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記憶がなくなる前の話
36話
しおりを挟む理斗サイド
「りぃーとぉぉおおお?!!?!?」
「うわっちょっ?!」
僕の体は急に宙に浮いた。
びっくりして後ろを見るとママがすごく怖い顔で僕を担ぎあげていた。
ーーーーーーーーーーーー
るぅの様子が心配で遼や香月先生がるぅの周りを整えている様子を蘭といっしょにみてた。
今回、理斗が悪かったのは十分わかってる。
でもね?
るぅに誰一人として近づけてなんてやらない。
それだけは絶対。
蘭もわかってるはずだから何も言ってこない。
最近つくようになったはずなのに、蘭は結構理斗に口うるさい。
るぅを理斗から離れさせないようにするのに理斗のやり方にいちいち口を出してくる。
まぁ、それで失敗したことがないから何にもいえないんだけどね。
そんな蘭でも今日まで一度もるぅの前に出たことはない。
だって遼も増えて蘭も増えて、、ってなるとるぅが困っちゃうでしょ?
それでるぅが頭痛くなったらどうしてくれるのさ。
でも蘭は一方的にるぅの姿は何度かみたことがあるらしい。
ぼぉっと見てたら遼がママに連れてかれちゃった。
「、、、るぅ」
るぅの返事は返ってこないけれど僕はるぅの力のない手にすり寄った。
すんすんと匂いを嗅げばるぅの程よく甘い良い匂い。
兄弟の誰とも違うその匂いはるぅの特別な匂いだということを伝えてくる。
はむ、とそのままるぅの手を甘噛みしたらその甘みはより一層僕の口の中に広がってくる。
「、、、きす、すれば起きるかな。」
そっとるぅのお口に僕の唇を近づけようとしたら、、、、冒頭に戻る。
「ッママ?!どうしたの?!」
「どうしたの?!じゃありません!!るぅの前で荒い口調にならないの!!」
「、、ふぁい。(´-ω-`)」
その点に関しては深くふかぁ~く反省しております。
全くもう、とママはプリプリ怒ってた。
こんなのはまだ優しい方。
本気で怒ったママは怖いんだから。
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