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幸せな二人

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俺と千紗は近所の山ドキトラ山の山頂にある遊園地『ドキハラトリガーランド』に行くことになった。
ちなみにこのドキハラ山という名前はこの遊園地の名前からとられつけられているそうだ。
この遊園地は園内のアトラクションが『少し古いがこの古さ加減が吊り橋効果に良い』と噂が広がりテレビにも取り上げられたと絵梨が言っていたな
本当絵梨は物知りなのか噂好きなのか……その両方か?
本当は知ってた方が千紗と話しやすくていいんだろうけど、なかなかこういう話って俺から出来ないんだよなぁ。
俺と千紗は山頂の遊園地に着く頃にはもうクタクタ
「はぁ、はぁ、ねえ琇ここにくるまでにさ……どうして三時間もかかってるの私たち……しかも一回遭難しかけたよね!?」
「そうだね……ほんと、ごめん」
「もう琇ったらそんなにしょぼんってならなくて良いのに……なんだか二人で冒険してるみたいで楽しかったし……でもどうしようもう帰る時間だよ」
俺はスマホを見た
「本当だ……これからどうしよう。今日金曜日だし……そのこの遊園地泊まる場所あるみたいだからそこ泊まるか? 当然お金は俺が出す……遭難しかけたの俺が原因だし」
千紗は照れながら呟いた
「琇と同じ部屋なら泊まってもいいよ」と
俺は聞こえないふりをしようとしたが、聞こえないふりをするようでは告白は出来ないと思った俺は「俺も千紗と一緒に泊まりたい」と言った。
絶対顔が赤くなってる
そして二人を見つけた男がいた、そう増田駿輔(ますだしゅんすけ)だ。この日は友達以上恋人未満の関係である海原樹里(かいばらいつき)と来ていた。
「なあ、樹里今日さここに泊まんね?」
「いいよ……けどさなにして遊ぶ? UNOそれともトランプとか?」
「それなんだけどさ、あそこにいる二人も誘いたいんだけどいいか?」
「あの二人? あっ~~千紗様だ!!! それと男!? そういえばあの男いつも千紗様と一緒にいる……ラグビー部じゃない方。まあ二人を誘うのはいいと思うよ……まさか千紗様と一緒に遊べるなんて光栄だなぁ」
うん? あの二人付き合ってるんじゃないのかと俺は思ったけどあの女の方そんなにすごいやつだったのか? いつも樹里のことしか見てなかったからさっぱり知らないんだがまあいいか。
俺と千紗がもじもじしていると二人が声をかけてきた
男の方は見たことがある。サッカー部の試合を観戦した時に三人からスカウトされていた確か名前は…………そう増田駿輔だ。
「千紗様~~~今日一緒に遊びませんか?」
「あんたらもここに泊まるんだろ、俺たちも泊まるんだよ。だから四人で遊べねぇかなって思ってな。それに……ちょっと男の方来い。樹里は千紗と話しながらでも待っててくれちょっと男の方とお土産屋を見てくるから」
「分かったよ、いってらっしゃ~~い」
俺!? でも千紗と一緒に……俺がそう思っていたら千紗が
「琇呼ばれてるし、行ってきたら?(本当は琇と二人になりたいけど琇に友達が増えるなら……我慢我慢。それにこの子と話してみたいし)」と千紗がいいならと俺は増田のところに向かった。
「まずさあんたの名前知らねえし聞いとくわ……あっちなみに俺は増田駿輔な。サッカー部の試合のとき観に来てくれてただろ、ありがとな。それに聞きたいことがあってな」
「いや、こっちこそありがとう良い試合を見せてくれて。それに俺の名前だったな、俺は土方琇(ひじかたしゅう)だ。それに聞きたいことって?」
増田が聞いてきたのは
「なあ、どうやったら琇と千紗みたいなカップルになれるんだと思ってな、どうやって告白したんだ?」
思わず叫びそうになったのを堪えながら
「こっ告白!? それに俺と千紗まだ付き合ってないぞ!!」と言ってしまった。
すると増田は「えっお前たち付き合ってなかったのか!?」みたいな顔で見てくる。
俺はこの状況を増田に伝えたところ
「そうだったのか……アドバイスもらいたかったんだが……お互い頑張るしかないか。四人で遊んだあとは部屋に戻るから安心してくれ」
そして俺と増田……せっかくだし名前で呼ぼうか、駿輔とお土産を買って千紗たちのところに戻った。
「あっ琇おかえり~~今ね樹里ちゃんと仲良くなったの!!」
「千紗様とこんなに話せるなんて……駿輔ありがとう…………私、駿輔のそういうとこ好きだからね」
すると千紗が
「琇早く行くよ……邪魔しちゃ悪いでしょ」といい俺の手を引いて走り出した
そして俺と千紗は二人部屋を取り、あとからもう二人来ることも受付の人に伝え部屋に向かった。
「なっなあ千紗俺たち勢いで来たけど……部屋間違ったんじゃ……ここホテルだよな、床ギシギシいってるけど……さすがに床抜けないよな」
「大丈夫だよ琇心配しすぎだって……多分大丈夫だから、多分(こういうハラハラするのがいいって言われてるけど……さすがにこの古さは直した方がいいんじゃないのかな? 吊り橋効果って意味ならうまくいくかもだけど、ちょっと怖いかな……でも琇がいるし、私にとって琇と居られるならグリストラップ清掃だってディズニーランドより楽しいもん!!)ねえ琇二人を待つ間さ……明日の予定でも決めない?」
明日言わないと……今日はさすがに恥ずかしいといいますか……そのぉ、やっぱり明日告白して、もし……もしだけど成功したら次の登校日には恋人同士になるじゃん。なんかそれがいいなとか……って言い訳はなしとして。
まず明日は…………というかそうだったぁぁ二人部屋じゃん千紗と二人で寝るのか今日!? 心臓持つか?
