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再最終章
確信
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「えっ・・・あっ!」
貴子は落としそうになった食器をすぐに掴んだ。
「お~、流石の反射神経だね~。」
太一がちょっと茶化すようにそう言った。
(どういう意味??)
貴子は困惑して、取り合えずにこっと笑って見せた。
太一も笑い返してきたが、すぐに洗い物を続けた。
少しの間、沈黙が流れた。
(わ、私の返答待ちなんだろうけど・・・・・)
貴子も作業を続けた。
「あれ?・・・なんで急にお姉さん扱いしたの?」
ふっと沸いた疑問をそのまま口に出していた。
「あっ、そうだね。」
太一も一瞬ちょっと上を見て考えるような素振りをして、
「なんでだろ?」
と首を傾げた。
貴子は鈍感だった。
そのため、太一の質問の意図が分からなかった。
(私の彼氏が太一に似てるってこと??)
そんなのそもそもいないし、太一に似てる人って誰だろう、と貴子は思った。
(俺が貴子の彼氏だろって聞いてるわけじゃないわよね?)
それだとかなり痛い奴になってしまう。
そこまで思い込みの激しい性格ではないはずだ、と貴子は思った。
(単純に彼氏がいるのかってことかな?)
私に気があるわけないから、小馬鹿にするつもりかしら、とも思った。
(でも・・・)
貴子は太一をじっと見つめた。
太一は内心バクバクしながら貴子の返答を待っていた。
だが、とうとう最後の皿を渡し終えても貴子は黙ったままだ。
手を拭いて、
「これで終わりだな。」
と貴子の方を向くとこちらをじっと見ていた貴子と目が合った。
「うわっ!」
太一はびっくりした。
貴子は動じずにいたが、とうとう、こう口にしてみた。
「ごめんね、質問の意味が分からないの・・・」
貴子はひどく困った顔をしている。
太一は慌てて、
「い、いや・・・・・ほら・・・このジャージが・・・俺に・・ぴったりだったから・・・・・」
貴子はそれを聞いて、更に首を傾げた。
「男物の歯ブラシとかさ・・・」
太一がさらに言ったことをちょっと考えながら、貴子はソファに移動した。
太一も一緒に隣に座った。
(あ~!何で男物の服があるのか知りたかったのね!)
貴子は軽く頷いた。
「・・・女の一人暮らしは何かと物騒だからね。」
と貴子はすっきりした顔で答えた。
(うん?)
今度は太一が首を傾げた。
「ベランダに洗濯物を干す時に一緒に干しておけばいいカモフラージュになるじゃない?」
そう言い放つ貴子に、
「何も1式じゃなくてパンツ1枚で良くない?」
「え~、ジャージとかもあった方がより生活感があるでしょ?」
「・・・・・洗濯代の節約にもなる気がするけど・・・」
「・・・・・そうね。」
貴子は、
(どうせなら太一と一緒に住んでる気になりたくて太一サイズを買ってんのよ!)
と大声で言い返したいのを我慢した。
「・・・・・歯ブラシもコップもあれば更にでしょ?」
「外からは別に見えないよね・・・」
(だから、私の気持ちなのよ!)
