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記憶がなくなる前の話
7話
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理玖斗サイド
「藍羅、一緒に話を聞きに行こう。香月先生。」
「かしこまりました。」
「ええ。静矢、竜葵よろしくね。」
いつのまにか入り口に立っていた静矢と竜葵に琉架を頼むと静矢の腕の中にいる理斗が話しかけてきた。
「パパ、るぅは?るぅ、おねんね?」
「そうだよ?琉架、疲れちゃったみたい。理斗も無理しないでね?」
「理斗もるぅといっしょにねる!」
そう言って静矢の腕の中から脱しようとする理斗を竜葵が慌てて止めようとしている。
お前はどうこじらせたらそんなに不器用になるんだ。
顔の表情はあまり変わらない竜葵だが弟たちへの愛は多分親である俺たちよりもあるだろう。
なんだか悔しいが弟たちを見守る竜葵の目を見ていたら伝わってくる。
どれだけ大切に思っているのかが。
「それじゃ、よろしくね。静矢、竜葵。」
「うん。」
「ん。」
そのまま部屋から出て応接室に行く。
「どうぞ、こちらに。」
「失礼します。」
佐々木がお茶を先生の前に運んだのを見送ってから話を切り出す。
「、それで琉架は。」
「先ほどもお話しした通りあまり良くない、というのが現状です。今回のことでもわかるように少しの運動でさえ琉架様の心臓や肺、呼吸器器官に計り知れないほどの負荷を追わせています。」
「じゃあ、琉架は、、」
「これから生活をしていくにしても周りの方達のような運動はできずにいろいろなことが制限されるでしょう。」
手術をしようにも手術自体が琉架様の体に多大なるご負担をおかけすることになりますのであまりお勧めはできません、と続ける。
「琉架は、みんなと同じようにめいいっぱい生きられるのでしょうか。」
藍羅が先生に尋ねる。
「おそらく、このまま安静にして普段からの活動に制限を付ければ。」
「けど、琉架が無理をしてしまったら長くは生きられない、そういうことですね?」
「、、、、ええ。」
俺の最終確認に俺も藍羅も薄々感じ取っていた。
琉架の寿命がそんなに長くないということは。
「藍羅、一緒に話を聞きに行こう。香月先生。」
「かしこまりました。」
「ええ。静矢、竜葵よろしくね。」
いつのまにか入り口に立っていた静矢と竜葵に琉架を頼むと静矢の腕の中にいる理斗が話しかけてきた。
「パパ、るぅは?るぅ、おねんね?」
「そうだよ?琉架、疲れちゃったみたい。理斗も無理しないでね?」
「理斗もるぅといっしょにねる!」
そう言って静矢の腕の中から脱しようとする理斗を竜葵が慌てて止めようとしている。
お前はどうこじらせたらそんなに不器用になるんだ。
顔の表情はあまり変わらない竜葵だが弟たちへの愛は多分親である俺たちよりもあるだろう。
なんだか悔しいが弟たちを見守る竜葵の目を見ていたら伝わってくる。
どれだけ大切に思っているのかが。
「それじゃ、よろしくね。静矢、竜葵。」
「うん。」
「ん。」
そのまま部屋から出て応接室に行く。
「どうぞ、こちらに。」
「失礼します。」
佐々木がお茶を先生の前に運んだのを見送ってから話を切り出す。
「、それで琉架は。」
「先ほどもお話しした通りあまり良くない、というのが現状です。今回のことでもわかるように少しの運動でさえ琉架様の心臓や肺、呼吸器器官に計り知れないほどの負荷を追わせています。」
「じゃあ、琉架は、、」
「これから生活をしていくにしても周りの方達のような運動はできずにいろいろなことが制限されるでしょう。」
手術をしようにも手術自体が琉架様の体に多大なるご負担をおかけすることになりますのであまりお勧めはできません、と続ける。
「琉架は、みんなと同じようにめいいっぱい生きられるのでしょうか。」
藍羅が先生に尋ねる。
「おそらく、このまま安静にして普段からの活動に制限を付ければ。」
「けど、琉架が無理をしてしまったら長くは生きられない、そういうことですね?」
「、、、、ええ。」
俺の最終確認に俺も藍羅も薄々感じ取っていた。
琉架の寿命がそんなに長くないということは。
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