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記憶がなくなる前の話
9話
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竜葵サイド
「なんでも言ってね!」
父に最後に言われたその言葉。
俺が願うことはただ1つ。
「、、じゃあ琉架を治してよ。」
届くことのない願いは長い長い廊下が吸い取ってしまった。
「静矢、今日の夜お話し。」
「?わかったよ。ありがとう。」
それじゃ、私は理斗を寝かしつけてから仕事をしてくるわね、そう言って母さんは今にも寝てしまいそうな理斗を抱き抱えて部屋を出ようとする。
「、竜葵がやってくれる?」
「、!!」
ブンブンと首を振れびフフフと笑って理斗を預けてくれた。
「りゅーにぃ、。!!!」
眠そうな顔をしながらも俺の顔を見てニコニコと笑い、手を伸ばしてくるその愛らしい姿に頬が緩む。
「部屋、行ってくる。」
「静矢は琉架、よろしくね。何かあったら大声で叫ぶのよ?」
「うん、わかった。」
静矢を琉架の部屋に残しそれぞれの場所に散る。
「りぃくん、寝よう。」
そろそろ夜も深まってきた。
その間琉架が目を冷ますことはなく理斗もまだ寝たくないと駄々をこねる。
「やーや!りとはるぅと寝るの!」
散々駄々をこねるがやはり眠いのか動きが鈍い。
「ん。お願い。ねよ?」
目もトロンとしてきた理斗は凄まじく可愛い。
そんな目で見つめられたら断れないが後ろでどうしたら、、と困り果てている侍女達のためにも誘惑に勝つ。
「おやすみ、理斗。」
理斗に布団をかけてあげる。
すぅーすぅーと気持ち良さそうな寝息が聞こえ始めたので理斗と琉架の部屋を出て行った。
「なんでも言ってね!」
父に最後に言われたその言葉。
俺が願うことはただ1つ。
「、、じゃあ琉架を治してよ。」
届くことのない願いは長い長い廊下が吸い取ってしまった。
「静矢、今日の夜お話し。」
「?わかったよ。ありがとう。」
それじゃ、私は理斗を寝かしつけてから仕事をしてくるわね、そう言って母さんは今にも寝てしまいそうな理斗を抱き抱えて部屋を出ようとする。
「、竜葵がやってくれる?」
「、!!」
ブンブンと首を振れびフフフと笑って理斗を預けてくれた。
「りゅーにぃ、。!!!」
眠そうな顔をしながらも俺の顔を見てニコニコと笑い、手を伸ばしてくるその愛らしい姿に頬が緩む。
「部屋、行ってくる。」
「静矢は琉架、よろしくね。何かあったら大声で叫ぶのよ?」
「うん、わかった。」
静矢を琉架の部屋に残しそれぞれの場所に散る。
「りぃくん、寝よう。」
そろそろ夜も深まってきた。
その間琉架が目を冷ますことはなく理斗もまだ寝たくないと駄々をこねる。
「やーや!りとはるぅと寝るの!」
散々駄々をこねるがやはり眠いのか動きが鈍い。
「ん。お願い。ねよ?」
目もトロンとしてきた理斗は凄まじく可愛い。
そんな目で見つめられたら断れないが後ろでどうしたら、、と困り果てている侍女達のためにも誘惑に勝つ。
「おやすみ、理斗。」
理斗に布団をかけてあげる。
すぅーすぅーと気持ち良さそうな寝息が聞こえ始めたので理斗と琉架の部屋を出て行った。
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