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オルテガミスの黄昏
忍び寄る影
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かつて、ギデオンロックブラスターには恋人がいた。彼が財団を作る前、まだ20代の頃のこと。作るきっかけとなる仕えていたアルジェリアを信仰していたプラトン王が治めていたランフォードという小国。小国ではあったが、ランフォード発のモーゼ商会が作るシルクは逸品もので、重宝されてきた国であった。その為、シルクの発展により小国でありながら交易で栄えた国ランフォード。ギデオンは当時、プラトン王のご息女ミシア姫とお付き合いをしていた。
国民達の間では理想のカップルとして慕われていた。ミシア姫にはもう新たな命を授かり、ギデオンも、若手でありながら男爵の爵位を貰い、貴族として華が開き始めていた。元々、彼は孤児であったが、里親としてロックブラスター家が迎えて育てた。モルガン・スチュワート・ロックブラスター公爵の息子として育ったのだ。幼き頃から、プラトン王が孤児院の設立に手を貸していたこともあり訪れる度に幼きミシア姫も来ておった。よく遊んでいたものだった。二人とも、幼き頃からよく知るもの同士だったというのもあり、二人は親しくなっていきついには恋仲になったのだ。結婚の話も出ていて、段取り、日程も決まっていた。そんな彼らに悲劇が起きた。
それは、結婚当日の日、プラトン王の訃報の日になってしまった事だ。プラトン王の死因は未公開。アルジェリアもまたプラトン王の葬式に現れ、幸せになるはずだった二人に度重なる悲劇を伝えて去ったのだ。なんと里親のモルガン公爵が死ぬというのだ。モルガン公爵も驚いた様子だった。だが、ギデオンと違い、すぐに受け入れたのだ。ギデオンはアルジェリアに不信感を持つようになった。葬式後、一ヶ月経ったころ、それは本当になった。モルガン公爵が自分の寝室の窓ガラスから飛び降り自殺。
ギデオンはアルジェリアを憎むようになった。知っていながら何故助けんのだ。こんなにアルジェリアのために尽くしたプラトン王、父親を簡単に切り捨てたと思うようになった。彼の心にはもうかつての彼の面影はなかった。その失意でミシア姫は病を患い寝たっきりになってしまった。いつしか、自制心を失ったギデオンは、怒りでアルジェリアを問いただした。だが、返ってきた回答は落ち着け。お前は肝心なことを見失ってる。プラトン王もモルガン公爵も失って困ってるのは私も同じだ。
それに、ギデオンよ。お前は、もっと周りを見ろ。不審な点が多いことは明らか。協力し合わなければ、この国は滅んでしまう。ギデオンにとってもそれは嫌だろ?と言ってきたのだ。だが、目先の憎しみでほとんどを聞いてなかったギデオンは、脅しに来たという解釈をしてしまい、ギデオンはミシア姫の父の代理の権限でアルジェリアを追放してしまった。そのまま、ミシア姫は病により亡くなってしまった。産まれてくるはずの赤子と共に。しばらくして、妙な噂がランフォード国家間で出始めた。奇妙な男が城内で見かける。そいつは、全身が実体でも無いかのようにノイズが走り、その男は徘徊しながらブツブツ言っていると言う噂が流れたのだ。それは、ギデオン自身も聞き及んでいた。
しかし、王となったギデオンはもうどうでもよかった。仕えていた執事、大臣、メイドは皆恐れランフォードを去った。何を恐れたのかは、皆同じことを言っていたそうだ。それは、ギデオン本人ではなくギデオンに取り憑いた得体の知れない何かを恐れていたと言うことだ。そんな時、追い出したはずのアルジェリアがアヴァロンの騎士、ランスロットと共に現れた。ランスロットは、ギデオンに剣を向けた。ギデオンは、私に剣を向けるとはいい度胸だ。だが、無礼だ。こう見えて私はこの国の王だ。反逆とみなすぞ?と言うと、ランスロットは、やはりお前誰だ?私の知るギデオンはそうではなかったはずだ。私を覚えているか?お前と同じ孤児院で育った友だぞ。忘れたのか?私はマーリン様に育ててもらってな。と言いかけると、ギデオンは黙れ。王である世に、何たる口の利き方。それに、追い出したはずだ。アルジェリア何故戻った?私が堕ちたことを笑いにでも来たのか?ふん。ご覧の通りだ。さぁ、笑え。と言った。
アルジェリアは、あの影はギデオン様を蝕んでるようだ。お前は誰だ?取り憑くものよ。ギデオンから離れろ!と、ギデオンの体から抜けた黒い人影。ギデオンは意識を失っていた。その黒い人影は、何かを話した。しかし、理解不能だった。ミヤギユウキと言う男がこの世界を滅ぼしにやってくるぞ。いつになるかは分からないがな?ハーハッハッハッハーと笑い、去った。
と同時に、城は炎に包まれ、気を失ったギデオンを連れ出した。外に出ると、ほぼゴーストタウンと化した城下町にも火が拡大。数少ないご年配の国民をランスロット達は連れ、意識を取り戻したギデオンと共に国から出た。だが、いつの間にか生存者の数を数えている時、ギデオンは消えていた。どこに消えたのか分からぬまま行方が分からなくなったのだ。それから、20年がたった。
もう、ギデオンの事もランフォードの悲劇も忘れ去られた。分散した生存者の殆どは高齢で割と直ぐに亡くなってしまったのだ。ランスロットも何故か口を閉ざし続けたのだ。今や、呪われた地としてランフォードを恐れ、悲劇の地としてではなくオカルトスポットとして知られるようになった。たまに、学校の教授が歴史学の観点で研究対象として調べに来るか度胸試しで来る隣国の若者がたまに訪れるくらい。
その中で、ノアの聖杯と言う財団が出てき始め、財団の目的は不詳だが、そのリーダーの容姿がギデオン・ロックブラスターとすごい似てると言う。その根拠はランスロットが早急に手配した失踪書の絵であった。ギデオン・ロックブラスターにそっくりの男は色んな国に周り、不穏な動きがないかやたらと聞いてきたりとして聞き回ってる。時には、女といる時も神官といる時もあり、ノアの財団のメンバーは結構いるのでは?と囁かれるようになった。
と、同時にほんとに色んな国に出向いていて、その後滅んだ国もあったので、彼が現れると災いを招くものとして憎まれる対象にもなったのだ。いつしか、国を乗っ取る気があるのでは?かつてのランフォード国家の様に。と騒がれるようになった。そして、彼を取り巻くように再び影が忍び始めるのであった。
国民達の間では理想のカップルとして慕われていた。ミシア姫にはもう新たな命を授かり、ギデオンも、若手でありながら男爵の爵位を貰い、貴族として華が開き始めていた。元々、彼は孤児であったが、里親としてロックブラスター家が迎えて育てた。モルガン・スチュワート・ロックブラスター公爵の息子として育ったのだ。幼き頃から、プラトン王が孤児院の設立に手を貸していたこともあり訪れる度に幼きミシア姫も来ておった。よく遊んでいたものだった。二人とも、幼き頃からよく知るもの同士だったというのもあり、二人は親しくなっていきついには恋仲になったのだ。結婚の話も出ていて、段取り、日程も決まっていた。そんな彼らに悲劇が起きた。
それは、結婚当日の日、プラトン王の訃報の日になってしまった事だ。プラトン王の死因は未公開。アルジェリアもまたプラトン王の葬式に現れ、幸せになるはずだった二人に度重なる悲劇を伝えて去ったのだ。なんと里親のモルガン公爵が死ぬというのだ。モルガン公爵も驚いた様子だった。だが、ギデオンと違い、すぐに受け入れたのだ。ギデオンはアルジェリアに不信感を持つようになった。葬式後、一ヶ月経ったころ、それは本当になった。モルガン公爵が自分の寝室の窓ガラスから飛び降り自殺。
ギデオンはアルジェリアを憎むようになった。知っていながら何故助けんのだ。こんなにアルジェリアのために尽くしたプラトン王、父親を簡単に切り捨てたと思うようになった。彼の心にはもうかつての彼の面影はなかった。その失意でミシア姫は病を患い寝たっきりになってしまった。いつしか、自制心を失ったギデオンは、怒りでアルジェリアを問いただした。だが、返ってきた回答は落ち着け。お前は肝心なことを見失ってる。プラトン王もモルガン公爵も失って困ってるのは私も同じだ。
それに、ギデオンよ。お前は、もっと周りを見ろ。不審な点が多いことは明らか。協力し合わなければ、この国は滅んでしまう。ギデオンにとってもそれは嫌だろ?と言ってきたのだ。だが、目先の憎しみでほとんどを聞いてなかったギデオンは、脅しに来たという解釈をしてしまい、ギデオンはミシア姫の父の代理の権限でアルジェリアを追放してしまった。そのまま、ミシア姫は病により亡くなってしまった。産まれてくるはずの赤子と共に。しばらくして、妙な噂がランフォード国家間で出始めた。奇妙な男が城内で見かける。そいつは、全身が実体でも無いかのようにノイズが走り、その男は徘徊しながらブツブツ言っていると言う噂が流れたのだ。それは、ギデオン自身も聞き及んでいた。
しかし、王となったギデオンはもうどうでもよかった。仕えていた執事、大臣、メイドは皆恐れランフォードを去った。何を恐れたのかは、皆同じことを言っていたそうだ。それは、ギデオン本人ではなくギデオンに取り憑いた得体の知れない何かを恐れていたと言うことだ。そんな時、追い出したはずのアルジェリアがアヴァロンの騎士、ランスロットと共に現れた。ランスロットは、ギデオンに剣を向けた。ギデオンは、私に剣を向けるとはいい度胸だ。だが、無礼だ。こう見えて私はこの国の王だ。反逆とみなすぞ?と言うと、ランスロットは、やはりお前誰だ?私の知るギデオンはそうではなかったはずだ。私を覚えているか?お前と同じ孤児院で育った友だぞ。忘れたのか?私はマーリン様に育ててもらってな。と言いかけると、ギデオンは黙れ。王である世に、何たる口の利き方。それに、追い出したはずだ。アルジェリア何故戻った?私が堕ちたことを笑いにでも来たのか?ふん。ご覧の通りだ。さぁ、笑え。と言った。
アルジェリアは、あの影はギデオン様を蝕んでるようだ。お前は誰だ?取り憑くものよ。ギデオンから離れろ!と、ギデオンの体から抜けた黒い人影。ギデオンは意識を失っていた。その黒い人影は、何かを話した。しかし、理解不能だった。ミヤギユウキと言う男がこの世界を滅ぼしにやってくるぞ。いつになるかは分からないがな?ハーハッハッハッハーと笑い、去った。
と同時に、城は炎に包まれ、気を失ったギデオンを連れ出した。外に出ると、ほぼゴーストタウンと化した城下町にも火が拡大。数少ないご年配の国民をランスロット達は連れ、意識を取り戻したギデオンと共に国から出た。だが、いつの間にか生存者の数を数えている時、ギデオンは消えていた。どこに消えたのか分からぬまま行方が分からなくなったのだ。それから、20年がたった。
もう、ギデオンの事もランフォードの悲劇も忘れ去られた。分散した生存者の殆どは高齢で割と直ぐに亡くなってしまったのだ。ランスロットも何故か口を閉ざし続けたのだ。今や、呪われた地としてランフォードを恐れ、悲劇の地としてではなくオカルトスポットとして知られるようになった。たまに、学校の教授が歴史学の観点で研究対象として調べに来るか度胸試しで来る隣国の若者がたまに訪れるくらい。
その中で、ノアの聖杯と言う財団が出てき始め、財団の目的は不詳だが、そのリーダーの容姿がギデオン・ロックブラスターとすごい似てると言う。その根拠はランスロットが早急に手配した失踪書の絵であった。ギデオン・ロックブラスターにそっくりの男は色んな国に周り、不穏な動きがないかやたらと聞いてきたりとして聞き回ってる。時には、女といる時も神官といる時もあり、ノアの財団のメンバーは結構いるのでは?と囁かれるようになった。
と、同時にほんとに色んな国に出向いていて、その後滅んだ国もあったので、彼が現れると災いを招くものとして憎まれる対象にもなったのだ。いつしか、国を乗っ取る気があるのでは?かつてのランフォード国家の様に。と騒がれるようになった。そして、彼を取り巻くように再び影が忍び始めるのであった。
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