Heavens Gate

地獄編

堕天と打開④

「よし……どうやらあっちも終わったらしい。」
「あーーー！今日はもう2度と戦いたくねえ！」
「同感だよ。」
ジークとノーマンはその場に倒れ込んだ。
「あ、まずい。活動限界を迎える。意識失うからよろしく。」
倒れそうになるデボラを、アンナは受け止める。
「そういや…ヴェルサスは…！」
「やーやー。」
「うおおおお！」
突然背後に忍び寄っていたヴェルサスに、アンナは肩を跳ね上げた。
「はー…背後に忍び寄る癖どーにかしろよマジで…毎回お前はちゃっかり勝っちまうよな、ホント。」
「そーだね。我ながら。……後は塔の破壊だけだけど……」
一同は塔に視線を運ぶ。
『ここまでは距離がある上に、それぞれ戦えそうにもねえ。…後は頼んだぞ、シャーロット。クソガキ！』
アンナは塔を見つめながら、彼らに希望を託した。

「はあ…はあ……！」
身体中が傷だらけ。
既に満身創痍。そんな状態でレドは山を登っていた。
そして塔の前にたどり着いた瞬間、そこに広がっていた光景に彼は膝をついた。
「………くそ。これをどうしろと……どうしろってんだよ。」
そこには、とある人影。否、大量の悪魔が居た。
2体や３体では無い。10体にも及ぶ量。
「ここまで来て…引けるか。」
レドは悪魔に吹き飛ばされる。木に体が叩きつけられる。
身体中の骨が折れ、血を吐いた。
「はあ…はあ……」
悪魔に体を持ち上げられる。
10を超える悪魔は彼を取り囲んだ。
「まだ…終わって……」
レドは銃の引き金を引く。だが、通じるわけがない。
「オラァァァァ！」
取り囲んでいた悪魔に刃が当たる。
それはいつかの出会いのように、彼の元へと現れた。
「先輩…？生きてたんですか？」
「よお、レド。」
「俺もいるぞー。」
ケインの後ろからジハイドが顔を出す。
「悪いな、現状動けそうなのが俺とこいつしかいなかった。先に行け、レド。」
「はい。分かりました。」
内心歓喜したい気持ちを抑え、レドは塔を駆け上がった。