「押し売りとか来たら怖いでしょ?」
「オートロックだし、用件次第でこのマンションにすら入れないから問題なくない?」
「安心感が欲しいのよ!私は!・・・・・こないだ近くのアパートで下着泥棒があったって言うし!」
「・・・・・ここって、6階だよね?」
「・・・・・あ~、もう別にいいじゃない!」
貴子はとうとう怒り出した。
「いや、そんなことを聞きたいんじゃなくて・・・」
「じゃあ、何よ!」
駄々をこねた子供の用にソファの背もたれに寄りかかって両足をバタバタさせた。
「いや、まぁ・・・いい・・・」
(こんな面倒なのに彼氏はいないな・・・)
これまでの話からも結論付けた。
貴子は太一が軽くため息をついて麦茶を飲み始めたのを見ながら、
「メンドウな女だって思ってるでしょ!」
と更に足をバタバタさせた。
「だからいつまで経っても彼氏の一人も出来ないんだって言いたいんでしょ!」
「あ~・・・そう・・・」
太一が聞きたかった答えがようやく返ってきたのだった。
「俺も一度も彼女なんていなかったし・・・」
貴子は足をピタッと止めて、
「ホントに?」
と太一を睨みつけた。
「うん、ホント。」
「どうして?」
「どうしてって・・・・・」
太一はちょっと考えたが、
「あ~~~!」
と時計を見た貴子が叫んだ。
「ごめん、今日、隣町の公園でイベントがあるのよ。」
「そ、そうなのか?」
貴子は慌てて立ち上がると、
「市長絡みのイベントだから、私も来賓として出席するようなの。」
と言いながら居間の扉を開けた。
「そうだ!太一も後で来て。」
「えっ?」
「3時くらいには役目が終わるから、そしたら例のウサギの調査をしてみない?」
太一は既に記憶が戻っていてちょっとバツが悪いが、ここで無下にしてもと思い、
「分かった。・・・3時ごろに行けばいいんだな?」
と言った。
「うん。それまではここでのんびりしててもいいから。」
と言いながら廊下に出ようしたが、振り返って、
「でも、私の部屋に入っちゃだめよ!」
と釘を刺した。
「うん。ちょっとしたら着替えて一旦帰るよ。」
と太一は言った。
「カードキーはシューズボックスの上に置いてあるから、それで鍵かけて帰ってね。」
「うん。」
「向こうで渡してくれればいいから。」
「了解。」
そうして貴子は自分の部屋に向かった。
今自分も動いたら着替えてる貴子が気にするだろうからと、太一はソファにふんぞり返ってみた。
(いいのかい?あの時のウサギなんて、もういないと思うけど)
「いいんだよ、貴子の気が済めば。」
太一はニヤッと笑った。
貴子は落としそうになった食器をすぐに掴んだ。
「お~、流石の反射神経だね~。」
太一がちょっと茶化すようにそう言った。
(どういう意味??)
貴子は困惑して、取り合えずにこっと笑って見せた。
太一も笑い返してきたが、すぐに洗い物を続けた。
少しの間、沈黙が流れた。
(わ、私の返答待ちなんだろうけど・・・・・)
貴子も作業を続けた。
「あれ?・・・なんで急にお姉さん扱いしたの?」
ふっと沸いた疑問をそのまま口に出していた。
「あっ、そうだね。」
太一も一瞬ちょっと上を見て考えるような素振りをして、
「なんでだろ?」
と首を傾げた。
貴子は鈍感だった。
そのため、太一の質問の意図が分からなかった。
(私の彼氏が太一に似てるってこと??)
そんなのそもそもいないし、太一に似てる人って誰だろう、と貴子は思った。
(俺が貴子の彼氏だろって聞いてるわけじゃないわよね?)
それだとかなり痛い奴になってしまう。
そこまで思い込みの激しい性格ではないはずだ、と貴子は思った。
(単純に彼氏がいるのかってことかな?)
私に気があるわけないから、小馬鹿にするつもりかしら、とも思った。
(でも・・・)
貴子は太一をじっと見つめた。
太一は内心バクバクしながら貴子の返答を待っていた。
だが、とうとう最後の皿を渡し終えても貴子は黙ったままだ。
手を拭いて、
「これで終わりだな。」
と貴子の方を向くとこちらをじっと見ていた貴子と目が合った。
「うわっ!」
太一はびっくりした。
貴子は動じずにいたが、とうとう、こう口にしてみた。
「ごめんね、質問の意味が分からないの・・・」
貴子はひどく困った顔をしている。
太一は慌てて、
「い、いや・・・・・ほら・・・このジャージが・・・俺に・・ぴったりだったから・・・・・」
貴子はそれを聞いて、更に首を傾げた。
「男物の歯ブラシとかさ・・・」
太一がさらに言ったことをちょっと考えながら、貴子はソファに移動した。
太一も一緒に隣に座った。
(あ~!何で男物の服があるのか知りたかったのね!)
貴子は軽く頷いた。
「・・・女の一人暮らしは何かと物騒だからね。」
と貴子はすっきりした顔で答えた。
(うん?)
今度は太一が首を傾げた。
「ベランダに洗濯物を干す時に一緒に干しておけばいいカモフラージュになるじゃない?」
そう言い放つ貴子に、
「何も1式じゃなくてパンツ1枚で良くない?」
「え~、ジャージとかもあった方がより生活感があるでしょ?」
「・・・・・洗濯代の節約にもなる気がするけど・・・」
「・・・・・そうね。」
貴子は、
(どうせなら太一と一緒に住んでる気になりたくて太一サイズを買ってんのよ!)
と大声で言い返したいのを我慢した。
「・・・・・歯ブラシもコップもあれば更にでしょ?」
「外からは別に見えないよね・・・」
(だから、私の気持ちなのよ!)
「押し売りとか来たら怖いでしょ?」
「オートロックだし、用件次第でこのマンションにすら入れないから問題なくない?」
「安心感が欲しいのよ!私は!・・・・・こないだ近くのアパートで下着泥棒があったって言うし!」
「・・・・・ここって、6階だよね?」
「・・・・・あ~、もう別にいいじゃない!」
貴子はとうとう怒り出した。
「いや、そんなことを聞きたいんじゃなくて・・・」
「じゃあ、何よ!」
駄々をこねた子供の用にソファの背もたれに寄りかかって両足をバタバタさせた。
「いや、まぁ・・・いい・・・」
(こんな面倒なのに彼氏はいないな・・・)
これまでの話からも結論付けた。
貴子は太一が軽くため息をついて麦茶を飲み始めたのを見ながら、
「メンドウな女だって思ってるでしょ!」
と更に足をバタバタさせた。
「だからいつまで経っても彼氏の一人も出来ないんだって言いたいんでしょ!」
「あ~・・・そう・・・」
太一が聞きたかった答えがようやく返ってきたのだった。
「俺も一度も彼女なんていなかったし・・・」
貴子は足をピタッと止めて、
「ホントに?」
と太一を睨みつけた。
「うん、ホント。」
「どうして?」
「どうしてって・・・・・」
太一はちょっと考えたが、
「あ~~~!」
と時計を見た貴子が叫んだ。
「ごめん、今日、隣町の公園でイベントがあるのよ。」
「そ、そうなのか?」
貴子は慌てて立ち上がると、
「市長絡みのイベントだから、私も来賓として出席するようなの。」
と言いながら居間の扉を開けた。
「そうだ!太一も後で来て。」
「えっ?」
「3時くらいには役目が終わるから、そしたら例のウサギの調査をしてみない?」
太一は既に記憶が戻っていてちょっとバツが悪いが、ここで無下にしてもと思い、
「分かった。・・・3時ごろに行けばいいんだな?」
と言った。
「うん。それまではここでのんびりしててもいいから。」
と言いながら廊下に出ようしたが、振り返って、
「でも、私の部屋に入っちゃだめよ!」
と釘を刺した。
「うん。ちょっとしたら着替えて一旦帰るよ。」
と太一は言った。
「カードキーはシューズボックスの上に置いてあるから、それで鍵かけて帰ってね。」
「うん。」
「向こうで渡してくれればいいから。」
「了解。」
そうして貴子は自分の部屋に向かった。
今自分も動いたら着替えてる貴子が気にするだろうからと、太一はソファにふんぞり返ってみた。
(いいのかい?あの時のウサギなんて、もういないと思うけど)
「いいんだよ、貴子の気が済めば。」
太一はニヤッと笑った。
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