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第3章 死者の都
慰霊の日 5
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慰霊式典は、外の喧騒を他所に粛々と進み、一時間程で終了した。園が一般参列者にも解放されると、先ほどまでのシュプレヒコールはすっかり鳴りを潜め、代わりに霊園内は一般参列者らで賑わっていた。
式典の運営側が用意した軽い昼食をとり終え、直人は、貴美子、アイリーンと共にIN-PSID各支部代表らに付いて園内をぐるりと一回りし、今は同じく園内に建てられた震災記念会館を見て回っている。
直人は、在りし日のJPSIO水織川研究所の3Dホログラムに、ハタと足を留めた。その一角の像が、記憶を呼び覚ます。
「……ここは……父さんの……」
「そう、第三研究棟……直哉の職場だったところだ」遅れて合流した藤川の声が、直人の漏らした言葉に答えた。
「よく覚えていたな」藤川の隣から進み出た勇人も声をかけてくる。
「うん……」
父に面会に行くたびに、何度も訪れた場所だ。4歳の頃の記憶にも関わらず、この研究施設の風景はよく覚えている。
藤川は直人の肩にそっと手を添えると静かに語りかけた。
「直哉はここでPSIクラフトの開発に心血を注いでいた……彼の、人生の全てを賭けて。それがこの時代を生きる我々の希望となることを信じて……」
藤川の言葉を俯きながら受け止める。
「……直哉が作ったフネに今、お前が乗っている……直哉はいつもお前と一緒だ」「はい……」俯いたまま、直人は消え入るように返事を返す。藤川は口を閉ざしたまま、直人の肩からそっと手を離した。
勇人は、押し黙ったまま、二人を見つめていた。
……直人……よもやお前があの地震の発端だったとはな……
勇人は今し方、20年前、直人の心の中に旅立った直哉に何があったのか、その最期と、あの大震災の真相について藤川から聞かされていた。
幼い直人に非があったとまでは言えない……しかし、たとえ自らの意図しなかった事であったとしても、背負ってしまった十字架はあまりに重い。
「直人……」勇人は、愛用のイタリアンハットを深く被り直し、二人に背を向ける。
「風間?」「この間の『オモトワ』事件……あれでこっちも色々とやることがあってな。ここで失敬させてもらうよ。またな、コウ、直人」
勇人は傍らに待機していた秘書を伴い、そのまま振り返ることなく記念会館を後にした。
「所長、<イワクラ>から迎えの車が到着しました」入れ替わりに小走りに駆け寄ったアイリーンが報告する。「うむ、代表団をご案内してくれ。我々も参ろう」「はい」短く返事をするとアイリーンは来た方へパタパタと戻っていく。
「直人」藤川に促され、直人も後に続く。去り際、直人はもう一度、父の研究棟のホログラムを振り返り見た。
慰霊祭会場にほど近い日本海沿岸に、昼下がりの太陽に照らされ、鈍く輝きを放つ小島が浮かぶ。小島の両サイドから突き出した部位は巨大な翼のようであり、さながら海に舞い降りた怪鳥を思わせる。
側面に白色の平仮名で「いわくら」と銘打たれている。この小島、いや『船』はそう呼ばれていた。
時空間制御による航空能力も備えた全長200m程の「空飛ぶ船」であり、日本神話に登場する、ニギハヤヒが天下る際に乗っていたという「磐座」の一つ、「天磐船」になぞらえ、命名された。
「磐座」。古神道において、信仰の対象となる岩をそう呼ぶ。自然の中に潜む神を招いて、祭祀を行った場所、またはそういった場所とされた岩そのものである。
<イワクラ>には<アマテラス>とのコネクションポートが設置され、インナースペース内活動中の<アマテラス>の一時寄港ポートとしての機能を有する。あたかも<アマテラス>(神)を「この世」に呼び寄せるかのようなこの機能もまた、名の由来の一つであった。
<イワクラ>は、インナーミッションにおいて、移動する中継基地として、災害発生現場やミッション対象地へ赴き、現場の状況に逐一対応しながらIN-PSID本部のIMCと連携しつつ、インナーミッションをサポートする。さらには簡易的ではあるが、緊急の対PSIシンドローム医療設備も整えられ、20 床の入院ベッドも完備した病院船でもある。
相次ぐ世界各地でのPSIDに対処するため、PSIクラフトと合わせて、IN-PSID監修の元、国連PSI利用安全保障会議の主導によって数隻、開発が進められ、ネームシップとなる本船が<アマテラス>の運用開始時期に合わせて、IN-PSID本部に貸与されていた。
運行は主にIMS(アイムス)(Inner Mission Support)チームに預けられ、必要に応じて医師団も乗船する。IMSは、ここ一か月ほどは、<イワクラ>の試験運用と合わせて、訓練がてら<アマテラス>の調査ミッションに<イワクラ>による連携支援を実施していた。
今回、震災記念式典に際し、IMSは<イワクラ>で水織川近海に1週間ほど前から滞在。震災から20年経った水織川一帯の現状観測を行っていた。
「ようこそ、ホテル『イワクラ』へ」
鬼瓦の形相が精一杯の笑顔を浮かべ、IN-PSID支部代表団を受け入れる。駐車デッキで出迎えた、IMSリーダー如月のぎこちない笑みに釣られるように、代表らは引きつった笑顔のまま握手を交わす。
<イワクラ>には、病床の他に、付き添い家族や一時避難生活者受け入れの為の宿泊施設がある。簡素ではあるが、乗組員の部屋に比べれば、居住性の良い部屋が10部屋あり、IN-PSID代表らは、そこを宿泊に使う予定でいた。自分達が使えない部屋であることは承知だが、ここ一ヶ月ばかり、狭い船室での生活にうんざりしていた如月は、皮肉の一つでも言いたかった。
だが、代表団にはそのニュアンスがうまく伝わらなかったようだ。(ちょっとした「ジョーク」のつもりだったが、わざわざ英語で挨拶した如月の発音が悪く、代表団らが身につけている翻訳機を通しても上手く変換できなかったらしい……)ひととおり挨拶が終わると、やや困惑気な表情を浮かべた代表団と、不自然な笑みのまま固まる如月との間に、どんよりとした空気が降りてくる。
「如月くん」促す藤川。貴美子、アイリーン、直人の3人はただその様子をキョトンと見つめていた。
「は、はははは……つっ!」「それでは皆さん、こちらへ」笑って誤魔化す如月を見兼ねた、サブリーダー齋藤が、如月に肘鉄を喰らわせて(押し除けるようにして)割って入り、和かに一行を誘導する。
……バカ……と言いたげな、齋藤の冷たい視線が如月を突き刺す。如月は頭を掻きながら、一行を見送る。その最後尾に、一団から距離をとって続く直人が如月の視界に入った。
「しけた面してんなぁ、インナーのエースさんよ」不意にかけられた言葉が背後から突き刺さり、直人は振り向く。
「こうやって面と向かって対面するのは初めてだな。IMSの如月だ」ライフジャケット状になっている、ユニフォームのポケットに手を突っ込んだまま、如月は直人の前に進み出た。
「ふん、悲劇のヒーローさんってかぁ?」「えっ?」
「話は聞かせてもらった。オレとあの齋藤だけだがな。こっちもミッションに関わるんだ……当然だろ?」「……」
「浸りたい気持ちはわからんでもない……が、ミッションには持ち込むな。それができないなら……」如月は、仁王さながらに直人の正面に立つと見下ろす。
「降りちまった方が身のためだぜ」仁王は冷たく言い放つ。
「……」黙って俯く直人。「っち、張り合いねぇなぁ」そう吐き捨てると、如月は、直人を横目に一団が向かった方へと歩を進める。
「インナースペースが時空を超えられるったって、現象界に現象化した事は取り戻せやしない……お前さんらが一番わかってる事だろ」はたと足を止めた如月は、直人に背を向けたまま言葉を繋ぐ。
「インナーの一人として……今やれる事だけ考えるんだな」
直人はただ俯いたまま、如月の言葉を受け入れる。如月は背を向けたまま、バツが悪そうに後ろ頭を無造作に掻くと、「付いてきな」と直人を促す。
二人の間に会話が生まれる事はそれ以上なかった。
式典の運営側が用意した軽い昼食をとり終え、直人は、貴美子、アイリーンと共にIN-PSID各支部代表らに付いて園内をぐるりと一回りし、今は同じく園内に建てられた震災記念会館を見て回っている。
直人は、在りし日のJPSIO水織川研究所の3Dホログラムに、ハタと足を留めた。その一角の像が、記憶を呼び覚ます。
「……ここは……父さんの……」
「そう、第三研究棟……直哉の職場だったところだ」遅れて合流した藤川の声が、直人の漏らした言葉に答えた。
「よく覚えていたな」藤川の隣から進み出た勇人も声をかけてくる。
「うん……」
父に面会に行くたびに、何度も訪れた場所だ。4歳の頃の記憶にも関わらず、この研究施設の風景はよく覚えている。
藤川は直人の肩にそっと手を添えると静かに語りかけた。
「直哉はここでPSIクラフトの開発に心血を注いでいた……彼の、人生の全てを賭けて。それがこの時代を生きる我々の希望となることを信じて……」
藤川の言葉を俯きながら受け止める。
「……直哉が作ったフネに今、お前が乗っている……直哉はいつもお前と一緒だ」「はい……」俯いたまま、直人は消え入るように返事を返す。藤川は口を閉ざしたまま、直人の肩からそっと手を離した。
勇人は、押し黙ったまま、二人を見つめていた。
……直人……よもやお前があの地震の発端だったとはな……
勇人は今し方、20年前、直人の心の中に旅立った直哉に何があったのか、その最期と、あの大震災の真相について藤川から聞かされていた。
幼い直人に非があったとまでは言えない……しかし、たとえ自らの意図しなかった事であったとしても、背負ってしまった十字架はあまりに重い。
「直人……」勇人は、愛用のイタリアンハットを深く被り直し、二人に背を向ける。
「風間?」「この間の『オモトワ』事件……あれでこっちも色々とやることがあってな。ここで失敬させてもらうよ。またな、コウ、直人」
勇人は傍らに待機していた秘書を伴い、そのまま振り返ることなく記念会館を後にした。
「所長、<イワクラ>から迎えの車が到着しました」入れ替わりに小走りに駆け寄ったアイリーンが報告する。「うむ、代表団をご案内してくれ。我々も参ろう」「はい」短く返事をするとアイリーンは来た方へパタパタと戻っていく。
「直人」藤川に促され、直人も後に続く。去り際、直人はもう一度、父の研究棟のホログラムを振り返り見た。
慰霊祭会場にほど近い日本海沿岸に、昼下がりの太陽に照らされ、鈍く輝きを放つ小島が浮かぶ。小島の両サイドから突き出した部位は巨大な翼のようであり、さながら海に舞い降りた怪鳥を思わせる。
側面に白色の平仮名で「いわくら」と銘打たれている。この小島、いや『船』はそう呼ばれていた。
時空間制御による航空能力も備えた全長200m程の「空飛ぶ船」であり、日本神話に登場する、ニギハヤヒが天下る際に乗っていたという「磐座」の一つ、「天磐船」になぞらえ、命名された。
「磐座」。古神道において、信仰の対象となる岩をそう呼ぶ。自然の中に潜む神を招いて、祭祀を行った場所、またはそういった場所とされた岩そのものである。
<イワクラ>には<アマテラス>とのコネクションポートが設置され、インナースペース内活動中の<アマテラス>の一時寄港ポートとしての機能を有する。あたかも<アマテラス>(神)を「この世」に呼び寄せるかのようなこの機能もまた、名の由来の一つであった。
<イワクラ>は、インナーミッションにおいて、移動する中継基地として、災害発生現場やミッション対象地へ赴き、現場の状況に逐一対応しながらIN-PSID本部のIMCと連携しつつ、インナーミッションをサポートする。さらには簡易的ではあるが、緊急の対PSIシンドローム医療設備も整えられ、20 床の入院ベッドも完備した病院船でもある。
相次ぐ世界各地でのPSIDに対処するため、PSIクラフトと合わせて、IN-PSID監修の元、国連PSI利用安全保障会議の主導によって数隻、開発が進められ、ネームシップとなる本船が<アマテラス>の運用開始時期に合わせて、IN-PSID本部に貸与されていた。
運行は主にIMS(アイムス)(Inner Mission Support)チームに預けられ、必要に応じて医師団も乗船する。IMSは、ここ一か月ほどは、<イワクラ>の試験運用と合わせて、訓練がてら<アマテラス>の調査ミッションに<イワクラ>による連携支援を実施していた。
今回、震災記念式典に際し、IMSは<イワクラ>で水織川近海に1週間ほど前から滞在。震災から20年経った水織川一帯の現状観測を行っていた。
「ようこそ、ホテル『イワクラ』へ」
鬼瓦の形相が精一杯の笑顔を浮かべ、IN-PSID支部代表団を受け入れる。駐車デッキで出迎えた、IMSリーダー如月のぎこちない笑みに釣られるように、代表らは引きつった笑顔のまま握手を交わす。
<イワクラ>には、病床の他に、付き添い家族や一時避難生活者受け入れの為の宿泊施設がある。簡素ではあるが、乗組員の部屋に比べれば、居住性の良い部屋が10部屋あり、IN-PSID代表らは、そこを宿泊に使う予定でいた。自分達が使えない部屋であることは承知だが、ここ一ヶ月ばかり、狭い船室での生活にうんざりしていた如月は、皮肉の一つでも言いたかった。
だが、代表団にはそのニュアンスがうまく伝わらなかったようだ。(ちょっとした「ジョーク」のつもりだったが、わざわざ英語で挨拶した如月の発音が悪く、代表団らが身につけている翻訳機を通しても上手く変換できなかったらしい……)ひととおり挨拶が終わると、やや困惑気な表情を浮かべた代表団と、不自然な笑みのまま固まる如月との間に、どんよりとした空気が降りてくる。
「如月くん」促す藤川。貴美子、アイリーン、直人の3人はただその様子をキョトンと見つめていた。
「は、はははは……つっ!」「それでは皆さん、こちらへ」笑って誤魔化す如月を見兼ねた、サブリーダー齋藤が、如月に肘鉄を喰らわせて(押し除けるようにして)割って入り、和かに一行を誘導する。
……バカ……と言いたげな、齋藤の冷たい視線が如月を突き刺す。如月は頭を掻きながら、一行を見送る。その最後尾に、一団から距離をとって続く直人が如月の視界に入った。
「しけた面してんなぁ、インナーのエースさんよ」不意にかけられた言葉が背後から突き刺さり、直人は振り向く。
「こうやって面と向かって対面するのは初めてだな。IMSの如月だ」ライフジャケット状になっている、ユニフォームのポケットに手を突っ込んだまま、如月は直人の前に進み出た。
「ふん、悲劇のヒーローさんってかぁ?」「えっ?」
「話は聞かせてもらった。オレとあの齋藤だけだがな。こっちもミッションに関わるんだ……当然だろ?」「……」
「浸りたい気持ちはわからんでもない……が、ミッションには持ち込むな。それができないなら……」如月は、仁王さながらに直人の正面に立つと見下ろす。
「降りちまった方が身のためだぜ」仁王は冷たく言い放つ。
「……」黙って俯く直人。「っち、張り合いねぇなぁ」そう吐き捨てると、如月は、直人を横目に一団が向かった方へと歩を進める。
「インナースペースが時空を超えられるったって、現象界に現象化した事は取り戻せやしない……お前さんらが一番わかってる事だろ」はたと足を止めた如月は、直人に背を向けたまま言葉を繋ぐ。
「インナーの一人として……今やれる事だけ考えるんだな」
直人はただ俯いたまま、如月の言葉を受け入れる。如月は背を向けたまま、バツが悪そうに後ろ頭を無造作に掻くと、「付いてきな」と直人を促す。
二人の間に会話が生まれる事はそれ以上なかった。
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