76 / 293
第2章 魔界幻想
時空交差点 4
しおりを挟む
唐突なレーダーの探知音が、サニの視線をレーダー盤に引き戻した。
「レーダーに感あり! 正面、波動収束反応!」
<アマテラス>ブリッジの、正面モニターが映し出す空間が波打ち、その場が次第に長細い、何かの物体の形を生み出していく。
「波動収束をオートフォーカス! モニターに拡大投影!」「了解! ……投影します!」
波動収束フィールドの局所収束機能により、その物の形が、より鮮明に浮かび上がってくる。
「な……何⁉︎」「これって⁉︎」「……!」
インナーノーツとIMCの一同皆が、息を飲む。
鈍く光る翼、薄青白い光を纏う、その身体……
「まさか……<アマテラス>……か? ……」
ティムは口を戦慄かせて、その場の一同の推測をこぼした。
「いや、違う」藤川には、そのものの正体がわかっていた。その隣で、東もまた、凍りついた表情で、モニターの光景を見守る。
「……PSI クラフト、プロトタイプ……」
次第に、その身体の中央部に刻まれた文字が見えてくる。
"S・E・O・R・I・T・S・U"
「<セオリツ>」
大祓戸神の一柱である、禍事・罪・穢れを洗い流す女神、『瀬織津比売』の名を戴く、その船の全容が姿を現した。
流線形を描くその船体は、<アマテラス>によく似ている。波動収束フィールドのスケール設定により、巨大に映ってはいるが、実際の船体は、<アマテラス>に比べ、小型であった。<セオリツ>後部に搭載された一基の球体機関部は、<アマテラス>の二基の機関に比べ、船体に占める比率は大きい。機関部及びPSIバリアジェネレーターは、<アマテラス>建造にあたり小型化、高出力化が実現された事を物語っている。
船体前部には、<アマテラス>のPSI波動砲に当たる部位に、PSIブラスターが一門搭載されている。<アマテラス>の六門のブラスターと同じものであろう。そのブラスター周りは、制御装置と思われる機材が一部、船体からはみ出して取り付けられている。外観から船内も機材で埋め尽くされていることは、容易に想像でき、人が乗れるとしても、おそらく乗員は一人……。
波動収束フィールド内には、<セオリツ>と共に、その実験施設らしき場所が、次第にハッキリと再現されつつある。
そこは<アマテラス>をインナースペースへと送り込む次元ゲート、『エントリーポート』に良く似た、球形のドームのようなエリア。
目覚めの躍動に、身を震わせる<セオリツ>に、直哉は今まさに、乗り込もうとしていた。
「副所長からです! サンプル解析、完了しました! 警察庁へデータ、送信中とのことです」
スクリーンに映し出される光景に釘付けになった一同を、アイリーンの声が引き戻す。
「わかった」東は、もう一度、<アマテラス>のブリッジが映し出されている、通信ウィンドウの映像を一瞥する。中腰で、<セオリツ>の映し出される、ブリッジのモニターに食い入る直人の顔は、能面のように白く、固まっていた。
「所長……データは回収できました。それに、先程から時空間変動が、徐々に増してきているのも気になります。ここでミッションを終了しましょう」
東は、藤川を凝視する。
「…………」藤川は、軽く目を閉じる。確かにこれ以上、ミッションを続けさせる必要はない。また、この先にある危険も……だが……
「所長のお気持ちは、わかります。ですが、彼らに、余計なリスクを負わせるわけには……"風間さんの記憶"も時間をかければ、記録映像として、再構築もできましょう。こんな形で無くても、直人に伝える機会はいくらでも」
東の具申は、もっともだ。その事は、藤川自身もわかっている。
「……わかった……君の言うとおりだな」
「それでは……」「うむ、撤収しよう……」
東は、頷いて答える。
「インナーノーツ、現時点でミッションを終了する! 時空間が不安定になりつつある。速やかに帰投せよ!」
『了解しました。直ちに帰還します。誘導管制、お願いします!』カミラは、即座に返答する。
「誘導ビーコンセット! 帰還経路特定、時空間転移コードを送ります」ナビゲーター田中は、規定のプロセスにのっとり、誘導管制をスタートする。
「真世、帰還の、時空間転移に入る瞬間が一番危険だ。しっかりモニター監視して、異常があればすぐに教えてくれ」「は、はい」
東は<アマテラス>帰還のプロセスを着々と進める。
慌しく動き出したIMCの中で、藤川は一人、IMCメインパネルに映し出された<セオリツ>を見上げる。
……すまん、直哉……
モニターに映し出される<セオリツ>は、下腹部の、操縦席が取り付けられているハッチを口のように開き、自らの腹のなかへと、直哉を誘おうとしている……あたかも、直哉の無意識とリンクしている、<アマテラス>をも吞み込もうとするかのように。その姿はまるで、捕食の体勢に入った鯨である。
「ナオ、おいナオ!」ティムは、隣の席で、中腰のまま呆然としている直人に、強い口調で呼びかける。
「もう帰るぞ! ナオ!」
ティムの声は、直人の耳には届かないのか、まるで意に介さない。
「……だめ……だめだよ、父さん……だめだよ……」
直人の打ち震える、薄紫の唇から、言葉が漏れている。
「いいから座れって!」時空間転移に備えシートに座らせようと、ティムは、直人の肩口に手をかけるが、直人は動じない。
その目は、次第に近づいてくる<セオリツ>のハッチ先端に据えられた操縦席を凝視していた。所狭しと並んだモニター、計器類が薄緑色に仄かに発光している。
『…………直人……俺が必ず…………』
「だめだ……だめだよ! ……行っちゃダメだ‼︎ ……父さん‼︎!」
直人の絶叫がインナースペースに響き渡る。それに呼応するように、<セオリツ>の操縦席のコンソールパネル類に、次々と火が灯っていくと同時に、操縦席が、上方の<セオリツ>の船内へと包み込まれていく。
……今度は何だ⁉︎……<アマテラス>を追跡する玄蕃は、自身の霊体が、何かに呼応するように畝る。
……ぬぅう‼︎ ……
一瞬でも気を抜けば、その力に玄蕃の霊体も"玄蕃"としての個を、保てなくなるであろう。玄蕃は、精神を集中させ、自身の霊体の隅々まで意識を張り巡らせた。
「バイタル反応、サンプリングエラーが……異常値多発してます!」真世は、突然暴れだした擬似バイタルグラフの反応に、焦りを滲ませながら声を上げる。
「直哉と<セオリツ>との、PSI-Linkか……」藤川は、咄嗟に状況を推測する。直哉の生体記憶サンプリング装置が、直哉が<セオリツ>とのPSI-Link接続を開始した際、直哉と船間のPSIパルス干渉により、一時的に記録障害が起こったようだ。(<アマテラス>でも、これと同様に、PSI-Link接続時のクルーと、船間のPSIパルス干渉現象が確認されていた。これによって、インナーノーツが意識障害を引き起こさないよう、ハーモナイズ調整が細やかに行われている)従って、バイタルの異常値も一時的なものであろう……だが、この時空間全体を揺るがす変動は、はたして、直哉と<セオリツ>の同調によるものだけであろうか……
「何をしている! 空間変動に巻き込まれるぞ! 直ちに、時空間転移だ!」東の声にも、焦りが見える。
「どうした、アラン? まだなの⁉︎」
アランは、先程から受信した帰還座標へ、時空間転移の設定を試みていたが、何度やっても座標コードエラーが発生していた。
「ダメだ! 何故か、何度トライしても、座標コードが不正になってしまう」そう言いながらも、アランは再トライを繰り返し、その度に表示されるエラーメッセージに、眉をひそめる。
「なら通常航行で、この場から離れる! 進路反転、急速離脱!」
「ヨーソロー!」ティムは操縦桿を握り直し、面舵に目一杯切る。ところが、<アマテラス>の針路は、変わることがない。
「ティム⁉︎」「くっ……! どうなってやがる⁉︎」
機関の出力を増幅しようにも、機関は低いうなり声をあげ続けるだけで、一向に出力が上がらない。
「何なんだ! いったい!」ティムが声を荒げた。
「また自動航法システムなの⁉︎」「いや……ちがう……」PSI-Linkシステムの異常を洗い直していた、アランが答える。
「PSI-Linkシステム自体の挙動がおかしい……俺たちではなく、他の何かに反応している?」
「……一体、何に……」
アランは自問するように呟きながら、PSI-Linkシステムのデータログに目を走らせる。
「……まさか!」
「レーダーに感あり! 正面、波動収束反応!」
<アマテラス>ブリッジの、正面モニターが映し出す空間が波打ち、その場が次第に長細い、何かの物体の形を生み出していく。
「波動収束をオートフォーカス! モニターに拡大投影!」「了解! ……投影します!」
波動収束フィールドの局所収束機能により、その物の形が、より鮮明に浮かび上がってくる。
「な……何⁉︎」「これって⁉︎」「……!」
インナーノーツとIMCの一同皆が、息を飲む。
鈍く光る翼、薄青白い光を纏う、その身体……
「まさか……<アマテラス>……か? ……」
ティムは口を戦慄かせて、その場の一同の推測をこぼした。
「いや、違う」藤川には、そのものの正体がわかっていた。その隣で、東もまた、凍りついた表情で、モニターの光景を見守る。
「……PSI クラフト、プロトタイプ……」
次第に、その身体の中央部に刻まれた文字が見えてくる。
"S・E・O・R・I・T・S・U"
「<セオリツ>」
大祓戸神の一柱である、禍事・罪・穢れを洗い流す女神、『瀬織津比売』の名を戴く、その船の全容が姿を現した。
流線形を描くその船体は、<アマテラス>によく似ている。波動収束フィールドのスケール設定により、巨大に映ってはいるが、実際の船体は、<アマテラス>に比べ、小型であった。<セオリツ>後部に搭載された一基の球体機関部は、<アマテラス>の二基の機関に比べ、船体に占める比率は大きい。機関部及びPSIバリアジェネレーターは、<アマテラス>建造にあたり小型化、高出力化が実現された事を物語っている。
船体前部には、<アマテラス>のPSI波動砲に当たる部位に、PSIブラスターが一門搭載されている。<アマテラス>の六門のブラスターと同じものであろう。そのブラスター周りは、制御装置と思われる機材が一部、船体からはみ出して取り付けられている。外観から船内も機材で埋め尽くされていることは、容易に想像でき、人が乗れるとしても、おそらく乗員は一人……。
波動収束フィールド内には、<セオリツ>と共に、その実験施設らしき場所が、次第にハッキリと再現されつつある。
そこは<アマテラス>をインナースペースへと送り込む次元ゲート、『エントリーポート』に良く似た、球形のドームのようなエリア。
目覚めの躍動に、身を震わせる<セオリツ>に、直哉は今まさに、乗り込もうとしていた。
「副所長からです! サンプル解析、完了しました! 警察庁へデータ、送信中とのことです」
スクリーンに映し出される光景に釘付けになった一同を、アイリーンの声が引き戻す。
「わかった」東は、もう一度、<アマテラス>のブリッジが映し出されている、通信ウィンドウの映像を一瞥する。中腰で、<セオリツ>の映し出される、ブリッジのモニターに食い入る直人の顔は、能面のように白く、固まっていた。
「所長……データは回収できました。それに、先程から時空間変動が、徐々に増してきているのも気になります。ここでミッションを終了しましょう」
東は、藤川を凝視する。
「…………」藤川は、軽く目を閉じる。確かにこれ以上、ミッションを続けさせる必要はない。また、この先にある危険も……だが……
「所長のお気持ちは、わかります。ですが、彼らに、余計なリスクを負わせるわけには……"風間さんの記憶"も時間をかければ、記録映像として、再構築もできましょう。こんな形で無くても、直人に伝える機会はいくらでも」
東の具申は、もっともだ。その事は、藤川自身もわかっている。
「……わかった……君の言うとおりだな」
「それでは……」「うむ、撤収しよう……」
東は、頷いて答える。
「インナーノーツ、現時点でミッションを終了する! 時空間が不安定になりつつある。速やかに帰投せよ!」
『了解しました。直ちに帰還します。誘導管制、お願いします!』カミラは、即座に返答する。
「誘導ビーコンセット! 帰還経路特定、時空間転移コードを送ります」ナビゲーター田中は、規定のプロセスにのっとり、誘導管制をスタートする。
「真世、帰還の、時空間転移に入る瞬間が一番危険だ。しっかりモニター監視して、異常があればすぐに教えてくれ」「は、はい」
東は<アマテラス>帰還のプロセスを着々と進める。
慌しく動き出したIMCの中で、藤川は一人、IMCメインパネルに映し出された<セオリツ>を見上げる。
……すまん、直哉……
モニターに映し出される<セオリツ>は、下腹部の、操縦席が取り付けられているハッチを口のように開き、自らの腹のなかへと、直哉を誘おうとしている……あたかも、直哉の無意識とリンクしている、<アマテラス>をも吞み込もうとするかのように。その姿はまるで、捕食の体勢に入った鯨である。
「ナオ、おいナオ!」ティムは、隣の席で、中腰のまま呆然としている直人に、強い口調で呼びかける。
「もう帰るぞ! ナオ!」
ティムの声は、直人の耳には届かないのか、まるで意に介さない。
「……だめ……だめだよ、父さん……だめだよ……」
直人の打ち震える、薄紫の唇から、言葉が漏れている。
「いいから座れって!」時空間転移に備えシートに座らせようと、ティムは、直人の肩口に手をかけるが、直人は動じない。
その目は、次第に近づいてくる<セオリツ>のハッチ先端に据えられた操縦席を凝視していた。所狭しと並んだモニター、計器類が薄緑色に仄かに発光している。
『…………直人……俺が必ず…………』
「だめだ……だめだよ! ……行っちゃダメだ‼︎ ……父さん‼︎!」
直人の絶叫がインナースペースに響き渡る。それに呼応するように、<セオリツ>の操縦席のコンソールパネル類に、次々と火が灯っていくと同時に、操縦席が、上方の<セオリツ>の船内へと包み込まれていく。
……今度は何だ⁉︎……<アマテラス>を追跡する玄蕃は、自身の霊体が、何かに呼応するように畝る。
……ぬぅう‼︎ ……
一瞬でも気を抜けば、その力に玄蕃の霊体も"玄蕃"としての個を、保てなくなるであろう。玄蕃は、精神を集中させ、自身の霊体の隅々まで意識を張り巡らせた。
「バイタル反応、サンプリングエラーが……異常値多発してます!」真世は、突然暴れだした擬似バイタルグラフの反応に、焦りを滲ませながら声を上げる。
「直哉と<セオリツ>との、PSI-Linkか……」藤川は、咄嗟に状況を推測する。直哉の生体記憶サンプリング装置が、直哉が<セオリツ>とのPSI-Link接続を開始した際、直哉と船間のPSIパルス干渉により、一時的に記録障害が起こったようだ。(<アマテラス>でも、これと同様に、PSI-Link接続時のクルーと、船間のPSIパルス干渉現象が確認されていた。これによって、インナーノーツが意識障害を引き起こさないよう、ハーモナイズ調整が細やかに行われている)従って、バイタルの異常値も一時的なものであろう……だが、この時空間全体を揺るがす変動は、はたして、直哉と<セオリツ>の同調によるものだけであろうか……
「何をしている! 空間変動に巻き込まれるぞ! 直ちに、時空間転移だ!」東の声にも、焦りが見える。
「どうした、アラン? まだなの⁉︎」
アランは、先程から受信した帰還座標へ、時空間転移の設定を試みていたが、何度やっても座標コードエラーが発生していた。
「ダメだ! 何故か、何度トライしても、座標コードが不正になってしまう」そう言いながらも、アランは再トライを繰り返し、その度に表示されるエラーメッセージに、眉をひそめる。
「なら通常航行で、この場から離れる! 進路反転、急速離脱!」
「ヨーソロー!」ティムは操縦桿を握り直し、面舵に目一杯切る。ところが、<アマテラス>の針路は、変わることがない。
「ティム⁉︎」「くっ……! どうなってやがる⁉︎」
機関の出力を増幅しようにも、機関は低いうなり声をあげ続けるだけで、一向に出力が上がらない。
「何なんだ! いったい!」ティムが声を荒げた。
「また自動航法システムなの⁉︎」「いや……ちがう……」PSI-Linkシステムの異常を洗い直していた、アランが答える。
「PSI-Linkシステム自体の挙動がおかしい……俺たちではなく、他の何かに反応している?」
「……一体、何に……」
アランは自問するように呟きながら、PSI-Linkシステムのデータログに目を走らせる。
「……まさか!」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。


【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる