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第4章 燔祭
魂を持つもの 4
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世界有数のパワースポットであると言われる諏訪湖。
地球を巡る数々の竜脈が、フォッサマグナと中央構造線の結合地点である諏訪湖のインナースペースで集合する。
その幾筋もの龍脈と見られる流れが、諏訪湖中央のインナースペース領域に姿を見せた、巨大な球形に近い形を作る、渦を巻く力場へと続いていた。藤川はこれを『PSIボルテックス』と呼んだ。
力場は、ビジュアル構成限界を超え、その中央はほぼブラックアウトしている。より深淵なる集合無意識へと続いていると考えられる。
この『PSIボルテックス』は、時々蛇のような姿を見せながら、伸びたり、とぐろを巻いたりを繰り返す。
その度に、攪拌された空間から、蛇体状の力場が生まれる。生み出された無数の力場が、互いに絡み合い、融合、分裂を繰り返しながら、湖底の余剰空間を泳ぎ回る。
龍脈に目を凝らせば、何体かの蛇体が出入りしている。その蛇体に引きづられた、何らかの霊魂らしきものも見える。
蛇体が時折、その浮遊する霊魂に喰らい付く。波動収束反応が起こるのであろう、一瞬、シェイプシフトを起こし、ヒトのような形を現わす蛇もいる。だが、その姿は保たれず、インナースペースの空間に霧散していく。中には脱皮のように容態を変え、現象化しようとしながら叶わず、霧散するものもいる。
「現象界(こちら)に、出てこようというのかね?」ウォーロックは、唸るように呟いた。
「うむ。私もそう考えている。先程観測を始めたばかりなので、現時点でこれがどの程度の影響を地上にもたらすのか……まだわからん。だが、昨日のミッションとの比較で予測しても……」
アイリーンが次の資料を示す。現在わかっている観測データから演繹的に算出した、現象化予測エネルギー値を示す。
「最悪の場合、断層構造線に波及し、日本列島を分断しかねない可能性すらある……だが……」
藤川の説明は、どうにも歯切れが悪い。それを察したムサーイドが、言葉を挟んだ。
「ドクター。構いません、端的におっしゃってください。今、この世界に何が起ころうとしているのか?」
「そうよ、コウゾウ。我々は、それを聞く為に、集められたのでは無いのかしら?」
ハンナが、ムサーイドの言葉を後押しする。代表団一同が頷き、同意を示した。
藤川は瞑目し、心を定めると、再び口を開いた。
「これは……予兆だ。いや、二十年前の地震ですら、予兆であったのかも知れぬ……」
プライベートガーデンに設けられた水場に、キラキラと日に照らされた水飛沫が舞う。夏の陽気に誘われた、長期療養棟に入居する子供達には、恰好の遊び場だ。賑やかな子供たちの声が、ガーデンいっぱいに溢れていた。
大人達は、日差しを避けながら、ガーデン周辺樹林を散策したり、鮮やかに色付いた紫陽花などの花壇を眺めながら、談笑している。テラスに設けられたオープンカフェは、数名のスタッフが、昼食時の準備にかかっていた。
今朝方の地震の影響は鳴りを潜め、長期療養棟には、既に穏やかな日常が戻っている。
直人は真世に導かれるようにして、そのガーデンを小道に沿って足を進めていた。
実世の容態のこと、亜夢はICUに居て、まだ眠っていること、そのICU区画は、IN-PSID中枢区画からの通り道で、直人が気付かずに素通りしていたこと……まるで情報交換だけの会話をつないで、二人は防砂樹林の茂る、小高い丘陵状の展望エリアへと移動して来た。
広くはないが、日本海を見渡せる屋根付きの展望休憩所となっている。
「こんなところ……あったんだ」
「うん。夕陽が綺麗に見えるんだよ。あたしのお気に入りの場所」
ちょうど、二人の他、誰もいない。
真世は差し込む日差しを出来るだけ避けて、ベンチを選び腰掛けると、隣を手で軽く叩き、直人を促した。
促されるまま、直人は遠慮がちに腰を下ろす。
真世と直人の間には、もう一人座れそうだ。湿気を含んだ生暖かい潮風が、二人の間を通り抜けていく。
言葉が生まれない。小さく聞こえる波の音が、数回、繰り返した。
直人は、隣の真世を横目で盗み見る。吹き付ける風に、彼女の絹糸のような艶やかな髪が柔らかく舞っていた。うっすら汗ばんだ頬が、少しだけ紅潮しているように見える。
「暑いね」真世は、手で扇ぐ仕草をしながら言った。
海を眺めたまま、微笑みを浮かべているようだった。直人は同意しながら、真世の視線を追う。
「……不思議なコだよね、亜夢ちゃん」
心地よい波のリズムが、真世の口を開かせる。
「う…….うん」
「二つの魂かぁ……あの『メルジーネ』……」
真世はちらりと直人の顔を窺う。気づいた直人が、視線を返そうとする間に、真世はまた海の方へ向き直った。
「……『アムネリア』……さん?協力してくれるなんてね」
地震の影響もあるのか、海の波は幾分高い。高波が、突堤の先端に建つ灯台の足元を濡らしていた。
「そう……だね」
「ふふ、魂が、繋がっているんだもんね。風間くんと。手伝ってもくれるかぁ」
「そ……それは……」直人は、俯いた。
真世は海を眺めたまま、ただ微笑んでいた。
「……気になって当然か……」
「えっ?」真世の呟きは、俯く直人にははっきりと届いていない。
「あ、でも風間くんには、サニが居るもんね!二股はダメよ」真世は、悪戯な笑顔を浮かべてみせた。
「さ……サニは、別にその……」「昨日も……あの後、一緒だったんでしょ……」
「…………」直人の顔から血の気がひく。何一つ言葉を口にできないまま、直人は、海を眺めるのがやっとだった。
「ご……ごめんね!!余計な事聞いちゃった?……つい……」
このままでは死んでしまいそうな直人を見て、真世は、とりあえず謝った。
「風間くんが、誰と一緒にいようと……私が口出すことじゃ無いよね」真世は直人の方へ精一杯の笑顔を向ける。
一方の直人の心の中は、罪悪感でいっぱいだった。
……何故?……誰に対する?
