この荒廃した世界は何故？

オルテガミスの黄昏

謀反

正門に着くと、群衆がいた。その中にライオットとマグノリアもいた。ライオットは、今まで異常に剣幕な表情で色んな人に指示をしていた。ライオットはこっちを見て、エドワード一緒に来てくれと王様の寝室へ向かった。そこで、首を吊ったエルドラード様がいた。言葉を失ってしまった。と、ライオットが遺書を持って見せた。明らかに内容は自殺をほのめかす内容。だが、ライオットはエルドラード王は殺されたと言った。どういう事なのか、全く意味不明だった。
更に言えば、遺書の中身について見当違いな事を言った。遺書に書かれてるのはこうだ。私の部屋の本棚に並んだ古本を探せ。と言ってきたのだ。どう読んでも、そんな風なこと書いてなかったが、ライオットは文自体は、ただの遺書に見えるが、不自然に太文字で書いてある単語あるだろ。それを繋いで読んでみろ。その通りに読んだら、ほんとにそう書かれた。と、ライオットがあれ？あの本がない。アトランティスの記憶と言うタイトルの本だ。エドワード君も読んだことあるだろう？あの初版物をエルドラード様が持っていたのだが、それがない。エルドラード王が殺されたタイミングで盗まれたと考えるのが自然だ。昨日はまだあったからな。それをエルドラード様が読んでいたのを私が確認済みだ。
だから、盗んだとしたら、夜中中の事だ。まずいな。エルドラード王が持っていたアトランティスの記憶の中に君の父が友人の証として渡した宝石があるのだがと手探りで探してると落ちた何か。それを拾うと出て来たのはその宝石だった。宝石があって良かったと安心してると、そこにオルレアン教の教皇ファビオ･オルレアンが現れた。聞いたぞ。エルドラード王が亡くなられたようだな。やはり、エルドラードは完全に治ってなかったようだな。再発の兆候はなかったのか？彼の母にはまだふせておるが、ライオット殿が決定してくれ。
後、くれぐれもこの事は内密に。と、ファビオ教皇は大抵の事は理解しているつもりだ。と、頷き、ライオットは手紙を渡した。ファビオは受け取り、それを確認し、神妙な顔つきになった。と、手紙を鷹に括りつけ窓から飛ばした。と、ファビオは、悪いが2人きりにして貰えないかと言うと従者は去った。エドワードも去ろうとしたが、ライオットはちょっと待て。そういや、紹介してなかったな。噂では聞いておろうが会うのは初めてだろ。とファビオに言った。
ファビオはなるほどな。確かに似ておる。名を聞かせて貰えるかな？と言われ、エドワードは自己紹介をした。それに答えるようにファビオを名乗った。うむ、ならばエドワード君も聞くが良い。と、周りを入念に警戒しながら話し始めた。ファビオの調べによれば、やはりギルスタッドは誰かの指示で崖から突き落とされた可能性が高いらしい。あの盗人から押収したものの中に見覚えのあるペンダントがあって、問いただしたら、話してるひとりが落としたものだと分かってな。確か、ペンダントに刻まれた紋章と似たものを本で読んだ気がしてな。それで、思い出したんだ。初版のアトランティスの記憶にだけ乗っていた紋章だと知ってな。それで、借りようとしたんだが。と言うと、ライオットは、悪いな。
誰かに盗られたみたいなんだ。本棚にあるはずなんだが。見当たらなくてな。
と、言うと、ファビオは殺した犯人がまさか盗んだのか？と言ってきた。
だが、真実は闇の中。ファビオは続いてこう話した。そろそろ出る頃だろう。ライオットよ。仮にワシが死んでも、捜索を止めるな。この一連の出来事にはある財団が絡んでるかもしれない。お前も聞いたことあるはずじゃ。ノアの聖杯という財団を。恐らくだが。ノアの聖杯がこの一連の事件の裏にいるかもしれない。何故なら、アトランティスの記憶の初版本をずっと渡すよう言っておったからな。特に、信用してはならんのは、ノアの聖杯のリーダー、ギデオン・ロックブラスターだ。奴は何かがおかしい。と、ライオットは、ギデオン、その名をまた聞く事が来ようとは。だが、仮にそうだとすると、ギルスタッドの力が欲しいとこだ。ギルスタッドがいる頃は、どういう訳か手を出してこなかったからな。だが、死んでしまった以上は。と言うと、エドワードはついとっさに言ってしまった。親父はまだ生きてる。別の世界で。きっとそうだ。と。たかが、夢の話なのに口を滑らせてしまった。そんな不確かなこと誰も信じないのに。と、ファビオとライオットはそれは誠か？ほんとか？と予想外の反応をしてきた。エドワードは夢で見た事を話した。と、ライオットがそうかそういう事か。ならば、ギルスタッドと話が出来るかもしれない。と、神話の本を取りだし、開いた。
そして、あるページを見せてきた。それは、時を司る神ライセルの絵だった。そして、隣には説明があった。世の終末の時にのみ姿を現し、気まぐれで、頑固者。ただし、選ばれし者には、力を持って異世界を飛ばすと言う。選ばれし者とは、神の啓示を受けたものの事。神の啓示は、大地の真意と海なる加護を受けた洗練された失われし血脈を受け継ぐもののみに与えられる。との説明書きがあった。ライオットは、もしや、君の父がそうなのでは？と言ってきた。
だが、途方もない話にエドワードは、まさか～って思ったが、ありえない話ではない。とライオットが言ってきた。そして、いくつか本を持ち出し、ライオットはファビオとはぐれ、エドワードと共に騎士団が使う寮へ向かった。何日かかけて本を読み漁った。そんな時、またもや穏やかでは無いニュースが入った。なんと、ファビオが王座欲しさに謀反を起こし、殺したというありもしないニュースが飛び交ってしまったのだった。