年上の許嫁女教師は大胆な帰国子女

日曜日の朝

日曜日の朝、亨は昼近くまで寝込んでいた。
明け方過ぎまでオンラインゲームに夢中になっていたため、11時近くになっても全く起きる気配はなかった。
彼の部屋は静かで、時折ゲームの音だけが聞こえる。
そんな亨とは対照的に、美咲は規則正しく朝の7時には起床し、軽く近所の公園をジョギングした。
運動の後、彼女は里崎家でシャワーを浴びて朝食を頂いた。

もちろん、京さんのお手伝いをしながら。
「これも花嫁修業よ！」
と京さんに言われた美咲は、
「勿論、数年後にはお嫁に来ます！」
と堂々と宣言した。
亨の母親も
「もう、うちの嫁扱いしても構わないわよね？」
と楽しそうに笑い、美咲はその言葉に頬を赤らめる。

「ちょっと様子見てきますね。」
と言う美咲に、京さんは
「子供は結婚してからじゃなきゃダメよ。」
と笑顔で返した。
「はい、わかってます。」
と美咲は微笑みながら答えた。

その後、美咲はこっそりと亨の部屋に忍び込み、静かにドアを閉める。
下着姿になって、静かに亨のベッドに忍び込むと、亨が寝返りを打って大の字になった隙に、その左手を腕枕にして胸元に顔をうずめる。
彼女は亨の匂いを嗅ぎながら、
「亨の匂い、さいこ～！」
と心の中で嬉しさを繰り返す。

亨はTシャツとパンツ姿で薄いタオルケットを被っているだけなのに、美咲の重みに気付かず、いつの間にか美咲も寝入ってしまった。

昼を過ぎて、亨は腹が減ったために目が覚めた。
左手の痺れを感じながらも、右手で触っている柔らかいものの感触に驚く。
頭の中はパニックになりそうだったが、その心地よさから動けずにいた。
少しでも右手を意識すると、美咲の軽い吐息
「あっ…」
が耳に届き、体中のアドレナリンが沸騰しているのを感じた。

長く感じていた時間は実際には10分ほどで、やがて美咲もゆっくりと目を開ける。
「おはよう、亨。」
彼女の甘いささやきに、飛びつきたくなる衝動を抑え、亨はまず右手を離した。
「お、お、おはよう・・・
じゃないだろ！」
つい今しがた気づいて驚いたような顔をする亨に、美咲は笑いながら、
「別に好きなだけ触ってればいいのに。」
と軽く言った。

その言葉に亨は驚き、何をどう反応すればいいのか分からない。
どこまでが本気なのか分からず、とりあえずベッドから起き上がろうとして、左手の痺れで美咲の頭を外せない亨。
「もう…
だんだん慣れてよね。」
と美咲は仕方なさそうに言いながら起き上がる。

その時、亨は目を大きく見開いた。
「！！」
キャミソールの紐が腕にずり落ちてかなり露わになっている上半身を指差して、
「いいから、着ろ！」
と慌てて喚く亨。

「はいはい。」
と気怠そうに紐を直し、入り口に脱ぎ散らかした普段着を着る美咲。
「朝ごはん・・・っていうか昼ご飯、作るね。」
とドアを開けた美咲は、
「あっ、忘れてた。」
と亨に戻って素早くキスをする。
軽く触れるだけのフレンチキスだが、亨は慌てて、
「こら、人のファーストキスを！」
とちょっと怒ってみせた。

「そんなわけないでしょ。」
と美咲は軽く笑い、部屋をあとにした。
亨はその後の出来事を理解する暇もなく、ただ驚きと興奮の中で思考が回らなくなった。
「え？」
と不思議がる亨。
彼の心の中は美咲の存在でいっぱいになり、彼女との関係が新たな段階に進むのではないかという期待感で満たされていった。