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地獄編
二重反転
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『まずシャーロットさんを解放する陣営、そして塔を攻め落とす陣営で分かれます。シャーロットさんの場所……割れてるんでしょジハイドさん。』
『うあああ…死にてえよおおお…』
『え?』
『ああ、こいつな、一晩寝ると元の人格に戻るんだ。ちょっと待ってな。』
アンドレアは銃を取り出すと、ジハイドの額に向けて引き金を引いた。
『ああ!ぎもぢい!
………場所は街の外れにある鉱山.ヴェルザリオだ。』
『…………まあ良いか。塔を攻め落とす過程で解放する陣営と分かれる、と言うのが大まかな流れです。…アンさん、一応聞きますけど…』
『…無理だね。レナと繋がるには正確な場所の特定が不可欠。ただレーダーが電波妨害に遭って機能しないんだ。それこそでっかい魔力砲台でもあれば良いんだけど、生憎それを打てるほどの余裕があるかと言われると…』
『まあ無いでしょうね。相当離れた場所から砲台を打つんじゃ、消耗が大きすぎて感覚拡張を得ると言うメリットに見合ってない。できるとすればノーマンさんですが……』
『僕が変わっても支障はないのかい?』
『いえ、貴方が欠けたら支障が出る。』
『……その作戦の細かい説明は?』
デボラが問う。
『まず塔の周囲は大量の魔力感知の装置が取り付けられています。ましてや隠れる場所もない……故に気づかれずに侵入するのは不可能です。
……気づかれる事自体は。』
『どういうこと?』
『まず地上と空で分かれるんです。上空はアンさんとノーマンさん、ジハイドさん、およびアンドレアさんの魔能力による増援。地上はブラックジャッカルのメンバー、そしてその他で攻める。
幸い明日は曇りだ…。上空となれば厚い雲に邪魔されて感知が難しい筈。この塔…仮にB塔とすると、この構造的には操縦室が上部に取り付けられている。操縦室をまず狙うんです。』
『そう上手くいくかね?連中もそんなことは重々承知だろうよ。』
『だからこそノーマンさんが欠けたらダメなんです。この中で唯一の神級レベルですからね。
…できようものならこちらの物です。上から下で挟み撃ちをする。そうなれば一気に状況は有利になる。』
「よし…行くよ!」
「しゃああああ!」
アンとジハイドは、勢いよく矢から飛び降りる。
「待て!」
ノーマンが叫ぶ。
次の瞬間雲の中、無数の赤い点滅が一同のの視界を襲う。
「……?!やばい!」
赤黒いレーザーが飛び出したジハイドを襲う。
「ギャァ!」
「対策くらいはしてると思ってたが……まさかこのレベルとは……!」
雲に大量のシルエットが浮かび始める。
「戦闘機……?!100台は超えてる!しかも魔力が動力源の…一体こんなものどこに隠し持ってた訳?」
ここまでの量なら必ず感知が反応するはず、どうして。
アンは何かに気がつき、ハッと目を見開いた。
「まさか…例の魔能力の……!」
戦闘機は一瞬のうちに一同を取り囲むと、一斉にレーザーを照射した。
「にゃははは……ミーの魔能力に気がついているかは知らにゃいが……戦力を隠しもてる分こっちが有利に決まってるにゃ。」
モニター越しに周囲の様子を眺めながら、ジャニスは独り言を漏らす。
「本当に厄介だね、その魔能力。大胆不敵な泥棒猫…だっけ?一度だけ対象を完全に隠せるって奴。」
「そうにゃ。まあ何回かうちの奴らが調子乗ってやらかした時はびびったにゃ。一回きりだからメンバーを隠すのはできるだけやりたく無かったにゃん。」
「ああ…玄式花織に斬られた奴と、例のゾンビ野郎か。同じ魔族として詫びるよ。」
デニングはジャニスに軽く頭を下げる。
「まあ良いにゃ。それにゾンビの回収は出来たにゃ。」
地上のモニターに映る数百のゾンビを眺めながら、ジャニスは返した。
「それじゃ…僕は持ち場に行くよ。よろしくね。」
「任せろにゃ。」
ジャニスは両手の5本の指を合わせ、魔能力を発動した。
雲に包まれた遥か上空から、数十発にも及ぶミサイルが降り注ぐ。
「な……?!まずい!脱出だ!」
アンドレアは魔能力を解除し、待機していた一同は地上に解き放たれる。
「金銭交渉!」
アンドレアは自身の魔能力により、周囲にドームを作り出すと、ミサイルを防御した。
「チッ……!今ので100万ドル削れたぞ!」
ミサイルの降り注いだ街は、次々と倒壊を始め、僅か数分で瓦礫の山と化した。
「……おい少年、俺は勝てる気がしねえぞ。」
「勝つか勝たないかじゃない。やるんですよ。」
「キツいなあそりゃ。」
両者が会話を遮るように、無数のゾンビが彼らを襲った。
「チィ!やれ!」
銃撃がゾンビを次々と貫いていく。だが、体を欠損した事を意にも介さず、全身を続ける。
「だから言ったでしょう、頭を狙ってください。じゃないとアレらは死なない。」
「やってんだよ。たが固すぎる。……畜生、強化されてやがるな。」
アンドレアは指輪を一つ放り投げると、全ての武器を一段階強化した。
先程まで動き続けていたゾンビは、次々と重激に倒れていく。
レドはふと、上を見た。
塔の頂上に、僅かに何かの影が見える。
何だ?そう思った時だった。
「よし!これで……」
次の瞬間、巨大な爆風が巻き起こり、周囲の瓦礫が彼らに降り注いだ。
「……!まずい、ふせて!」
レドの指示により、一同は下に素早く伏せる。
その直後、巨大な斬撃が後方のビルの残骸を切り裂いた。
「…………まさか、これは。」
かつてレド達に立ちはだかった筈の男、グウェルガンドがいたのだ。
「何故……生きていた?いや、確実に死んだはず。」
「………」
物言わぬグウェルガンドで事を察したレドは、塔の頂上の影に視線を映す。
「そうか……アレの魔能力……!対象者の記憶から敵を引き出すと言ったあたりか。」
先ほど倒した筈のゾンビ達が次々起き上がり始める。
いや、再構築されている。
「これも奴の魔能力か?どうすれば………そうか。」
レドは何かに気づき、自身の魔能力を発動する。
「おい、一応そいつはいざって時の為なんじゃないか?」
「今がそれです。」
黒い魔力が彼を包み込む。
組織分解の能力を鎧として纏う事で、全てのものに平等にダメージを与える事ができる。
確かにその鎧ならば対抗は可能だろう。だからと言ってこのような怪物に勝てるのか?
「あーもう!やるしか……」
「アンドレアさんたちは上空の支援に集中する為にここから離れてください。」
「はあああ?!イカれてんのかお前!」
「それを承知でやったんでしょう?」
「そうだったな…まあせいぜい信じるぜ、少年。」
アンドレアはその場から退散し、レドのみが残された。
「何だ…?何をするつもりだ?」
デニングは警戒するが、そのあまりに不明瞭な目的故、行動の選択肢がなかった。
レドはゾンビの群れを次々と薙ぎ倒していく。
「何をしている…どう考えても無理だろこんなの…!」
デニングの予想を裏切る事態は再び起こる。
レドは突如、己の装甲を解いたのである。
「はあ?!何やってんだ!そんな事したら…」
装甲は巨大な砲台へと変わり、グウェルガンドの方へ向く。
「まさか…塔ごと貫く気か?愚の骨頂だぞ!塔には3重の魔力防壁が貼られている!一度破った態度じゃ…」
そして、引き金が引かれ、黒い砲撃が放たれた。
砲撃はグウェルガンドの体を貫通し、塔の左斜め上を掠めると、空を覆っていた雲に穴を開けた。
「何がしたい?意味がわからない。上の連中の支援?いや、だとしたもっと他にやりようが……まさか!」
「はあ…はあ…砲撃でも放てば魔力感知と魔力視覚でこちらの位置を正確に把握できる。……奴の魔能力を看破できる存在が…此方にはいる。」
朦朧とする意識の中、レドの脳内に声が響いた。
『もお!何やってんのマジで!』
「レナさんですね?今から作戦を伝えます。………分かりましたね?」
『りょーかい。じゃあさっさとやるよ!』
「はい。」
「何なんだ…?何がしてえんだコイツは……待て。グウェルガンドが…ゾンビが復活しない。何故……?!」
『貴方の魔能力…見た対象の記憶から敵を引き出すんでしょ?』
「…?!声が……!」
『であれば、対象の感覚を操作するレナさんの魔能力は貴方にとっての特攻兵器と化す筈。』
「……なんだと?ふざけやがって…!調子に乗るなよクソ人間があ!」
デニングは塔から飛び降り、着地すると、レドに殴りかかった。
「知ってんだよ!殴り合いじゃてめえは勝てねえ!ましてや僕は魔族だ!そうだろう?!」
が、彼の拳は届く事はなく、それどころか、レドの拳が彼の顔面を捉えていた。
「な…!?」
「言っただろう?感覚を操作する魔能力による強化があるんだ。いくら君が魔族だろうが、後方支援ありの状態なら君の動きはスローに見える。」
『そうなるのアンタだけだからね?普通の人はならないよ。』
「あ、ありえねえ…ありえねえこんな事…お前みたいな雑魚に…僕が負けるかあ!」
再びデニングは殴りかかる。が、その度に彼に殴り飛ばされていく。
「ジャイアントキリングという言葉があるけど…どうやら貴方は小人だったようだ。」
レドは留めと言わんばかりに、デニングを地面に叩きつけた。
「あ…が…!」
何故だ。どうしていつも上手くいかない。いつも何処かで僕は出し抜かれる。
でも…でも…まだ…
負けちゃいない。
「ははあああ!」
デニングはレドの頭に掴み掛かった。レドは当然引き剥がそうとする。
が、その瞬間、彼の意識は暗転した。
『…?!接続してるのに暗い……。何これ。ねえ!レドくん!ちょっと!』
レナは1人叫び続けていた。
『うあああ…死にてえよおおお…』
『え?』
『ああ、こいつな、一晩寝ると元の人格に戻るんだ。ちょっと待ってな。』
アンドレアは銃を取り出すと、ジハイドの額に向けて引き金を引いた。
『ああ!ぎもぢい!
………場所は街の外れにある鉱山.ヴェルザリオだ。』
『…………まあ良いか。塔を攻め落とす過程で解放する陣営と分かれる、と言うのが大まかな流れです。…アンさん、一応聞きますけど…』
『…無理だね。レナと繋がるには正確な場所の特定が不可欠。ただレーダーが電波妨害に遭って機能しないんだ。それこそでっかい魔力砲台でもあれば良いんだけど、生憎それを打てるほどの余裕があるかと言われると…』
『まあ無いでしょうね。相当離れた場所から砲台を打つんじゃ、消耗が大きすぎて感覚拡張を得ると言うメリットに見合ってない。できるとすればノーマンさんですが……』
『僕が変わっても支障はないのかい?』
『いえ、貴方が欠けたら支障が出る。』
『……その作戦の細かい説明は?』
デボラが問う。
『まず塔の周囲は大量の魔力感知の装置が取り付けられています。ましてや隠れる場所もない……故に気づかれずに侵入するのは不可能です。
……気づかれる事自体は。』
『どういうこと?』
『まず地上と空で分かれるんです。上空はアンさんとノーマンさん、ジハイドさん、およびアンドレアさんの魔能力による増援。地上はブラックジャッカルのメンバー、そしてその他で攻める。
幸い明日は曇りだ…。上空となれば厚い雲に邪魔されて感知が難しい筈。この塔…仮にB塔とすると、この構造的には操縦室が上部に取り付けられている。操縦室をまず狙うんです。』
『そう上手くいくかね?連中もそんなことは重々承知だろうよ。』
『だからこそノーマンさんが欠けたらダメなんです。この中で唯一の神級レベルですからね。
…できようものならこちらの物です。上から下で挟み撃ちをする。そうなれば一気に状況は有利になる。』
「よし…行くよ!」
「しゃああああ!」
アンとジハイドは、勢いよく矢から飛び降りる。
「待て!」
ノーマンが叫ぶ。
次の瞬間雲の中、無数の赤い点滅が一同のの視界を襲う。
「……?!やばい!」
赤黒いレーザーが飛び出したジハイドを襲う。
「ギャァ!」
「対策くらいはしてると思ってたが……まさかこのレベルとは……!」
雲に大量のシルエットが浮かび始める。
「戦闘機……?!100台は超えてる!しかも魔力が動力源の…一体こんなものどこに隠し持ってた訳?」
ここまでの量なら必ず感知が反応するはず、どうして。
アンは何かに気がつき、ハッと目を見開いた。
「まさか…例の魔能力の……!」
戦闘機は一瞬のうちに一同を取り囲むと、一斉にレーザーを照射した。
「にゃははは……ミーの魔能力に気がついているかは知らにゃいが……戦力を隠しもてる分こっちが有利に決まってるにゃ。」
モニター越しに周囲の様子を眺めながら、ジャニスは独り言を漏らす。
「本当に厄介だね、その魔能力。大胆不敵な泥棒猫…だっけ?一度だけ対象を完全に隠せるって奴。」
「そうにゃ。まあ何回かうちの奴らが調子乗ってやらかした時はびびったにゃ。一回きりだからメンバーを隠すのはできるだけやりたく無かったにゃん。」
「ああ…玄式花織に斬られた奴と、例のゾンビ野郎か。同じ魔族として詫びるよ。」
デニングはジャニスに軽く頭を下げる。
「まあ良いにゃ。それにゾンビの回収は出来たにゃ。」
地上のモニターに映る数百のゾンビを眺めながら、ジャニスは返した。
「それじゃ…僕は持ち場に行くよ。よろしくね。」
「任せろにゃ。」
ジャニスは両手の5本の指を合わせ、魔能力を発動した。
雲に包まれた遥か上空から、数十発にも及ぶミサイルが降り注ぐ。
「な……?!まずい!脱出だ!」
アンドレアは魔能力を解除し、待機していた一同は地上に解き放たれる。
「金銭交渉!」
アンドレアは自身の魔能力により、周囲にドームを作り出すと、ミサイルを防御した。
「チッ……!今ので100万ドル削れたぞ!」
ミサイルの降り注いだ街は、次々と倒壊を始め、僅か数分で瓦礫の山と化した。
「……おい少年、俺は勝てる気がしねえぞ。」
「勝つか勝たないかじゃない。やるんですよ。」
「キツいなあそりゃ。」
両者が会話を遮るように、無数のゾンビが彼らを襲った。
「チィ!やれ!」
銃撃がゾンビを次々と貫いていく。だが、体を欠損した事を意にも介さず、全身を続ける。
「だから言ったでしょう、頭を狙ってください。じゃないとアレらは死なない。」
「やってんだよ。たが固すぎる。……畜生、強化されてやがるな。」
アンドレアは指輪を一つ放り投げると、全ての武器を一段階強化した。
先程まで動き続けていたゾンビは、次々と重激に倒れていく。
レドはふと、上を見た。
塔の頂上に、僅かに何かの影が見える。
何だ?そう思った時だった。
「よし!これで……」
次の瞬間、巨大な爆風が巻き起こり、周囲の瓦礫が彼らに降り注いだ。
「……!まずい、ふせて!」
レドの指示により、一同は下に素早く伏せる。
その直後、巨大な斬撃が後方のビルの残骸を切り裂いた。
「…………まさか、これは。」
かつてレド達に立ちはだかった筈の男、グウェルガンドがいたのだ。
「何故……生きていた?いや、確実に死んだはず。」
「………」
物言わぬグウェルガンドで事を察したレドは、塔の頂上の影に視線を映す。
「そうか……アレの魔能力……!対象者の記憶から敵を引き出すと言ったあたりか。」
先ほど倒した筈のゾンビ達が次々起き上がり始める。
いや、再構築されている。
「これも奴の魔能力か?どうすれば………そうか。」
レドは何かに気づき、自身の魔能力を発動する。
「おい、一応そいつはいざって時の為なんじゃないか?」
「今がそれです。」
黒い魔力が彼を包み込む。
組織分解の能力を鎧として纏う事で、全てのものに平等にダメージを与える事ができる。
確かにその鎧ならば対抗は可能だろう。だからと言ってこのような怪物に勝てるのか?
「あーもう!やるしか……」
「アンドレアさんたちは上空の支援に集中する為にここから離れてください。」
「はあああ?!イカれてんのかお前!」
「それを承知でやったんでしょう?」
「そうだったな…まあせいぜい信じるぜ、少年。」
アンドレアはその場から退散し、レドのみが残された。
「何だ…?何をするつもりだ?」
デニングは警戒するが、そのあまりに不明瞭な目的故、行動の選択肢がなかった。
レドはゾンビの群れを次々と薙ぎ倒していく。
「何をしている…どう考えても無理だろこんなの…!」
デニングの予想を裏切る事態は再び起こる。
レドは突如、己の装甲を解いたのである。
「はあ?!何やってんだ!そんな事したら…」
装甲は巨大な砲台へと変わり、グウェルガンドの方へ向く。
「まさか…塔ごと貫く気か?愚の骨頂だぞ!塔には3重の魔力防壁が貼られている!一度破った態度じゃ…」
そして、引き金が引かれ、黒い砲撃が放たれた。
砲撃はグウェルガンドの体を貫通し、塔の左斜め上を掠めると、空を覆っていた雲に穴を開けた。
「何がしたい?意味がわからない。上の連中の支援?いや、だとしたもっと他にやりようが……まさか!」
「はあ…はあ…砲撃でも放てば魔力感知と魔力視覚でこちらの位置を正確に把握できる。……奴の魔能力を看破できる存在が…此方にはいる。」
朦朧とする意識の中、レドの脳内に声が響いた。
『もお!何やってんのマジで!』
「レナさんですね?今から作戦を伝えます。………分かりましたね?」
『りょーかい。じゃあさっさとやるよ!』
「はい。」
「何なんだ…?何がしてえんだコイツは……待て。グウェルガンドが…ゾンビが復活しない。何故……?!」
『貴方の魔能力…見た対象の記憶から敵を引き出すんでしょ?』
「…?!声が……!」
『であれば、対象の感覚を操作するレナさんの魔能力は貴方にとっての特攻兵器と化す筈。』
「……なんだと?ふざけやがって…!調子に乗るなよクソ人間があ!」
デニングは塔から飛び降り、着地すると、レドに殴りかかった。
「知ってんだよ!殴り合いじゃてめえは勝てねえ!ましてや僕は魔族だ!そうだろう?!」
が、彼の拳は届く事はなく、それどころか、レドの拳が彼の顔面を捉えていた。
「な…!?」
「言っただろう?感覚を操作する魔能力による強化があるんだ。いくら君が魔族だろうが、後方支援ありの状態なら君の動きはスローに見える。」
『そうなるのアンタだけだからね?普通の人はならないよ。』
「あ、ありえねえ…ありえねえこんな事…お前みたいな雑魚に…僕が負けるかあ!」
再びデニングは殴りかかる。が、その度に彼に殴り飛ばされていく。
「ジャイアントキリングという言葉があるけど…どうやら貴方は小人だったようだ。」
レドは留めと言わんばかりに、デニングを地面に叩きつけた。
「あ…が…!」
何故だ。どうしていつも上手くいかない。いつも何処かで僕は出し抜かれる。
でも…でも…まだ…
負けちゃいない。
「ははあああ!」
デニングはレドの頭に掴み掛かった。レドは当然引き剥がそうとする。
が、その瞬間、彼の意識は暗転した。
『…?!接続してるのに暗い……。何これ。ねえ!レドくん!ちょっと!』
レナは1人叫び続けていた。
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