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第7話 逃走の果てに
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「右よ。右」
蓮子はふらつく新出を見て笑う。
「え? なに?」
「そっちじゃない。右だって」
右は崖だった。彼は言われるがまま右に寄った。そちら側は危険な方だと知らないようだ。いい、それでいい。知らなくていい。あなたは多くのことを知りすぎた。
「だってこっちは」
蓮子は近くに寄る。
「いいのよ。気にしないで。怖がらないで。一瞬だから」
彼女は新出を押した。男だから重たかったが、問題はない。彼はよろめき、バランスを崩した。手は空を描き、ふわりと浮かび上がり奈落の底へと落ちた。
「さようなら」
海に落ちてから、少しの間彼が落ちた付近を見ていた。浮かび上がってこないか。この辺りは流れが激しいから、死体もあっという間に沖に行ってしまう。
大丈夫か。名探偵の最期も実にあっけないものだ。でもこれで障害は取り除かれた。あとはのんびりやっていくだけだ。
海辺でも歩こう。
朝方の浜辺には誰もいない。何だか眠い。あの男をうまく酔わせるために、神経を使っていたからだ。軽く散歩でもして、少し休もう。
朝日が蓮子を照らす。一人ぼっちの散歩。一人きりの世界、彼女しか踏み入れることのできない海辺と邸宅は聖域だ。一人きりの生活。さみしいと思ったことはなかった。蓮子はとうの昔からずっと一人だ。これからもそれがずっと続くのだ。
「ああ。朝の海は冷たい」
声がした。蓮子はその声にハッとなった。
死んだはずの亡霊の声だ。聞こえてはならない声だ。
「え? 生きていたの?」
さっき崖から下に落としたはずなのに。酔った後に、海沿いを歩いて海に落ちて死んだという典型的な死に方をさせたのに。死体が上がっていてもこの男とは何の接点もないから疑われようがない。
「あー酷い。ずいぶんひどいことをしてくれたものだ」
「だって」
「君が思っていたほど、僕は酔ってなかったのさ。君が進めてきた強い酒はあらかじめジュースに替えておいた」
「何ですって?」
「シンプルな方法だな。酔っぱらわせて突き落として殺すなんて。目撃者もいないし、完全犯罪だ。惜しむべきは、勧めた酒を毒見してみておけばよかった」
「あなた十分も浮かんでこなかったわ」
「それぐらいなら息を止められる。僕は訓練しているからね」
クッと蓮子は悔しそうな顔を浮かべた。どこまで人を馬鹿にしているのか。
「さ、おっと」
互いが銃を相手に向けるのは同時だった。
「切り札は最後まで取っておくものよ」
「お互いに。そうだね」
「あなたのおかげで打ち方がうまくなったわ。馬鹿なことを考えたものね。犯人に銃の打ち方を教えるなんて。あなたは馬鹿をしたわ」
「別に。自分が練習したかっただけさ」
「それがあなたの過ちよ。あと弾は湿ってしまっては使い物にならない。あなたは隠して銃を持っていたでしょう。そんなの無駄よ」
「どうかな。どちらにせよ、降参したほうがいい」
「降参? 邪魔者を消す絶好の機会なのに」
「僕が一人で君といると思うか?」
「どういう意味?」
「もう君は詰んでいる。君と楽しくバカンスをする間に、僕の相棒、前に話していたけど彼に頼んで、国際指名手配犯を捕らえる準備を進めていたのさ。僕は地元の警察とコネクションがあるからね」
「な、じゃあ」
「君は囲まれていったってわけ」
「ふん、馬鹿にして。この状況下で死ぬのは誰かと言えば」
「ならやってみるといい」
うるさい男だ。蓮子はためらわず引き金に手をかけた。
「あ!」
弾は新出に当たらず、蓮子の手が血に濡れた。彼女はなぜ自身が負傷したのか分からない。彼は向こうの方を向いて、合図を送っていた。
