牢にぶちこんでしまうという事などどうでもいいのだ。
欲しいのは、騎士団の団長と副団長の伴侶であり、神子であるレイの前で失態をおかしたこと。
レイの前で大声で荒れ狂ったこと。
その見苦しい姿がこの男の価値を決めた。
「ヘルダ・バガン。貴様を神子様への不敬罪で投獄する。捕らえろ。」
ルイズに一切の慈悲はない。
相当怒こっているのだ。
レイはというと、まだほわほわして俺の腕の中だ。
「ん~////セネスしゃん~///ッ」
そう言って微笑むレイ。
普段、余り表情を動かさないレイがこんなにも可愛らしく笑うだなんて。
ギャップ萌えにもほどがある。
「レイ、もう出るぞ。」
「ん。」
今のレイはされるがまま。
全てを俺に預けているという事実に俺のヤツが熱を帯びる。
レイを姫だきにして会場から出るときにルイズに目配せをしておく。
アイツは仲間外れにすると怒るからな。
「レイ、失礼する。」
そう言ってレイを横抱きにしてルイズが待っているだろう部屋に向かう。
ガチャッ
、、、相当怒っているな。
レイが悪いのではないということは重々承知している。
だが、歯止めが効きそうにない。
レイは許してくれるだろうか。
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リク、感想、日常会話何でもオッケー!!とにかく作者が寂し死にしないようにお願いします。はしゃいではしゃいで語りまくれ!※愚痴でも可※作者の本体否定不可
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