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第2章 前夜
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奇妙な部屋だった。灰色がかった部屋には、何もなかった。王が座るべき椅子と、床に記された奇妙な丸いと。
赤茶色の円が七重になって、部屋の中心に描かれている。何の意味のある紋様なのか、これはそもそも紋様なのか不明だ。この部屋自体がなぞだった。
「わざわざ悪いわね」
西王は玉座のひじ掛けに頬付けをつき、流星を上から見下ろした。彼は秘かに思った。目の前に悠々と座っている
王の背後に何かが憑依していると。それは諸王が持っている王の宝に宿っていると言われる悪霊なのかもしれない。
だが彼女に宿っている霊が、何なのか想像もつかない。西王は、あまりにも美しく荘厳で、会う者すべてを圧倒してしまうことだろう。さっきまで一緒にいた第二の王の夕美の存在がかき消されてしまうほどだ。
「いえ、私もぜひお聞きしたいことがあったので、実にちょうどいい」
流星は、言葉を発するのがやっとだった。
「では、先にあなたの話を聞きましょうか? 私の話は、きっとあなたの話に続くものでしょうから」
彼女はつつましく微笑んだ。でもその半面で、内心彼を馬鹿にしているようでもある。そんなどちらとも言えない笑顔だった。
「どういうことですか?」
「さあ、あなたが話したいことをまずは言ってごらんなさい」
彼は、王が言ったことがわからなかったが、一蹴された。
ここは相手の言うとおりにするしかなかった。もはや王と直接対面で会う機会など早々にないし、場合によってはこの世から消されるかもしれないのだ。
「なぜ陛下を守っていただけなかったのですか?」
「私が?」
「ええ、私は疑問に思っていました。あなたが陛下の近くにありながら、陛下は無念に亡くなられてしまわれたのか
と」
「陛下を死ぬべき定めとしたのはこの私です」
「は?」
思いもよらぬ言葉に、彼は絶句した。
「あの日、敵の手にかかり誘拐され、あなたたちが救出に向かい、助ける途中で深手を負い、それが原因で死ぬことは予期されていたことでした」
ばかな、と彼は思った。
「烈王は野心的な王です。ただ王は互いの領土を不当に占領してはいけないのです。相手の土地に兵をやるには、大
義がいる。それが聖女の意思」
西王は、淡々と話し続ける。
「彼は、姉である聖女を聖都から連れ出し、自国にて西王の討伐を出させるつもりだったのでしょう」
「いくら姉弟とはいえ、あの男の言うことを陛下が聞くとは思えない」
「だから陛下を魔術で操り、檄文を飛ばすつもりだったのでしょう。烈王の背後には、協力は魔術を持ったもう一人
の王がいますから」
「四の王」
「ええ。私から見れば、子供だましな、計画でしたが彼らは真剣に、私を滅ぼし諸王の王になるつもりです。今もそ
うですが」
「そこまで読んでいながら、なぜです?」
「陛下は死ぬ必要がありました」
「なぜ!?」
「この世は長年の戦乱で、人々は争いを望んでいませんでした。すでに疲れ切っていた。陛下もまた同じ。しかし、
争いの種である烈王は取り除かねばならない。仮に本気で排除したければ相当の犠牲がつく。戦いをなくすために戦
わないといけない」
「まさか……」
流星は何となくわかった気がした。西王がやりたかったこと。
「悠久の平和を築くには、犠牲はつきもの。犠牲となるべき最たる存在がいました。聖女がまさしく相応しい」
聖女は慈悲で、穢れのない存在。だから彼女は不可侵な存在だった。もしそんな存在に弓を引くものがいて、彼女
を殺めたりしたら……
「聖女が死ねば、民衆は嘆き、悲しみ、やがて怒りと憎しみを宿すことでしょう」
西王は彼の心を読んでいるように言った。
「とても人が考えることとは思えない」
「そう、王は人ではない」
「そんなはずはない。王の宝を手に入れるまで、あなたも人のはずだ」
「過去はいいのよ、流星。今がどうで、これからがどうなるかが大事なの。そのためにはね、犠牲はつくのよ」
「私は? 私は何のために呼ばれた?」
「あなた?」
「そうだ、わざわざこの茶番のために呼ばれたのか?」
「あなたの存在は、単なる偶然よ。でも聖女の後を継ぐ者が必要だったのは事実。あなたがこんなにも陛下に取り入
るとは思ってもみなかったわ」
「取り入ってなどいない!」
