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序章
僕たち
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僕たちは宇宙の中で存在している、地球上のものでいえばエネルギー生命体に近い存在だ。
星間塵(せいかんじん)を糧として、宇宙空間であれば何万光年も生きていける。
気の合う異属性と合体することで、より一つの生命体となる。
異属性と言うのは君たちでいう異性に近いものである。
厳密な固体名はないので、それぞれをα(アルファ)体・γ(ガンマ)体・β(ベータ)体と呼ぶとしよう。
幾つもの異属性が合体するものもあれば、長い間ずっと1つの個体である物もいる。
一応それぞれに性格みたいなものもあり、それによって個性が存在している。
アルファ体が私だとすれば、人間で云えばかなりオス的であり攻撃心が強い。
また、ガンマ体はメス的で物静かで穏やかだ。
ベータ体はその中間的だが、一番能力は高い。
一つのアルファ体は同じアルファ体以外となら幾らでも合体することができ、逆にアルファ体以外はアルファ体を主としなければ単体のままである。
合体して1つの生命体である時は賑やかではあるが個々の自由は通らず、また単体である時は自由気ままだが静かで物悲しくもなる。
僕たちは、言葉は持たないが一種のテレパスを使って感情を伝え合うことができる。
(お腹がすいた)とか(あの星に行ってみない?)とか。
ある時僕たちは、とある彗星同士の衝突の衝撃に流され引力を持つ星に落ちてしまった。
三体の異属性で作られていた僕らは途中で分裂させられてしまった。
これまで僕は、引力というものの経験がないため自力で浮かび上がることは不可能だった。
それでも、時々気体を揺らす『風』というものの力を借りて少しではあるが移動し続けた。
それは、最初は暖かかったが、少しづつ暑くなり、また涼しくなり、そして冷たくなった。
そうして、いつしかこの地球で言う『1年』という時間が過ぎていた。
この星は地球と呼ばれ、『人間』という先住種が社会を形成しているようだ。
『男と女』という異性によって種の存続を行っている。
いや、この地球に住む動植物はほとんど、その異性というものが時に番(つがい)となって次の世代を生み出している。
僕は、この『人間』達が築き上げた文明に触れながら、少しずつではあるが情報を会得していた。
だが・・・
星間塵の変わりに、様々な物を体に取り込んでみたが、一向にエネルギーが増える事は無かった。
もう、『風』に合わせて高く浮かぶことも出来ず、少しずつエネルギーを失いながらここで消滅するしかなくなっていた。
(最後にもう一度彼女たちと会いたい・・・)
そう望んでわずかな力を振り絞りテレパスを送り続けていた。
僕がテレパスを発するときはどうやら少し青白くぼんやりと光るようだ。
この星には明確な時間があり、明るいと暗いが交互に繰り返されている。
また、若干の温度変化もみられるがエネルギー生命体のような僕らには全く影響しない程度の差であった。
これまでも少しずつ移動してきたが、体はどんどん小さくなっていた。
小さな水の滴が、僕が降りてきた『空』から降るのを何度か見た・・・
白く小さな結晶たちが、僕が降りてきた『空』から降るのを何度か見た・・・
大きな風の渦が、僕を吹き飛ばし、
眩しい『太陽』の光が、僕に少しだけ力をくれた・・・
だけど・・・
僕の体はもうあと少しで無くなってしまうだろう。
そうなれば存在そのものも消えてしまうのだろう。
(彼女たちも、もう消えてしまっているのかもしれない・・・)
それも仕方のないことだろう。
こんな自由に動けない星で、何の糧もない星で、これ以上あがいても無理だろう・・・
そして・・・
テレパスを送ることもこれが最後となるだろう・・・
「君たちは今、どこにいるんだ?」
星間塵(せいかんじん)を糧として、宇宙空間であれば何万光年も生きていける。
気の合う異属性と合体することで、より一つの生命体となる。
異属性と言うのは君たちでいう異性に近いものである。
厳密な固体名はないので、それぞれをα(アルファ)体・γ(ガンマ)体・β(ベータ)体と呼ぶとしよう。
幾つもの異属性が合体するものもあれば、長い間ずっと1つの個体である物もいる。
一応それぞれに性格みたいなものもあり、それによって個性が存在している。
アルファ体が私だとすれば、人間で云えばかなりオス的であり攻撃心が強い。
また、ガンマ体はメス的で物静かで穏やかだ。
ベータ体はその中間的だが、一番能力は高い。
一つのアルファ体は同じアルファ体以外となら幾らでも合体することができ、逆にアルファ体以外はアルファ体を主としなければ単体のままである。
合体して1つの生命体である時は賑やかではあるが個々の自由は通らず、また単体である時は自由気ままだが静かで物悲しくもなる。
僕たちは、言葉は持たないが一種のテレパスを使って感情を伝え合うことができる。
(お腹がすいた)とか(あの星に行ってみない?)とか。
ある時僕たちは、とある彗星同士の衝突の衝撃に流され引力を持つ星に落ちてしまった。
三体の異属性で作られていた僕らは途中で分裂させられてしまった。
これまで僕は、引力というものの経験がないため自力で浮かび上がることは不可能だった。
それでも、時々気体を揺らす『風』というものの力を借りて少しではあるが移動し続けた。
それは、最初は暖かかったが、少しづつ暑くなり、また涼しくなり、そして冷たくなった。
そうして、いつしかこの地球で言う『1年』という時間が過ぎていた。
この星は地球と呼ばれ、『人間』という先住種が社会を形成しているようだ。
『男と女』という異性によって種の存続を行っている。
いや、この地球に住む動植物はほとんど、その異性というものが時に番(つがい)となって次の世代を生み出している。
僕は、この『人間』達が築き上げた文明に触れながら、少しずつではあるが情報を会得していた。
だが・・・
星間塵の変わりに、様々な物を体に取り込んでみたが、一向にエネルギーが増える事は無かった。
もう、『風』に合わせて高く浮かぶことも出来ず、少しずつエネルギーを失いながらここで消滅するしかなくなっていた。
(最後にもう一度彼女たちと会いたい・・・)
そう望んでわずかな力を振り絞りテレパスを送り続けていた。
僕がテレパスを発するときはどうやら少し青白くぼんやりと光るようだ。
この星には明確な時間があり、明るいと暗いが交互に繰り返されている。
また、若干の温度変化もみられるがエネルギー生命体のような僕らには全く影響しない程度の差であった。
これまでも少しずつ移動してきたが、体はどんどん小さくなっていた。
小さな水の滴が、僕が降りてきた『空』から降るのを何度か見た・・・
白く小さな結晶たちが、僕が降りてきた『空』から降るのを何度か見た・・・
大きな風の渦が、僕を吹き飛ばし、
眩しい『太陽』の光が、僕に少しだけ力をくれた・・・
だけど・・・
僕の体はもうあと少しで無くなってしまうだろう。
そうなれば存在そのものも消えてしまうのだろう。
(彼女たちも、もう消えてしまっているのかもしれない・・・)
それも仕方のないことだろう。
こんな自由に動けない星で、何の糧もない星で、これ以上あがいても無理だろう・・・
そして・・・
テレパスを送ることもこれが最後となるだろう・・・
「君たちは今、どこにいるんだ?」
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