そして俺は一分ほど悶絶したあと千紗と笑い合った。
そして駿輔と海原さんを待つ間俺と千紗は明日の予定を決めた。
二十三分後
海原さんと駿輔が俺と千紗の部屋に入ってきた
入ってきた海原さんから吉報が届いた。
その内容は
「千紗様……上手くいきました!! これも千紗様と……土方さんのおかげです。ありがとうございます」
海原さんと駿輔が付き合ったというものだった。
すると駿輔が俺に近づいてきて呟いた
「ありがとな琇……次はあんたの番だろ。絶対素直になれよ、照れ隠しでも好きじゃないとかは言うなよ。これからちょっと樹里と出かけてくるから……頑張れよな!!」
そう言ったあと駿輔が
「なあ樹里これからちょっと二人きりで食堂に行こうぜ。今なら無料らしいぞ……まあ金なら用意してるから無料じゃなくても好きなものを好きなだけ買っていいんだぞ(バイト代とお年玉貯めといて本当良かった。今日は一応三十万持ってきてるから残りは百二十九万貯金があるな。これだけ貯めるまでほんっと大変だったからな。でもこの時ためだったと思えば貯金しようと考えた昔の自分に感謝だな)」
「行く行く絶対行くよ駿輔!! 何食べようかなぁ……悩むなぁ、アーンとかしてほしいな駿輔……ダメ?」
「いいけど、それだけでいいのか?」
「それだけって!?」
「それは食堂に向かってる時に教えるから」
駿輔は口パクで『二人とも頑張れよ』と笑顔で言っていた。
千紗は「何か言ってるみたいだけどなんだろ?」みたいな顔をしている。
そして駿輔と海原さんが部屋を出た。
俺は千紗に気持ちを伝えようとしたとき
ぐぅぅぅぅとお腹の音が聞こえてきた。
すると千紗が赤くなりながら「あの音私……でっでも仕方ないでしょお腹すいちゃったんだもん!!」と可愛く言っているので俺は持ってきたカバンから千紗と二人で準備した食べ物を取り出した。
「千紗これ食べながら話そう……言いたいこともあるからさ」
千紗が「私も琇に話したいことがある」と。
気にはなるがまずは腹ごしらえをしないと。
そして十五分ほどで食べ終わった。
そして俺は千紗に
「その千紗にずっと言いたいことがあって……」
俺がそう言おうとすると千紗が
「待って私に先に言わせて…………べっ、別にあんたのことなんか好きじゃないんだから!!(言いたいことはそれじゃないのに、どうして素直になれないのよ!!)」
えっ、告白する前に振られたのか俺!?
そう言われたなら俺も同じように言ってもいいかな? 本当は千紗のこと好きだけど
「俺も千紗のことべつにすきじゃねえしな……お互い…………」
「……えっ? じゃあ琇は私に興味がないの?……」
「ちょっ千紗泣くなって……冗談、冗談だから!!…………あとなんだよその好きの反対は無関心理論は……そもそも俺は千紗のこと…………だから」
「もうゴニョゴニョ喋らないではっきり言ってよ」
「だから俺は千紗のことが好きだって言ってんだよ!! 何回も言われせるなよバカ」
「バカって何よバカって……でもありがとう私も琇のこと好きよ、これからもよろしくね琇(あぁ本当に夢みたい……これって夢じゃないわよね。だってつねっても痛いもん!! これから琇が私の……かっ彼氏ってことなんだよね。彼氏……彼氏かぁ……どうしよう嬉しすぎて涙出てきそう)」
「ああよろしくな千紗」
そうして俺と千紗は付き合うことになった。
その後駿輔と海原さんが満足そうな顔をして部屋に帰ってきた
そして俺と千紗が付き合ったことを二人に伝えた
二人は全力で祝っていれた
そして次の日俺たちは遊園地を楽しんで帰った。
そして学校では俺と千紗が付き合い始めたというのが広まり"公認カップル"と呼ばれるようになった。
その後絵梨は様々な相談をよくされるようになり解決し、それが自身に繋がったのか高校生にして『人生相談・お悩み解決屋ナシロ』という店を開き大成功することになる。
そして俺と千紗が結婚して幸せな生活をするのはまた別の話

おしまい
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