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第4章 燔祭
御子神様 2
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早朝の『森ノ部の郷』一宮境内は、避難中であるにも関わらず賑やかだ。郷のほぼ全員、三百名余りの人々が、レスキューの炊き出しに列を作り、食事を受け取った者から順に、境内のあちこちで食事を始めている。広く作られているとはいえ、この人数にはやや手狭である事は否めない。(境内とはいえ元々、郷の集会場的な場所で、祭り会場や宴会などにも利用される公園を兼ねている)
ヘリコプター(時空間制御機能を持つが、気流コントロールや、時空間制御に影響が出やすいPSID災害地区での活動の為、回転翼が補助的に付随している。その外観から『ヘリコプター』の名称が使われている)からの、レスキュー隊降下から始まり、ものの十数分ばかりで、朝食の炊き出しが始まったのは、娯楽の少ない郷では、お祭りさながらのちょっとしたイベントとなった。
IN-PSID から派遣された救援チームも、レスキュー隊に続きヘリから降下して、境内の端の方で、救護テントの設営、診察ブースの開設を終え、救援活動を始めていた。
ポツポツとIN-PSID のテントにも受診者が訪れる。食事時なのも手伝ってか、閑散としたものだ。
「はい、大丈夫ですよ」
秦野は、サポートアンドロイドを助手にして、ここに避難してくる途中、小枝で腕を怪我したという子どもの手当を手早く済ませる。母子は、軽く礼を述べるとレスキューの炊き出しの方へと向かっていった。
「……これ、来る意味あったっすかねぇ……」
境内を見渡し、若い医師はボヤいた。
レスキューの炊き出しで、朝食を楽しむ郷の者達は、和気あいあいと盛り上がっている。重傷者やPSI シンドロームの気配は微塵もない。
「ピクニックっスよ、こりゃ……」溜息を漏らす若い医師に、神取は苦笑で返す。
「PSIシンドロームは、急性でない限り、表面上、症状が見えにくい場合の方が、むしろ多い。油断は禁物です」「え……ええ、わかってます、わかってますよ、ははは」
「あ……あのぅ……」秦野は、背後から声をかけられ、苦笑の顔のまま咄嗟に振り返った。
声をかけてきたのは、三十代前半ほどの子連れの女性だった。炊き出しでもらってきたのであろう、弁当を三つ、手にしていた。
子供の方は、大きめの野球帽とマスクで顔がよく見えない。
「は、はい!あ、どうぞどうぞ」若い医師は、取り繕うように二人を招き入れる。
「もう……なんて事ないよ」母親の影に隠れ、少年は尻込みする少年に、神取は奇妙な感覚を覚えた。
「そう?……でもぉ」母親は、戸惑いながらも、「す、すみません……やっぱり大丈夫みたいなので……」と踵を返そうとした。秦野も、「はあ、そうですか……」と、手を振る子供に、手振りで返しながら、力なく二人を見送っていた。
「お待ちなさい」
不意に放たれた、神取の研ぎ澄まされた言葉の刃が、親子の足を止める。
振り向いた子供の瞳が、神取をじっと見詰めかえす。一瞬、意識の惑いを感じた神取は、努めて声を張る。
「その子をこちらに」「は、はぁ……」
息子と神取の顔を見比べながら、戸惑いを見せる母親。
「さあ、早く!」神取は、更に語気を強めて促す。
「か……神取先生?」秦野は、神取の声に目を丸める。
「……ふふ。この先生……」「えっ……ちょ、ちょっと……」
狼狽える母親の陰から、先程までとはすっかり態度を一変させた少年が、歩み出てきた。
「さ、サク!」
呼び止める母に構う事なく、少年は神取の前に立つ。マスクの下でニッコリと笑みを浮かべているようだ。
「……私に、微笑む必要はありませんよ」
神取は、少年を見下ろしたまま、微動だにしない。
「……そのようだね」
少年のマスクと帽子の間から覗く両眼から、笑みが消える。
「先生には……これ、わかるのかな?」
徐に少年は、マスクと帽子をとる。
「こ……これは!?」真っ先に、秦野が声を上げ、神取の細目が見開く。
少年の顔には、幾筋もの赤黒く紋様のような痣が浮かび上がっていた。よく見れば、顔だけではない。その痣は、首を伝って身体中に拡がっている事は容易に推測できた。
身体には、『気』が巡る『経絡』があるとされる。神取は、その痣がほぼ『経路』に沿って走っていることを瞬時に見抜いていた。
「まずはこちらへ」救護テントの奥へと招き入れると、神取は秦野をまるで助手のように使い、PSI医療診察機器を準備させた。
「……気づいたのは、さっき。頂いた朝食を食べようとしていた時……咲磨が、顔を隠して、マスクを外すのを嫌がるので、無理にとってみたら……」
付き添う母親がいつからと問いただすと、咲磨と呼ばれた少年は、地震の直後から、少しずつ出始めていたのに気づいていた事を、しぶしぶ認めたという。
