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終わりし世界
終焉の旅人
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ギルスタッド一行は温泉の湧くその施設へ入った。と、おっ。お客さん。3人か。と、男がやって来て、そこのドアを開けてちょっと歩くと左に行く道がある。そこを左に行けばあるよ。ちょうど、今1人先客がいるからな。滑りやすくなってるから気をつけてな。と言ってきた。
言われるがままに、脱衣所で脱いで温泉に入ると、とても気持ちいい。と、奥からあんたらも旅人かい?なんの旅をしてるんだ?ぜひ聞きたいね。と先客らしい若い男が聞いてきた。と、そういやよく抜けてきたな。ここまで。あのお化けをよくすり抜けたものだ。怖かったろ?俺も見たけどあんなの見たら腰抜かすよな。普通。どうにかバレずに抜けれたが。と、言ってきた。
ギルスタッドはなるほど、お主も遭遇したのだな。あぁ、確かに気味が悪い奴だったが、所詮はミヤギユウキと言うやつの仕業で被害者だったらしいぞ。それに、もうあの女性は子供と共に去ったからもう出ないから安心しなさい。と、言った。そうすると、男が、ん?どう言うことだ?おっと。失礼。俺は自分探しの旅をしている最中でな。一応、こう見えてだな。俺は元々王家の生まれだ。まぁ、厳密に言えば先祖がなんだがな。こんな世界になってしまった今、俺に何ができるのかを探してるんだよ。旅をしながらね。俺は、そうやって生きてきた。ギルスタッド殿もだいぶ大変な思いしたようだな。この世界に来て、困惑することもあるだろう。だが、お前の目的は必ず果たされる。だが、奴らはお前が思ってるより強い。
その剣も強いが、それは操るのは至難の業だ。そうだな。ここで出会ったのも縁だ。その剣を扱いやすくしてやる。俺の故郷は、かつてドイツだった土地。今呼ばれてる名は、グリムタウン。人口もかなり減ってな。生存者たちで開拓した町だ。ここ、日本からだと船を使わねばならぬ。だが、俺が持ってる船で行けば問題ないだろう。名を名乗ってなかったな。俺の名は、クラウス・アヒム・リンランディアだ。よろしくな。と言ってきた。
ギルスタッドは、色々疑問に思った。私は名を名乗った覚えなどないがそれに、私が何故この世界のものではないと知っている?と少し身構えた。と、クラウスはすまねえな。こう見えて、俺にはちょっとした能力があるんだ。魂が俺には見える。生きてる奴か、死んでる奴か見極める能力だ。たまに、お主のような魂を持つものがいる。これまで、何人か見てきた。
ライセルの旦那もやたらとこっちに飛ばすもんだから、分かるんだよ。ふん。ライセルめ。会ったらちゃんと礼は弾んでもらうからな。でもな、お主の様な特殊なケース初めてだ。だって、お主が持ってる剣かなり危険な代物だからな。よく扱えられるな。大抵の人は飲み込まれて悪霊になるか化け物になる。何回かそう言う奴を見たことある。こう見えて、色々旅をしてきたからな。まさか、五十嵐のおっちゃんに託したと思ったらあんたの手元に行ってるとはな。
だが、気をつけることだな。保険だ。剣を貸せ。符呪してやる。と、剣を渡すと温泉に剣を浸した。ここの温泉は邪気を祓う力を持ってるからな。そう、クラウスが言うと見る見る剣を漂う漆黒のオーラが消えていった。更に、剣を手でかざし何か唱えた。そうすると、剣が最初の細身の形状に戻った。と、ギルスタッドが立ち眩む。一瞬声が脳にダイレクトにきた。誰かもわからない不気味な男や女や子供達の声が重なるように一言だけ言ってきた。『ミツケタ。』
温泉入ってるのに悪寒が走った。
ギルスタッドは凄い嫌な予感がした。と、クラウスがギルスタッドを見て、あんただいぶやべえものを連れ込んだみたいだ。仕方ない。すぐに、出るぞ。グリムタウンへ行く。同伴してる二人と合流するぞ。と仕切って、合流した。と、ついさっきと違いかなり剣幕な表情でクラウスは走るぞ。と言って、森へ突入。森はまるで、こちらを睨みつけてるような圧があった。風で蠢く葉っぱや枝の音は、笑い声にも聞こえてくる。と、何かが迫りくる。
その迫り来る何かは肉眼では見えないが何かが自分達を追ってきた。クラウスが、突然手を後ろに向けて、何か唱えだした。それは、ギルスタッドがよく知っている魔術だった。ギルスタッドは、グリムタウンに行けば何か掴めると確信した。そして、クラウスの後を追って馬を走らせると、大きな広い草原が見えた。草原に入ると、それはまるで悲鳴の様な断末魔の声が森に響き渡った。だが、草原には出てこなかった。暗いところを好む追ってきていたそれは、まるでいなかったかの様に存在感を一瞬にして消した。クラウスはここまで来れば安心だ。あいつらに見つかるとまずいからな。特に、ギルスタッド。お主は。おまえさんは、いわばこの世界で言うイレギュラーな存在。特に、あんたは普通じゃない。とにかくこっちだ。と草原を越えると、大きな海が広がっていた。
今から船出すからと海に向かってまた唱え出した。ギルスタッドにとって初めて聞く魔術だった。そうすると、船が海底からなのか、海の底から浮上してきた。と、船に溜まっていた一部の海水が船への橋に変形した。ギルスタッドはあまりに凄い魔術を見せられて驚いた。
だが、ギルスタッドが聞いた彼の術式がとうに衰退した古代アトランティス式にそっくりすぎる事に疑問を持ちながら乗船した。しばらく、船を出して一日がたった。夜中突然歌声に目を覚ました。その歌声はとても神秘的で女性の澄んだ声。と、クラウスが静かにギルスタッドに忍び寄り、小さな声でセイレーンだ。外に出たらおしまいだ。彼女達の声は男にしか聞こえまい。あの二人はだから大丈夫だ。問題は俺たちだ。しかし、セイレーンの歌に聞き覚えがあった。小さな声で、ギルスタッドは歌い出した。
"古の国はほころびゆく。闇に忍び寄る光る影は黒い涙を流し、赤い海に帰る。
後を追うように、多くの影が沈みゆく。悲しき宿命を持ちし一族はそして死ぬる。"
と、クラウスがなんだ?その歌。入水の歌か?まさか、あれがしっかり歌に聞こえてるのか?私には、ただ歌うような声で叫んでるようにしか聞こえないが。そう言った。ギルスタッドは、あぁ、それに分かるはずもない。お主達の世界の言語ではないから、そのようにしかきこえないのだろう。はっきり歌になっている。よもや、セイレーンがこの歌を歌うとはな。この歌はうちの世界で昔使われていたアルウェ象形文字で作られた歌。タイトルは、アトランティスの悲劇。正式にはかなり長い歌でな。その1部だ。しかし、何故セイレーンがこの歌を知っているのか知りたい。セイレーンは人間の今の世界の生物。我らの世界の歌を知ってるのがおかしいのだ。だから、私は出る。真相が知りたい。と言うと、惑わしてるだけだ。行くなとクラウスは引き止めたが、もう遅く出てしまっていた。ギルスタッドは、甲板で見渡すと人魚のような人影が見えた気がした。セイレーンとマーメイドがいるようだ。と、マーメイドの1人が人の姿になり船に乗り込んだ。そうすると、我らの主君の血を持つものであるようですね。感じますわ。貴方から。その血を。貴方はアトランティス王族の血を持つ血縁者。やっと会えました。私たちは、ミヤギユウキを探しております。彼は、危険な存在です。知っていますか?ミヤギユウキ様には支持者がいること。それはと、耳元にやって来て耳打ちをした。
それに、ギルスタッドは驚愕と困惑の表情をした。歌声はやみ、朝になっていた。だが、ギルスタッドは朝になっていた事も気づかず放心状態だった。だが、そこにクラウスがやって来て、無事だったかと言ってきていたが、それでも微動だにせず。こう言われたのだ。"ミヤギユウキの親友、しかし名前も男かも女性かも分かりません。彼には、親友がいた。それだけは分かっているのですが、そして、この世界が破滅したのも人間の時代が潰えたのもミヤギユウキではなく、その親友の仕業。しかし、正体も掴めないまま。このままでは、あなたの元いた世界もこの世界と同じ運命を辿ります。ミヤギユウキに不幸にされたもの達もその親友とも面識があったと聞きます。貴方はとにかく探しなさい。その親友なる怪しい者を。そして、彼こそがこの世界の膿です。貴方の慕うエルドラード王も死んでいっております。少しずつ侵食されていってるのです。早くその剣を完成させてこの世界を浄化お願いしますね"だった。
ギルスタッドは、その話もビックリだったが何よりずっと友人でもあり慕っていた我が王が死んでいた事が何より衝撃で、頭が真っ白になったのだ。ちょっと時間が経つと少し落ち着いた。しばらく、乗りながら数週間たった頃、色々考え込み頭を整理していた。そして、アトランティスの祟りと言う本がある事を思い出した。それはアトランティス悲劇物語語るものは、祟られるという因縁の都市伝説。彼には時間だけではなく情報がますます必要になっていった。そして、焦りを感じるギルスタッドなのであった。ちょっと自分を落ち着かせた。気づけばのどかな海、そして音に癒されていた。少しそういやこんな落ち着いたのは久々だと感じ始めていた。しばらく経った頃、グリムタウンに繋がる岬に着いた。岬に着いて、クラウスは唐突にまた呪文を唱えた。
と、何もなかったはずの平地に町が浮かび上がった。と、今までと比べものにならないほど発展していた。商店街などもあり、繁盛している。入ると、衛兵の一人がクラウス様おかえりなさい。と言った。と、同時にクラウスを見て、そこにいた人達全員がクラウスに丁寧な挨拶をして来た。どうやら、クラウスがこの町の主人なのだろう。そして、結構大きめの屋敷に着くと、クラウスはここが私の家だ。後で、なんか買いに行けばいい。とりあえず、君たちを紹介したい人がいる。一緒に来てくれ。と言った。屋敷の趣のある大きなドアが開いた。そして、入ると見慣れた様などこか懐かしい。ギルスタッドにとってよく見る割と大きめの屋敷だった。階段を登ると、若く美しい女性がいた。女性は、おかえりなさい。あら。お客様?あなたが連れてくるなんて珍しいじゃない。それも、3人も。と言って来た。クラウスは、すまん。彼らをあの人に紹介したいのでな。後でいいか?というと、彼女は、分かったわ。と言って去った。
歩く先々で謁見に来た一般の方々、侍女や、執事やメイドなどが物珍しいものを見る様な目で、ギルスタッドを見ていた。歩いてる途中も、クラウスはそりゃ見るさ。あんたどう見てもファンタジーに出てくる様なエルフと同じ見た目してるんだからな。と、貫禄のある60代くらいの厳つい男がいた。クラウスは、この方は私の父、アーノリオンだ。だが、いかつい男は無言でこちらを見るものだから怒ってるのかと錯覚起こすくらいだ。第一声は、息子よ。よくぞ戻った。他にも生存者はいたのだな?と言うと、はい。皆それぞれ様々なやり方で生計を立てながら生きていました。ある時は山窟を活用した村もありました。温泉施設にして、生活している人もいました。しかし、相変わらず奴らは蠢いてます。と語るクラウス。そして、不思議なこともある様でこの者が持つ剣の力を見てください。と、クラウスがギルスタッドに剣を渡す様求めた。彼は渡した。その剣を男は、立派な顎鬚を触りながら見つめた。ふむ。お前が符呪してもなおこの力。よく、持ち主であるお主耐えられるな。普通これだけの呪いの力侵食され、自我を失うのだが。最悪、化け物になる可能性もある。流石だ。アトランティス王族の後継者よ。厳密に言えば、お主の妻が、血縁者だったかの。だが、ほかの人たちは君をエルフと呼ぶものもいよう。理由は、こちらではほんとに最後のアトランティス人を皆がそう呼んでいた所から始まった呼び方だが。
さて、君たちは大変な長旅であっただろう。長旅の疲れでも取るが良い。では、皆の者解散だ。と、そこにいた衛兵達が深くお辞儀し去った。部屋へとご案内してあげてくれ。息子よ。そう言うと息子であるクラウスが分かりました。と、ギルスタッド御一行をさらに上階へと連れていき来賓用の客室に連れていった。その日の夜中、クラウスは物音で起きた。と、ノック音がした。目の前にいたのはクラウスだった。深刻そうな顔していた。ただ、一言だけ付いてきてくれ。それだけ言った。屋敷を離れ、商店街の裏手へ。と、何人か衛兵に警察っぽい人達がいた。来たか。と、言うアーノリオンの声。そして、殺人だ。何故、そんな事件で私を呼んだのか。
すこし、疑問に思った。アーノリオンは、すまない。通してくれと。言った。ギルスタッドは死体のある現場へ。ギルスタッドは驚いた。なっ。死んでいたのは、ミオだった。頭が混乱した。手元には、花束があった。その花束に手紙が紛れていた。読んでみろ。と、アーノリオン。クラウスも、凄い悔しがった様子の表情。アーノリオンだけがやけに冷静だ。野次馬の声たちが聞こえてくる。なんてむごい。まだ、若いのに。色々な声が聞こえてきた。しかし、読める気分にはなれなかった。血だらけになったミオを抱え、ありえないほどに何かが爆発したように、ギルスタッドは発狂しながら泣いた。と、同時に激しい怒り、憎悪が彼の中で覚醒した。彼女との思い出が過ぎった。その中で記憶にない映像が脳裏に過ぎる。全身にノイズが走るフードを被った男。それが、顔も見えないのに笑ってるように見えるのだ。アーノリオンが、これまでにないほど優しい声で、大丈夫だ。気をしっかり持て。
まだ、助かるかもしれん。その言葉に、彼は頼む。何でもするから助けてくれ。俺は彼女の笑顔に何度も助けられた。だから。と、言うと、アーノリオンが呼んでいたのか、やせ細った老婆が現れた。アーノリオンよ。呼んだか。何事だ。と、アーノリオンが、来てくれたか。カナリア。彼女を助けることは出来るか?と、言うと、暫く見つめて、うーん。難しいが、そうだな。魂を呼び戻してみないことには。なんとも言えんがやってみるか。と、彼女を担架で運んで、どこかに行った。現場で一体何が起こったのか。アーノリオンは、現場報告を頼む。何があった?そういうと、トレンチコートを着た渋めの男が、アーノリオン君私が担当だ。と言う。アーノリオンがオーガスト刑事か。何があったか教えてくれと。言うと、オーガスト刑事が、これがなぁ、何人か目撃者はいるんだが、皆支離滅裂でな。人によって、悲鳴が聞こえて、かけつけたら老婆が出てきたとか。子供が出てきた。とか、大人の女性が出てきたとか。言ってることがな。かなり、変でな。と、ギルスタッドは、ハッとした。姿を自在に変えられるのは1人しかいない。姿なき魔王、かつての神。それは、カース。だが、何故カースがミオを?ますます訳が分からなかった。そう色々、考えているとアーノリオンがあー。そうだ。カースの仕業だろう。と、オーガスト刑事と話していた。当たり前のように、カースの話をしている2人に、ギルスタッドは驚いた表情をした。2人にカースについて聞いてみた。と、アーノリオンとオーガスト刑事は何を今更というかのように、キョトンとしていた。ギルスタッド君何を驚いてるのだ。我々の宿敵じゃないか。カースは全く居所も掴めない正体不明の姿なき魔王。こんな世界にしたのも、奴の息がかかった人間。ミヤギユウキだ。
やつの足取りを掴みたいんだが、全く手に負えなくてな。それに、妙な話もある。ミヤギユウキの親友の存在だ。名前も分かってない。ほんとに得体の知れないやつはもしかしたら親友の方かもしれん。今1度、ライセルと話さなければならん。実はな、今回に限ったことじゃない。これまで、ここに逃げてきた生存者達から奴の情報を聞いてきた。そして、今回で15件目だ。オーガスト刑事、そうだったよな?と確認すると、あぁ、これで15件の殺人事件が起きている事になる。まだ、彼女は助かる可能性があるとは思うが、だが、安心しろカナリアには不可能の文字はない。彼女ならどうにかしてくれるさ。君は、彼女の元に行ってあげなさい。後のことは任せろ。と言った。ギルスタッドは、心の中で願いながらアーノリオンと一緒に病院に向かった。しっかりした作りの病院。
院内に入ると、看護師の1人がこちらですと案内した。病室らしき部屋に案内された。そして、彼女が管に繋がれてベッドに横たわっていた。どうやら、息を吹き返したようだった。ついさっきまでの傷も完全に消えていた。息遣いが聞こえて安心した。だが、カナリアがそこにいてこう言った。ここまでで精一杯だ。後は意識が戻るのを待つだけだ。明日には目が覚めることだろう。と言い残して去った。後は、意識を取り戻すだけだった。そこへ。五十嵐咲良がやってきた。一緒に旅をした仲間なのに今更来たのかと憤りを感じた。五十嵐君今まで何をしていたのだ?あともう少しで殺されるところだったんだ。なんのつもりだ?と、五十嵐咲良を睨みつけながら吐き捨てた。出てけ。その一言に、五十嵐咲良は、私が何も思わない訳ないじゃないか。怒られる筋合いなどない。彼女が殺されなければなかった理由のヒントがあると思って図書館で調べていたんだ。この本を探してな。と投げ捨てた。そのタイトルには、終焉の旅人と言う文字が書いてあった。それを聞いて、ギルスタッドはしまった。ほぼ、泣きそうな五十嵐咲良に、自分も泣きそうになりながら済まないことをした。と、ほぼ声にならない声で言った。私も老いたな。と泣きじゃくるような声で言った。2人でその夜は泣き疲れたまま寝入った。起きると、聞き覚えのある声がした。ねぇ、ここどこ?どうして私病院に?その一言が嬉しかった。もう、声も聞こえないと思ってたから尚更。五十嵐咲良も、心配かけやがって。無事に生きて戻れて良かった。だが、ミオはギルスタッドを見て怖がった。近づこうとすると、やめて。こっちに来ないで。と振り払った。
ギルスタッドはショックを受けた。ギルスタッドは、悪かった。近づかないから。落ち着いて。と言うも、体が拒否反応を起こして震えていた。五十嵐咲良が頑張って説得したが、ある一言で2人ともびっくり。なんと、ミオを殺そうとしたのはギルスタッドだというのだ。すっかり、そう信じきっていた。そう身体が染み付いてるからだろう。その拒否反応も。やむおえず、ギルスタッドは、病室から去ろうとした時、私が代わりに見るから、これでも読めばなんか分かるかも知らない。落ちた本を拾い上げ、手渡した。その本はかなり分厚く相当な枚数があるのかずっしりと重かった。自分の部屋に戻ると、その本を開いた。その本はなんかの仕掛けでもあったのか。読み始めた瞬間意識が飛んだ。誰かの声が聞こえる。私は、世界を見た。知らなくていい事も沢山知ってしまった。私はこの気持ちを私の日誌として記す。この本を読むものに私が見た世界を見せよう。と話し始めるのだった。
言われるがままに、脱衣所で脱いで温泉に入ると、とても気持ちいい。と、奥からあんたらも旅人かい?なんの旅をしてるんだ?ぜひ聞きたいね。と先客らしい若い男が聞いてきた。と、そういやよく抜けてきたな。ここまで。あのお化けをよくすり抜けたものだ。怖かったろ?俺も見たけどあんなの見たら腰抜かすよな。普通。どうにかバレずに抜けれたが。と、言ってきた。
ギルスタッドはなるほど、お主も遭遇したのだな。あぁ、確かに気味が悪い奴だったが、所詮はミヤギユウキと言うやつの仕業で被害者だったらしいぞ。それに、もうあの女性は子供と共に去ったからもう出ないから安心しなさい。と、言った。そうすると、男が、ん?どう言うことだ?おっと。失礼。俺は自分探しの旅をしている最中でな。一応、こう見えてだな。俺は元々王家の生まれだ。まぁ、厳密に言えば先祖がなんだがな。こんな世界になってしまった今、俺に何ができるのかを探してるんだよ。旅をしながらね。俺は、そうやって生きてきた。ギルスタッド殿もだいぶ大変な思いしたようだな。この世界に来て、困惑することもあるだろう。だが、お前の目的は必ず果たされる。だが、奴らはお前が思ってるより強い。
その剣も強いが、それは操るのは至難の業だ。そうだな。ここで出会ったのも縁だ。その剣を扱いやすくしてやる。俺の故郷は、かつてドイツだった土地。今呼ばれてる名は、グリムタウン。人口もかなり減ってな。生存者たちで開拓した町だ。ここ、日本からだと船を使わねばならぬ。だが、俺が持ってる船で行けば問題ないだろう。名を名乗ってなかったな。俺の名は、クラウス・アヒム・リンランディアだ。よろしくな。と言ってきた。
ギルスタッドは、色々疑問に思った。私は名を名乗った覚えなどないがそれに、私が何故この世界のものではないと知っている?と少し身構えた。と、クラウスはすまねえな。こう見えて、俺にはちょっとした能力があるんだ。魂が俺には見える。生きてる奴か、死んでる奴か見極める能力だ。たまに、お主のような魂を持つものがいる。これまで、何人か見てきた。
ライセルの旦那もやたらとこっちに飛ばすもんだから、分かるんだよ。ふん。ライセルめ。会ったらちゃんと礼は弾んでもらうからな。でもな、お主の様な特殊なケース初めてだ。だって、お主が持ってる剣かなり危険な代物だからな。よく扱えられるな。大抵の人は飲み込まれて悪霊になるか化け物になる。何回かそう言う奴を見たことある。こう見えて、色々旅をしてきたからな。まさか、五十嵐のおっちゃんに託したと思ったらあんたの手元に行ってるとはな。
だが、気をつけることだな。保険だ。剣を貸せ。符呪してやる。と、剣を渡すと温泉に剣を浸した。ここの温泉は邪気を祓う力を持ってるからな。そう、クラウスが言うと見る見る剣を漂う漆黒のオーラが消えていった。更に、剣を手でかざし何か唱えた。そうすると、剣が最初の細身の形状に戻った。と、ギルスタッドが立ち眩む。一瞬声が脳にダイレクトにきた。誰かもわからない不気味な男や女や子供達の声が重なるように一言だけ言ってきた。『ミツケタ。』
温泉入ってるのに悪寒が走った。
ギルスタッドは凄い嫌な予感がした。と、クラウスがギルスタッドを見て、あんただいぶやべえものを連れ込んだみたいだ。仕方ない。すぐに、出るぞ。グリムタウンへ行く。同伴してる二人と合流するぞ。と仕切って、合流した。と、ついさっきと違いかなり剣幕な表情でクラウスは走るぞ。と言って、森へ突入。森はまるで、こちらを睨みつけてるような圧があった。風で蠢く葉っぱや枝の音は、笑い声にも聞こえてくる。と、何かが迫りくる。
その迫り来る何かは肉眼では見えないが何かが自分達を追ってきた。クラウスが、突然手を後ろに向けて、何か唱えだした。それは、ギルスタッドがよく知っている魔術だった。ギルスタッドは、グリムタウンに行けば何か掴めると確信した。そして、クラウスの後を追って馬を走らせると、大きな広い草原が見えた。草原に入ると、それはまるで悲鳴の様な断末魔の声が森に響き渡った。だが、草原には出てこなかった。暗いところを好む追ってきていたそれは、まるでいなかったかの様に存在感を一瞬にして消した。クラウスはここまで来れば安心だ。あいつらに見つかるとまずいからな。特に、ギルスタッド。お主は。おまえさんは、いわばこの世界で言うイレギュラーな存在。特に、あんたは普通じゃない。とにかくこっちだ。と草原を越えると、大きな海が広がっていた。
今から船出すからと海に向かってまた唱え出した。ギルスタッドにとって初めて聞く魔術だった。そうすると、船が海底からなのか、海の底から浮上してきた。と、船に溜まっていた一部の海水が船への橋に変形した。ギルスタッドはあまりに凄い魔術を見せられて驚いた。
だが、ギルスタッドが聞いた彼の術式がとうに衰退した古代アトランティス式にそっくりすぎる事に疑問を持ちながら乗船した。しばらく、船を出して一日がたった。夜中突然歌声に目を覚ました。その歌声はとても神秘的で女性の澄んだ声。と、クラウスが静かにギルスタッドに忍び寄り、小さな声でセイレーンだ。外に出たらおしまいだ。彼女達の声は男にしか聞こえまい。あの二人はだから大丈夫だ。問題は俺たちだ。しかし、セイレーンの歌に聞き覚えがあった。小さな声で、ギルスタッドは歌い出した。
"古の国はほころびゆく。闇に忍び寄る光る影は黒い涙を流し、赤い海に帰る。
後を追うように、多くの影が沈みゆく。悲しき宿命を持ちし一族はそして死ぬる。"
と、クラウスがなんだ?その歌。入水の歌か?まさか、あれがしっかり歌に聞こえてるのか?私には、ただ歌うような声で叫んでるようにしか聞こえないが。そう言った。ギルスタッドは、あぁ、それに分かるはずもない。お主達の世界の言語ではないから、そのようにしかきこえないのだろう。はっきり歌になっている。よもや、セイレーンがこの歌を歌うとはな。この歌はうちの世界で昔使われていたアルウェ象形文字で作られた歌。タイトルは、アトランティスの悲劇。正式にはかなり長い歌でな。その1部だ。しかし、何故セイレーンがこの歌を知っているのか知りたい。セイレーンは人間の今の世界の生物。我らの世界の歌を知ってるのがおかしいのだ。だから、私は出る。真相が知りたい。と言うと、惑わしてるだけだ。行くなとクラウスは引き止めたが、もう遅く出てしまっていた。ギルスタッドは、甲板で見渡すと人魚のような人影が見えた気がした。セイレーンとマーメイドがいるようだ。と、マーメイドの1人が人の姿になり船に乗り込んだ。そうすると、我らの主君の血を持つものであるようですね。感じますわ。貴方から。その血を。貴方はアトランティス王族の血を持つ血縁者。やっと会えました。私たちは、ミヤギユウキを探しております。彼は、危険な存在です。知っていますか?ミヤギユウキ様には支持者がいること。それはと、耳元にやって来て耳打ちをした。
それに、ギルスタッドは驚愕と困惑の表情をした。歌声はやみ、朝になっていた。だが、ギルスタッドは朝になっていた事も気づかず放心状態だった。だが、そこにクラウスがやって来て、無事だったかと言ってきていたが、それでも微動だにせず。こう言われたのだ。"ミヤギユウキの親友、しかし名前も男かも女性かも分かりません。彼には、親友がいた。それだけは分かっているのですが、そして、この世界が破滅したのも人間の時代が潰えたのもミヤギユウキではなく、その親友の仕業。しかし、正体も掴めないまま。このままでは、あなたの元いた世界もこの世界と同じ運命を辿ります。ミヤギユウキに不幸にされたもの達もその親友とも面識があったと聞きます。貴方はとにかく探しなさい。その親友なる怪しい者を。そして、彼こそがこの世界の膿です。貴方の慕うエルドラード王も死んでいっております。少しずつ侵食されていってるのです。早くその剣を完成させてこの世界を浄化お願いしますね"だった。
ギルスタッドは、その話もビックリだったが何よりずっと友人でもあり慕っていた我が王が死んでいた事が何より衝撃で、頭が真っ白になったのだ。ちょっと時間が経つと少し落ち着いた。しばらく、乗りながら数週間たった頃、色々考え込み頭を整理していた。そして、アトランティスの祟りと言う本がある事を思い出した。それはアトランティス悲劇物語語るものは、祟られるという因縁の都市伝説。彼には時間だけではなく情報がますます必要になっていった。そして、焦りを感じるギルスタッドなのであった。ちょっと自分を落ち着かせた。気づけばのどかな海、そして音に癒されていた。少しそういやこんな落ち着いたのは久々だと感じ始めていた。しばらく経った頃、グリムタウンに繋がる岬に着いた。岬に着いて、クラウスは唐突にまた呪文を唱えた。
と、何もなかったはずの平地に町が浮かび上がった。と、今までと比べものにならないほど発展していた。商店街などもあり、繁盛している。入ると、衛兵の一人がクラウス様おかえりなさい。と言った。と、同時にクラウスを見て、そこにいた人達全員がクラウスに丁寧な挨拶をして来た。どうやら、クラウスがこの町の主人なのだろう。そして、結構大きめの屋敷に着くと、クラウスはここが私の家だ。後で、なんか買いに行けばいい。とりあえず、君たちを紹介したい人がいる。一緒に来てくれ。と言った。屋敷の趣のある大きなドアが開いた。そして、入ると見慣れた様などこか懐かしい。ギルスタッドにとってよく見る割と大きめの屋敷だった。階段を登ると、若く美しい女性がいた。女性は、おかえりなさい。あら。お客様?あなたが連れてくるなんて珍しいじゃない。それも、3人も。と言って来た。クラウスは、すまん。彼らをあの人に紹介したいのでな。後でいいか?というと、彼女は、分かったわ。と言って去った。
歩く先々で謁見に来た一般の方々、侍女や、執事やメイドなどが物珍しいものを見る様な目で、ギルスタッドを見ていた。歩いてる途中も、クラウスはそりゃ見るさ。あんたどう見てもファンタジーに出てくる様なエルフと同じ見た目してるんだからな。と、貫禄のある60代くらいの厳つい男がいた。クラウスは、この方は私の父、アーノリオンだ。だが、いかつい男は無言でこちらを見るものだから怒ってるのかと錯覚起こすくらいだ。第一声は、息子よ。よくぞ戻った。他にも生存者はいたのだな?と言うと、はい。皆それぞれ様々なやり方で生計を立てながら生きていました。ある時は山窟を活用した村もありました。温泉施設にして、生活している人もいました。しかし、相変わらず奴らは蠢いてます。と語るクラウス。そして、不思議なこともある様でこの者が持つ剣の力を見てください。と、クラウスがギルスタッドに剣を渡す様求めた。彼は渡した。その剣を男は、立派な顎鬚を触りながら見つめた。ふむ。お前が符呪してもなおこの力。よく、持ち主であるお主耐えられるな。普通これだけの呪いの力侵食され、自我を失うのだが。最悪、化け物になる可能性もある。流石だ。アトランティス王族の後継者よ。厳密に言えば、お主の妻が、血縁者だったかの。だが、ほかの人たちは君をエルフと呼ぶものもいよう。理由は、こちらではほんとに最後のアトランティス人を皆がそう呼んでいた所から始まった呼び方だが。
さて、君たちは大変な長旅であっただろう。長旅の疲れでも取るが良い。では、皆の者解散だ。と、そこにいた衛兵達が深くお辞儀し去った。部屋へとご案内してあげてくれ。息子よ。そう言うと息子であるクラウスが分かりました。と、ギルスタッド御一行をさらに上階へと連れていき来賓用の客室に連れていった。その日の夜中、クラウスは物音で起きた。と、ノック音がした。目の前にいたのはクラウスだった。深刻そうな顔していた。ただ、一言だけ付いてきてくれ。それだけ言った。屋敷を離れ、商店街の裏手へ。と、何人か衛兵に警察っぽい人達がいた。来たか。と、言うアーノリオンの声。そして、殺人だ。何故、そんな事件で私を呼んだのか。
すこし、疑問に思った。アーノリオンは、すまない。通してくれと。言った。ギルスタッドは死体のある現場へ。ギルスタッドは驚いた。なっ。死んでいたのは、ミオだった。頭が混乱した。手元には、花束があった。その花束に手紙が紛れていた。読んでみろ。と、アーノリオン。クラウスも、凄い悔しがった様子の表情。アーノリオンだけがやけに冷静だ。野次馬の声たちが聞こえてくる。なんてむごい。まだ、若いのに。色々な声が聞こえてきた。しかし、読める気分にはなれなかった。血だらけになったミオを抱え、ありえないほどに何かが爆発したように、ギルスタッドは発狂しながら泣いた。と、同時に激しい怒り、憎悪が彼の中で覚醒した。彼女との思い出が過ぎった。その中で記憶にない映像が脳裏に過ぎる。全身にノイズが走るフードを被った男。それが、顔も見えないのに笑ってるように見えるのだ。アーノリオンが、これまでにないほど優しい声で、大丈夫だ。気をしっかり持て。
まだ、助かるかもしれん。その言葉に、彼は頼む。何でもするから助けてくれ。俺は彼女の笑顔に何度も助けられた。だから。と、言うと、アーノリオンが呼んでいたのか、やせ細った老婆が現れた。アーノリオンよ。呼んだか。何事だ。と、アーノリオンが、来てくれたか。カナリア。彼女を助けることは出来るか?と、言うと、暫く見つめて、うーん。難しいが、そうだな。魂を呼び戻してみないことには。なんとも言えんがやってみるか。と、彼女を担架で運んで、どこかに行った。現場で一体何が起こったのか。アーノリオンは、現場報告を頼む。何があった?そういうと、トレンチコートを着た渋めの男が、アーノリオン君私が担当だ。と言う。アーノリオンがオーガスト刑事か。何があったか教えてくれと。言うと、オーガスト刑事が、これがなぁ、何人か目撃者はいるんだが、皆支離滅裂でな。人によって、悲鳴が聞こえて、かけつけたら老婆が出てきたとか。子供が出てきた。とか、大人の女性が出てきたとか。言ってることがな。かなり、変でな。と、ギルスタッドは、ハッとした。姿を自在に変えられるのは1人しかいない。姿なき魔王、かつての神。それは、カース。だが、何故カースがミオを?ますます訳が分からなかった。そう色々、考えているとアーノリオンがあー。そうだ。カースの仕業だろう。と、オーガスト刑事と話していた。当たり前のように、カースの話をしている2人に、ギルスタッドは驚いた表情をした。2人にカースについて聞いてみた。と、アーノリオンとオーガスト刑事は何を今更というかのように、キョトンとしていた。ギルスタッド君何を驚いてるのだ。我々の宿敵じゃないか。カースは全く居所も掴めない正体不明の姿なき魔王。こんな世界にしたのも、奴の息がかかった人間。ミヤギユウキだ。
やつの足取りを掴みたいんだが、全く手に負えなくてな。それに、妙な話もある。ミヤギユウキの親友の存在だ。名前も分かってない。ほんとに得体の知れないやつはもしかしたら親友の方かもしれん。今1度、ライセルと話さなければならん。実はな、今回に限ったことじゃない。これまで、ここに逃げてきた生存者達から奴の情報を聞いてきた。そして、今回で15件目だ。オーガスト刑事、そうだったよな?と確認すると、あぁ、これで15件の殺人事件が起きている事になる。まだ、彼女は助かる可能性があるとは思うが、だが、安心しろカナリアには不可能の文字はない。彼女ならどうにかしてくれるさ。君は、彼女の元に行ってあげなさい。後のことは任せろ。と言った。ギルスタッドは、心の中で願いながらアーノリオンと一緒に病院に向かった。しっかりした作りの病院。
院内に入ると、看護師の1人がこちらですと案内した。病室らしき部屋に案内された。そして、彼女が管に繋がれてベッドに横たわっていた。どうやら、息を吹き返したようだった。ついさっきまでの傷も完全に消えていた。息遣いが聞こえて安心した。だが、カナリアがそこにいてこう言った。ここまでで精一杯だ。後は意識が戻るのを待つだけだ。明日には目が覚めることだろう。と言い残して去った。後は、意識を取り戻すだけだった。そこへ。五十嵐咲良がやってきた。一緒に旅をした仲間なのに今更来たのかと憤りを感じた。五十嵐君今まで何をしていたのだ?あともう少しで殺されるところだったんだ。なんのつもりだ?と、五十嵐咲良を睨みつけながら吐き捨てた。出てけ。その一言に、五十嵐咲良は、私が何も思わない訳ないじゃないか。怒られる筋合いなどない。彼女が殺されなければなかった理由のヒントがあると思って図書館で調べていたんだ。この本を探してな。と投げ捨てた。そのタイトルには、終焉の旅人と言う文字が書いてあった。それを聞いて、ギルスタッドはしまった。ほぼ、泣きそうな五十嵐咲良に、自分も泣きそうになりながら済まないことをした。と、ほぼ声にならない声で言った。私も老いたな。と泣きじゃくるような声で言った。2人でその夜は泣き疲れたまま寝入った。起きると、聞き覚えのある声がした。ねぇ、ここどこ?どうして私病院に?その一言が嬉しかった。もう、声も聞こえないと思ってたから尚更。五十嵐咲良も、心配かけやがって。無事に生きて戻れて良かった。だが、ミオはギルスタッドを見て怖がった。近づこうとすると、やめて。こっちに来ないで。と振り払った。
ギルスタッドはショックを受けた。ギルスタッドは、悪かった。近づかないから。落ち着いて。と言うも、体が拒否反応を起こして震えていた。五十嵐咲良が頑張って説得したが、ある一言で2人ともびっくり。なんと、ミオを殺そうとしたのはギルスタッドだというのだ。すっかり、そう信じきっていた。そう身体が染み付いてるからだろう。その拒否反応も。やむおえず、ギルスタッドは、病室から去ろうとした時、私が代わりに見るから、これでも読めばなんか分かるかも知らない。落ちた本を拾い上げ、手渡した。その本はかなり分厚く相当な枚数があるのかずっしりと重かった。自分の部屋に戻ると、その本を開いた。その本はなんかの仕掛けでもあったのか。読み始めた瞬間意識が飛んだ。誰かの声が聞こえる。私は、世界を見た。知らなくていい事も沢山知ってしまった。私はこの気持ちを私の日誌として記す。この本を読むものに私が見た世界を見せよう。と話し始めるのだった。
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