115 / 133
終末編
崩壊、開始
しおりを挟む
「ねえ、先生。」
子供は窓から雲を指差す。
「なあに?」
「あれ、何?」
女教師が、子供の指差した正体が雲ではないと悟った頃には遅かった。彼女もろとも死亡していたのだから。
被害総数……
1月3日、魔族の軍隊がセリアムに侵攻を開始。他国の魔族と同盟を結んだ模様。
90年における侵攻、およびテロ行為によって魔兵軍の戦力は以前の半数にまで減少。後退を余儀なくされた。
そして、総括ヴェルサスの死によって、民衆の不満は爆発。民衆が自衛団を結成する。
しかし、2月4日。自衛団は魔族らの攻撃によって半数近くが虐殺され、勢いは収束。既に死者は500万人に及び、国民の7割がなんらかの被害を被る事になった。
魔兵軍の死者は全体の6割に及び、メリッサ将軍は昏睡状態へと陥った。
ドラゴンクロウを除いた大多数のフリーランスの魔導士は死亡した。
被害総数……
此度の侵攻により、魔族の4割が死滅。
尚、避難した魔族らを魔兵軍が虐殺した被害総数が大半を占める。
尚、魔兵軍による強姦被害が相次ぎ、精神疾患を持つ患者が全体の3割にも及ぶ件数で確認されている。
都市の状況……
セリアム国内の4割は魔族に監視され、人類の生息区域が急速に狭まる事となった。先日、子供が魔族に殺された事を皮切りに戦線が悪化。
ベルヘリット内戦と呼ばれるこの戦いは、外国からの支援を除いても、その場に居た6割が死滅する結果となった。
その後、他国でも内戦が勃発。
世界全体での死者数は分かっているだけでも1億人を超え、現在正確な数字はわかっていないが、世界の3割の人間が死亡していると推測されている。
都市の状況……
人間のばら撒いた魔装兵器の毒が街に蔓延し、死者数が増加。生息区域の3割が移住不可能となり、住居難となる魔族で溢れかえった。
人間の住居は魔族の放つ魔力によって風化し、利用は不可能。
食料の状況について…
魔族に奪われた事により、食糧難が発生。住居での食料の奪い合いが頻発した。死者数の3割は食料に関連すると見られる。
食料の状況について…
魔族同士で分け合ってはいるが、未だ食糧不足は改善されず。空腹による死者数が増加し、このままでは全滅も視野に入る。尚、魔兵軍が食料の輸送を断ち、略奪を行なっているとの報告が上がっており、その方面でも対策も必須。
幼い頃…いわば50年前。
俺は母と幸せに暮らしていた。下級民ではあったが、優しい父もおり、楽しい暮らしだったように思う。
だが、それは突然終わりを告げる事になる。
火の海が上がる村の中、人間たちが部屋に侵入した。ベッドの下に俺は隠され、父と母の叫び声が聞こえた。
「待ってくれ!私たちは殺し合う気はない!」
「黙れ!化け物が!」
父の青い血液が地面に付着した。
父の亡骸が、俺の目の前に転がった。
だが、母の死体はいつまで経っても現れない。
ドサ、と母が倒れる。何やら叫び声を上げている。
ユサ、ユサと上下に揺れる母。
人間たちは母の両足を開かせ、そこに向けて腰を振っている。
母は、犯されていたのだ。なすすべなく母は陵辱され、そして殺された。血液に奴らの性液が混じる。悍ましい。悍ましい。悍ましい………
「おい…魔力感知機がまだ反応しているぞ!」
「探せ!」
魔導士達は辺りを見渡す。
「あ…ああ…ああああああ!」
気づけば、無我夢中で人間を殺していた。返せ、返せ、返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ。
「返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
全身に血液を浴びながら、俺は叫び続けた。当然、どこにも出口はない。何もかもが戻ってこない。ただただ虚しいだけだった。
それから、復讐が俺の目標になった。
あの侵攻を指揮した男…
ガレリア.バルハランテを殺す事。
だからこそ、魔族の軍に入った。
いつか殺すために、力をつけた。
だが、突然の知らせにより、それは打ち砕かれる事となった。
ガレリアは死んだのだ。
俺は、どうやって生きていけば良い?そう思っていた時、とある知らせが耳に入った。奴の子供が軍に入っている、と。
しかも将軍と来た。何があろうと、この恨みを奴にぶつける。何があろうと…………………………
「おい、アダム。起きろ。」
アダムは、荷車の上で、仲間の魔族に起こされた。
「ああ…すまんな。」
彼は起き上がると、右手に魔力を込める。キィィィィン、と青い球が、彼の掌の上で回転する。
「よし、大丈夫だな?今回の作戦、覚えてるか?」
「ああ…人間達から食料を守る。ただそれだけだ。」
「正解。しっかりしな、隊長。」
魔族はアダムと拳を合わせる。
彼の頭はまだ冴えきらないままだった。眠気の取れぬ重い瞼で、遠くを見る。
すると遠方から、一つの光が光った。
「………あれは!伏せろ!」
アダムの指示と同時に、魔力の砲撃が放たれた。
数十本にも及ぶ魔力の帯が、魔族達の核を貫いていく。
「がっ…!」
「ぎゃあ!」
仲間が次々と姿を消す中、アダムは魔能力を発動した。
「蒼天球!」
青い球体は、砲撃を全て打ち消す。
対象のもののエネルギーを反転させる球。それを解き放ったのだ。
「はっはっはっ!中々やり手がいるではないか!やあやあ我こそは!アースラム.アレキサンダー!」
筋肉質な人間が前に出る。
「……来るぞ!」
アースラムは拳を地面に振う。その衝撃は荷車を襲う。
「くっ…!」
アダムは咄嗟に魔能力を発動し、それをガードした。
「はははは!遅いですぞ!」
彼の背後に回り込んだアースラムは、後方の魔族を壁に叩きつけた。
「くそ!」
「おっと…。」
アダムの反撃をアースラムは避ける。
「アダム、俺が前に出る。」
「おい、待て。それは許可してねえぞ。」
「……頼むよ、隊長。時間稼ぐからさ。」
魔族の1人は前に出る。
「チクショウ!何やってやがんだこの…!」
アダムは固有能力を発動する。
背中から、砲台の口のようなものが出る。
「はっはっは!無駄ですぞ!」
前に飛び出た魔族の半身は貫かれた。
「…今だ!アダム!」
「おおおおお!」
砲撃が、彼の背中から放たれた。
「この程度…私には……私には…お?おおおおおおお?!」
砲撃の物量を反発させた一撃。一度受ければ、全てが吹き飛ばされる。
アースラムの両腕は吹き飛んだ。
「さて…どうする?お前が死んで撤退するか、全員ここで死ぬか。」
アダムはアースラムを見下ろす。
「あ…ああああ!誰か…誰かああああ!」
彼は張り裂けんばかりの声で泣き叫んだ。
「ケッ……くだらねえ。」
アースラムの頭は吹き飛ばされた。
「て、撤退!撤退!」
魔兵軍は撤退していく。
「くそ……また…1人かよ。」
アダムはその場にうずくまる。
仲間の魔族は誰1人としていない。そこにあるのは、孤独だけだった。
「そうか……残念だ。」
通信機の向こうから、指揮官が言う。
少年がアダムにスープを差し出す。
「ああ…置いておいてくれ、ニッシュ。」
ニッシュという少年は、彼の隣に座った。
「きっと…人間達は滅ぼせます!貴方は僕を救ってくれた。父と母がいなくなって絶望してた僕たちを…」
アダムはその場に居る子供達を見る。
「……」
無言でアダムは、ニッシュの頭を撫でた。
「え?!ちょっ……」
「ありがとな。ちょっと元気出たわ。」
一筋、彼の頬を涙が伝った。
子供は窓から雲を指差す。
「なあに?」
「あれ、何?」
女教師が、子供の指差した正体が雲ではないと悟った頃には遅かった。彼女もろとも死亡していたのだから。
被害総数……
1月3日、魔族の軍隊がセリアムに侵攻を開始。他国の魔族と同盟を結んだ模様。
90年における侵攻、およびテロ行為によって魔兵軍の戦力は以前の半数にまで減少。後退を余儀なくされた。
そして、総括ヴェルサスの死によって、民衆の不満は爆発。民衆が自衛団を結成する。
しかし、2月4日。自衛団は魔族らの攻撃によって半数近くが虐殺され、勢いは収束。既に死者は500万人に及び、国民の7割がなんらかの被害を被る事になった。
魔兵軍の死者は全体の6割に及び、メリッサ将軍は昏睡状態へと陥った。
ドラゴンクロウを除いた大多数のフリーランスの魔導士は死亡した。
被害総数……
此度の侵攻により、魔族の4割が死滅。
尚、避難した魔族らを魔兵軍が虐殺した被害総数が大半を占める。
尚、魔兵軍による強姦被害が相次ぎ、精神疾患を持つ患者が全体の3割にも及ぶ件数で確認されている。
都市の状況……
セリアム国内の4割は魔族に監視され、人類の生息区域が急速に狭まる事となった。先日、子供が魔族に殺された事を皮切りに戦線が悪化。
ベルヘリット内戦と呼ばれるこの戦いは、外国からの支援を除いても、その場に居た6割が死滅する結果となった。
その後、他国でも内戦が勃発。
世界全体での死者数は分かっているだけでも1億人を超え、現在正確な数字はわかっていないが、世界の3割の人間が死亡していると推測されている。
都市の状況……
人間のばら撒いた魔装兵器の毒が街に蔓延し、死者数が増加。生息区域の3割が移住不可能となり、住居難となる魔族で溢れかえった。
人間の住居は魔族の放つ魔力によって風化し、利用は不可能。
食料の状況について…
魔族に奪われた事により、食糧難が発生。住居での食料の奪い合いが頻発した。死者数の3割は食料に関連すると見られる。
食料の状況について…
魔族同士で分け合ってはいるが、未だ食糧不足は改善されず。空腹による死者数が増加し、このままでは全滅も視野に入る。尚、魔兵軍が食料の輸送を断ち、略奪を行なっているとの報告が上がっており、その方面でも対策も必須。
幼い頃…いわば50年前。
俺は母と幸せに暮らしていた。下級民ではあったが、優しい父もおり、楽しい暮らしだったように思う。
だが、それは突然終わりを告げる事になる。
火の海が上がる村の中、人間たちが部屋に侵入した。ベッドの下に俺は隠され、父と母の叫び声が聞こえた。
「待ってくれ!私たちは殺し合う気はない!」
「黙れ!化け物が!」
父の青い血液が地面に付着した。
父の亡骸が、俺の目の前に転がった。
だが、母の死体はいつまで経っても現れない。
ドサ、と母が倒れる。何やら叫び声を上げている。
ユサ、ユサと上下に揺れる母。
人間たちは母の両足を開かせ、そこに向けて腰を振っている。
母は、犯されていたのだ。なすすべなく母は陵辱され、そして殺された。血液に奴らの性液が混じる。悍ましい。悍ましい。悍ましい………
「おい…魔力感知機がまだ反応しているぞ!」
「探せ!」
魔導士達は辺りを見渡す。
「あ…ああ…ああああああ!」
気づけば、無我夢中で人間を殺していた。返せ、返せ、返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ。
「返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
全身に血液を浴びながら、俺は叫び続けた。当然、どこにも出口はない。何もかもが戻ってこない。ただただ虚しいだけだった。
それから、復讐が俺の目標になった。
あの侵攻を指揮した男…
ガレリア.バルハランテを殺す事。
だからこそ、魔族の軍に入った。
いつか殺すために、力をつけた。
だが、突然の知らせにより、それは打ち砕かれる事となった。
ガレリアは死んだのだ。
俺は、どうやって生きていけば良い?そう思っていた時、とある知らせが耳に入った。奴の子供が軍に入っている、と。
しかも将軍と来た。何があろうと、この恨みを奴にぶつける。何があろうと…………………………
「おい、アダム。起きろ。」
アダムは、荷車の上で、仲間の魔族に起こされた。
「ああ…すまんな。」
彼は起き上がると、右手に魔力を込める。キィィィィン、と青い球が、彼の掌の上で回転する。
「よし、大丈夫だな?今回の作戦、覚えてるか?」
「ああ…人間達から食料を守る。ただそれだけだ。」
「正解。しっかりしな、隊長。」
魔族はアダムと拳を合わせる。
彼の頭はまだ冴えきらないままだった。眠気の取れぬ重い瞼で、遠くを見る。
すると遠方から、一つの光が光った。
「………あれは!伏せろ!」
アダムの指示と同時に、魔力の砲撃が放たれた。
数十本にも及ぶ魔力の帯が、魔族達の核を貫いていく。
「がっ…!」
「ぎゃあ!」
仲間が次々と姿を消す中、アダムは魔能力を発動した。
「蒼天球!」
青い球体は、砲撃を全て打ち消す。
対象のもののエネルギーを反転させる球。それを解き放ったのだ。
「はっはっはっ!中々やり手がいるではないか!やあやあ我こそは!アースラム.アレキサンダー!」
筋肉質な人間が前に出る。
「……来るぞ!」
アースラムは拳を地面に振う。その衝撃は荷車を襲う。
「くっ…!」
アダムは咄嗟に魔能力を発動し、それをガードした。
「はははは!遅いですぞ!」
彼の背後に回り込んだアースラムは、後方の魔族を壁に叩きつけた。
「くそ!」
「おっと…。」
アダムの反撃をアースラムは避ける。
「アダム、俺が前に出る。」
「おい、待て。それは許可してねえぞ。」
「……頼むよ、隊長。時間稼ぐからさ。」
魔族の1人は前に出る。
「チクショウ!何やってやがんだこの…!」
アダムは固有能力を発動する。
背中から、砲台の口のようなものが出る。
「はっはっは!無駄ですぞ!」
前に飛び出た魔族の半身は貫かれた。
「…今だ!アダム!」
「おおおおお!」
砲撃が、彼の背中から放たれた。
「この程度…私には……私には…お?おおおおおおお?!」
砲撃の物量を反発させた一撃。一度受ければ、全てが吹き飛ばされる。
アースラムの両腕は吹き飛んだ。
「さて…どうする?お前が死んで撤退するか、全員ここで死ぬか。」
アダムはアースラムを見下ろす。
「あ…ああああ!誰か…誰かああああ!」
彼は張り裂けんばかりの声で泣き叫んだ。
「ケッ……くだらねえ。」
アースラムの頭は吹き飛ばされた。
「て、撤退!撤退!」
魔兵軍は撤退していく。
「くそ……また…1人かよ。」
アダムはその場にうずくまる。
仲間の魔族は誰1人としていない。そこにあるのは、孤独だけだった。
「そうか……残念だ。」
通信機の向こうから、指揮官が言う。
少年がアダムにスープを差し出す。
「ああ…置いておいてくれ、ニッシュ。」
ニッシュという少年は、彼の隣に座った。
「きっと…人間達は滅ぼせます!貴方は僕を救ってくれた。父と母がいなくなって絶望してた僕たちを…」
アダムはその場に居る子供達を見る。
「……」
無言でアダムは、ニッシュの頭を撫でた。
「え?!ちょっ……」
「ありがとな。ちょっと元気出たわ。」
一筋、彼の頬を涙が伝った。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

辺境の街で雑貨店を営む錬金術士少女ノヴァ ~魔力0の捨てられ少女はかわいいモフモフ聖獣とともにこの地では珍しい錬金術で幸せをつかみ取ります~
あきさけ
ファンタジー
とある平民の少女は四歳のときに受けた魔力検査で魔力なしと判定されてしまう。
その結果、森の奥深くに捨てられてしまった少女だが、獣に襲われる寸前、聖獣フラッシュリンクスに助けられ一命を取り留める。
その後、フラッシュリンクスに引き取られた少女はノヴァと名付けられた。
さらに、幼いフラッシュリンクスの子と従魔契約を果たし、その眠っていた才能を開花させた。
様々な属性の魔法が使えるようになったノヴァだったが、その中でもとりわけ珍しかったのが、素材の声を聞き取り、それに応えて別のものに作り替える〝錬金術〟の素養。
ノヴァを助けたフラッシュリンクスは母となり、その才能を育て上げ、人の社会でも一人前になれるようノヴァを導きともに暮らしていく。
そして、旅立ちの日。
母フラッシュリンクスから一人前と見なされたノヴァは、姉妹のように育った末っ子のフラッシュリンクス『シシ』とともに新米錬金術士として辺境の街へと足を踏み入れることとなる。
まだ六歳という幼さで。
※この小説はカクヨム様、アルファポリス様で連載中です。
上記サイト以外では連載しておりません。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる