愛され末っ子

記憶がなくなる前の話

23話

琉架サイド


「琉架、理斗。よく聞いて。君たちには明日から幼稚園に行ってもらいます！」

突然晩御飯中にパパが僕たちにそう言った。

「よーちえん！！」
「ぇ、るぅが他の人に取られちゃうじゃん。どうしよう。しかも明日？！何なのそれ急すぎでしょ。」

やった、幼稚園に通える！と僕はウキウキなのだがりぃくんはどこか暗い顔をしている。

しかもなにかを早口で言っていて少し怖い。
でも、なにを言っているかはわからない。


「？？りぃくん。や？」

少し俯いているりぃくんの顔を覗き込んで聞けば「ううん！大丈夫だよ！」と笑ってくれた。

でもそのあとに、るぅは心配しないでって言ってきた。

むぅ、気になるよぅ。。

むぅ～とほっぺたを膨らましたらにぃにたちがバッと僕から顔をそらし、りぃくんがわーーー！！とワタワタしている。

本当にどうしたの？


僕の頭にはたくさんのはてながあるけれどむぅ～とほっぺたをしぼませないようにする。

だって僕だけ仲間はずれだもん。


「るっるぅ！お願いだからほっぺたしぼまして！！！」

せいにぃがまだ顔をそらしたまま僕にいう。

「やなの！！」

ぼく、これだけは譲らないからね！！

お願い！とりゅうにぃからも聞こえてきた。

い・や・だ！！


ぼくのことをほったらかしてにぃさんとりぃくんだけが通じあってるのなんかずるいもん。

「ッしらない！」

未だにワタワタして変なことをいうにぃにたちを置いて僕は一人で部屋に帰った。

後ろで「っるぅ？！待って！！一人で行かないで！！」ってパパの焦った声が聞こえたけど戻るに戻れないからそのまま部屋に向かった。