罰ゲームから始まる恋

アマチュア作家

文字の大きさ
上 下
5 / 120
告白される

昼休みにて

しおりを挟む
悶々としながら過ごした化学の授業を終えて教室に戻ってきた俺はふうーと息を吐いて、自分の席に座った。
今はお昼休みの時間だ。

『そう、リア充どもがクラスで円卓の騎士みたいに丸い円を作り食べる時間だ。
マジでリア充どもはこの時間になるとうるさい。
本人たちはこれも青春とか思ってそうだが、迷惑をかけてる時点で青春ではない』

するとリア充と思われる集団が俺の席に向かってきた。
そして俺のことを認識すると
「ここの席使っていい?」
むしろ使わせるのが当たり前だろというような表情で言ってきた。

『席を貸してやるのになんで貸してやるのが当たり前だろみたい表情してるんだよ。
当たり前じゃないだろ
だが俺みたいな地味な奴は席を黙って渡すしかないんだかな
悔しい、いつか彼女作ってお前らに見せびらかせながら食べて、羨ましがられてやるよ。』

俺はテストで100点取ってやるみたいな決意をして、空いてる席を探した。
奥の方にポツンと寂しそうに置いてある真新しい席があった。
俺はその席に座ることにした。
リュックをその席にかけて、お弁当をリュックから出して、机において、いただきますといい食べ始めた。
俺は1人でご飯を黙々と食べる。

『はたから見たらぼっちのように見えるだろう。だがおれはぼっちじゃなく友達は1人いる
今日はたまたま休んでいるだけでいるんだよ。
本当だよ?』

そんなどうでもいいことを頭の中で誰かに必死に伝えてたら、隣のグループからまるで宝くじが当たったときような勝ったーという声が聞こえてきた。
何のゲームをしているのだろう?
俺は気になって目線だけ声のした方向に向けた。何のゲームをやっているか見てみると人生ゲームをやっていた。

『いやなんで学校に人生ゲームなんて持ち込んでるだよ。
というか持ってくる時恥ずかしくなかったのか?
しかもそんなでかいのを運んで、重いだろそれ』

1人でツッコミながら誰がやっているのか見てみると先ほど起こしてくれた瑠璃がその中にいた。
「悔しぃ」
どうやら負けたのは瑠璃らしく悔しそうに唇を曲げていた。

『現実じゃ勝ち組でも負け組になってしまう人生ゲーム、これが誠の平等だな、現実じゃーイケメンと美少女が勝ち組で、それ以外とは格差があるからな。
そういやリア充どもはイケメンと美少女はだいだいグループに2人ずつぐらいしかいないあの奴は引き立て役か、可哀想に』

このゲームは罰ゲームがあるのかなと思いながら、俺は残りのおかずを食べた。
『そろそろリア充どもがテニスをしに外に出る頃か、テニス部かわいそうだよな。リア充どもにコート使われてな、整備してないやつに使われるほど最悪なことはない。
だが俺はあいつらがテニスするおかげで早く自分の席に帰れんるんだがな』

俺は弁当を片付けてリュックにしまい自分の机に向かった。
「そ、そろそろいいか?席譲ってもらっても」
俺は他人と話すことがあまりないので噛んでしまった。

『友達が少ないのがばれるような話し方だな俺』

俺は自分のコミリョクの低さに心の中で自虐的に突っ込んだ。




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜

野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」   「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」 この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。 半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。 別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。 そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。 学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー ⭐︎毎日朝7時に最新話を投稿します。 ⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。 ※表紙絵、挿絵はAI作成です。 ※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...