真世は、片想いでしかない……それとも、サニに対して?……
どっちも、交際しているわけでもないのに……サニの事は、真世には関係ない……はずなのに……真世のことだって、サニには……
……それに……サニとは……成り行きだ……
サニだけじゃない……全て成り行きだった……そう、『アムネリア』との繋がりだって……あの地震だって!
でも、何かが違う……そうじゃない……
……確かに、"あの時"……わかりかけた気がしたのに……
……どうして……なんで、こんなに苦しくなる……
「風間くん……風間くん!」
直人は、ふらふらと立ち上がる。
「……ごめん、少し……休んでる」直人は、ふらつく足で、ベンチを離れようとしていた。
「か……風間……くん」
ついと立ち上がった真世であったが、防砂樹林の小道へと降りてゆく直人の背中を見送るしか出来なかった。
……やれやれ、見てらんないねぇ……
また、"あの声"が真世の心の中に響く。
……いいんかい?このままじゃ、まぁた口も利けなくなるくせに……くくく……
……無様、無様、無様!!……
……また!?……
……口を開けば、勘繰り、嫌味……ああ、みっともない……だから無様だっていうんだよ!……
「くっ!」真世は、手を握りしめ、顔を上げて声を張った。
「待って!風間くん!」
小道の中程まで降りかけた直人は、立ち止まり、驚いた様子で振り向いた。
……くくく、それでいい。それで……
地球を巡る数々の竜脈が、フォッサマグナと中央構造線の結合地点である諏訪湖のインナースペースで集合する。
その幾筋もの龍脈と見られる流れが、諏訪湖中央のインナースペース領域に姿を見せた、巨大な球形に近い形を作る、渦を巻く力場へと続いていた。藤川はこれを『PSIボルテックス』と呼んだ。
力場は、ビジュアル構成限界を超え、その中央はほぼブラックアウトしている。より深淵なる集合無意識へと続いていると考えられる。
この『PSIボルテックス』は、時々蛇のような姿を見せながら、伸びたり、とぐろを巻いたりを繰り返す。
その度に、攪拌された空間から、蛇体状の力場が生まれる。生み出された無数の力場が、互いに絡み合い、融合、分裂を繰り返しながら、湖底の余剰空間を泳ぎ回る。
龍脈に目を凝らせば、何体かの蛇体が出入りしている。その蛇体に引きづられた、何らかの霊魂らしきものも見える。
蛇体が時折、その浮遊する霊魂に喰らい付く。波動収束反応が起こるのであろう、一瞬、シェイプシフトを起こし、ヒトのような形を現わす蛇もいる。だが、その姿は保たれず、インナースペースの空間に霧散していく。中には脱皮のように容態を変え、現象化しようとしながら叶わず、霧散するものもいる。
「現象界(こちら)に、出てこようというのかね?」ウォーロックは、唸るように呟いた。
「うむ。私もそう考えている。先程観測を始めたばかりなので、現時点でこれがどの程度の影響を地上にもたらすのか……まだわからん。だが、昨日のミッションとの比較で予測しても……」
アイリーンが次の資料を示す。現在わかっている観測データから演繹的に算出した、現象化予測エネルギー値を示す。
「最悪の場合、断層構造線に波及し、日本列島を分断しかねない可能性すらある……だが……」
藤川の説明は、どうにも歯切れが悪い。それを察したムサーイドが、言葉を挟んだ。
「ドクター。構いません、端的におっしゃってください。今、この世界に何が起ころうとしているのか?」
「そうよ、コウゾウ。我々は、それを聞く為に、集められたのでは無いのかしら?」
ハンナが、ムサーイドの言葉を後押しする。代表団一同が頷き、同意を示した。
藤川は瞑目し、心を定めると、再び口を開いた。
「これは……予兆だ。いや、二十年前の地震ですら、予兆であったのかも知れぬ……」
プライベートガーデンに設けられた水場に、キラキラと日に照らされた水飛沫が舞う。夏の陽気に誘われた、長期療養棟に入居する子供達には、恰好の遊び場だ。賑やかな子供たちの声が、ガーデンいっぱいに溢れていた。
大人達は、日差しを避けながら、ガーデン周辺樹林を散策したり、鮮やかに色付いた紫陽花などの花壇を眺めながら、談笑している。テラスに設けられたオープンカフェは、数名のスタッフが、昼食時の準備にかかっていた。
今朝方の地震の影響は鳴りを潜め、長期療養棟には、既に穏やかな日常が戻っている。
直人は真世に導かれるようにして、そのガーデンを小道に沿って足を進めていた。
実世の容態のこと、亜夢はICUに居て、まだ眠っていること、そのICU区画は、IN-PSID中枢区画からの通り道で、直人が気付かずに素通りしていたこと……まるで情報交換だけの会話をつないで、二人は防砂樹林の茂る、小高い丘陵状の展望エリアへと移動して来た。
広くはないが、日本海を見渡せる屋根付きの展望休憩所となっている。
「こんなところ……あったんだ」
「うん。夕陽が綺麗に見えるんだよ。あたしのお気に入りの場所」
ちょうど、二人の他、誰もいない。
真世は差し込む日差しを出来るだけ避けて、ベンチを選び腰掛けると、隣を手で軽く叩き、直人を促した。
促されるまま、直人は遠慮がちに腰を下ろす。
真世と直人の間には、もう一人座れそうだ。湿気を含んだ生暖かい潮風が、二人の間を通り抜けていく。
言葉が生まれない。小さく聞こえる波の音が、数回、繰り返した。
直人は、隣の真世を横目で盗み見る。吹き付ける風に、彼女の絹糸のような艶やかな髪が柔らかく舞っていた。うっすら汗ばんだ頬が、少しだけ紅潮しているように見える。
「暑いね」真世は、手で扇ぐ仕草をしながら言った。
海を眺めたまま、微笑みを浮かべているようだった。直人は同意しながら、真世の視線を追う。
「……不思議なコだよね、亜夢ちゃん」
心地よい波のリズムが、真世の口を開かせる。
「う…….うん」
「二つの魂かぁ……あの『メルジーネ』……」
真世はちらりと直人の顔を窺う。気づいた直人が、視線を返そうとする間に、真世はまた海の方へ向き直った。
「……『アムネリア』……さん?協力してくれるなんてね」
地震の影響もあるのか、海の波は幾分高い。高波が、突堤の先端に建つ灯台の足元を濡らしていた。
「そう……だね」
「ふふ、魂が、繋がっているんだもんね。風間くんと。手伝ってもくれるかぁ」
「そ……それは……」直人は、俯いた。
真世は海を眺めたまま、ただ微笑んでいた。
「……気になって当然か……」
「えっ?」真世の呟きは、俯く直人にははっきりと届いていない。
「あ、でも風間くんには、サニが居るもんね!二股はダメよ」真世は、悪戯な笑顔を浮かべてみせた。
「さ……サニは、別にその……」「昨日も……あの後、一緒だったんでしょ……」
「…………」直人の顔から血の気がひく。何一つ言葉を口にできないまま、直人は、海を眺めるのがやっとだった。
「ご……ごめんね!!余計な事聞いちゃった?……つい……」
このままでは死んでしまいそうな直人を見て、真世は、とりあえず謝った。
「風間くんが、誰と一緒にいようと……私が口出すことじゃ無いよね」真世は直人の方へ精一杯の笑顔を向ける。
一方の直人の心の中は、罪悪感でいっぱいだった。
……何故?……誰に対する?
真世は、片想いでしかない……それとも、サニに対して?……
どっちも、交際しているわけでもないのに……サニの事は、真世には関係ない……はずなのに……真世のことだって、サニには……
……それに……サニとは……成り行きだ……
サニだけじゃない……全て成り行きだった……そう、『アムネリア』との繋がりだって……あの地震だって!
でも、何かが違う……そうじゃない……
……確かに、"あの時"……わかりかけた気がしたのに……
……どうして……なんで、こんなに苦しくなる……
「風間くん……風間くん!」
直人は、ふらふらと立ち上がる。
「……ごめん、少し……休んでる」直人は、ふらつく足で、ベンチを離れようとしていた。
「か……風間……くん」
ついと立ち上がった真世であったが、防砂樹林の小道へと降りてゆく直人の背中を見送るしか出来なかった。
……やれやれ、見てらんないねぇ……
また、"あの声"が真世の心の中に響く。
……いいんかい?このままじゃ、まぁた口も利けなくなるくせに……くくく……
……無様、無様、無様!!……
……また!?……
……口を開けば、勘繰り、嫌味……ああ、みっともない……だから無様だっていうんだよ!……
「くっ!」真世は、手を握りしめ、顔を上げて声を張った。
「待って!風間くん!」
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