1 / 1
こんな梅雨はいやだ
しおりを挟む
今日俺はまだ学校まで時間があったから雨宿りついでに『カフェテリアタノシン』に来ている。
俺はブラックが苦手だけど今度こそ大人っぽくなるために飲むことにした……だってなんかブラック飲めたら大人って感じしない?……しないか俺だけか、そうですか
「あの店員さーんちょっといいですかぁ」
「はーい少々お待ちください!今行きますから」
俺は店員さんを待ちながら店の外を見た。
昨日の雨が今日まで続いているが今は少しだけ晴れてきている。
店の外にある街路樹の葉はエメラルド色に輝いている。
一枚でいいから持って帰りたいな……あっそうだこの景色を写真に残せばあと見返したときいい思い出になるだろうからね……今は12時25分か……たしか今日の登校時間は13時25分だから……うん、もう少しのんびりしてもまだ間に合うな
その時店員さんが来てくれた。
「お待たせいたしました。ご注文は何にいたしますか?」
「それじゃあこのアイスコーヒーとチョコチップクッキーで」
「かしこまりました。砂糖とミルクはどうなさいますか?」
「一応一つずつお願いします」
「かしこまりました。ご注文を確認いたしますね。アイスコーヒー砂糖とミルクは一つずつとチョコチップクッキーの二点でよろしかったですか?」
「はい、合ってます」
「それでは少々お待ちください」
店員さんは満面の笑みで首を傾げた。
どうしてブラックにするはずなのになんで砂糖とミルクを頼んだかっていうと……やっぱり苦いのは苦手だからもう限界ってなった時に入れるため……本当は砂糖とミルク三つずつがいいけど今日は頑張ってみるんだ!!
そして俺は待つ間にネットの記事でも見ることにした。
何かないかな……俺はそう思いながら画面をスワイプした。
すると『大人気大学生読者モデルの高木真那未(たかぎまなみ)が恋人を殺害し逮捕』という記事があった。
これは今日はうちの学校はこの話で持ちきりだろうな……理由そんなの簡単なことだ、この高木真那未は俺と同じ学校に通っているからな……まあ興味もなかったからこの記事に書いてあった高木真那未のプロフィールで初めて知ったんだけどな……まあ今はその話はそこら辺の床にでも置いておいてっと、今俺はカフェでの食事を楽しみに来ているのだから……まあ食事って言っても食べるのクッキーだけなんだけど
そんなふうに考えていたら
「ご注文のチョコチップクッキーとアイスコーヒー砂糖とミルク一つずつお持ちしました。ごゆっくりとお過ごしください♪」
よーし早速楽しみますか!
……ニガッ!!!あぁぁぁぁぁあ苦い苦い苦い砂糖とミルク……入れても苦いっ!!
もっともらっときゃよかった!!
……これやばいな全部飲み切れるかな?
その時二つ隣の席から怒号が聞こえてきた。
「おい!! どうなってんだよなんで突然母ちゃんがエメラルドになってんだよ!! これ元に戻るのかよ!! 店長呼べ!! 早くしろ!!!」
人がエメラルドに変わった?
一体どういうことだ……そういえば店に注意書きがあったな……変な注意書きだったから写真撮ってたよな、確認確認っと。
『カフェテリアタノシンを楽しむための注意事項
その一、雨上がりには外の景色を見ること特に木々の葉っぱなど
そのニ、飲食の時間は最高でも一時間までそれをすぎたら人間ではいられなくなりますのでご注意を!! 制限時間まであと五分となりましたら従業員がお声がけをしますので従ってください。
その三、いただきますとご馳走様を言うこと、言わないと即座に変わりますのでご注意を!!
その四、傷ついた心の持ち主は店員に感謝を伝えないと自分を保てなくなりますのでご注意を!!
その五、遊び半分でのご来店はやめてください。しかし梅雨の時期の雨宿りでしたらご自由にお使いください』
って感じだったのでなんだこれと思い写真を撮っていた。
そういえば俺は今どれくらいいるんだ!?
そう思っていたら突然机の一部が開き始め残りの時間が表示され始めた。
残り三十分……か、まだ一応残っているな……そして今の時間が13時……うん? 13時だって!? ここから学校まで信号に引っかかって約31分はかかる……遅刻確定だな。
どう言い訳しようか……もういっそのことこう言うか
『エメラルドに誘われて』と
そうして俺はアイスコーヒーを全て飲み干し、チョコチップクッキーも全て食べてすぐに会計を終わらせて店を出た。
そして全速力で自転車を漕いだ
29分後
「はあ、はあなんでこんな時に限っていつも以上に信号に引っかかるんだよ!!