「そういうことだ。君を撃ったのは、ハワイ諸島で一番の狙撃手さ」
蓮子は銃声のした方角を向いたが、誰もいない。
「狙撃手は気配を消すよう訓練されている。多少銃の練習をしたぐらいじゃわからないよ」
手が血に染まり、滴り落ちた。まさかこんなところで。思いもかけない終わりが、蓮子に差し迫っていた。
「降参したほうがいい。いい夢を見ただろう。だけどもう終わりだよ」
涼しい顔を浮かべる彼を、蓮子はにらみつける。まだ終わるわけにはいかない。
向けられた銃口を前にしても、まだ蓮子は可能性を持っていた。銃はこの手にある。片腕から血が滴り、痛みにこらえながらも彼女はまだ戦おうとしていた。
新出は彼女が戦意を失っていないことを感じ取った。
「やめておけ。勝負は見えている」
「ふん。うぬぼれよ。まだ終わっていないわよ」
「弾切れだと言いたいのか? それは危険な賭けだ。もうすぐ地元の警察が来る。大人しく捕まって手当てをしてもらえ」
「こんなところで」
腕から手が垂れ続ける。
「殺したくはない」
「ばかね。あなた警察官じゃないでしょ?」
「君が撃ってくれば当然自分を守らないといけない。正当な権利だ」
「ははっ……」
蓮子の笑いが海辺の砂浜に響き渡る。自分だけの海辺。自分だけの邸宅。ここを奪われたくない。
「残念だわ。あなたとはうまくいけると信じていた」
「そうかい。僕にはいつか終わりは見えていたよ」
「どうして? 気が合ったのに」
「なぜだろうね?」
新出は笑う。その瞳に何の感情も抱かず、負傷した蓮子を見下ろしていた。
「なぜかしら?」
しばらく彼女を見ていた。なるほど彼女は美しい。彼が遭遇してきた女たちの中でも格別美しいが、それだけのことだ。
「君には愛がない」
「何ですって?」
その涼やかな瞳が、流麗な眉が、朗らかな微笑みが、一体何をこの世界にもたらしてきただろうか? そこを考えると新出はこの女が恐ろしくてたまらなかった。関わった者をみんな海に引きずり込む魔物。セイレーン。彼女に相応しい名前だ。
新出は彼女を探し出し、とうとう捕縛するところまで来ている。でも生きていたら今後どのような害悪を世界に残すだろう。
「愛なき者に生きている資格はない」
新出は静かに撃鉄を下ろした。そのさまに蓮子は初めて焦りを覚えた。色々な男たちを篭絡し、眷属にしてきた。彼らの持つ財産と、果ては命さえも奪ってきた彼女の強みは愛の呼びかけであった。しかしここに蓮子の力を付けつけない男がいた。
だめだ、この男。自分の理解の範疇を超えてしまっている。丸で神であるかのように立ち尽くす彼に、蓮子はとうとう顧みず自身の銃を差し出した。まだ一発だけ残っている。この一発に全てを賭けた。ここで死ぬわけにはいかない。
バンと、周囲に銃声がとどろいた。けたたましい音に世界が一度止まったかのように思えた。
「あ……」
虚空にわずかばかりの言葉が飛び出した。苦しみにあえぐ女の姿が、目の前に映る。あとには言葉にならない声が、聞こえてくる。
蓮子は大地に倒れた。最後の見えたのは白い空と、それを覆いつくそうとする大きな影であった。影は彼女の視界を奪った。やがて真っ暗になって彼女の記憶は途絶えた。
「言ったはずだ。やめておけと」
動けなくなった蓮子を哀れに見た。どんな美人も死んでしまえばただの抜け殻だった。生気を失った瞳は、蠟細工で作られた人形と変わらなかった。
ヘイッと大きな呼びかけがした。ようやく来たか。女を捕らえることも大変だった、しかしこれからはもっと大変だ。
新出は手を上げていた。抗う意思はなかった。これから自分に起きることが、彼にはよく分かっていた。自分は取り調べられ、日本に移送されるだろう。そうなれば裁判になるだろう。一度落ちた自身の名声を取り返すために、自分は裁判で戦い必要がある。
名探偵が手にした銃で犯人を処刑した。身を守るために正当な行いか、法の私的乱用か、答えが出るのは日本に戻ってから決まることになるが。それはまた別の話になる。
蓮子はふらつく新出を見て笑う。
「え? なに?」
「そっちじゃない。右だって」
右は崖だった。彼は言われるがまま右に寄った。そちら側は危険な方だと知らないようだ。いい、それでいい。知らなくていい。あなたは多くのことを知りすぎた。
「だってこっちは」
蓮子は近くに寄る。
「いいのよ。気にしないで。怖がらないで。一瞬だから」
彼女は新出を押した。男だから重たかったが、問題はない。彼はよろめき、バランスを崩した。手は空を描き、ふわりと浮かび上がり奈落の底へと落ちた。
「さようなら」
海に落ちてから、少しの間彼が落ちた付近を見ていた。浮かび上がってこないか。この辺りは流れが激しいから、死体もあっという間に沖に行ってしまう。
大丈夫か。名探偵の最期も実にあっけないものだ。でもこれで障害は取り除かれた。あとはのんびりやっていくだけだ。
海辺でも歩こう。
朝方の浜辺には誰もいない。何だか眠い。あの男をうまく酔わせるために、神経を使っていたからだ。軽く散歩でもして、少し休もう。
朝日が蓮子を照らす。一人ぼっちの散歩。一人きりの世界、彼女しか踏み入れることのできない海辺と邸宅は聖域だ。一人きりの生活。さみしいと思ったことはなかった。蓮子はとうの昔からずっと一人だ。これからもそれがずっと続くのだ。
「ああ。朝の海は冷たい」
声がした。蓮子はその声にハッとなった。
死んだはずの亡霊の声だ。聞こえてはならない声だ。
「え? 生きていたの?」
さっき崖から下に落としたはずなのに。酔った後に、海沿いを歩いて海に落ちて死んだという典型的な死に方をさせたのに。死体が上がっていてもこの男とは何の接点もないから疑われようがない。
「あー酷い。ずいぶんひどいことをしてくれたものだ」
「だって」
「君が思っていたほど、僕は酔ってなかったのさ。君が進めてきた強い酒はあらかじめジュースに替えておいた」
「何ですって?」
「シンプルな方法だな。酔っぱらわせて突き落として殺すなんて。目撃者もいないし、完全犯罪だ。惜しむべきは、勧めた酒を毒見してみておけばよかった」
「あなた十分も浮かんでこなかったわ」
「それぐらいなら息を止められる。僕は訓練しているからね」
クッと蓮子は悔しそうな顔を浮かべた。どこまで人を馬鹿にしているのか。
「さ、おっと」
互いが銃を相手に向けるのは同時だった。
「切り札は最後まで取っておくものよ」
「お互いに。そうだね」
「あなたのおかげで打ち方がうまくなったわ。馬鹿なことを考えたものね。犯人に銃の打ち方を教えるなんて。あなたは馬鹿をしたわ」
「別に。自分が練習したかっただけさ」
「それがあなたの過ちよ。あと弾は湿ってしまっては使い物にならない。あなたは隠して銃を持っていたでしょう。そんなの無駄よ」
「どうかな。どちらにせよ、降参したほうがいい」
「降参? 邪魔者を消す絶好の機会なのに」
「僕が一人で君といると思うか?」
「どういう意味?」
「もう君は詰んでいる。君と楽しくバカンスをする間に、僕の相棒、前に話していたけど彼に頼んで、国際指名手配犯を捕らえる準備を進めていたのさ。僕は地元の警察とコネクションがあるからね」
「な、じゃあ」
「君は囲まれていったってわけ」
「ふん、馬鹿にして。この状況下で死ぬのは誰かと言えば」
「ならやってみるといい」
うるさい男だ。蓮子はためらわず引き金に手をかけた。
「あ!」
弾は新出に当たらず、蓮子の手が血に濡れた。彼女はなぜ自身が負傷したのか分からない。彼は向こうの方を向いて、合図を送っていた。
「そういうことだ。君を撃ったのは、ハワイ諸島で一番の狙撃手さ」
蓮子は銃声のした方角を向いたが、誰もいない。
「狙撃手は気配を消すよう訓練されている。多少銃の練習をしたぐらいじゃわからないよ」
手が血に染まり、滴り落ちた。まさかこんなところで。思いもかけない終わりが、蓮子に差し迫っていた。
「降参したほうがいい。いい夢を見ただろう。だけどもう終わりだよ」
涼しい顔を浮かべる彼を、蓮子はにらみつける。まだ終わるわけにはいかない。
向けられた銃口を前にしても、まだ蓮子は可能性を持っていた。銃はこの手にある。片腕から血が滴り、痛みにこらえながらも彼女はまだ戦おうとしていた。
新出は彼女が戦意を失っていないことを感じ取った。
「やめておけ。勝負は見えている」
「ふん。うぬぼれよ。まだ終わっていないわよ」
「弾切れだと言いたいのか? それは危険な賭けだ。もうすぐ地元の警察が来る。大人しく捕まって手当てをしてもらえ」
「こんなところで」
腕から手が垂れ続ける。
「殺したくはない」
「ばかね。あなた警察官じゃないでしょ?」
「君が撃ってくれば当然自分を守らないといけない。正当な権利だ」
「ははっ……」
蓮子の笑いが海辺の砂浜に響き渡る。自分だけの海辺。自分だけの邸宅。ここを奪われたくない。
「残念だわ。あなたとはうまくいけると信じていた」
「そうかい。僕にはいつか終わりは見えていたよ」
「どうして? 気が合ったのに」
「なぜだろうね?」
新出は笑う。その瞳に何の感情も抱かず、負傷した蓮子を見下ろしていた。
「なぜかしら?」
しばらく彼女を見ていた。なるほど彼女は美しい。彼が遭遇してきた女たちの中でも格別美しいが、それだけのことだ。
「君には愛がない」
「何ですって?」
その涼やかな瞳が、流麗な眉が、朗らかな微笑みが、一体何をこの世界にもたらしてきただろうか? そこを考えると新出はこの女が恐ろしくてたまらなかった。関わった者をみんな海に引きずり込む魔物。セイレーン。彼女に相応しい名前だ。
新出は彼女を探し出し、とうとう捕縛するところまで来ている。でも生きていたら今後どのような害悪を世界に残すだろう。
「愛なき者に生きている資格はない」
新出は静かに撃鉄を下ろした。そのさまに蓮子は初めて焦りを覚えた。色々な男たちを篭絡し、眷属にしてきた。彼らの持つ財産と、果ては命さえも奪ってきた彼女の強みは愛の呼びかけであった。しかしここに蓮子の力を付けつけない男がいた。
だめだ、この男。自分の理解の範疇を超えてしまっている。丸で神であるかのように立ち尽くす彼に、蓮子はとうとう顧みず自身の銃を差し出した。まだ一発だけ残っている。この一発に全てを賭けた。ここで死ぬわけにはいかない。
バンと、周囲に銃声がとどろいた。けたたましい音に世界が一度止まったかのように思えた。
「あ……」
虚空にわずかばかりの言葉が飛び出した。苦しみにあえぐ女の姿が、目の前に映る。あとには言葉にならない声が、聞こえてくる。
蓮子は大地に倒れた。最後の見えたのは白い空と、それを覆いつくそうとする大きな影であった。影は彼女の視界を奪った。やがて真っ暗になって彼女の記憶は途絶えた。
「言ったはずだ。やめておけと」
動けなくなった蓮子を哀れに見た。どんな美人も死んでしまえばただの抜け殻だった。生気を失った瞳は、蠟細工で作られた人形と変わらなかった。
ヘイッと大きな呼びかけがした。ようやく来たか。女を捕らえることも大変だった、しかしこれからはもっと大変だ。
新出は手を上げていた。抗う意思はなかった。これから自分に起きることが、彼にはよく分かっていた。自分は取り調べられ、日本に移送されるだろう。そうなれば裁判になるだろう。一度落ちた自身の名声を取り返すために、自分は裁判で戦い必要がある。
名探偵が手にした銃で犯人を処刑した。身を守るために正当な行いか、法の私的乱用か、答えが出るのは日本に戻ってから決まることになるが。それはまた別の話になる。
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