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年老いた狼Ⅲ 見出した答え
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多摩まで四十分ほどで着いた。問題の白い家をじっとにらんだ。全てはここから始まっている。
事件現場は被害者の無念の声を拾う場だ。自分に残された時間は三か月である。刑事の定年は六十歳。一日足りとて無駄にはできない。
板倉と秋山はまず二階のお目当ての尾坂理佐の住んでいた部屋に向かった。物事の始まりはここだ。第三の住人はこの部屋で生活をしていた。何を見て何を感じたのか理解する必要がある。一見何気ないものがあるはずだ。
例えば引き出しなど。大体こういうところは何か奥に挟まっていたりする。板倉は机や箪笥の引き出しを一つずつ取り出し、中身を空けていく。
やっぱり。思った通りだ。
右側の一番下の引き出しを取り外してひっくり返すと底に何か貼ってあった。引き出しを締まりが悪かったので気
になったのだ。
引っ張り出して現れたのは一冊の茶色のノートだ。
パラパラとめくると日付と文章が書かれている。どうやら日記らしい。板倉は書いてある内容に目を疑った。尾坂
家の家庭環境がよくわかる。
「九月十五日 中間試験の成績が悪かったので遊べない。一緒に行く予定だったコンサートには行けない。母はこれ以上期待を裏切るならよその子を養子に入れるしかないと言い出した。こんなことをいう親がいるのでしょうか?」
「十月六日 友達が悪口言っているのを聞いた。何で自分がこんな目に遭わないといけないのでしょうか?」
「十月七日 自分はこれ以上耐えられない。何のために生きているのかわかりません。さようなら」
板倉は大声で秋山を呼んだ。
「何か見つかりました?」
「日記だ。探せば色々出てくるだろ」
板倉は手に持った日記帳を見せつけて得意げに笑ってみせた。
「ただの昔の日記じゃないですか」
「かなりの証拠だ。こいつは大きいぞ」
理佐の部屋を調べ上げた板倉は見落としがないか考えていた。
「尾坂理佐のアルバムだよ。見ろよ、昔の写真だ」
赤い表紙をしているアルバムに尾坂理佐の子ども時代の写真が貼ってあった。
「死んだ娘の過去なんて漁っても仕方ないでしょ。僕らが捜しているのは犯人に繋がる手がかり関係ないのでは」
「アルバムも日記もバカにするな。犯人が捕まらないのは、どこかで間違った方向に行ったからだよ」
秋山は板倉の執念にあきれていた。
「おい、変だぞ。このアルバム。しかも……」
板倉は尾坂理佐のアルバムをペラペラと眺めていた。年季の入ったアルバムだから黄ばんでいる。十年も経てばそうだろう。歳月を感じる。理佐はこの家の一人娘なのだから。
「あれ? 香西沙良じゃないですか? 何で?」
尾坂理佐の遺品であるアルバムに香西沙良の高校生時代の写真が貼られている。板倉の感じた疑念はそこだ。
「秋山、念のために学校で撮った写真を見せろ」
「いいですけど、どういうことです?」
「紙は古くなると黄ばむ。原因は紙に含まれているリグニンという成分が光に当たったり、空気中の酸素や熱の影響を受けたりして変化してしまう。だが、白い部分があるだろ?」
板倉はトントンとアルバムを叩いた。
「上から貼り直した跡だ。元々貼っていた写真とサイズが違う。尾坂理佐の写真を外して、香西沙良の写真を貼った
のさ」
紙面に写真が貼られると貼られた部分には光や空気中の酸素や熱の影響を受けず白いままになる。
「どうしてそんなことを……」
こんな小細工をしてどうするのか。貼り直したのは間違いなく尾坂夫妻だろう。ただ理由が皆目見当がつかない。
「どうしてだろうな」
「ええ?」
「こいつは立派な貴重品だ。さて、お次は物置部屋か。なんかありそうだな」
「物置も鑑識が調べていましたよ」
「見落としがあるかもしれないだろ。行くぞ」
二階の一番奥にある部屋は普段掃除をしていないのか埃が待っていた。長らく放置されていたと思える酷さだ。
「あーホコリ臭い。酷いな、これ」
秋山が隣でゴホゴホと咳込んでいた。
釣り竿、ゴルフバック、古いカーペット。古くなったものが無造作に置かれている。板倉は全体を見渡していると
気になるところがあった。乱雑な物置で、その部分だけスペースがある。
「ここに何か置いてあったな」
「どうしてですか?」
「ほらカーペットが凹んでいるだろ」
板倉は指さした。羽毛性のカーペットは埃が被りグレーがかっていた。凹みは数十センチで四つあって、色がまだ
白い。
「ここに何が置いてあったと思う?」
板倉は話を振った。凹みは見たところ円形である。ただの箱ならば、置かれた部分はカーペット全体が沈んでいるはずだ。置いてあった何らかの物は四隅を支えにしている。
「ううん。何でしょうかね?」
まあいいさ。ヒントを出そう。
「丸み帯びている。何か運べる物だといえばどうだ?」
「スーツケースとかですか?」
秋山はハッと閃いたように答えた。
「正解」
板倉はとたんに四つん這いになった。
「何をやっているんです?」
秋山が謎の行動をする板倉に呆れた様子で見ていた。
板倉がつかみ取ったのは黒い毛髪だった。長さは一五センチほど女の髪だろうか。まだわからない。だが鑑識に回せば、誰の髪かわかるかもしれない。
「鑑識にこいつを調べてもらおう」
「誰の髪です?」
「お前の質問に質問で返してしまうことになるが。誰も入ろうとしないかび臭い部屋に何で髪が落ちていると思う?」
「夫妻が物置に何かしまうためですかね?」
見ろ、と板倉は毛髪を突き付ける。
「尾坂誠の髪にしては長い。妻の詩織の髪は茶みがかっていただろ。じゃあ誰の髪ってなるよな?」
住んでいた人物は三人だ。尾坂夫妻と居候として住んでいたはずの風井空。誰も近寄らない物置部屋に毛髪なんて
落ちているはずがない。
「死体」
「可能性としてはアリだ」
問題は誰の死体というわけだ。風井空は現在行方をくらましている。三ヶ月に警察が調査をしているが、風井空に
関する目撃情報はなしだ。日本の防犯カメラは五百万台も設置されている。高度に進んだ情報社会において何の情報
もないのはおかしな話だ。
アルバム、日記、物置部屋の凹み、毛髪。
四つも見つかれば大収穫だ。風井空が死んでいる流れで話を進める。尾坂夫妻と生活をしていたのはまた違う人物
というわけだ。
風井空を殺したのは誰になる?
尾坂夫妻を殺した犯人と同一人物なのか?
いけないな、手掛かりが見つかったかと思いきや謎が増えちまったか。板倉はチッと舌打ちをした。
「でも変わった名前ですよね。風井って。尾坂も聞かないですね。香西も。僕は秋山だからな」
秋山がポツリとつぶやいた。板倉は何か閃いたようだ。
風井空、尾坂理佐、香西沙良。
学校で三人の名前を聞いたときに感じた疑問が分かった。発音が似ている。
板倉は物置部屋を出て理佐の部屋のネームプレートを見た。
三人の名前をローマ字にして……
板倉の脳細胞がグルグルと回りだした。偶然ではない。意味がある。メモ帳に三人名前をローマ字で書いた。
OzakaRisa。
KazaiSora。
KozaiSara。
板倉はペンの切っ先をメモ帳でトントンと叩いた。文字数は一緒だ。やっぱり、アナグラムだ。並べ替えだ。
担当教諭の桃井が言っていた三人は何時でも同じとは名前がアナグラムであるから一緒という意味なのだ。
ローマ字にして並べ替えたら尾坂理佐は風井空になり、香西沙良にもなる。何という偶然の一致だろうか。
三人の共通点はわかった。符合した。
「見ろ。担任が言っていたのはこういうことだよ。犯人は香西沙良だ」
「ええ、でも三人がアナグラムで親近感持ったところで、動機は何ですか? 仲が良いって言っても香西沙良が尾坂
夫妻を殺す理由にはならないでしょう。しかも殺すなら十年も経ってどうして?」
「事故だ。多摩市内であった事故だよ。香西沙良は何かの理由で事故にあり、何かの理由で尾坂夫妻と暮らすようになった」
「何かのって」
「事件の糸口はわかっても動機は本人に聞かねえと分からないこともある。まずは大事なのは家にあった死体が誰か
だ。あともう一つ」
板倉は物置をきょろきょろと探す。
「今度は何です?」
「スコップがあっただろ。表に出るぞ。帰る前に確かめたいことがある」
この家に初めて訪れたとき、引っかかていたことがある。ほんのわずかなことだ。
事件現場は被害者の無念の声を拾う場だ。自分に残された時間は三か月である。刑事の定年は六十歳。一日足りとて無駄にはできない。
板倉と秋山はまず二階のお目当ての尾坂理佐の住んでいた部屋に向かった。物事の始まりはここだ。第三の住人はこの部屋で生活をしていた。何を見て何を感じたのか理解する必要がある。一見何気ないものがあるはずだ。
例えば引き出しなど。大体こういうところは何か奥に挟まっていたりする。板倉は机や箪笥の引き出しを一つずつ取り出し、中身を空けていく。
やっぱり。思った通りだ。
右側の一番下の引き出しを取り外してひっくり返すと底に何か貼ってあった。引き出しを締まりが悪かったので気
になったのだ。
引っ張り出して現れたのは一冊の茶色のノートだ。
パラパラとめくると日付と文章が書かれている。どうやら日記らしい。板倉は書いてある内容に目を疑った。尾坂
家の家庭環境がよくわかる。
「九月十五日 中間試験の成績が悪かったので遊べない。一緒に行く予定だったコンサートには行けない。母はこれ以上期待を裏切るならよその子を養子に入れるしかないと言い出した。こんなことをいう親がいるのでしょうか?」
「十月六日 友達が悪口言っているのを聞いた。何で自分がこんな目に遭わないといけないのでしょうか?」
「十月七日 自分はこれ以上耐えられない。何のために生きているのかわかりません。さようなら」
板倉は大声で秋山を呼んだ。
「何か見つかりました?」
「日記だ。探せば色々出てくるだろ」
板倉は手に持った日記帳を見せつけて得意げに笑ってみせた。
「ただの昔の日記じゃないですか」
「かなりの証拠だ。こいつは大きいぞ」
理佐の部屋を調べ上げた板倉は見落としがないか考えていた。
「尾坂理佐のアルバムだよ。見ろよ、昔の写真だ」
赤い表紙をしているアルバムに尾坂理佐の子ども時代の写真が貼ってあった。
「死んだ娘の過去なんて漁っても仕方ないでしょ。僕らが捜しているのは犯人に繋がる手がかり関係ないのでは」
「アルバムも日記もバカにするな。犯人が捕まらないのは、どこかで間違った方向に行ったからだよ」
秋山は板倉の執念にあきれていた。
「おい、変だぞ。このアルバム。しかも……」
板倉は尾坂理佐のアルバムをペラペラと眺めていた。年季の入ったアルバムだから黄ばんでいる。十年も経てばそうだろう。歳月を感じる。理佐はこの家の一人娘なのだから。
「あれ? 香西沙良じゃないですか? 何で?」
尾坂理佐の遺品であるアルバムに香西沙良の高校生時代の写真が貼られている。板倉の感じた疑念はそこだ。
「秋山、念のために学校で撮った写真を見せろ」
「いいですけど、どういうことです?」
「紙は古くなると黄ばむ。原因は紙に含まれているリグニンという成分が光に当たったり、空気中の酸素や熱の影響を受けたりして変化してしまう。だが、白い部分があるだろ?」
板倉はトントンとアルバムを叩いた。
「上から貼り直した跡だ。元々貼っていた写真とサイズが違う。尾坂理佐の写真を外して、香西沙良の写真を貼った
のさ」
紙面に写真が貼られると貼られた部分には光や空気中の酸素や熱の影響を受けず白いままになる。
「どうしてそんなことを……」
こんな小細工をしてどうするのか。貼り直したのは間違いなく尾坂夫妻だろう。ただ理由が皆目見当がつかない。
「どうしてだろうな」
「ええ?」
「こいつは立派な貴重品だ。さて、お次は物置部屋か。なんかありそうだな」
「物置も鑑識が調べていましたよ」
「見落としがあるかもしれないだろ。行くぞ」
二階の一番奥にある部屋は普段掃除をしていないのか埃が待っていた。長らく放置されていたと思える酷さだ。
「あーホコリ臭い。酷いな、これ」
秋山が隣でゴホゴホと咳込んでいた。
釣り竿、ゴルフバック、古いカーペット。古くなったものが無造作に置かれている。板倉は全体を見渡していると
気になるところがあった。乱雑な物置で、その部分だけスペースがある。
「ここに何か置いてあったな」
「どうしてですか?」
「ほらカーペットが凹んでいるだろ」
板倉は指さした。羽毛性のカーペットは埃が被りグレーがかっていた。凹みは数十センチで四つあって、色がまだ
白い。
「ここに何が置いてあったと思う?」
板倉は話を振った。凹みは見たところ円形である。ただの箱ならば、置かれた部分はカーペット全体が沈んでいるはずだ。置いてあった何らかの物は四隅を支えにしている。
「ううん。何でしょうかね?」
まあいいさ。ヒントを出そう。
「丸み帯びている。何か運べる物だといえばどうだ?」
「スーツケースとかですか?」
秋山はハッと閃いたように答えた。
「正解」
板倉はとたんに四つん這いになった。
「何をやっているんです?」
秋山が謎の行動をする板倉に呆れた様子で見ていた。
板倉がつかみ取ったのは黒い毛髪だった。長さは一五センチほど女の髪だろうか。まだわからない。だが鑑識に回せば、誰の髪かわかるかもしれない。
「鑑識にこいつを調べてもらおう」
「誰の髪です?」
「お前の質問に質問で返してしまうことになるが。誰も入ろうとしないかび臭い部屋に何で髪が落ちていると思う?」
「夫妻が物置に何かしまうためですかね?」
見ろ、と板倉は毛髪を突き付ける。
「尾坂誠の髪にしては長い。妻の詩織の髪は茶みがかっていただろ。じゃあ誰の髪ってなるよな?」
住んでいた人物は三人だ。尾坂夫妻と居候として住んでいたはずの風井空。誰も近寄らない物置部屋に毛髪なんて
落ちているはずがない。
「死体」
「可能性としてはアリだ」
問題は誰の死体というわけだ。風井空は現在行方をくらましている。三ヶ月に警察が調査をしているが、風井空に
関する目撃情報はなしだ。日本の防犯カメラは五百万台も設置されている。高度に進んだ情報社会において何の情報
もないのはおかしな話だ。
アルバム、日記、物置部屋の凹み、毛髪。
四つも見つかれば大収穫だ。風井空が死んでいる流れで話を進める。尾坂夫妻と生活をしていたのはまた違う人物
というわけだ。
風井空を殺したのは誰になる?
尾坂夫妻を殺した犯人と同一人物なのか?
いけないな、手掛かりが見つかったかと思いきや謎が増えちまったか。板倉はチッと舌打ちをした。
「でも変わった名前ですよね。風井って。尾坂も聞かないですね。香西も。僕は秋山だからな」
秋山がポツリとつぶやいた。板倉は何か閃いたようだ。
風井空、尾坂理佐、香西沙良。
学校で三人の名前を聞いたときに感じた疑問が分かった。発音が似ている。
板倉は物置部屋を出て理佐の部屋のネームプレートを見た。
三人の名前をローマ字にして……
板倉の脳細胞がグルグルと回りだした。偶然ではない。意味がある。メモ帳に三人名前をローマ字で書いた。
OzakaRisa。
KazaiSora。
KozaiSara。
板倉はペンの切っ先をメモ帳でトントンと叩いた。文字数は一緒だ。やっぱり、アナグラムだ。並べ替えだ。
担当教諭の桃井が言っていた三人は何時でも同じとは名前がアナグラムであるから一緒という意味なのだ。
ローマ字にして並べ替えたら尾坂理佐は風井空になり、香西沙良にもなる。何という偶然の一致だろうか。
三人の共通点はわかった。符合した。
「見ろ。担任が言っていたのはこういうことだよ。犯人は香西沙良だ」
「ええ、でも三人がアナグラムで親近感持ったところで、動機は何ですか? 仲が良いって言っても香西沙良が尾坂
夫妻を殺す理由にはならないでしょう。しかも殺すなら十年も経ってどうして?」
「事故だ。多摩市内であった事故だよ。香西沙良は何かの理由で事故にあり、何かの理由で尾坂夫妻と暮らすようになった」
「何かのって」
「事件の糸口はわかっても動機は本人に聞かねえと分からないこともある。まずは大事なのは家にあった死体が誰か
だ。あともう一つ」
板倉は物置をきょろきょろと探す。
「今度は何です?」
「スコップがあっただろ。表に出るぞ。帰る前に確かめたいことがある」
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