9 / 66
記憶がなくなる前の話
6話
しおりを挟む
理玖斗サイド
「社長、お屋敷からお電話です。」
「ん?ああ。わかった。」
今日のあらかたの仕事が片付き始め、書類に目を通していた時に不意に電話がかかってきた。
なんだかいやな予感がする。
仕事中の電話はそのほとんどが俺たちの愛しの末息子の救急連絡だ。
「、、はい。、、、、なんだって?!?!すぐに向かう!!香月先生にはできるだけ琉架を屋敷でいられるようにしてもらってくれ!清水!!」
慌てて電話を切り控えていた清水に怒鳴りかける。
「、こちらに。車はもう間も無く参ります。」
電話であらかたの事情を察したらしい清水は帰る支度のできたカバンを差し出してくれた。
おれはそれを受け取って全力ダッシュで向かう。
バンッ!
長い玄関前の庭を駆け抜けて扉を開ける。
「おかえりなさいませ旦那様。お待ちしておりました。奥様と香月先生は琉架様専用のお部屋におられます。」
玄関には藍羅の従者の佐々木がいた。
「ああ。」
荷物を佐々木に預けて琉架の運ばれた部屋に行く。
途中竜葵とすれ違った気がするが構ってはられなかった。
「ッ琉架!!」
部屋に入ると大きなベッドの上で眠る愛しい愛しい末息子が。
大きなベッドは琉架の華奢な体を余計に目立たせる。
「あなた、、。」
藍羅は若干目を潤ませていた。
この光景は何度見ても慣れない。
体の弱い琉架だが毎回頑張ってきている。
でもこのいなくなってしまいそうなこの時間だけは何度体験してもいやだ。
あと何回味わわなければならないのだろうか。
「香月先生。琉架の容態は。」
「あまりよろしくない、のが正直なところです。静矢様、竜葵様からお聞きするに普段できていることをしたようですがこのようにお倒れになられてしまったようなのであまり、、、」
言葉を濁す香月先生。
しんみりとした空気が漂う。
「社長、お屋敷からお電話です。」
「ん?ああ。わかった。」
今日のあらかたの仕事が片付き始め、書類に目を通していた時に不意に電話がかかってきた。
なんだかいやな予感がする。
仕事中の電話はそのほとんどが俺たちの愛しの末息子の救急連絡だ。
「、、はい。、、、、なんだって?!?!すぐに向かう!!香月先生にはできるだけ琉架を屋敷でいられるようにしてもらってくれ!清水!!」
慌てて電話を切り控えていた清水に怒鳴りかける。
「、こちらに。車はもう間も無く参ります。」
電話であらかたの事情を察したらしい清水は帰る支度のできたカバンを差し出してくれた。
おれはそれを受け取って全力ダッシュで向かう。
バンッ!
長い玄関前の庭を駆け抜けて扉を開ける。
「おかえりなさいませ旦那様。お待ちしておりました。奥様と香月先生は琉架様専用のお部屋におられます。」
玄関には藍羅の従者の佐々木がいた。
「ああ。」
荷物を佐々木に預けて琉架の運ばれた部屋に行く。
途中竜葵とすれ違った気がするが構ってはられなかった。
「ッ琉架!!」
部屋に入ると大きなベッドの上で眠る愛しい愛しい末息子が。
大きなベッドは琉架の華奢な体を余計に目立たせる。
「あなた、、。」
藍羅は若干目を潤ませていた。
この光景は何度見ても慣れない。
体の弱い琉架だが毎回頑張ってきている。
でもこのいなくなってしまいそうなこの時間だけは何度体験してもいやだ。
あと何回味わわなければならないのだろうか。
「香月先生。琉架の容態は。」
「あまりよろしくない、のが正直なところです。静矢様、竜葵様からお聞きするに普段できていることをしたようですがこのようにお倒れになられてしまったようなのであまり、、、」
言葉を濁す香月先生。
しんみりとした空気が漂う。
21
お気に入りに追加
1,100
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
双子攻略が難解すぎてもうやりたくない
はー
BL
※監禁、調教、ストーカーなどの表現があります。
22歳で死んでしまった俺はどうやら乙女ゲームの世界にストーカーとして転生したらしい。
脱ストーカーして少し遠くから傍観していたはずなのにこの双子は何で絡んでくるんだ!!
ストーカーされてた双子×ストーカー辞めたストーカー(転生者)の話
⭐︎登場人物⭐︎
元ストーカーくん(転生者)佐藤翔
主人公 一宮桜
攻略対象1 東雲春馬
攻略対象2 早乙女夏樹
攻略対象3 如月雪成(双子兄)
攻略対象4 如月雪 (双子弟)
元ストーカーくんの兄 佐藤明
兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました
不知火
BL
温かい家族に包まれた1人の男の子のお話
爵位などを使った設定がありますが、わたしの知識不足で実際とは異なった表現を使用している場合がございます。ご了承ください。追々、しっかり事実に沿った設定に変更していきたいと思います。
不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う
らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。
唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。
そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。
いったいどうなる!?
[強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。
※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。
※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる