30 / 69
最終章
懐かしの中学校
しおりを挟む
太一 :「神山太一と申します。今日から3週間、教育実習でお世話になります。6年前にこの学校を卒業しましたので皆さんの先輩になります。まだ先生で
はありませんので先輩に接する感じで気軽に何でも相談してください。」
太一はゆっくりと全校生徒を見渡しながら、そう挨拶をした。
あちこちで女生徒たちの黄色い声が聞こえる中、白衣を着た美智子がこっそり太一に手を振った。
それを見逃さずに、
男子生徒 :「あ~!・・・今、美智子先生とアイコンしやがった~。」
と騒ぎ出す男子生徒たち。
太一 :「あ~、ごめんごめん。君達の美智子先生とは家が隣同士で同級生で幼馴染なんだ。・・・でも、お互い恋愛対象ではないから安心して!」
太一は最後は右手グー握りで親指を立てて茶目っ気たっぷりに笑って言った。
女子生徒 :「か~わい~!」
女子生徒 :「カワボ半端ない~!」
今度は更にも増して女生徒たちの声が響いた。
パンパンパン
小南教頭先生:「ほらほら、静かに!・・・神山先生も挨拶は要点だけを手短に!」
喋り声が一斉に止まった。
小南静香教頭先生が手を叩きながらきつめの口調でその場を制したのだ。
太一 :「すいません。」
太一はきちんと先生にお辞儀をして朝礼台を降りた。
そして、そそくさと美智子の隣へ小走りに行った。
美智子 :「も~、相変わらず馬鹿ねぇ。」
太一 :「わりぃ~わりぃ~。」
二人は前を向いたまま小声で話し始めた。
小南教頭先生:「では、次に校長先生の・・・・・」
校長先生の話が始まった。
美智子 :「だいたい、教育実習生のくせに初日に遅刻って・・・」
太一 :「昨日、健と夜中まで飲んで盛り上がっちゃってよ。」
美智子 :「昨日の夕方に帰ってきたんだっけ?」
太一 :「そ~、電車乗りす・・・・・」
小南教頭先生:「そこウルサイ!」
太一&美智子:「!」
太一と美智子は一瞬自分達かと思って固まって教頭先生の方を向いたが、どうやら生徒を注意していたようだ。
太一 :「昼休みに保健室に行くよ。」
美智子 :「はいはい。」
そうして、9月新学期早々の朝礼は終了した。
太一は今、体育大学の3年生で体育教師の免許を取る為、母校の中学校に教育実習としてやってきた。
本来は1週間も前には実家に戻り、準備万全で今日を迎えるはずだった。
寮で相部屋の高崎涼さえ風邪をひかなければ・・・・・
太一は職員室で人通りの挨拶を終えると小南先生に連れられて2年2組の教室へやってきた。
休憩時間中の教室は急な来訪に固まってしまった。
担任の小笠原先生も、そのまま英語の授業の準備をしていたが、慌てて教頭先生の元へ走り寄った。
小笠原先生 :「ど、どうされましたか?」
小南教頭先生:「今朝は彼が遅刻してきた為伝えられませんでしたが・・・」
太一を一睨みすると、
小南教頭先生:「彼をこのクラスの副担任として扱ってください。」
小笠原先生 :「えっ?・・・彼は保健体育の・・・」
小南教頭先生:「それだけではなく、バスケットボール部の副顧問として放課後も指導してください。」
小笠原先生 :「は・・・は・い。」
小南教頭先生:「いいですね?」
太一を見て確認した。
太一 :「はい!頑張ります。」
それを聞いて安心した様子で、
小南教頭先生:「では小笠原さん・・・頼みましたよ。」
ガヤガヤガヤ
クラス中が騒ぎ始めた。
太一は、
太一 :「よろしくお願いします。」
と小笠原先生にお辞儀をした。
小笠原先生は華奢ではあるがバスケットボールをしていたという170cmほどの30歳前後ぐらいの女性だ。
太一は高校生までは175cmぐらいだったのだが、大学に行って一気に伸びて今は185cmという恵まれた身長だ。
ただ、大学2年生の夏の大会で膝を壊してしまいプロの道は諦め体育教師を目指すことに決めたのだ。
常にムードメーカーだった太一なので、コーチ兼マネージャーということで大学側は推薦をそのまま継続してくれている。
何より頭を使うのは苦手だが、身体ならばその怪我以外には大した病気にもならないほど丈夫だった。
風邪を引いているルームメートの世話をしても絶対に自分はうつされない自信もあり、結果も伴うのだ。
小笠原先生は教頭先生が出て行くと太一を見上げて、
小笠原先生 :「じゃあ、折角なので・・・又、自己紹介してください。」
と言った。
太一は良い返事をした後に教壇に立ち、10分くらい面白おかしく自己紹介を述べた。
途中、生徒達の幾つかの質問にもきちんと答えた。
女子生徒 :「好きな人とか、彼女はいるんですか?」
太一 :「ん~・・・・・とりあえず、彼女は今までいませんでした。」
女子生徒 :「え~?」
男子生徒 :「そマ?・・・・・イケメンじゃん?」
太一 :「それと・・・・・・・・・・・好きな人は、多分・・・・・います。」
男子生徒 :「たぶん?」
太一 :「う~ん・・・・・・・多分・・・・・」
太一は改めて言い直した。
はありませんので先輩に接する感じで気軽に何でも相談してください。」
太一はゆっくりと全校生徒を見渡しながら、そう挨拶をした。
あちこちで女生徒たちの黄色い声が聞こえる中、白衣を着た美智子がこっそり太一に手を振った。
それを見逃さずに、
男子生徒 :「あ~!・・・今、美智子先生とアイコンしやがった~。」
と騒ぎ出す男子生徒たち。
太一 :「あ~、ごめんごめん。君達の美智子先生とは家が隣同士で同級生で幼馴染なんだ。・・・でも、お互い恋愛対象ではないから安心して!」
太一は最後は右手グー握りで親指を立てて茶目っ気たっぷりに笑って言った。
女子生徒 :「か~わい~!」
女子生徒 :「カワボ半端ない~!」
今度は更にも増して女生徒たちの声が響いた。
パンパンパン
小南教頭先生:「ほらほら、静かに!・・・神山先生も挨拶は要点だけを手短に!」
喋り声が一斉に止まった。
小南静香教頭先生が手を叩きながらきつめの口調でその場を制したのだ。
太一 :「すいません。」
太一はきちんと先生にお辞儀をして朝礼台を降りた。
そして、そそくさと美智子の隣へ小走りに行った。
美智子 :「も~、相変わらず馬鹿ねぇ。」
太一 :「わりぃ~わりぃ~。」
二人は前を向いたまま小声で話し始めた。
小南教頭先生:「では、次に校長先生の・・・・・」
校長先生の話が始まった。
美智子 :「だいたい、教育実習生のくせに初日に遅刻って・・・」
太一 :「昨日、健と夜中まで飲んで盛り上がっちゃってよ。」
美智子 :「昨日の夕方に帰ってきたんだっけ?」
太一 :「そ~、電車乗りす・・・・・」
小南教頭先生:「そこウルサイ!」
太一&美智子:「!」
太一と美智子は一瞬自分達かと思って固まって教頭先生の方を向いたが、どうやら生徒を注意していたようだ。
太一 :「昼休みに保健室に行くよ。」
美智子 :「はいはい。」
そうして、9月新学期早々の朝礼は終了した。
太一は今、体育大学の3年生で体育教師の免許を取る為、母校の中学校に教育実習としてやってきた。
本来は1週間も前には実家に戻り、準備万全で今日を迎えるはずだった。
寮で相部屋の高崎涼さえ風邪をひかなければ・・・・・
太一は職員室で人通りの挨拶を終えると小南先生に連れられて2年2組の教室へやってきた。
休憩時間中の教室は急な来訪に固まってしまった。
担任の小笠原先生も、そのまま英語の授業の準備をしていたが、慌てて教頭先生の元へ走り寄った。
小笠原先生 :「ど、どうされましたか?」
小南教頭先生:「今朝は彼が遅刻してきた為伝えられませんでしたが・・・」
太一を一睨みすると、
小南教頭先生:「彼をこのクラスの副担任として扱ってください。」
小笠原先生 :「えっ?・・・彼は保健体育の・・・」
小南教頭先生:「それだけではなく、バスケットボール部の副顧問として放課後も指導してください。」
小笠原先生 :「は・・・は・い。」
小南教頭先生:「いいですね?」
太一を見て確認した。
太一 :「はい!頑張ります。」
それを聞いて安心した様子で、
小南教頭先生:「では小笠原さん・・・頼みましたよ。」
ガヤガヤガヤ
クラス中が騒ぎ始めた。
太一は、
太一 :「よろしくお願いします。」
と小笠原先生にお辞儀をした。
小笠原先生は華奢ではあるがバスケットボールをしていたという170cmほどの30歳前後ぐらいの女性だ。
太一は高校生までは175cmぐらいだったのだが、大学に行って一気に伸びて今は185cmという恵まれた身長だ。
ただ、大学2年生の夏の大会で膝を壊してしまいプロの道は諦め体育教師を目指すことに決めたのだ。
常にムードメーカーだった太一なので、コーチ兼マネージャーということで大学側は推薦をそのまま継続してくれている。
何より頭を使うのは苦手だが、身体ならばその怪我以外には大した病気にもならないほど丈夫だった。
風邪を引いているルームメートの世話をしても絶対に自分はうつされない自信もあり、結果も伴うのだ。
小笠原先生は教頭先生が出て行くと太一を見上げて、
小笠原先生 :「じゃあ、折角なので・・・又、自己紹介してください。」
と言った。
太一は良い返事をした後に教壇に立ち、10分くらい面白おかしく自己紹介を述べた。
途中、生徒達の幾つかの質問にもきちんと答えた。
女子生徒 :「好きな人とか、彼女はいるんですか?」
太一 :「ん~・・・・・とりあえず、彼女は今までいませんでした。」
女子生徒 :「え~?」
男子生徒 :「そマ?・・・・・イケメンじゃん?」
太一 :「それと・・・・・・・・・・・好きな人は、多分・・・・・います。」
男子生徒 :「たぶん?」
太一 :「う~ん・・・・・・・多分・・・・・」
太一は改めて言い直した。
7
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる