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プロローグ旅立ち
第五話エルム村の惨劇
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第五話エルム村の惨劇
俺たちは隣村のエルム村に向かい進み続けている。
そのエルム村は俺たちの住んでいる村アヴェル村と長年の交流があると父ちゃんが言っていたし……助けを求めて応じてくれるかどうかも分からない。
エルム村からすれば交流があるとはいえ自分たちに危険になる……だから断られても仕方ないよな。
やる前から断られることを考えるのはいけないと分かっているが……やっぱり不安だ。
でもこういう悩みも外に出られるから出来るわけで……嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになる。
俺がそう考えているとするとクロエが
「どうしたのラウル……やっぱり不安? 私エルム村の村長のサヤカさんと話したことあるけど、困ってる人を見捨てるような人じゃなさそうだったし……それにあの人は私たちの村が帝国に襲われたことを知れば……あの人ならもう知ってるか……」
俺はそれがどういうことか聞こうとしたらテッドが先に聞いた
「なあクロエそれってどういうことなんだよ……まだ村に帝国軍が来たこと伝えてねえよな? なのに知ってるってエルム村って地図だったら大陸で一番端っこの方だし……一応俺たちの村からも距離はあるよな……あるよなケント!!」
「いや僕に聞かれても……まあ距離はあるよ。(そういえば最近街に買い出しに行ったときにお店の奥さんと店主たちから聞こえた会話の中で『旦那さんが軍人さんのエヴァさんから聞いたんだけどヴァルスピア帝国が他国から自国に流れ着いた人"ナガレビト"からまだ試作品らしいだけどね新しい船……なんだったかしら……思い出したわ!! たしかジョウキセンってものを教えてもらったそうよ。確か今回のナガレビトはイギリス? ってところから来たって言ってるらしいのよ……そんな国地図に無いのにね。もし本当だとして言葉ってどうしたのかしらね?』って言ってた……そのジョウキセンってやつで来たのか? いやもしそうならまず狙われるのは大陸で一番端のエルム村になるはず、だったら僕たちの村にきたのはいつもの方法だったら騎馬に乗ってきたってことだよね……わざわざヴァルスピア帝国から馬は寝かせず走らせて何十日、通常の速度でも二ヶ月ほどかかるこの村まで来た理由は……ラウルのお父さん殺すだけが目的じゃないよね。
やっぱり呪草だよね……なんで呪草なんて生まれたんだろう? 僕は早く呪いの解き方を知りたいし呪い以外の謎も解明したい!! 僕は本に載ってることを自分の目で見たくて外に出たんだから、ほんとラウルに感謝だよ……ラウルも僕のことをもっと頼ってくれてもいいのに……まあ僕に出来ることは少ないかもだけど)
でも別に知っててもおかしくないでしょ、僕たち以外がエルム村に向かって先に伝えてれば知ってるでしょ? だからまあ……話し合いは早めに済むかもね」
テッドはなんとなく分かったようなぁって顔をしていた。
俺たちはエルム村に着くまでの間にたくさん会話をして親睦を深めた。
そして四時間後
俺たちはエルム村にたどり着いたが俺たちが見た光景はまるで地獄のようだった。
地面には身体を食いちぎられたような跡のある遺体や身体の一部が欠損している遺体、四肢が無くなりながらも微かに息があるがすぐに事切れた者など……どの遺体の傷を見ても刃物によるものではなかった。
引きちぎられたような……そんな傷だった。
俺たちはもしかしたら生存者がいるかもしれないと思い探し始めた。
三六分後
俺は崩れてボロボロになった家に一人の少年を見つけた……がこの状況で大人数が目の前に来たら恐怖を感じるのではと思い一人でその少年に話しかけた。
「ねえ……一体ここでなにが……」
俺がそう聞こうと近づいたら
「くっ来るな!! ……お前たちインヴァート水軍のせいで僕たちの村がこんなになったんだ!! せっせめて一撃ぐらいは与えてから死んでやる……ごめんなさい母ちゃん」
俺のことをそのインヴァート水軍というものに間違えているみたいだ。
「俺はそのインヴァート水軍ってやつとは無関係だ……隣村のアヴェル村の人間だから、アヴェル村に帝国軍がきて……俺の父ちゃんのゲオルグが殺されたから……ここも狙われる可能性があるからっていうのと……その助けを伝えに……」
俺がアヴェル村とゲオルグというと少年が
「アヴェル村の人か……昨日アヴェル村の人がそのことを伝えてくれたんだけど……その人もインヴァート水軍に殺されて……助けられなくてごめんなさい!! それに勘違いとはいえ土起こしフォークを向けちゃって」
ケントの言ったとおり誰かが伝えに来てたのか……でもその人もインヴァート水軍に殺された。
同じ村の人だから知り合いなのは間違いないとして……やっぱり誰かが死ぬのを聞くのは嫌だな……特に知り合いだったら余計に
せめてここで亡くなった人の埋葬をしてから出発しよう。
そう考えていたら少年が
「それでお兄ちゃんが聞きたかったのってどうしてこうなったかってことだったよね。結論から言えば飢饉と呪いだよ。あっ呪いって言ってもアヴェル村は関係ないから。飢饉の影響で空腹になった人たちにインヴァート水軍の呪術師が魔物のような力と周りの人間が餌に見える呪いをかけたんだよ。僕は……母ちゃんのことを……喰い殺したんだ!! 母ちゃんは僕が生きられるならって言ってくれたけど、僕は……僕は!! ごめんなさい八つ当たりして」
さすがにこの子一人にするわけにはいかないから連れて行きたいが……人数が人数だし、それだけじゃない……インヴァート水軍のことにしてもヴァルスピア帝国のことにしても手分けして情報を探した方がいい……と思うが、手分けしたとしても会えないと情報共有が出来ないしどうするか……ってまずはこの子をみんなのところに連れて行って今後のことを相談すればいいよな
そして相談した結果
ヴァルスピア帝国の件は
俺、テッド、ケント、ケルヴィンさん、アヤ
インヴァート水軍の件は
クロエ、ロザリーさん、クリス、さっきの少年ヴィクターだ
他にもロザリーさんが知り合いが何人か助っ人で来てくれるらしい
それとロザリーさんが教えてくれたことによると俺たちがロザリーさんと出会ったようなダンジョンには"転移の泉"と呼ばれるダンジョン間を自由に行き来出来るものがあると。
それがあれば情報共有がしやすくなる。
……クロエには父ちゃんからもらった二つ揃って一組となる"守護双龍(しゅごそうりゅう)のペンダント"の一つを渡した。
必ず生きて会うという約束も込めて……このペンダントがクロエを守ってくれればいいんだけど。
次回からラウル編とクロエ編に分かれます
最終的には合流します
俺たちは隣村のエルム村に向かい進み続けている。
そのエルム村は俺たちの住んでいる村アヴェル村と長年の交流があると父ちゃんが言っていたし……助けを求めて応じてくれるかどうかも分からない。
エルム村からすれば交流があるとはいえ自分たちに危険になる……だから断られても仕方ないよな。
やる前から断られることを考えるのはいけないと分かっているが……やっぱり不安だ。
でもこういう悩みも外に出られるから出来るわけで……嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになる。
俺がそう考えているとするとクロエが
「どうしたのラウル……やっぱり不安? 私エルム村の村長のサヤカさんと話したことあるけど、困ってる人を見捨てるような人じゃなさそうだったし……それにあの人は私たちの村が帝国に襲われたことを知れば……あの人ならもう知ってるか……」
俺はそれがどういうことか聞こうとしたらテッドが先に聞いた
「なあクロエそれってどういうことなんだよ……まだ村に帝国軍が来たこと伝えてねえよな? なのに知ってるってエルム村って地図だったら大陸で一番端っこの方だし……一応俺たちの村からも距離はあるよな……あるよなケント!!」
「いや僕に聞かれても……まあ距離はあるよ。(そういえば最近街に買い出しに行ったときにお店の奥さんと店主たちから聞こえた会話の中で『旦那さんが軍人さんのエヴァさんから聞いたんだけどヴァルスピア帝国が他国から自国に流れ着いた人"ナガレビト"からまだ試作品らしいだけどね新しい船……なんだったかしら……思い出したわ!! たしかジョウキセンってものを教えてもらったそうよ。確か今回のナガレビトはイギリス? ってところから来たって言ってるらしいのよ……そんな国地図に無いのにね。もし本当だとして言葉ってどうしたのかしらね?』って言ってた……そのジョウキセンってやつで来たのか? いやもしそうならまず狙われるのは大陸で一番端のエルム村になるはず、だったら僕たちの村にきたのはいつもの方法だったら騎馬に乗ってきたってことだよね……わざわざヴァルスピア帝国から馬は寝かせず走らせて何十日、通常の速度でも二ヶ月ほどかかるこの村まで来た理由は……ラウルのお父さん殺すだけが目的じゃないよね。
やっぱり呪草だよね……なんで呪草なんて生まれたんだろう? 僕は早く呪いの解き方を知りたいし呪い以外の謎も解明したい!! 僕は本に載ってることを自分の目で見たくて外に出たんだから、ほんとラウルに感謝だよ……ラウルも僕のことをもっと頼ってくれてもいいのに……まあ僕に出来ることは少ないかもだけど)
でも別に知っててもおかしくないでしょ、僕たち以外がエルム村に向かって先に伝えてれば知ってるでしょ? だからまあ……話し合いは早めに済むかもね」
テッドはなんとなく分かったようなぁって顔をしていた。
俺たちはエルム村に着くまでの間にたくさん会話をして親睦を深めた。
そして四時間後
俺たちはエルム村にたどり着いたが俺たちが見た光景はまるで地獄のようだった。
地面には身体を食いちぎられたような跡のある遺体や身体の一部が欠損している遺体、四肢が無くなりながらも微かに息があるがすぐに事切れた者など……どの遺体の傷を見ても刃物によるものではなかった。
引きちぎられたような……そんな傷だった。
俺たちはもしかしたら生存者がいるかもしれないと思い探し始めた。
三六分後
俺は崩れてボロボロになった家に一人の少年を見つけた……がこの状況で大人数が目の前に来たら恐怖を感じるのではと思い一人でその少年に話しかけた。
「ねえ……一体ここでなにが……」
俺がそう聞こうと近づいたら
「くっ来るな!! ……お前たちインヴァート水軍のせいで僕たちの村がこんなになったんだ!! せっせめて一撃ぐらいは与えてから死んでやる……ごめんなさい母ちゃん」
俺のことをそのインヴァート水軍というものに間違えているみたいだ。
「俺はそのインヴァート水軍ってやつとは無関係だ……隣村のアヴェル村の人間だから、アヴェル村に帝国軍がきて……俺の父ちゃんのゲオルグが殺されたから……ここも狙われる可能性があるからっていうのと……その助けを伝えに……」
俺がアヴェル村とゲオルグというと少年が
「アヴェル村の人か……昨日アヴェル村の人がそのことを伝えてくれたんだけど……その人もインヴァート水軍に殺されて……助けられなくてごめんなさい!! それに勘違いとはいえ土起こしフォークを向けちゃって」
ケントの言ったとおり誰かが伝えに来てたのか……でもその人もインヴァート水軍に殺された。
同じ村の人だから知り合いなのは間違いないとして……やっぱり誰かが死ぬのを聞くのは嫌だな……特に知り合いだったら余計に
せめてここで亡くなった人の埋葬をしてから出発しよう。
そう考えていたら少年が
「それでお兄ちゃんが聞きたかったのってどうしてこうなったかってことだったよね。結論から言えば飢饉と呪いだよ。あっ呪いって言ってもアヴェル村は関係ないから。飢饉の影響で空腹になった人たちにインヴァート水軍の呪術師が魔物のような力と周りの人間が餌に見える呪いをかけたんだよ。僕は……母ちゃんのことを……喰い殺したんだ!! 母ちゃんは僕が生きられるならって言ってくれたけど、僕は……僕は!! ごめんなさい八つ当たりして」
さすがにこの子一人にするわけにはいかないから連れて行きたいが……人数が人数だし、それだけじゃない……インヴァート水軍のことにしてもヴァルスピア帝国のことにしても手分けして情報を探した方がいい……と思うが、手分けしたとしても会えないと情報共有が出来ないしどうするか……ってまずはこの子をみんなのところに連れて行って今後のことを相談すればいいよな
そして相談した結果
ヴァルスピア帝国の件は
俺、テッド、ケント、ケルヴィンさん、アヤ
インヴァート水軍の件は
クロエ、ロザリーさん、クリス、さっきの少年ヴィクターだ
他にもロザリーさんが知り合いが何人か助っ人で来てくれるらしい
それとロザリーさんが教えてくれたことによると俺たちがロザリーさんと出会ったようなダンジョンには"転移の泉"と呼ばれるダンジョン間を自由に行き来出来るものがあると。
それがあれば情報共有がしやすくなる。
……クロエには父ちゃんからもらった二つ揃って一組となる"守護双龍(しゅごそうりゅう)のペンダント"の一つを渡した。
必ず生きて会うという約束も込めて……このペンダントがクロエを守ってくれればいいんだけど。
次回からラウル編とクロエ編に分かれます
最終的には合流します
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