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『上原蓮 〜二人の体育祭〜』第3話:「特別な体育祭」
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1. いつもと違う朝
体育祭当日の朝、俺は鏡の前で何度も髪をセットし直していた。
「……なんで俺、こんなに気にしてんだ?」
いつも通りでいいはずなのに、今日はやけに服のシワが気になったり、靴を磨いてみたりしてしまう。
心のどこかでわかっていた。
——長谷川茜に「かっこいい」と思われたい
そんな気持ちが、確かにあることを。
「……いや、別に。普通通り、普通通り。」
自分に言い聞かせながら、俺は家を出た。
2. 開会式と実行委員の仕事
「上原、今日頼むぞ!」
「おう、そっちの進行表持ってる?」
体育祭実行委員として、朝からバタバタと準備に追われる。
入場門の設置、アナウンスの調整、競技の道具チェック——やることは山ほどあった。
「おーい、上原!」
茜が、グラウンドの向こうから手を振って駆け寄ってきた。
「準備どう?」
「まあ、なんとかって感じ。」
「そっか! さすが!」
茜は爽やかな笑顔を見せる。
……やばい、可愛い。
心の中でそう思った自分に驚く。
「よし! 実行委員として、最後まで全力で盛り上げよう!」
「お、おう!」
なんか、俺、テンションおかしくないか?
3. 競技が進むにつれて
午前中の競技が順調に進んでいく中、俺はふと気づいた。
——茜は、4組のリレーのアンカーだった。
「あれ、長谷川、アンカーなの?」
「うん! 走るの得意だからね!」
茜は得意げに胸を張る。
「じゃあ、お前と勝負することになるかもな。」
「え?」
「俺も、2組のリレーのアンカーだから。」
茜は一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにニヤッと笑った。
「……へぇ、面白いじゃん。」
「負けねぇぞ。」
「望むところ。」
体育祭の実行委員として動き回っていた俺たちだったが、この瞬間、完全に「ライバル」になった気がした。
4. クラス対抗リレー、スタート
午後、体育祭のクライマックスであるクラス対抗リレーが始まった。
俺と茜が、それぞれのクラスのアンカーとして並ぶ。
「位置について——よーい!」
ピストルの音が鳴り、レースが始まる。
仲間たちが次々とバトンを繋ぎ、俺と茜の番が迫ってくる。
「……!」
俺の前の走者が近づく。
バトンを受け取ると、全力で駆け出した。
隣を見ると、茜も走っている。
——速い。
やっぱり、陸上部は伊達じゃない。
でも、俺も負けるつもりはない。
ゴールが迫る。
一歩でも前に。
一瞬の攻防の末——
茜が僅差で俺を抜いた。
「っくそ!」
「やったぁ!!」
茜が両手を上げて喜ぶ。
俺は悔しかったけど、清々しい気持ちもあった。
茜はゴール後、息を切らしながら俺の方を見た。
「上原、いい勝負だったな!」
「……ちくしょう、次は負けねぇからな。」
俺は、悔しさを滲ませながらも笑った。
5. 体育祭が終わり、二人きりの帰り道
体育祭の片付けも終わり、夕方になった。
「はー、疲れたぁ。」
茜が大きく伸びをする。
「でも、楽しかったな。」
「まあな。」
気づけば、帰り道、俺と茜は二人きりだった。
周りの実行委員は先に帰ってしまい、俺たちは遅れて歩いていた。
「なあ、上原。」
茜が、ふと口を開いた。
「ん?」
「上原って、最初ちょっとチャラいのかと思ってたんだよね。」
「……は?」
「でも、ちゃんと真面目に実行委員やってたし、普通に努力家だし。」
茜はニコッと笑った。
「……上原って、思ってたよりずっといいやつだった。」
ドクン、と胸が跳ねる。
「……。」
俺は何か言い返そうとしたけど、言葉が出てこなかった。
「お前もな。」
なんとか絞り出した言葉は、それだけだった。
茜は、少しだけ驚いた顔をした。
それから——
「ふふっ。」
笑った。
「なんか、上原って素直じゃないよね。」
「うるせぇ。」
俺は、無意識のうちに顔を逸らした。
——これ、確定だな。
俺は、長谷川茜のことが好きだ。
体育祭当日の朝、俺は鏡の前で何度も髪をセットし直していた。
「……なんで俺、こんなに気にしてんだ?」
いつも通りでいいはずなのに、今日はやけに服のシワが気になったり、靴を磨いてみたりしてしまう。
心のどこかでわかっていた。
——長谷川茜に「かっこいい」と思われたい
そんな気持ちが、確かにあることを。
「……いや、別に。普通通り、普通通り。」
自分に言い聞かせながら、俺は家を出た。
2. 開会式と実行委員の仕事
「上原、今日頼むぞ!」
「おう、そっちの進行表持ってる?」
体育祭実行委員として、朝からバタバタと準備に追われる。
入場門の設置、アナウンスの調整、競技の道具チェック——やることは山ほどあった。
「おーい、上原!」
茜が、グラウンドの向こうから手を振って駆け寄ってきた。
「準備どう?」
「まあ、なんとかって感じ。」
「そっか! さすが!」
茜は爽やかな笑顔を見せる。
……やばい、可愛い。
心の中でそう思った自分に驚く。
「よし! 実行委員として、最後まで全力で盛り上げよう!」
「お、おう!」
なんか、俺、テンションおかしくないか?
3. 競技が進むにつれて
午前中の競技が順調に進んでいく中、俺はふと気づいた。
——茜は、4組のリレーのアンカーだった。
「あれ、長谷川、アンカーなの?」
「うん! 走るの得意だからね!」
茜は得意げに胸を張る。
「じゃあ、お前と勝負することになるかもな。」
「え?」
「俺も、2組のリレーのアンカーだから。」
茜は一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにニヤッと笑った。
「……へぇ、面白いじゃん。」
「負けねぇぞ。」
「望むところ。」
体育祭の実行委員として動き回っていた俺たちだったが、この瞬間、完全に「ライバル」になった気がした。
4. クラス対抗リレー、スタート
午後、体育祭のクライマックスであるクラス対抗リレーが始まった。
俺と茜が、それぞれのクラスのアンカーとして並ぶ。
「位置について——よーい!」
ピストルの音が鳴り、レースが始まる。
仲間たちが次々とバトンを繋ぎ、俺と茜の番が迫ってくる。
「……!」
俺の前の走者が近づく。
バトンを受け取ると、全力で駆け出した。
隣を見ると、茜も走っている。
——速い。
やっぱり、陸上部は伊達じゃない。
でも、俺も負けるつもりはない。
ゴールが迫る。
一歩でも前に。
一瞬の攻防の末——
茜が僅差で俺を抜いた。
「っくそ!」
「やったぁ!!」
茜が両手を上げて喜ぶ。
俺は悔しかったけど、清々しい気持ちもあった。
茜はゴール後、息を切らしながら俺の方を見た。
「上原、いい勝負だったな!」
「……ちくしょう、次は負けねぇからな。」
俺は、悔しさを滲ませながらも笑った。
5. 体育祭が終わり、二人きりの帰り道
体育祭の片付けも終わり、夕方になった。
「はー、疲れたぁ。」
茜が大きく伸びをする。
「でも、楽しかったな。」
「まあな。」
気づけば、帰り道、俺と茜は二人きりだった。
周りの実行委員は先に帰ってしまい、俺たちは遅れて歩いていた。
「なあ、上原。」
茜が、ふと口を開いた。
「ん?」
「上原って、最初ちょっとチャラいのかと思ってたんだよね。」
「……は?」
「でも、ちゃんと真面目に実行委員やってたし、普通に努力家だし。」
茜はニコッと笑った。
「……上原って、思ってたよりずっといいやつだった。」
ドクン、と胸が跳ねる。
「……。」
俺は何か言い返そうとしたけど、言葉が出てこなかった。
「お前もな。」
なんとか絞り出した言葉は、それだけだった。
茜は、少しだけ驚いた顔をした。
それから——
「ふふっ。」
笑った。
「なんか、上原って素直じゃないよね。」
「うるせぇ。」
俺は、無意識のうちに顔を逸らした。
——これ、確定だな。
俺は、長谷川茜のことが好きだ。
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