彼は激高する。助けもなく決死の覚悟で、火都に潜入し、聖女を救いだそうとして失敗したわだかまりがついに噴出した。
「いいのよ、そんなのどちらでも。大事な後継者はできた。素晴らしいわ。生まれた子供は幸いにも女子だった」西
王は彼の感情を無視し、話をつづける。
「もはや、陛下の子を宿す手伝いをした私には用はないかとお見受けするが」
「ええ、そのとおりよ」
「ならば、なぜ私を生かしておく?」
「いえ、あなたには死んでもらうわ」
その言葉を聞き、流星はやはりと思った。跡継ぎをいる時点で、どこの馬の骨ともわからぬ存在が必要とは思えない。同時に疑問も残るが、もはやどうでもいい。背筋にひんやりとしたものを感じた。事実、彼が勝てる可能性など皆無だった。ちらりと背後にいるもう一人の王をうかがった。自分は圧倒的に不利だ。
「安心しなさい。後ろにいる夕美はあなたを殺さない」
「なるほど、さしでやるおつもりか?」
「あなたは勘違いをしていますね。私もあなたを殺さない。そもそもただ人であるあなたを殺すなら、さっさとやっています。あなた一人を殺すのに、王が二人も必要ない」
「大層な物言いですね。とても傲慢な」
「ええ、王とは本来そういう者です」
彼は死を恐れていなかった。ただいかに潔く死ねるかを考えていた。
「言葉遊びはやめましょう。殺すならさっさとするがいい。ただ私も剣を極めた者としてむざむざ殺されぬわけにはいかない。この剣は、わかるでしょう。聖なる光を宿している。王とて一太刀浴びれば死に至るかもしれません」
彼の言葉を聞いた途端、西王はぷっと笑った。
「あなたはわざわざ私の心配をしてくれるのですか?」
「ええ」
流星は、決死の構えだった。
「なら少しだけ、お相手致しましょう」
ゆっくりと彼女は立ち上がり、階段を下りていく。もう笑っていなかった。
西王は、流星のもとに歩を進めて、あと五歩ほどのところでぴたりと足を止める。
「剣もなしに私と戦うのですか?」
「私に剣は必要ありません」
「そうですか」
どんな魔術を使うのかわからないが、この余裕は自分を殺すなど造作もないということを指しているらしい。
彼はすっと腰の携えた剣を抜き、王との間合いを図る。
「さあ、そんなお飾りの剣で王と戦えるのか試してごらんなさい」
「なめるな!」
彼は互いの間合いを一瞬にして詰めた。剣先がきらりと光る。とらえた!
剣は、西王の首筋を捕まえ、空を右から左に切った。
赤茶色の円が七重になって、部屋の中心に描かれている。何の意味のある紋様なのか、これはそもそも紋様なのか不明だ。この部屋自体がなぞだった。
「わざわざ悪いわね」
西王は玉座のひじ掛けに頬付けをつき、流星を上から見下ろした。彼は秘かに思った。目の前に悠々と座っている
王の背後に何かが憑依していると。それは諸王が持っている王の宝に宿っていると言われる悪霊なのかもしれない。
だが彼女に宿っている霊が、何なのか想像もつかない。西王は、あまりにも美しく荘厳で、会う者すべてを圧倒してしまうことだろう。さっきまで一緒にいた第二の王の夕美の存在がかき消されてしまうほどだ。
「いえ、私もぜひお聞きしたいことがあったので、実にちょうどいい」
流星は、言葉を発するのがやっとだった。
「では、先にあなたの話を聞きましょうか? 私の話は、きっとあなたの話に続くものでしょうから」
彼女はつつましく微笑んだ。でもその半面で、内心彼を馬鹿にしているようでもある。そんなどちらとも言えない笑顔だった。
「どういうことですか?」
「さあ、あなたが話したいことをまずは言ってごらんなさい」
彼は、王が言ったことがわからなかったが、一蹴された。
ここは相手の言うとおりにするしかなかった。もはや王と直接対面で会う機会など早々にないし、場合によってはこの世から消されるかもしれないのだ。
「なぜ陛下を守っていただけなかったのですか?」
「私が?」
「ええ、私は疑問に思っていました。あなたが陛下の近くにありながら、陛下は無念に亡くなられてしまわれたのか
と」
「陛下を死ぬべき定めとしたのはこの私です」
「は?」
思いもよらぬ言葉に、彼は絶句した。
「あの日、敵の手にかかり誘拐され、あなたたちが救出に向かい、助ける途中で深手を負い、それが原因で死ぬことは予期されていたことでした」
ばかな、と彼は思った。
「烈王は野心的な王です。ただ王は互いの領土を不当に占領してはいけないのです。相手の土地に兵をやるには、大
義がいる。それが聖女の意思」
西王は、淡々と話し続ける。
「彼は、姉である聖女を聖都から連れ出し、自国にて西王の討伐を出させるつもりだったのでしょう」
「いくら姉弟とはいえ、あの男の言うことを陛下が聞くとは思えない」
「だから陛下を魔術で操り、檄文を飛ばすつもりだったのでしょう。烈王の背後には、協力は魔術を持ったもう一人
の王がいますから」
「四の王」
「ええ。私から見れば、子供だましな、計画でしたが彼らは真剣に、私を滅ぼし諸王の王になるつもりです。今もそ
うですが」
「そこまで読んでいながら、なぜです?」
「陛下は死ぬ必要がありました」
「なぜ!?」
「この世は長年の戦乱で、人々は争いを望んでいませんでした。すでに疲れ切っていた。陛下もまた同じ。しかし、
争いの種である烈王は取り除かねばならない。仮に本気で排除したければ相当の犠牲がつく。戦いをなくすために戦
わないといけない」
「まさか……」
流星は何となくわかった気がした。西王がやりたかったこと。
「悠久の平和を築くには、犠牲はつきもの。犠牲となるべき最たる存在がいました。聖女がまさしく相応しい」
聖女は慈悲で、穢れのない存在。だから彼女は不可侵な存在だった。もしそんな存在に弓を引くものがいて、彼女
を殺めたりしたら……
「聖女が死ねば、民衆は嘆き、悲しみ、やがて怒りと憎しみを宿すことでしょう」
西王は彼の心を読んでいるように言った。
「とても人が考えることとは思えない」
「そう、王は人ではない」
「そんなはずはない。王の宝を手に入れるまで、あなたも人のはずだ」
「過去はいいのよ、流星。今がどうで、これからがどうなるかが大事なの。そのためにはね、犠牲はつくのよ」
「私は? 私は何のために呼ばれた?」
「あなた?」
「そうだ、わざわざこの茶番のために呼ばれたのか?」
「あなたの存在は、単なる偶然よ。でも聖女の後を継ぐ者が必要だったのは事実。あなたがこんなにも陛下に取り入
るとは思ってもみなかったわ」
「取り入ってなどいない!」
彼は激高する。助けもなく決死の覚悟で、火都に潜入し、聖女を救いだそうとして失敗したわだかまりがついに噴出した。
「いいのよ、そんなのどちらでも。大事な後継者はできた。素晴らしいわ。生まれた子供は幸いにも女子だった」西
王は彼の感情を無視し、話をつづける。
「もはや、陛下の子を宿す手伝いをした私には用はないかとお見受けするが」
「ええ、そのとおりよ」
「ならば、なぜ私を生かしておく?」
「いえ、あなたには死んでもらうわ」
その言葉を聞き、流星はやはりと思った。跡継ぎをいる時点で、どこの馬の骨ともわからぬ存在が必要とは思えない。同時に疑問も残るが、もはやどうでもいい。背筋にひんやりとしたものを感じた。事実、彼が勝てる可能性など皆無だった。ちらりと背後にいるもう一人の王をうかがった。自分は圧倒的に不利だ。
「安心しなさい。後ろにいる夕美はあなたを殺さない」
「なるほど、さしでやるおつもりか?」
「あなたは勘違いをしていますね。私もあなたを殺さない。そもそもただ人であるあなたを殺すなら、さっさとやっています。あなた一人を殺すのに、王が二人も必要ない」
「大層な物言いですね。とても傲慢な」
「ええ、王とは本来そういう者です」
彼は死を恐れていなかった。ただいかに潔く死ねるかを考えていた。
「言葉遊びはやめましょう。殺すならさっさとするがいい。ただ私も剣を極めた者としてむざむざ殺されぬわけにはいかない。この剣は、わかるでしょう。聖なる光を宿している。王とて一太刀浴びれば死に至るかもしれません」
彼の言葉を聞いた途端、西王はぷっと笑った。
「あなたはわざわざ私の心配をしてくれるのですか?」
「ええ」
流星は、決死の構えだった。
「なら少しだけ、お相手致しましょう」
ゆっくりと彼女は立ち上がり、階段を下りていく。もう笑っていなかった。
西王は、流星のもとに歩を進めて、あと五歩ほどのところでぴたりと足を止める。
「剣もなしに私と戦うのですか?」
「私に剣は必要ありません」
「そうですか」
どんな魔術を使うのかわからないが、この余裕は自分を殺すなど造作もないということを指しているらしい。
彼はすっと腰の携えた剣を抜き、王との間合いを図る。
「さあ、そんなお飾りの剣で王と戦えるのか試してごらんなさい」
「なめるな!」
彼は互いの間合いを一瞬にして詰めた。剣先がきらりと光る。とらえた!
剣は、西王の首筋を捕まえ、空を右から左に切った。
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