もう間に合わねえよ!! しかもなんで引っかかった信号が変わるまで10分もかかる信号なんだよ!!」
そうして俺は遅刻をした。
そして先生にどうして遅刻をしたのか聞かれたので当然こう答えた
「エメラルドに誘われて遅刻しました」
そして先生の答えが返ってきた。
「お前なにふざけてんの!?……まあお前が事故に遭ってないからよかったけど、本当心配したんだからな!!」
しかし俺はこの日が人生最後の梅雨……というか人生最後の日になるなんてこの時は考えてもいなかった。
どうしてかといえば
俺は自転車を漕いで帰っていたら段差で転び起きあがろうとした時に頭を強く打ったからだ。
打ちどころが悪かったようだ。
どうしてヘルメットをしていなかったんだろうと後悔したがもう遅かった。
血の大雨特別警報だなこれは……寒いな、これが人生最後に考えたことか……まあ俺らしいな
そして俺は死んだ。
おしまい
俺はブラックが苦手だけど今度こそ大人っぽくなるために飲むことにした……だってなんかブラック飲めたら大人って感じしない?……しないか俺だけか、そうですか
「あの店員さーんちょっといいですかぁ」
「はーい少々お待ちください!今行きますから」
俺は店員さんを待ちながら店の外を見た。
昨日の雨が今日まで続いているが今は少しだけ晴れてきている。
店の外にある街路樹の葉はエメラルド色に輝いている。
一枚でいいから持って帰りたいな……あっそうだこの景色を写真に残せばあと見返したときいい思い出になるだろうからね……今は12時25分か……たしか今日の登校時間は13時25分だから……うん、もう少しのんびりしてもまだ間に合うな
その時店員さんが来てくれた。
「お待たせいたしました。ご注文は何にいたしますか?」
「それじゃあこのアイスコーヒーとチョコチップクッキーで」
「かしこまりました。砂糖とミルクはどうなさいますか?」
「一応一つずつお願いします」
「かしこまりました。ご注文を確認いたしますね。アイスコーヒー砂糖とミルクは一つずつとチョコチップクッキーの二点でよろしかったですか?」
「はい、合ってます」
「それでは少々お待ちください」
店員さんは満面の笑みで首を傾げた。
どうしてブラックにするはずなのになんで砂糖とミルクを頼んだかっていうと……やっぱり苦いのは苦手だからもう限界ってなった時に入れるため……本当は砂糖とミルク三つずつがいいけど今日は頑張ってみるんだ!!
そして俺は待つ間にネットの記事でも見ることにした。
何かないかな……俺はそう思いながら画面をスワイプした。
すると『大人気大学生読者モデルの高木真那未(たかぎまなみ)が恋人を殺害し逮捕』という記事があった。
これは今日はうちの学校はこの話で持ちきりだろうな……理由そんなの簡単なことだ、この高木真那未は俺と同じ学校に通っているからな……まあ興味もなかったからこの記事に書いてあった高木真那未のプロフィールで初めて知ったんだけどな……まあ今はその話はそこら辺の床にでも置いておいてっと、今俺はカフェでの食事を楽しみに来ているのだから……まあ食事って言っても食べるのクッキーだけなんだけど
そんなふうに考えていたら
「ご注文のチョコチップクッキーとアイスコーヒー砂糖とミルク一つずつお持ちしました。ごゆっくりとお過ごしください♪」
よーし早速楽しみますか!
……ニガッ!!!あぁぁぁぁぁあ苦い苦い苦い砂糖とミルク……入れても苦いっ!!
もっともらっときゃよかった!!
……これやばいな全部飲み切れるかな?
その時二つ隣の席から怒号が聞こえてきた。
「おい!! どうなってんだよなんで突然母ちゃんがエメラルドになってんだよ!! これ元に戻るのかよ!! 店長呼べ!! 早くしろ!!!」
人がエメラルドに変わった?
一体どういうことだ……そういえば店に注意書きがあったな……変な注意書きだったから写真撮ってたよな、確認確認っと。
『カフェテリアタノシンを楽しむための注意事項
その一、雨上がりには外の景色を見ること特に木々の葉っぱなど
そのニ、飲食の時間は最高でも一時間までそれをすぎたら人間ではいられなくなりますのでご注意を!! 制限時間まであと五分となりましたら従業員がお声がけをしますので従ってください。
その三、いただきますとご馳走様を言うこと、言わないと即座に変わりますのでご注意を!!
その四、傷ついた心の持ち主は店員に感謝を伝えないと自分を保てなくなりますのでご注意を!!
その五、遊び半分でのご来店はやめてください。しかし梅雨の時期の雨宿りでしたらご自由にお使いください』
って感じだったのでなんだこれと思い写真を撮っていた。
そういえば俺は今どれくらいいるんだ!?
そう思っていたら突然机の一部が開き始め残りの時間が表示され始めた。
残り三十分……か、まだ一応残っているな……そして今の時間が13時……うん? 13時だって!? ここから学校まで信号に引っかかって約31分はかかる……遅刻確定だな。
どう言い訳しようか……もういっそのことこう言うか
『エメラルドに誘われて』と
そうして俺はアイスコーヒーを全て飲み干し、チョコチップクッキーも全て食べてすぐに会計を終わらせて店を出た。
そして全速力で自転車を漕いだ
29分後
「はあ、はあなんでこんな時に限っていつも以上に信号に引っかかるんだよ!!
もう間に合わねえよ!! しかもなんで引っかかった信号が変わるまで10分もかかる信号なんだよ!!」
そうして俺は遅刻をした。
そして先生にどうして遅刻をしたのか聞かれたので当然こう答えた
「エメラルドに誘われて遅刻しました」
そして先生の答えが返ってきた。
「お前なにふざけてんの!?……まあお前が事故に遭ってないからよかったけど、本当心配したんだからな!!」
しかし俺はこの日が人生最後の梅雨……というか人生最後の日になるなんてこの時は考えてもいなかった。
どうしてかといえば
俺は自転車を漕いで帰っていたら段差で転び起きあがろうとした時に頭を強く打ったからだ。
打ちどころが悪かったようだ。
どうしてヘルメットをしていなかったんだろうと後悔したがもう遅かった。
血の大雨特別警報だなこれは……寒いな、これが人生最後に考えたことか……まあ俺らしいな
そして俺は死んだ。
おしまい
20
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アンドロイドちゃんねる
kurobusi
SF
文明が滅ぶよりはるか前。
ある一人の人物によって生み出された 金属とプラスチックそして人の願望から構築された存在。
アンドロイドさんの使命はただ一つ。
【マスターに寄り添い最大の利益をもたらすこと】
そんなアンドロイドさん達が互いの通信機能を用いてマスター由来の惚気話を取り留めなく話したり
未だにマスターが見つからない機体同士で愚痴を言い合ったり
機体の不調を相談し合ったりする そんなお話です

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる