この荒廃した世界は何故?

ワルシャワ

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オルテガミスの黄昏

滅びの歌

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色々調べたエドワードだったが、結局カースと言う言葉自体どの本にもなかった。アトランティスの記憶が1番触れる可能性高かったが結局見つからずじまいだった。どうやら、時間を忘れていた様で翌朝になってしまったようだった。さて今日も切り替えて城に向かった。と城内の様子がいつもより静かだった。衛兵やシェフなど行き来してもおかしくないのに、誰もいない。と、突然肌寒くなった。真夏なのに。と、歌声が聞こえる。その歌は、とても怖い歌。
呪いや怨み、妬みがこもったその歌に次第に心が暗くなっていった。と、歌の主が現れた会議室などがある2階から足音と共にその歌声は近くなる。何故か、身体が動かない。どんどん近くなるその歌声は階段を降り始めた。歌声に混じって笑い声も聞こえてくる。と、エドワード。エドワード。と声が聞こえて我に戻った。どうしたのだ?そんなとこで立ってぼーっとしてたぞ。
あの不気味な笑い声と歌声は止んでいた。そこに居たのは、ライオットだった。少し顔を見てほっとした。ライオットに、今あったことを話した。と。やめるんだ。ていうか、何故その話を知っている。昔のことだぞ。さては、読んだな?カナル・スタンスミスが書いた呪われた貴族の末路と言う本を。
確かにあれは教材として使っていたが、あの本は禁書として既に廃盤された本なんだ。ただ、お前も知ってると思うがあの本は一応まとめてオルテガミス博物館に保管されてる。その話は、授業でしたよな。あれを読むと、夢でその本の中に出てくる歌を歌いながら黒いドレスの片腕のない女が出てきて襲いかかってくると言う都市伝説がある。これはあくまで噂だが、一時期社会問題にまで発展して、国民の猛抗議にあい、しばらく騎士団入団の募集を見送った事があったとか。詳しいことは私も実は知らないのだ。確かその話は、君の父親から聞いた気がするぞ。君の父はオカルトと言う類のものが好きだったからな。
俺が怖がるのを見てあいつ笑い転げてたっけな。どこまでがホントの話か分からないが、当時の王が、いわゆるエルドラード様の曽祖父がかつて、曽祖父の祖父がしたことを謝罪して終わったと聞いてる。ただ、君の父が真面目な顔してひとつ確信して言ってたな。確かに、何人かそれが原因でか分からないが死んでるのは確かだ。王子が言ってた。
当時の新聞記事をみせてくれたとか。そんなことを話してたな。まぁ、私は信じないがな。でも、今の話あまりするなよ。衛兵が怖がるからな。と、言うと衛兵の1人が聞いてたのか、私は信じますよ。何せ、そのドレスの女ってやつ私の祖母が見たことあるって話を聞いたことありますからね。私の祖母もここでメイドとして働いていたことがありまして、その時に見たんだとか。と、言うと、ライオットが、こらっ。持ち場に戻れ。と怒った。衛兵は、はっ。失礼しました。と返し、去っていった。だが、エドワードはその話が気になって、その衛兵の後を追った。と、衛兵に声かけた。
なぁ、そこの君、ついさっきの話は本当なのか?と聞くと、驚いて、あっ。エドワード様でしたか。ビックリしましたよ。と返ってきた。改めてもう一度聞いた。ついさっきの話は本当なのか?そうすると、そうですね。私が子供の頃から、話してくる祖母の武勇伝みたいなものです。私の知る限り、多分ホントだと思いますよ。だって、私の祖母はそういう話を避けてきたと言うか、見える人でしたから。よく、誰もいないのにずっと見上げてたり、一点を集中して見たりしてましたからね。
だから、多分ホントの話かと。まぁ、今は見えなくなったとかで、普通にパン屋やってますけどね。ほら、知ってるでしょ?私の家、トーマスベーカリーなんすよ。エドワードは、あぁ、あそこのハムサンド美味いですよね。好きですよ。あそこのパン。と言う。話してると、マグノリアが、おい!エド。そろそろ騎士団長の挨拶が始まるぞ。行くぞ。と、言ってきた。そして、衛兵と別れてマグノリアと一緒に騎士団長のいる会議室へ向かった。
若干、ついさっきのこともあったのでビビっていた。また、現れるのかと。だが、何事も起こらなかった。挨拶を終えると、どうした?エド。ついさっき、やたらに周りみてたけどなんかあったのか?と言ってきた。エドワードは、見たことを話した。なるほどな。だから、びびってたのか。だけど、はっきり言っとくけど。俺は信じてない。何故かって?論文だよ。知ってるだろ?俺が、その話を掘り下げて論文として発表したじゃないか。あの話、多分嘘だよ。理由は、当時の王様は先代の失態を知らなかった事だ。あれは、先代の失態を知らなかったらなぜ嘘になるのか?それは、大臣が原因だ。今と違って、昔は大臣がお触れを出したり、失態に関しては大抵大臣が代わりに謝罪するのが普通だった。エルドラード様の曽祖父は、当時の大臣と幼なじみでな。だから、ますますおかしいんだよ。王が謝罪ってのは。だから、この話は嘘だと思うんだ。それに、俺さ。実際に死者が出たなんて話もあるけど、それも嘘なんじゃないかって思ってるんだ。誰かが面白おかしく脚色してる気がするんだ。あまりに綺麗に怖い話すぎるから、不自然だと思わないか?と、マグノリアの話を聞いて、言われてみれば確かに怖い話とはどこか矛盾してて、それが怖いなのに。
全てが揃いすぎた怖い話と言うのはあまりに非現実的すぎる。と、看守が突然悲鳴をあげ上に駆け込んでくるではないか。看守の悲鳴で、駆けつけた2人だったが既に女中、エルドラード様のお母様がいた。何事ですの?と言っていた。看守が、ふぁ、ファビオ様が死んでる。首を吊ってた。あと、変な女が壁にすり抜けていくのが見えたんだ。と、言ってきた。エドワードは、ピンと来た。
あの、歌の女だと。エドワードはマグノリアを連れて、牢獄へ向かった。と、ファビオは確かに絶命していた。でも、暴れた形跡がない。エドワードとマグノリアは自殺と判定した。でも、エドワードは、どうしてもあの歌声の主が絡んでる気がした。だが、そこへ騎士団長が現れた。おっと。いたな。後はここは私に任せろ。お前たちに冒険者の護衛の依頼が来ている。受理しといたから、そっちを頼む。珍しい冒険者だ。君たちにとっても意味のある冒険者だからな。しっかり守れよ。今度こそ。と、言ってきた。マグノリアとエドワードは、冒険者がいる会議室に行った。そこに居たのは、意外な人だった。いや、魔王と言うべきだ。ゴル・エデノアがいたのだ。
エドワード、マグノリア、ほかの騎士団メンバーは頭を下げた。さすが、魔王。圧倒するほどの威圧感があった。目つきもかなり怖い。今にも襲いかかってきそうだ。魔王ゴル・エデノアは、なるほど。若造か。後、お嬢さんもいるな。腕は確かだろうな?わしの手を煩わせるなよ。一応、ライオット殿からは聞いてるがここまで若いとはな。後、お嬢さんの方はほんとに大丈夫なのか?ライオットが言うから、同行するのを許したわけだ。じゃあ、遺跡調査しに行くぞ。聞いておるだろうな?当然。と言うと、エドワードは手を握りしめて怒ってる様子。マグノリアはひきつりながら、こう返した。大変申し訳ない。騎士団長から同行せよ。としか聞いておらず、内容を教えてもらないか?と、ゴル・エデノアは溜息をつき、内容を話した。南西にあるグラゴール遺跡の調査だ。グラゴール遺跡には、魔物が多い。私一人でも十分だが、ライオットがおひとりでは危険だという始末。だから、君たちの同行を許した。そういう事だ。と、答えてくれた。意外にもしっかり説明してくれて、その優しさについマグノリアは心を動かされた。エドワードは相変わらずイライラしており、マグノリアは気をつけろ。ゴル・エデノアは悪気は無い。と、言って少し落ち着いた。そして、城を後にしたのであった。
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