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記憶がなくなる前の話
33話
しおりを挟む遼サイド
「ぼくのなまえはうえぞの りと。るぅのおにぃちゃん。」
理斗様が幼稚園で自己紹介を始めた。
そしてふと気付いた私は琉架様の耳を失礼します、と言いつつ急いで塞ぐ。
琉架様にえっ、と見つめあげられたが今回はこの両手を離すわけにはいかない。
「るかに てぇだしたやつゆるさないから。あとぼくたちにはなしかけないで。」
こんな真っ黒な言葉純真無垢な琉架様に聞かせるわけにはいかない。
さらに続けようと理斗様が口を開きかけたところで過呼吸のような呼吸音が琉架様から聞こえ、慌てて両手を離して琉架様を診る。
原因不明だがこれは完璧な過呼吸だ。
このままだと喘息を引き起こしかねない。
理斗様もお気づきになられたらしく急いでるか様の顔を覗き込んで背中をさすっている。
3歳にしては驚くべき対処能力だ。
理斗様が琉架様の様子を見ている間に自宅で理斗様の部屋を片している蘭に電話をかける。
「もしもs「ッ蘭!急いで旦那様がたに琉架様が過呼吸を起こしたって伝えてください!車の手配と香月先生も!」了解した。」
ピッと急いできって琉架様の口元に吸入器をあてがう。
何度か一緒に深呼吸をして落ち着いてきたらしい琉架様はそのまま今座っているソファもどきにパタンと眠るようにして意識を失った。
「るぅ、、?!だいじょうぶなの?!はる!」
「吸入しましたからおそらく大丈夫です。帰りの車の手配と香月先生、旦那様がたに連絡はさせていただきましたから、車が来るまでるか様の容態の観察をお願いします。」
「わかった、」
未だにワタワタしている幼稚園の先生を冷たく一瞥し、一瞬で心配しいてる優しい目になった理斗様の視界にはもう琉架様しかいないだろう。
「いっとくけど、このソファのはだざわりさいあく。るぅ、もちもちなはだにきずかついちゃう。」
はる、次からはうちのソファに変えて、とご命令を授かった。
「はい。、、、迎えの車が来たようです。参りましょう。」
琉架様を抱き上げ、車に向かって振り返らずに歩き出す。
なぜ琉架様は過呼吸を起こされたのだろう。
空気が悪かったのだろうか。
それともパニック?
何か外的刺激によるものなのだろうか、、。
ぐるぐると頭の中で考えていた。
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