「本当はね。小さいのは、時々、出ることがあったんだ……でも、いつもすぐに消えちゃうから。今日もすぐ消えると思ってたんだけどね」穏やかな笑みをこぼしながら、少年は語った。朝の草原のような、爽やかな咲磨の笑みには、神取も自然と心が和む。
だが、この少年が発する穏やかな気質に、神取は違和感を覚えていた。
「なるほど。今回の地震はPSID、つまりPSI特性災害だと判明してきています。PSIシンドロームの可能性もないとは言い切れませんね」
「PSIシンドローム!?」母親は、顔を覆って狼狽する。
PSIシンドロームは、インナースペースから心身に何らかの『現象化』作用をもたらす事によって発生することはわかってきている。だが、発症の仕方は、個人によって様々であり、"万人に効く"治療法は未だ確立できていない。(その為、IN-PSIDでは、PSIクラフトによるインナーミッションに希望を託しているわけではあるが)一般的には、治療法が見出されていない難病で、最悪、死に至るケースもあるという認識だった。
「だ、大丈夫ですよ!お母さん!可能性の話です!それにPSIシンドロームだったとしても、適切なケアをしていけば、症例も軽く抑えられ、支障なく社会生活出来ている人も沢山いるので!と、とにかく検査を」
秦野は、手振りで神取に「ストレートに言わないで」と忠告しながら、咲磨を検査機器へと誘導する。
「ああ……サク……」
「とりあえず、こちらに記入を」神取は、タブレットに問診票を表示させ、母親に渡す。
「イン……サイド?」問診票に表示された、「IN-PSID」の表記に戸惑う母親。
「ええ、ご存知ありませんか?」「い……いえ、名前くらいは……でも……」
国連機関であるにもかかわらず、IN-PSIDは、国内での評判は、二十年前の大震災の発端となった、JPSIO水織川研究センターとの関係や、研究内容の秘匿性が高いなど、批判の矛先を向けられることも多い。
一方で、PSI医療の水準の高さは、評価されてはいるものの、国内外の富裕層の利用などが報じられたこともあり、いつしかIN-PSIDにかかるには、高額な医療費が必要などの噂が、巷には広まっていた。
「ご安心を。この診察は無料です。それに我々の医療を受ける事になっても、法外な請求はありませんので」咲磨の検査にあたっている秦野が、母親の様子に気づいて、明るく声を掛けてくる。
「……私も実は、外部の人間なのですが。IN-PSID の医療技術は抜きん出ています。噂は噂です」
神取の心を見透かすような視線に、母は思わず首をすくめ問診票の記入を手早く進めた。
問診票の記入が終わる頃、検査機がデータサンプリングの終了を伝える無機質な電子音を鳴らす。
「もういいよ」秦野が促すと咲磨は、ニッコリ微笑み、母の元へと駆け戻った。
ただちにサンプリング結果が、救護ブースに置かれたモニターに表示される。
「神取先生、この反応は……」「ええ……」
ヘリコプター(時空間制御機能を持つが、気流コントロールや、時空間制御に影響が出やすいPSID災害地区での活動の為、回転翼が補助的に付随している。その外観から『ヘリコプター』の名称が使われている)からの、レスキュー隊降下から始まり、ものの十数分ばかりで、朝食の炊き出しが始まったのは、娯楽の少ない郷では、お祭りさながらのちょっとしたイベントとなった。
IN-PSID から派遣された救援チームも、レスキュー隊に続きヘリから降下して、境内の端の方で、救護テントの設営、診察ブースの開設を終え、救援活動を始めていた。
ポツポツとIN-PSID のテントにも受診者が訪れる。食事時なのも手伝ってか、閑散としたものだ。
「はい、大丈夫ですよ」
秦野は、サポートアンドロイドを助手にして、ここに避難してくる途中、小枝で腕を怪我したという子どもの手当を手早く済ませる。母子は、軽く礼を述べるとレスキューの炊き出しの方へと向かっていった。
「……これ、来る意味あったっすかねぇ……」
境内を見渡し、若い医師はボヤいた。
レスキューの炊き出しで、朝食を楽しむ郷の者達は、和気あいあいと盛り上がっている。重傷者やPSI シンドロームの気配は微塵もない。
「ピクニックっスよ、こりゃ……」溜息を漏らす若い医師に、神取は苦笑で返す。
「PSIシンドロームは、急性でない限り、表面上、症状が見えにくい場合の方が、むしろ多い。油断は禁物です」「え……ええ、わかってます、わかってますよ、ははは」
「あ……あのぅ……」秦野は、背後から声をかけられ、苦笑の顔のまま咄嗟に振り返った。
声をかけてきたのは、三十代前半ほどの子連れの女性だった。炊き出しでもらってきたのであろう、弁当を三つ、手にしていた。
子供の方は、大きめの野球帽とマスクで顔がよく見えない。
「は、はい!あ、どうぞどうぞ」若い医師は、取り繕うように二人を招き入れる。
「もう……なんて事ないよ」母親の影に隠れ、少年は尻込みする少年に、神取は奇妙な感覚を覚えた。
