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再最終章
本命が来ない?
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公園の大きな時計が10:30になりかけた頃、
「ごめ~ん、麻友~!」
と大声で手を振っている陽子が走ってきた。
勿論、その後ろを他の4人も走ってくる。
(4人?・・・・・あれ?)
斎藤陽子、飯塚正樹、平山春美、山下智・・・・・
(優也は??)
息を切らせた陽子が、麻友に抱き着くようにして、
「待たせてごめ~ん!」
と言ったが、麻友はあくまで山下智の後ろを人待ち顔で見つめた。
(きっと、どたどたとまるでカバの行進のように走ってくるんだろう・・・)
そう考えて見つめている中、みんなは麻友の周りに到着してはぁはぁと息を切らしている。
それに気が付いた陽子が、
「・・・ごめん、優也は・・・」
と麻友に言いかけた。
「えぇ~~~~!」
と言いながら陽子の両頬を両手の平で圧迫した。
「あんた!話が違うじゃん!」
かなり大きい声が出てしまった。
「★◆、★◆、※〇△・・・」
陽子が続けて何か言っているが、分からない。
麻友が手を離すと、
「ちょっと・・・遅れてくるって・・・」
と言った。
「あ~、そうなの。」
と麻友はしれっと言った。
「ホントにあんたは・・・」
と言いながら頬を動かす陽子を智が軽くどかして、
「うわ~、神宮司の私服って、ナウシカみたいだな~!」
と言った。
(ナウシカ??・・・・・ドコガ??・・・・・)
そこにいる全員が智の言葉にキョトンとしていた。
「お姫様みたいだよな~!」
智は意に介せず、正樹の肩に手を置きながら更にそう言った。
(あぁ、お姫様みたいって言いたかったのか・・・)
と皆は何となく納得しながら顔を見合わせた。
「ホントにごめん、遅くなっちゃって!」
今度は春美が話始め、
「すっごく電車が混んでて、前の電車に乗れなかったの。」
と少し興奮気味に言った。
「あぁ~、何かあっちの方で市民交流会?だかあるみたいで、結構人が入っていってるもの。」
と麻友は言った。
そして、一呼吸おいて、
「それは大丈夫だけど・・・ゆう・・・ううん・・・佐々木君は?」
すると今度は正樹が、
「朝8時くらいに電話がかかってきて・・・先に行っててって事になってさ。」
「そう。」
「なんか、ちょっとお客さんが来るから家にいなきゃだけど、すぐに済むからそんなに遅れないって。」
正樹は陽子から話を聞いているらしく、ちょっとニヤニヤした顔で麻友に言った。
この6人は同じ小学校出身で同年代で家が近いのだが、正樹だけ私立の中学校に進んで離れてしまった。
正樹と陽子は、小学校の卒業式の日に陽子から告白して両思いだと分かり、それから付き合いだした。
陽子と正樹と智と春美は、今でもしょっちゅう何かといえば集まって遊んでいるようだ。
ただ、優也は小学5年生の時に転校してきてクラスも違ったため、智とも中学校のバスケ部で知り合った程度だった。
しかも優也はおとなしく、自分のことを話したがったりしない為、両親は何をしてるかとか兄弟がいるのかだとか誰も知らないのだった。
「肝心な時に、なんかミスるよな、あいつ・・・」
智がつぶやいた。
「さぁ、先に入ってましょ!」
陽子が言って、みんなは歩き出そうとしたが、
「優也君が来た時に分からなくなると可哀そうだから、麻友はもう少しここで待っててあげて!」
と陽子は麻友に振り返り、言った。
「俺が待ってようか?」
智が言ったが、
「目立つ麻友の方がいいって!」
と陽子は念押しして麻友にこっそり目配せした。
「う、うん・・・そうね!」
麻友はバケットハットからこぼれている後ろ髪を左手で軽くなびかせながら言った。
ハート目の智を引っ張りながら春美が遊園地の方へと歩き始めた。
「ごめ~ん、麻友~!」
と大声で手を振っている陽子が走ってきた。
勿論、その後ろを他の4人も走ってくる。
(4人?・・・・・あれ?)
斎藤陽子、飯塚正樹、平山春美、山下智・・・・・
(優也は??)
息を切らせた陽子が、麻友に抱き着くようにして、
「待たせてごめ~ん!」
と言ったが、麻友はあくまで山下智の後ろを人待ち顔で見つめた。
(きっと、どたどたとまるでカバの行進のように走ってくるんだろう・・・)
そう考えて見つめている中、みんなは麻友の周りに到着してはぁはぁと息を切らしている。
それに気が付いた陽子が、
「・・・ごめん、優也は・・・」
と麻友に言いかけた。
「えぇ~~~~!」
と言いながら陽子の両頬を両手の平で圧迫した。
「あんた!話が違うじゃん!」
かなり大きい声が出てしまった。
「★◆、★◆、※〇△・・・」
陽子が続けて何か言っているが、分からない。
麻友が手を離すと、
「ちょっと・・・遅れてくるって・・・」
と言った。
「あ~、そうなの。」
と麻友はしれっと言った。
「ホントにあんたは・・・」
と言いながら頬を動かす陽子を智が軽くどかして、
「うわ~、神宮司の私服って、ナウシカみたいだな~!」
と言った。
(ナウシカ??・・・・・ドコガ??・・・・・)
そこにいる全員が智の言葉にキョトンとしていた。
「お姫様みたいだよな~!」
智は意に介せず、正樹の肩に手を置きながら更にそう言った。
(あぁ、お姫様みたいって言いたかったのか・・・)
と皆は何となく納得しながら顔を見合わせた。
「ホントにごめん、遅くなっちゃって!」
今度は春美が話始め、
「すっごく電車が混んでて、前の電車に乗れなかったの。」
と少し興奮気味に言った。
「あぁ~、何かあっちの方で市民交流会?だかあるみたいで、結構人が入っていってるもの。」
と麻友は言った。
そして、一呼吸おいて、
「それは大丈夫だけど・・・ゆう・・・ううん・・・佐々木君は?」
すると今度は正樹が、
「朝8時くらいに電話がかかってきて・・・先に行っててって事になってさ。」
「そう。」
「なんか、ちょっとお客さんが来るから家にいなきゃだけど、すぐに済むからそんなに遅れないって。」
正樹は陽子から話を聞いているらしく、ちょっとニヤニヤした顔で麻友に言った。
この6人は同じ小学校出身で同年代で家が近いのだが、正樹だけ私立の中学校に進んで離れてしまった。
正樹と陽子は、小学校の卒業式の日に陽子から告白して両思いだと分かり、それから付き合いだした。
陽子と正樹と智と春美は、今でもしょっちゅう何かといえば集まって遊んでいるようだ。
ただ、優也は小学5年生の時に転校してきてクラスも違ったため、智とも中学校のバスケ部で知り合った程度だった。
しかも優也はおとなしく、自分のことを話したがったりしない為、両親は何をしてるかとか兄弟がいるのかだとか誰も知らないのだった。
「肝心な時に、なんかミスるよな、あいつ・・・」
智がつぶやいた。
「さぁ、先に入ってましょ!」
陽子が言って、みんなは歩き出そうとしたが、
「優也君が来た時に分からなくなると可哀そうだから、麻友はもう少しここで待っててあげて!」
と陽子は麻友に振り返り、言った。
「俺が待ってようか?」
智が言ったが、
「目立つ麻友の方がいいって!」
と陽子は念押しして麻友にこっそり目配せした。
「う、うん・・・そうね!」
麻友はバケットハットからこぼれている後ろ髪を左手で軽くなびかせながら言った。
ハート目の智を引っ張りながら春美が遊園地の方へと歩き始めた。
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