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二日酔い
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土曜日の休日、美咲は2日酔いで寝込んでいた。
昨夜の様子からも察しれるし、何と言っても、もう昼近くになるのに一向にうちに来ないからだ。
今度の休日は引っ越しの荷物ほどきを本格的にするから、食事はお願いしますと母親に頼んでいたはずだからだ。
昨夜のカラオケで楽しみすぎた結果、今はただ静かな部屋の中で、頭が重く、気だるさが全身を包んでいるに違いない。
僕はそう思い、コンビニで買ったスポーツドリンクとプリンを手に、彼女の部屋を訪ねることにした。
玄関のドアをノックすると、少し遅れて美咲が出てきた。
頭を押さえながら、スーツが床に脱ぎ捨てられた状態のまま、部屋着姿で現れる。
「頑張って着替えられたんだね」
と僕が言うと、美咲は記憶のない様子で、
「亨が着替えさせてくれたんでしょ?」
と何とか笑顔を作って言った。
「違うけど、とりあえずこれでも飲んでな。」
と言いながら、コンビニの袋を渡す。
美咲はその中身を見て、ホッとした表情を浮かべた。
「ありがとう。
入って。」
と言う彼女に対し、僕は
「これから図書館行くことになってるから、後でまた来るよ。」
と答えた。
「誰と行くの?」
と美咲が少し険しい顔で尋ねてきた。
僕は少し躊躇いながらも、
「クラスの連中たちとだよ。」
と答える。
「優愛も来るんでしょ?」
と聞かれ、
「あ、あぁ。」
とばつが悪そうに返す。
美咲の視線が強く、少し不安を感じた。
「ダメ。
入って。」
と美咲は強引に僕の腕を引っ張った。
その拍子に美咲の体に覆いかぶさるように倒れこんでしまった。
ふわりとした感触に包まれた。
「あ、ごめん。」
と慌てて言うが、美咲はその瞬間を逃さず、僕を抱きしめて起き上がれなくする。
抵抗しようとするが、こう雁字搦めだと動きようがない。
いや、下手に動くと、部屋着がずれて大変なことになるのではないかと、すぐに悟り、力を抜く。
「よしよし、大人の女の魅力に、身を委ねちゃいなさい。」
美咲の耳元での囁きに、思わずゾクゾクしてしまった。
顔がちょうど胸元にあることからも、何か柔らかいものが鼻先を刺激する。
「ちょ、ちょっと…」
と目線を逸らして気付く。
すぐ横のテーブルの足元にブラジャーが落ちていることに。
「!!」
美咲はわざと僕の顔をぎゅっと胸に押し当てる。
「これぐらいあれば、満足できるでしょ?」
意味深な質問に戸惑ってしまう。
「あ、あぁ…」
と半ば諦めにも感嘆にも取れるような返事が漏れてしまう。
「亨の好きにしていいんだよ。」
そう美咲が囁いた瞬間、突然、
「はい、そこまでよ!」
と、僕の祖母でこの部屋の管理人をしている梅子ばあちゃんが、僕の頭を軽くチョップした。
「フフフ。」
と不敵な笑い声を小さく出しながら、亨の下で大の字になっていた美咲から引き離す。
僕はちょっと残念な気持ちになりながらも慌てた振りで起き上がった。
「亨はまだ高校生だから、それ以上はダメよ。」
と梅子ばあちゃんが笑いながら今度は美咲に手を伸ばす。
「はぁい。」
と美咲は可愛く返事をして、その手を取って起き上がる。
その光景を見て、心の中で複雑な思いが渦巻いていた。
美咲との距離が近づいていると思う一方で、こうした小さな出来事がどれほど特別であるかを感じていた。
彼女の隣にいると、何か特別なことが起こる予感がするのを感じながら、心の中で美咲との未来を考え始めていた。
昨夜の様子からも察しれるし、何と言っても、もう昼近くになるのに一向にうちに来ないからだ。
今度の休日は引っ越しの荷物ほどきを本格的にするから、食事はお願いしますと母親に頼んでいたはずだからだ。
昨夜のカラオケで楽しみすぎた結果、今はただ静かな部屋の中で、頭が重く、気だるさが全身を包んでいるに違いない。
僕はそう思い、コンビニで買ったスポーツドリンクとプリンを手に、彼女の部屋を訪ねることにした。
玄関のドアをノックすると、少し遅れて美咲が出てきた。
頭を押さえながら、スーツが床に脱ぎ捨てられた状態のまま、部屋着姿で現れる。
「頑張って着替えられたんだね」
と僕が言うと、美咲は記憶のない様子で、
「亨が着替えさせてくれたんでしょ?」
と何とか笑顔を作って言った。
「違うけど、とりあえずこれでも飲んでな。」
と言いながら、コンビニの袋を渡す。
美咲はその中身を見て、ホッとした表情を浮かべた。
「ありがとう。
入って。」
と言う彼女に対し、僕は
「これから図書館行くことになってるから、後でまた来るよ。」
と答えた。
「誰と行くの?」
と美咲が少し険しい顔で尋ねてきた。
僕は少し躊躇いながらも、
「クラスの連中たちとだよ。」
と答える。
「優愛も来るんでしょ?」
と聞かれ、
「あ、あぁ。」
とばつが悪そうに返す。
美咲の視線が強く、少し不安を感じた。
「ダメ。
入って。」
と美咲は強引に僕の腕を引っ張った。
その拍子に美咲の体に覆いかぶさるように倒れこんでしまった。
ふわりとした感触に包まれた。
「あ、ごめん。」
と慌てて言うが、美咲はその瞬間を逃さず、僕を抱きしめて起き上がれなくする。
抵抗しようとするが、こう雁字搦めだと動きようがない。
いや、下手に動くと、部屋着がずれて大変なことになるのではないかと、すぐに悟り、力を抜く。
「よしよし、大人の女の魅力に、身を委ねちゃいなさい。」
美咲の耳元での囁きに、思わずゾクゾクしてしまった。
顔がちょうど胸元にあることからも、何か柔らかいものが鼻先を刺激する。
「ちょ、ちょっと…」
と目線を逸らして気付く。
すぐ横のテーブルの足元にブラジャーが落ちていることに。
「!!」
美咲はわざと僕の顔をぎゅっと胸に押し当てる。
「これぐらいあれば、満足できるでしょ?」
意味深な質問に戸惑ってしまう。
「あ、あぁ…」
と半ば諦めにも感嘆にも取れるような返事が漏れてしまう。
「亨の好きにしていいんだよ。」
そう美咲が囁いた瞬間、突然、
「はい、そこまでよ!」
と、僕の祖母でこの部屋の管理人をしている梅子ばあちゃんが、僕の頭を軽くチョップした。
「フフフ。」
と不敵な笑い声を小さく出しながら、亨の下で大の字になっていた美咲から引き離す。
僕はちょっと残念な気持ちになりながらも慌てた振りで起き上がった。
「亨はまだ高校生だから、それ以上はダメよ。」
と梅子ばあちゃんが笑いながら今度は美咲に手を伸ばす。
「はぁい。」
と美咲は可愛く返事をして、その手を取って起き上がる。
その光景を見て、心の中で複雑な思いが渦巻いていた。
美咲との距離が近づいていると思う一方で、こうした小さな出来事がどれほど特別であるかを感じていた。
彼女の隣にいると、何か特別なことが起こる予感がするのを感じながら、心の中で美咲との未来を考え始めていた。
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