「そう?……でもぉ」母親は、戸惑いながらも、「す、すみません……やっぱり大丈夫みたいなので……」と踵を返そうとした。秦野も、「はあ、そうですか……」と、手を振る子供に、手振りで返しながら、力なく二人を見送っていた。
「お待ちなさい」
不意に放たれた、神取の研ぎ澄まされた言葉の刃が、親子の足を止める。
振り向いた子供の瞳が、神取をじっと見詰めかえす。一瞬、意識の惑いを感じた神取は、努めて声を張る。
「その子をこちらに」「は、はぁ……」
息子と神取の顔を見比べながら、戸惑いを見せる母親。
「さあ、早く!」神取は、更に語気を強めて促す。
「か……神取先生?」秦野は、神取の声に目を丸める。
「……ふふ。この先生……」「えっ……ちょ、ちょっと……」
狼狽える母親の陰から、先程までとはすっかり態度を一変させた少年が、歩み出てきた。
「さ、サク!」
呼び止める母に構う事なく、少年は神取の前に立つ。マスクの下でニッコリと笑みを浮かべているようだ。
「……私に、微笑む必要はありませんよ」
神取は、少年を見下ろしたまま、微動だにしない。
「……そのようだね」
少年のマスクと帽子の間から覗く両眼から、笑みが消える。
「先生には……これ、わかるのかな?」
徐に少年は、マスクと帽子をとる。
「こ……これは!?」真っ先に、秦野が声を上げ、神取の細目が見開く。
少年の顔には、幾筋もの赤黒く紋様のような痣が浮かび上がっていた。よく見れば、顔だけではない。その痣は、首を伝って身体中に拡がっている事は容易に推測できた。
身体には、『気』が巡る『経絡』があるとされる。神取は、その痣がほぼ『経路』に沿って走っていることを瞬時に見抜いていた。
「まずはこちらへ」救護テントの奥へと招き入れると、神取は秦野をまるで助手のように使い、PSI医療診察機器を準備させた。
「……気づいたのは、さっき。頂いた朝食を食べようとしていた時……咲磨が、顔を隠して、マスクを外すのを嫌がるので、無理にとってみたら……」
付き添う母親がいつからと問いただすと、咲磨と呼ばれた少年は、地震の直後から、少しずつ出始めていたのに気づいていた事を、しぶしぶ認めたという。
「本当はね。小さいのは、時々、出ることがあったんだ……でも、いつもすぐに消えちゃうから。今日もすぐ消えると思ってたんだけどね」穏やかな笑みをこぼしながら、少年は語った。朝の草原のような、爽やかな咲磨の笑みには、神取も自然と心が和む。
だが、この少年が発する穏やかな気質に、神取は違和感を覚えていた。
「なるほど。今回の地震はPSID、つまりPSI特性災害だと判明してきています。PSIシンドロームの可能性もないとは言い切れませんね」
「PSIシンドローム!?」母親は、顔を覆って狼狽する。
PSIシンドロームは、インナースペースから心身に何らかの『現象化』作用をもたらす事によって発生することはわかってきている。だが、発症の仕方は、個人によって様々であり、"万人に効く"治療法は未だ確立できていない。(その為、IN-PSIDでは、PSIクラフトによるインナーミッションに希望を託しているわけではあるが)一般的には、治療法が見出されていない難病で、最悪、死に至るケースもあるという認識だった。
「だ、大丈夫ですよ!お母さん!可能性の話です!それにPSIシンドロームだったとしても、適切なケアをしていけば、症例も軽く抑えられ、支障なく社会生活出来ている人も沢山いるので!と、とにかく検査を」
秦野は、手振りで神取に「ストレートに言わないで」と忠告しながら、咲磨を検査機器へと誘導する。
「ああ……サク……」
「とりあえず、こちらに記入を」神取は、タブレットに問診票を表示させ、母親に渡す。
「イン……サイド?」問診票に表示された、「IN-PSID」の表記に戸惑う母親。
「ええ、ご存知ありませんか?」「い……いえ、名前くらいは……でも……」
国連機関であるにもかかわらず、IN-PSIDは、国内での評判は、二十年前の大震災の発端となった、JPSIO水織川研究センターとの関係や、研究内容の秘匿性が高いなど、批判の矛先を向けられることも多い。
一方で、PSI医療の水準の高さは、評価されてはいるものの、国内外の富裕層の利用などが報じられたこともあり、いつしかIN-PSIDにかかるには、高額な医療費が必要などの噂が、巷には広まっていた。
「ご安心を。この診察は無料です。それに我々の医療を受ける事になっても、法外な請求はありませんので」咲磨の検査にあたっている秦野が、母親の様子に気づいて、明るく声を掛けてくる。
「……私も実は、外部の人間なのですが。IN-PSID の医療技術は抜きん出ています。噂は噂です」
神取の心を見透かすような視線に、母は思わず首をすくめ問診票の記入を手早く進めた。
問診票の記入が終わる頃、検査機がデータサンプリングの終了を伝える無機質な電子音を鳴らす。
「もういいよ」秦野が促すと咲磨は、ニッコリ微笑み、母の元へと駆け戻った。
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